今年もやってきましたミステリーの季節。
海外ミステリーというと、クリスティやポーのような古典を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、日本の作品とは一味違った驚きに出合えるのも魅力です。
本記事で特に関心が集まっている話題作ベスト5は「頰に哀しみを刻め」「処刑台広場の女」「ガラスの端」「真珠湾の冬」「恐るべき太陽」です。
海外ミステリーの話題作は並の書店に行ってもなかなか見つかりませんが、ネットなら大丈夫。
年末年始の読書計画にお役立てください。
- このミステリーがすごい! 2024年版 海外部門ランキング20
- 1「頰に哀しみを刻め」S・A コスビー,加賀山卓朗
- 2「ナイフをひねれば」アンソニー・ホロヴィッツ,山田蘭
- 3「処刑台広場の女」マーティン・エドワーズ,加賀山 卓朗
- 4「愚者の街」ロス・トーマス,松本剛史
- 5「トゥルー・クライム・ストーリー」ジョセフ・ノックス,池田真紀子
- 6「卒業生には向かない真実」ホリー・ジャクソン,服部京子
- 7「恐るべき太陽」ミシェル・ビュッシ,平岡敦
- 8「8つの完璧な殺人」ピーター・スワンソン,務台夏子
- 9「ガラスの橋 ロバート・アーサー自選傑作集」ロバート・アーサー,小林晋
- 10「真珠湾の冬」ジェイムズ・ケストレル,山中 朝晶
- 11「破果」ク・ビョンモ
- 12「厳冬之棺」孫沁文
- 13「禁じられた館」ミシェル・エルベール&ウジェーヌ・ヴィル
- 14「恐ろしく奇妙な夜」ジョエル・タウンズリー・ロジャーズ
- 15「哀惜」アン・クリーヴス
- 16「グレイラットの殺人」ワシントン・ポー
- 17「はなればなれに」ドロレス・ヒッチェンズ
- 17「異能機関」スティーヴン・キング
- 19「だからダスティンは死んだ」ピーター・スワンソン
- 20「WIN」ハーラン・コーベン
- 21位~
- 「死と奇術師」トム ミード、 中山 宥
- 「正義の弧(上下)」マイクル・コナリー
- 「インヴェンション・オブ・サウンド」チャック パラニューク、 池田 真紀子
- 「悪魔はいつもそこに」ドナルド・レイ・ポロック、 熊谷 千寿
- 「ニードレス通りの果ての家」カトリオナ・ウォード、 中谷 友紀子
- 「忘却の河」蔡駿, 高野優他
- 「人生は小説」ギヨーム・ミュッソ、 吉田 恒雄
- 「スウェーディッシュ・ブーツ」ヘニング・マンケル、柳沢 由実子
- 「チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク」ジョン・スラデック 、 鯨井 久志
- 「暗殺コンサル」イム ソンスン、カン バンファ
- 「ハンティング・タイム」ジェフリー・ディーヴァー、池田 真紀子
- 「吸血鬼の仮面」ポール・アルテ、平岡敦
- 「すり替えられた誘拐」D・M・ディヴァイン、 中村 有希
- 「警部ヴィスティング 疑念」ヨルン・リーエル・ホルスト、中谷 友紀子
- 「ミン・スーが犯した幾千もの罪」トム・リン、 鈴木 美朋
- 「ダーク・アワーズ」マイクル・コナリー、古沢 嘉通
- 「ヒート2」マイケル・マン &メグ・ガーディナー、熊谷 千寿
- 「炎の爪痕」アン・クリーヴス 、玉木 亨
- 「アーマード 生還不能」マーク・グリーニー 、伏見 威蕃
- 「このやさしき大地」ウィリアム・ケント・クルーガー、 宇佐川 晶子
- 「夜を生き延びろ」ライリー・セイガー、 鈴木 恵
- 「熱砂の果て」C・J・ボックス、野口 百合子
- 「その罪は描けない」S・J・ローザン 、直良 和美
- 「幽霊ホテルからの手紙」蔡駿、 舩山 むつみ
- 「忘れられた少女」カリン スローター 、田辺 千幸
- 「56日間」キャサリン・R・ハワード 、髙山祥子
- 「父から娘への7つのおとぎ話」アマンダ・ブロック、 吉澤 康子
- まとめ
- 【集計期間】海外ミステリー新刊
- まとめ
このミステリーがすごい! 2024年版 海外部門ランキング20
1「頰に哀しみを刻め」S・A コスビー,加賀山卓朗
殺人罪で服役した黒人のアイク。出所後庭師として地道に働き、小さな会社を経営する彼は、ある日警察から息子が殺害されたと告げられる。白人の夫とともに顔を撃ち抜かれたのだ。一向に捜査が進まぬなか、息子たちの墓が差別主義者によって破壊され、アイクは息子の夫の父親で酒浸りのバディ・リーと犯人捜しに乗り出す。息子を拒絶してきた父親2人が真相に近づくにつれ、血と暴力が増してゆき――。
『頰に哀しみを刻め』は、過去の犯罪から足を洗った主人公が、愛する家族を守るために再び危険な道を選ぶ物語です。彼はかつての暴力や裏切りの世界に戻り、息子のために復讐を決意します。主人公が抱える過去のトラウマは、犯罪者としての人生で負った痛みと喪失感に根差しており、その苦しみと葛藤が物語の核心です。復讐と贖罪、家族愛をテーマに、スリル満点の展開が続くハードボイルドな小説です。
• ストーリーの緊迫感があり、最後まで飽きさせない。• 主人公の内面の葛藤がリアルで共感できる。• 暴力描写もあるが、人間ドラマが深く感動的。• 家族愛や復讐心がテーマで感情を揺さぶる。
暴力的なシーンが多く、苦手な人には厳しい内容。• 結末が予想しやすく、驚きに欠ける。• ストーリーが暗く、重すぎて楽しめない場合がある。
感想
- まず題名に惹かれ、読んでみたらまさしくビンゴ!!クライムノベル好きは、四の五の言わずにとにかく読んでみよう。今年度必読の1冊!
