【2024】このミステリーがすごい! 海外部門ノミネート作品予想

2022年10月から2023年9月に発行された海外ミステリー新刊の中から このミステリーがすごい! 2023のランク入りが期待できる作品をセレクトしました。作品選びの参考にしてください。

2022年12月

アクティング・クラス

倦怠期の夫婦、シングルマザーにヌードモデル。社会にうまく馴染めない10人は、人生の変化を求めて演技教室に通い始める。謎の男ジョン・スミスが指導する即興演技クラスに参加するうちに、現実と演技の境界は曖昧に。カラフルに彩られた不穏さが響き渡る。

  • それは現実からの解放ではあるんだけど、妄想世界に飛びこむことでもある。即興劇の内容が魅力的であるだけに、たまらなくおそろしくなる。おそろしいけどページをめくらずにはいられない。
  • 登場人物が無表情で何を考えてるかわからない。 現実と虚構があやふやで怖い。
  • コミュニティーセンターの演技講座に集まった、クセのある男女の群像劇。徐々に現実と空想の世界が入り乱れる、気味の悪さ、不穏さが秀逸。

 

三体0【ゼロ】 球状閃電

両親と食卓を囲んでいた少年・陳(チェン)の前に、それは突然現れた。壁を通り抜けてきた球状の雷(ボール・ライトニング)が、陳の父と母を一瞬で灰に変えてしまったのだ。自分の人生を一変させたこの奇怪な自然現象に魅せられた陳は、憑かれたように球電の研究を始める。

  • やっぱうまいなあ。奇想家かつストーリーテラーは欧米SF界にも、めったにいない。
  • 謎の自然現象「球電」の正体を追う科学者の探究がスリリングだし、その正体から導かれる様々な出来事や存在も盛沢山で、面白さが止まらなかった。科学の進歩と兵器についても考えさせられる。
  • 次第に殺意がエスカレートしていくのが恐ろしい。そしてあまりにもしれっと米中戦争をやっているのが笑う。

真珠湾の冬

グッゲンハイムの謎

2022年11月

グレイス・イヤー 少女たちの聖域

ガーナー郡では、少女たちに“魔力”があると信じられている。その“魔力”が開花する16歳を迎えた少女たちは、ガーナーの外に広がる森の奥のキャンプに一年間追放される。“魔力”を解き放ち、清らかな女性、そして妻となるために。16歳を迎えるティアニーは、妻としてではなく、自分の人生を生きることを望みながら、〈グレイス・イヤー〉に立ち向かう。キャンプではいったい何が? そして、魔力とは?生死をかけた通過儀礼が、始まる──。

  • 結構キツイ描写沢山有りだけどついついページをめくってしまう。自分がキャンプに行ったら、う~ん~、着く前にアウト!だな。
  • すぐには変わらない世界で、一人ひとりが何を見て、選ぶのか。その大切さを感じさせてくれる物語だった。途中の展開は本当に『蠅の王』のようだが、気のせいか女の子だけだと余計に怖い。
  • とてもよかった。フェミニズムディストピア小説となっているけど、フェミニズムが押しつけがましくなく物語として自然と受け入れられ、そして共感や共鳴を感じ、ただただ祈るような気持ちで読み進めた。

木曜殺人クラブ 二度死んだ男

老人探偵グループ〈木曜殺人クラブ〉メンバーのエリザベスが、死んだはずの因縁ある英国の諜報員から手紙を受け取った。彼は2千万ポンド相当のダイヤを盗んだ疑いを掛けられて米国のマフィアから狙われており、協力を求めてきたのだ。そしてクラブのメンバーたちは消えたダイヤとスパイ、凶悪な犯罪者たちにまつわる国際的な大事件に巻き込まれる。

  • 老人探偵団は、老人ながら冴えた頭の閃きを見せる。人生を知った老人だからこそな因縁や人間関係や推理がよかった。
  • 老人ホームに住む4人が活躍するシリーズの第二弾。なかなか読み終わるのが惜しいというのはないけれどこれはまさしくそんな作品。ミステリーとしても面白いけれどウィットに富んだ言葉の数々がたまらない。
  • ミステリの構成もとても凝っていて、二転三転するストーリーにドキドキしっぱなしなのだが、それを凌駕するキャラクター仕立ての上手さに舌を巻いた。大好き!!

 

2022年10月

このやさしき大地

1932年、ミネソタ。教護院に暮らすオディは、ある日、暴力を振るう職員を殺してしまう。彼はおばに会うため、兄や親友、竜巻で母親を失ったばかりのエミーと施設から逃げ出し、一路カヌーでミシシッピ川を目指すが――。少年たちのひと夏の冒険と成長の物語。

  • ずっしりとした読後感。少女エミーの発作による能力には多少とまどったけれど、彼らの子供からの早すぎる離脱に、それでも強く心揺さぶられた。
  • 「ハックルベリー・フィンの冒険」と時代背景も異なりますが、懐かしい物語に再び見える喜びと新しい物語を読む楽しさをたっぷり堪能できる物語です。
  • ひどい待遇を受けていた教護院か、抜け出して川を下る彼らと出会う人たちの描写が素晴らしくとても良かった。おすすめの一冊です。

 

ステイト・オブ・テラー

 

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