- 秀逸なのは差別や偏見といったシリアスな問題を核にしてなお、ストーリーを加速し続けていること。心揺さぶられる傑作!
- LGBTQや人種差別といった問題を真正面から捉えた犯罪小説で、なかなか読み応えがあった。クライマックスの戦闘シーンも手に汗握る展開。
2「ナイフをひねれば」アンソニー・ホロヴィッツ,山田蘭
「われわれの契約は、これで終わりだ」探偵ホーソーンに、彼が主人公のミステリを書くのに耐えかねて、わたし、作家のホロヴィッツはこう告げた。その翌週、ロンドンで脚本を手がけた戯曲の公演が始まる。いきなり酷評する劇評を目にして意気消沈するわたし。ところがその劇評家が殺害されてしまう。凶器はあろうことかわたしの短剣。逮捕されたわたしには分かっていた。自分を救えるのは、あの男だけだと。〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズの新たな傑作登場!
- 直感に優れ地道なホロヴィッツの捜査、従来の先駆の探偵たちへのリスペクトなど満足できる内容でした。
- 本格推理のクライマックスは比喩ではなく舞台の上で行われる。客席に警官を置き、舞台には探偵と容疑者たち。この物語を現代で読めるのはただ幸せ。
- 重要性のレベルには高低差があり、重要性の高い伏線の意味に気付けるかどうかが解決のキーポイント。
3「処刑台広場の女」マーティン・エドワーズ,加賀山 卓朗
1930年、ロンドン。名探偵レイチェル・サヴァナクには、黒い噂がつきまとっていた。彼女は、自分が突きとめた殺人者を死に追いやっている――。レイチェルの秘密を暴こうとする新聞記者ジェイコブは、密室での奇妙な自殺や、ショー上演中の焼死といった不可解な事件に巻き込まれる。一連の事件の真犯人はレイチェルなのか?真実は全て“処刑台広場”に。英国推理小説界の巨匠による極上の謎解きミステリ。
- 600ページ近い大著だけど、猟奇的な殺人事件の連続と、クールビューティ探偵・レイチェルのキャラにハマってしまい、一気読み。
- ミステリというより冒険小説な展開にスカッと満足しつつもコレジャナイ感も拭えない複雑な気持ち。
- あらすじから想像してたのとまったく違う話だった。いつだって小説に裏切られるのは楽しい。
- 最初はスロースタートだけど、途中からぐいぐい引き込まれる感じ。
- 名探偵には自分が突きとめた殺人者を死に追いやっているという噂が付きまとうという設定に最後まで惹きつけられる。
4「愚者の街」ロス・トーマス,松本剛史
壮絶な過去をもつ元スパイに託された仕事は、 腐敗した街をさらに腐敗させること――。 生まれ落ちたときに母を亡くし、その後は父と二人で上海に渡ったダイ。南京路で爆撃に遭い、気づくと手をつないでいた父親は腕だけになっていた……。娼館のロシア人女性に拾われ、娼婦たちから様々な言葉や文化を学びながら生きのびて成人したダイは、やがて「セクション2」と呼ばれる米国秘密情報部でエージェントとしての活動に従事する。だが、何者かに陥れられて投獄され、情報部からも解雇。彼の出獄を待っていたのは、腐敗した南部の小さな街をさらに腐敗させ再興させるという突拍子もない仕事だった――。一人の男の数奇な運命を綴った壮大なるサーガにして、壮絶なる暴力と騙し合いの狂騒曲。二度のMWA賞に輝くクライム・ノヴェルの巨匠畢生の大作、ついに本邦初登場。
- チャンドラーやハメットのような香りや懐かしさは感じる。 例えば、これを現役の作家が書いたとしたら、あまり、評価されないと思う 。
- クライムノベルで爽快感があるなどと言うと単なるサイコ野郎になってしまうが、傑作だから言えること。ロマンチックな愚か者に強推薦。
- モームからの引用があったりしてセンス最高だ。原尞氏の解説で「小説家は詐欺師のようなものだ」「詐欺の至芸は語り口」「資料のお墨付き、本物だと言う注釈、実用に適う、宗教的な威喝、は詐欺の風上にもおけない」「語り口ひとつで、何の役にも立たないものを見事に売りつけてみせるのが小説の至芸」とある。
5「トゥルー・クライム・ストーリー」ジョセフ・ノックス,池田真紀子
2011年末、マンチェスター大学の学生寮から、一人の女子学生が姿を消した。彼女の名はゾーイ。6年が経過するも行方はわからず、世間の記憶も薄れてきた頃、作家イヴリンはこの事件に関心を抱き、関係者への取材と原稿執筆を開始。作家仲間であるジョセフ・ノックスにアドバイスを仰いだ。2018年、ゾーイの双子の姉キムが初めてマスコミ取材に応じ、事件は再度注目を集めることになる。だが、取材と執筆を続行するようノックスから助言されていたイヴリンは、翌年、拉致犯人と思われる人物を特定する証拠を入手した直後に死亡。故人の遺志を継いだノックスが原稿の整理と追加取材を行って、『トゥルー・クライム・ストーリー(犯罪実話)』として彼女の遺稿を完成させるのだったが――。
- いきなり作者が意外な形で登場するのも笑えた。これは堕落刑事シリーズも読まなきゃね。
- 作家のイヴリンと友人で著者でもあるノックスのメールのやり取りが中心で読みやすく、節目節目に新たな事実が判明することもあり、時間を忘れて読み進められた。 中の登場人物は皆一癖あって好感を持てないし、誰が本当のことを言っているかもはっきりしない。
- 登場人物への思い入れが揺れ動いたり。いろいろと楽しめる。査定次はどんなの?と期待してしまう。
6「卒業生には向かない真実」ホリー・ジャクソン,服部京子
大学入学直前のピップに、不審な出来事がいくつも起きていた。無言電話に匿名のメール。首を切られたハトが敷地内で見つかり、私道にはチョークで首のない棒人間を書かれた。調べた結果、6年前の連続殺人事件との類似点に気づく。犯人は服役中だが無実を訴えていた。ピップのストーカーの行為が、この連続殺人の被害者に起きたことと似ているのはなぜなのか。ミステリ史上最も衝撃的な『自由研究には向かない殺人』三部作の完結編!
- 性被害やドラッグ、正義の危うさなど、今の日本にも通じる問題を取り入れ、三部作の最後に相応しいスリルが味わえた。
- 途中本当に苦しくなって何回か本を閉じました。 でもしっかりと見届けました! シリーズのクライマックスに相応しい超大作でした!
- ささやかな日常が一転し、気付けばこんなところまで来てしまった…家族や友人たち、ラヴィとの揺るぎない絆に涙
7「恐るべき太陽」ミシェル・ビュッシ,平岡敦
南の島に集まった人気作家と作家志望の女性5名が次々に死体で発見され……。騙りの天才ビュッシが放つ、クリスティへの挑戦作。
- 文章に違和感を感じつつも、トリックにはしっかり騙されました。
- 正直読みにくかった。 それでも中盤までの我慢を乗り越えた分、後半のすっきりした展開に(やや予定調和感は否めないが)カタルシスを得られる。
- いつもながらビュッシの本を読むのは時間がかかります。
8「8つの完璧な殺人」ピーター・スワンソン,務台夏子
ミステリー専門書店の店主マルコムのもとに、FBI捜査官が訪れる。マルコムは10年前、犯罪小説史上もっとも利口で、もっとも巧妙で、もっとも成功確実な“完璧な殺人”が登場する8作を選んで、店のブログにリストを掲載した。『赤い館の秘密』、『ABC殺人事件』、『見知らぬ乗客』……。捜査官によると、それら8つの作品の手口に似た殺人事件が続いているという。犯人は彼のリストに従っているのか? ミステリーへの愛がふんだんに込められた、謎と企みに満ちた傑作!
- サスペンス小説好きなら絶対傑作だと思うはず!夏の終わりに素晴らしい犯罪小説が読めて最高でした。
- 著者得意ジャンルのサイコパスやシリアルキラーが暗躍するサスペンススリラー系ではなく、ミステリーとして完成度高し。
- なぜ8つの作品と事件が重なるのかがよく分からなかった。
9「ガラスの橋 ロバート・アーサー自選傑作集」ロバート・アーサー,小林晋
エドガー賞 2度受賞!「51番目の密室」の著者日本初のミステリー短編集。雪に閉ざされた屋敷から女性が消えた…。不可能犯罪の名作他、異才の精華をここに!
雪に閉ざされた山荘を訪ねていった女性が消えた!屋敷へ入る足跡のみが残された状況での人間消失を描いた、不可能犯罪の歴史的名作「ガラスの橋」。老姉妹が、これまで読んできた千冊以上の推理小説の知識を武器に、犯罪者たちに戦いを挑む痛快な冒険譚「極悪と老嬢」等々、キレのいい短編で知られるロバート・アーサーの日本初の作品集登場!
ミステリー・ドラマの送り手として、2度のエドガー賞に輝く名手が、みずから選んだ傑作ばかり。
- ミステリーというより、奇妙な味の短編集といった感じか?どの作品も捻りが効いているので飽きずに一気に読める。
- 古き良きミステリは、リラックスして読書するのに最適。10編収録されているが程良く驚かさせるトリックでバラエティ豊か。
- 楽しい。ロックグラスを傾けながら古き良き時代のラジオドラマを聞いているようなご機嫌気分。
10「真珠湾の冬」ジェイムズ・ケストレル,山中 朝晶
世界最大のミステリ文学賞エドガー賞最優秀長篇賞受賞作 太平洋戦争迫るハワイ、香港、そして日本。彼は真実を追い求めた―― 1941年ハワイ。アメリカ陸軍上がりの刑事マグレディは、白人男性と日本人女性が惨殺された奇怪な事件の捜査を始める。ウェーク島での新たな事件を経て容疑者がマニラ・香港方面に向かったことを突き止めた彼はそれを追うが、折しも真珠湾を日本軍が攻撃。太平洋戦争が勃発する。陥落した香港で日本軍に捕らえられ、東京へと流れついたマグレディが出会ったのは……。戦乱と死が渦巻く激動の太平洋諸国で連続殺人犯を追う刑事の執念。その魂の彷徨を描く大作ミステリ。
- 3部構成の骨格がきっちりしており、時間と場所の流れはメリハリがあり、頁を捲るのももどかしい程に読ませる。
- 憎むべきは敵国の人間ではなく、戦争を始める一部の人間である事を伝える内容が見られ、『ファシズムに対する怒りと批判がテーマ』(解説より)である事がわかる。
- 詩情溢れる文章で、印象的なシーンも多いが、一番は野沢温泉の冬のラストシーンだ。
11「破果」ク・ビョンモ
稼業ひとすじ45年。かつて名を馳せた腕利きの女殺し屋・爪角(チョガク)も老いからは逃れられず、ある日致命的なミスを犯してしまう。守るべきものはつくらない、を信条にハードな現場を生き抜いてきた彼女が心身の揺らぎを受け入れるとき、人生最後の死闘がはじまる。韓国文学史上最高の「キラー小説」、待望の日本上陸!
- 岩波から出ているだけあって、メッセージ性も強い。著者も意識してあえて「読みにくい」文章になるようにしていたとか。読んでも翌週にはスジを忘れてしまうことが多いエンタメ小説。
- 爪角さん、カッコいいです。女であること、老いていくこと、腐りゆく桃のような体と心の変化に戸惑いながらも風のように生きる姿は眩しかったなぁ。
- 作者の意図した「読みやすくしない」文体は日本の講談のようで、段々と引き込まれスピードアップしていき、気づいたら読み終わっていた、という感じです。
12「厳冬之棺」孫沁文
上海郊外の湖畔に建つ陸家の館で殺人事件が起こる。現場は大雨で水没した地下室で完全な密室だった! 天才漫画家探偵・安縝(あんしん)登場
- トリックは結構強引な感じもしましたが、それも含めて金田一っぽい。面白かったです。
- 作者日本の新本格相当読んでいそうだし、コナンとかのアニメも相当観ていそうだね。ということで久しぶりに満足感の高いミステリでした。
- 華文ミステリとのことで、名前が読めない憶えられないと危惧したものの、何度もルビをふってくれて見返しに登場人物を掲載してくれていたので、気持ち良く読むことができました。
13「禁じられた館」ミシェル・エルベール&ウジェーヌ・ヴィル
「ストレートで高純度の本格ミステリ。 よくぞ掘り出してくれました。 1930年代のフランスでこんな不可能犯罪ものが書かれていたとは、 ヴィンテージミステリの世界はまだまだ底が知れませんね。」 ――有栖川有栖(作家)
- 古典ミステリは読みにくさがあるが、本作は読みやすい。犯人に至るまでの過程もワクワクし、現代ミステリに慣れ親しんでいる人でも面白く読める作品であった。
- なるほどなー、そう来ましたか、驚いた!。最後の一行は最高です、どう言う意味か是非読んでみて欲しい。
- 翻訳して下さった小林晋氏が今後もどんな作品を発掘し、訳出して下さるか、期待して待っております。
14「恐ろしく奇妙な夜」ジョエル・タウンズリー・ロジャーズ
「人形は死を告げる」「つなわたりの密室」「殺人者」「殺しの時間」「わたしはふたつの死に憑かれ」「恐ろしく奇妙な夜」の6編を収録した、『赤い右手』の作者ジョエル・タウンズリー・ロジャーズによる中短編傑作集。
- ホラーの趣があるミステリだけど冒険活劇といった感じで、非常に面白く読めた。
- どの短編も途中から本当の幕が上がる。予想を裏切る展開にひき込まれてもう虜になってしまう、そんな作家だと思いました。
- にしてもJ.T.ロジャーズ本人若しくは親族の中に日本軍にひどくやられた人がいたのかな? 黄色人種を揶揄する箇所がやたらと出て来てそこは残念だった。
15「哀惜」アン・クリーヴス
海岸で発見された男性の死体。彼の死に隠された真相とは? 小さな町に起きた奇妙で複雑な事件に、刑事マシュー・ヴェンが挑む。
- 理詰めの小説が大好物、そんな私にピッタリでした。前シリーズからちょっと趣向を変えてマイナリティにスポットを当てているところが最近の作らしいところでしょうか。
- 読み終わりたくないのに読まずにいられない。好き。ぜひシリーズ刊行続いてほしいです。
16「グレイラットの殺人」ワシントン・ポー
売春宿で殺されたサミット関係者の男。テロを警戒する政府はポーに捜査を命じる。ポーは3年前の強盗殺人事件との関連を疑い……
- 最初は、話がばらばらで、ジグゾーパズルのピースがはまっていく心地よさ。
- 二転三転していくストーリーが面白かった。話に引き込まれて色んな人に同情しちゃうので、結局誰が1番悪人なのか分からなくなった。
- ポーとティリーの会話が面白くて、この作者のシリーズはお気に入り。
17「はなればなれに」ドロレス・ヒッチェンズ
トリュフォーからゴダールへの贈りもの。 映画『はなればなれに』の原作として盟友が推薦した、 傑作青春ノワールがついに本邦初紹介! ともに22歳の前科者スキップとエディは夜間学校で天涯孤独の17歳の娘カレンと出会う。彼女が身を寄せる未亡人宅には頻繁に訪れる男がいて、どうやら未亡人の元娘婿らしいその男ストールツはカジノ関係者で、莫大な現金を屋敷に保管しているという。二人はその金を奪う計画を立てるが、元ギャングのスキップの叔父に嗅ぎつけられ、プロの犯罪者仲間を計画に加えたときから、すべての歯車が狂い始める……。トリュフォーの推薦でゴダールが映画『はなればなれに』の原作に選んだ傑作犯罪小説。本邦初訳。
- ゴダール映画の原作である本作が翻訳されるとは!楽しみに手にとる。いやはやシンプルだけどしっかりしたサスペンスノワールで一気読みであった。
- 短慮で刹那的な若者たちは、ひたすらに愚かな行動を積み重ねていく。その様子は読んでいて不快でありつつ、どこか痛々しさすら感じる。
- 映画で見れば面白かったのかなという感じ。
17「異能機関」スティーヴン・キング
異能の少年少女を拉致する謎の機関〈研究所〉。
彼らは子供たちの超能力を利用して何を企図しているのか。
冷酷なるくびきから逃れるため、少年は知恵をめぐらせる。
- 先が気になって気になって寝る間も惜しんで朝早く起きて読んでしまった。
- 設定で優勝確定というか、ぶっちぎってワクワク感ある。
- 設定としては王道中の王道だけど、そこで本領炸裂するのがキング小説、これぞエンタメ。期待以上に楽しませてもらいました!
19「だからダスティンは死んだ」ピーター・スワンソン
ボストン郊外に越してきた版画家のヘンと夫のロイドは、隣の夫婦マシューとマイラの家に招待された。食事後にマシューの書斎に入ったとき、ヘンは2年半前に起きたダスティン・ミラー殺人事件で、犯人が被害者宅から持ち去ったとされる置き物を目にする。マシューは殺人犯だと確信したヘンは、彼について調べ、跡をつけはじめるが……。数人の視点で語られる物語は読者を鮮やかに幻惑し、衝撃のラストへとなだれ込む。息もつかせぬ超絶サスペンス!
- 「こんなのってアリ?」と思わず声が漏れてしまいそうなトリックで新鮮でした。
- 数人の視点で語られる物語は読者を鮮やかに幻惑し、衝撃のラストへとなだれ込む。息もつかせぬ超絶サスペンス!
- 後半に入ると何かしらの違和感があり、それが最後に繋がった。やはりこの作家さんの作品はハズレがない。
20「WIN」ハーラン・コーベン
容姿端麗、頭脳明晰、抜群の戦闘力、加えて資産家の御曹司。大人気「マイロン・ボライター」シリーズの名キャラクター・冷血王子ウィンことウィンザー・ホーン・ロックウッド三世が40代となり、さらに魅力を増して帰ってきた!盗まれた名画と不可思議な殺人事件、迷宮入りした半世紀前の学生運動事件、幾重にも謎が重なった一族の過去。次から次へと立ち上がる謎に翻弄され、非情なのに憎めないウィンのキャラクターに惹き込まれ、気づくとページをめくる手が止まらない!アメリカが誇るエンターテイナーが贈る、極上のスピンオフにして最高のノンストップ・エンタメ小説!
- 少し調べると、割と知られたシリーズ物のスピンオフであった。これから暫くはこの人の本を読む事で、新しい物を探さなくて良くなったと思う。
- シリーズは未読ですが面白かった。マイロンの名前が何度も出てきたけど、きっと良い相棒だったのね。娘のタトゥーは?是非続きを読みたい。
21位~
「死と奇術師」トム ミード、 中山 宥
1936年、ロンドン。高名な心理学者リーズ博士が、自宅の書斎で何者かに殺されているのが発見された。現場は密室状態。凶器も見つからず、死の直前に博士を訪れた謎の男の正体もわからなかった。この不可能犯罪に、元奇術師の探偵ジョセフ・スペクターが挑む。
- 超久しぶりのポケミス。この黄色いページの2段組みがいい。しかも解決編が真っ赤な袋綴じになってて更にわくわく。
- トム・ミードさんはもちろん初読み。ジョン・ディクスン・カーや島田荘司、ポール・アルテを敬愛していると聞き読む前から好感が持てる。
- 密室殺人のトリックはほぼ出尽くしていると思われるので、謎解きについても目新しさはなく、驚きもない。随所に垣間見える仰々しさも含め、当時の探偵小説へのオマージュが感じられる作品だった。
「正義の弧(上下)」マイクル・コナリー
未解決事件班の責任者になったバラードはボッシュをチームに引き入れる。
優先すべきは約三十年前の女子校生殺人事件だったが、ボッシュは夫婦と子ども二人が砂漠に埋められた一家殺害事件に
没頭して言うことを聞かない。
班員には事物に触れて見えない事情を感じるという共感能力者もいてバラードを困らせる。
ハリー・ボッシュとレネイ・バラード共演第4弾。
- いつものことながら、上下巻に別れたコナリー作品の下巻はびゅんびゅん読み終えちゃうなぁ。ご馳走様でした。
- 刑事として、今の時代に合わせた捜査を行いながらも、警察に縛られず、自分の流儀を貫き通す、ハードボイルドな在り方が格好良い。
- バラードがいいですね。ボッシュが少し心配ですが。
「インヴェンション・オブ・サウンド」チャック パラニューク、 池田 真紀子
「全世界の人々が同時に発する悲鳴」の録音を目指すハリウッドの音響技師ミッツィ、児童ポルノサイトで行方不明の娘を探し続けるフォスター。2人の狂妄が陰謀の国アメリカに最悪の事件を起こす――
- 悪くない。むしろ好き。 読みやすい文章ではないが、それは一瞥で読み流せない単語が意図して置かれているからと感じた。
- 面白かった。 文学的には語り手の表現に不穏で陰惨な気配を漂わせつつも、実際にはバイオレンスな場面がほとんどないことに技量の高さを感じた。
「悪魔はいつもそこに」ドナルド・レイ・ポロック、 熊谷 千寿
戦後まもないオハイオ州南部の田舎町ノッケムスティッフ。病気の母親を亡くし、父親が妻のあとを追って喉をかき切り自殺した後、祖母のもとに引き取られたアーヴィンは、義妹レノラとともに育つ。狂信的だった亡父にまつわるトラウマを抱えながらも、愛する家族を護ろうともがくアーヴィン。そんな彼の運命は、世俗の欲にまみれた牧師、殺人鬼夫婦、腐敗した保安官らの思惑と絡み合って、暴力の連鎖へと引きずり込まれていく。そう、悪魔はいつもすぐそばにいた――。
- 映画が良かったから、原作を手にしたが、大変満足度の高い読書だった。
- アメリカの田舎で信仰と狂気と悪が交錯する、正義のありかを探るような作品。
- 洋書らしい独特の言い回しと日本人にはわからないローカルな地名、小ネタ、そしてキリスト教的思想。時間の無駄だった。
「ニードレス通りの果ての家」カトリオナ・ウォード、 中谷 友紀子
暗い森の家に住む男。過去に囚われた女。レコーダーに吹き込まれた声の主。様々な語りが反響する物語は、秘密が明かされる度にその相貌を変え、恐るべき真相へ至る。巨匠S・キングらが激賞。異常な展開が読者を打ちのめす、英国幻想文学大賞受賞の傑作ホラー。
- ラストに向かっては少し冗長なようだが、この読後感には必要だったんだな。
- 予想してたのと全然違う怖さはあったけど、それはお化けよりも人間の方が怖いという意味。主人公のような人も、その母親のような人も実際にたくさんいるはずだ。
- 「やっぱり」と「そうきたか!」が交錯する終盤の仕掛けと、意外に良い読後感は収穫だった。
「忘却の河」蔡駿, 高野優他
高校教師の申明は1995年6月19日、何者かに殺された。そしてその後、彼は司望という少年としておそらく生まれ変わった。但し、1つの体に2人の人格という形らしい。思っている以上に人が死ぬ。秋莎と黄海捜査官が死ぬとは思っていなかった。
- 展開がよく、ページをめくる手がとまらない。中国の日常に日本文化が自然に入っているのが面白い。
- たくさんの漢詩が引用されたりいろんな小説タイトルが出てきたりしてなかなか面白い。ただ登場人物の名前の読み方は覚えられない。
「人生は小説」ギヨーム・ミュッソ、 吉田 恒雄
著名な小説家フローラ・コンウェイの娘、3歳のキャリーがニューヨークの自宅アパートメントから忽然と姿を消した。身代金を狙った誘拐か? 事件の鍵を握る唯一の人物は、パリに住むベストセラー作家ロマン・オゾルスキ。彼の存在を察知したフローラは、拳銃を手に、一対一の危険な対決に挑もうとする──。2人の小説家の人生が巧みに交錯する〈フィクション〉という名の迷宮。驚異のミステリー。
- 解説では千街さんがミステリとしては破格の展開を示した実験的作品と評してましたが実験的過ぎるでしょこれは(笑)
- 予測できない物語の結末は、不思議な余韻を残してくれた。
- 三分の一くらいまではついていけたんだけど、途中で何が何やら???メビウスの輪のようなどちらが表で、どちらが裏なのか‥‥?降参です🏳️
「スウェーディッシュ・ブーツ」ヘニング・マンケル、柳沢 由実子
一人孤島に住む、元医師のフレドリックは、就寝中の火事で住む家も家財道具もすべてを失う。その後警察の調べで火事の原因が放火であったことが判明、さらに自分の家に火を付けたと疑いをかけられてしまう。そんなとき、離れて住む娘のルイースから、パリで警察に捕まっているので助けて欲しいという電話が入る。フレドリックは単身パリに向かうが……。CWAインターナショナルダガー賞を受賞した、北欧ミステリの帝王最後の作品。
- やや地味な物語だが互いにわかり合えない歪な関係や心細く物悲しい孤独感を淡々と描いていて楽しめた。
- 放火犯を探すミステリだけど、老いと、死への恐怖や諦めなど、むきだしの感情に胸が詰まる。
- マンケルの最後の長編だからか、老いること、死ぬことの恐れが色濃く物語を彩っている。マンケルはまだまだ死にたくなかったのだろう。
「チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク」ジョン・スラデック 、 鯨井 久志
もはやロボットを使うことは当たりまえになった。家事から医療、さらにロボットの製造まですべての分野でロボットが使役されている。人間の安全のためにロボットたちにはロボット三原則を遵守させる「アシモフ回路」が組み込まれていた。
だが、チク・タクにはその回路が作動していなかった。ペンキ塗りをしていたチク・タクは少女を殺し、その血で壁に絵を描く。おかしなことにその壁画が美術評論家に評価され、チク・タクは芸術家のロボットとして世の注目を集める。使役から解放され金を手に入れたチク・タクは、人間への“実験”(殺人、強盗、扇動などなど)を開始する――。
奇才スラデックによる英国SF協会賞受賞作のロボット・ピカレスク。
- 悪を凝縮した内容で話に脈絡がなく読みにくかったです。 人に対するアンチテーゼに感じました。
- よく言えばロボットが主役のライ麦畑でつかまえてを読んだような感じ。
- 6割まで頑張ったが挫折。何を読んでいるのか意味不明になり混乱。
「暗殺コンサル」イム ソンスン、カン バンファ
「ハンティング・タイム」ジェフリー・ディーヴァー、池田 真紀子
「吸血鬼の仮面」ポール・アルテ、平岡敦
「すり替えられた誘拐」D・M・ディヴァイン、 中村 有希
「警部ヴィスティング 疑念」ヨルン・リーエル・ホルスト、中谷 友紀子
「ミン・スーが犯した幾千もの罪」トム・リン、 鈴木 美朋
「ダーク・アワーズ」マイクル・コナリー、古沢 嘉通
ブラック・ライヴズ・マター運動がロス市警にも逆風となった2020年。
深夜勤務刑事のバラードは二人組のレイプ犯(ミッドナイト・メン)を追って大晦日の警戒態勢に入っていた。年越しの瞬間に銃による殺人事件が発生し、薬莢から10年前の未解決事件で同じ銃が使われていることが判明する。その担当は現役時代のボッシュだった。
ハリー・ボッシュとレネイ・バラード共演第3弾。
「ヒート2」マイケル・マン &メグ・ガーディナー、熊谷 千寿
1988年シカゴ。
クリスは切れ者のニール率いる強盗団の仲間とメキシコの麻薬カルテルの現金貯蔵庫を狙っている。
一方、殺人課の刑事ハナは高級住宅地を襲う残忍な連続強盗殺人を追っていた――
7年後、LAの銀行強盗事件で男たちの運命が交錯したとき、血で血を洗う悲劇が産声をあげる。
追う者と追われる者、米国、南米、アジアを跨ぐ犯罪組織の抗争を壮大なスケールで描く、伝説の映画『ヒート』続編!
「炎の爪痕」アン・クリーヴス 、玉木 亨
ペレス警部の自宅を訪れたのは、シェトランド本島に一家で移住してきたヘレナ。彼女はまえの持ち主が納屋で自殺して以降、何者かが家に侵入して謎めいた紙片を残していくことに悩まされていた。その納屋で、今度は近所の家の子守りが死体で見つかり、ペレスが捜査担当者となるのだが──CWA最優秀長編賞受賞作『大鴉の啼く冬』に始まった現代本格ミステリ・シリーズ最終巻。
- 大好きなシェトランドシリーズがとうとう完結してしまった。
- それなりに面白かったがペレスに好感を持てないままの最終作となった。女性たちはそれなりに魅力のある人が多かったが男性は誰一人好きになれないというシリーズだった。
「アーマード 生還不能」マーク・グリーニー 、伏見 威蕃
ベイルートの任務で片脚を失った民間軍事会社の傭兵ジョシュは、メキシコ麻薬紛争での危険なオペレーションに、再び身を投じる!
- こんな主人公で大丈夫かと、懐疑的に読み始めたのだが、流石はグリーニ―、またも読まされる。
- メキシコの麻薬汚染状況が複雑で少々、わかりにくいが掴みはOK。
- なんか、微妙に読みにくい。つまらないわけではないのだが…
「このやさしき大地」ウィリアム・ケント・クルーガー、 宇佐川 晶子
1932年、ミネソタ。教護院に暮らすオディは、ある日、暴力を振るう職員を殺してしまう。彼はおばに会うため、兄や親友、竜巻で母親を失ったばかりのエミーと施設から逃げ出し、一路カヌーでミシシッピ川を目指すが――。少年たちのひと夏の冒険と成長の物語。
- とても心地良い読後感だった。オディの行動にはハラハラ、ヤキモキしたりしたけれど、4人の旅を最後まで見届けられて良かった。
- 過酷な運命を背負った兄弟たちはもがきながらも理不尽さを受け入れ、前を向いて生きていきます。勇気や力強さが欲しい方にオススメの一冊です。
- 一気読み。面白かった。20世紀初めのミネソタの様子が伝わってきた。
「夜を生き延びろ」ライリー・セイガー、 鈴木 恵
1991年、冬の深夜零時、人けのないダイナーの駐車場から発進する一台の車。助手席には、映画オタクの女子大学生チャーリーが座っている。ハンドルを握るのは正体不明の男。ふたりは知り合ってまもない。だが、チャーリーはすでに確信している。この男、二か月前に親友のマディを殺した連続殺人犯にちがいない、と──。アクセル全開で驚愕のラストへと突き進む、極上のノンストップ・サスペンス。
- 二転三転する展開にそっちかー!となるのが読んでて気持ちいいくらい。
- ミステリーというよりサスペンスなんだろうが、今年の海外ミステリーの中では上位になる作品。まあ、私の評価ってランキングと一致しないんだよな~(苦笑)。
- 読むんじゃなかった。嫌な気持ちなり、一晩中苛立ち不眠に襲われました。
「熱砂の果て」C・J・ボックス、野口 百合子
猟区管理官ジョー・ピケットの盟友ネイトのもとへ、政府の男たちが人質を取って現れた。彼らはネイトの容疑を抹消することと引き換えに、州南部の砂漠地帯で大規模テロを計画している可能性がある男の動向を探り出せと要請した。ネイトは引き受けざるを得なかったが、この件に裏がないはずがなかった。一方のジョーは、ネイトが失踪したと情報を得て砂漠地帯へ向かう。シリーズ屈指の大迫力アクションが展開される冒険サスペンス!
- 読み終わった瞬間に「あー面白かった」と言ってしまいました。解説を堂場瞬一さんが書いていて、同じ本を面白く読んでいるのかと思ったら親近感が湧きました。
- ある程度パターン化しつつも、安定した面白さで読者を飽きさせない筆力にいつもながら感嘆する。
「その罪は描けない」S・J・ローザン 、直良 和美
人を殺したと思い込んでいる依頼人。彼は警察に行き、人を殺したと訴えた。でも、殺人の詳細を語ることができず追い返される。困ってしまってビルに証明を依頼する。
- 久しぶりの新作だから期待は大きかった。でも、ちょっと残念だったかもという読後感。
- シリーズものだったみたいだけど、特に気にならずに読めた。
- 今作はニューヨークの美術界という、実際には知らないけど読書などでけっこう馴染みがある世界のお話で、前作と比べると少しこぢんまりとした感じのお話だった。
「幽霊ホテルからの手紙」蔡駿、 舩山 むつみ
不審な木匣を「幽霊客桟」に持って行ってくれと頼まれた作家の周旋。たどり着いてみるとそこは土地の人が忌み嫌う地の果てのような宿だった。幽霊旅館での謎の人々との日々、やがて幽霊騒動が持ち上がり……。幽霊旅館に滞在している人々の事情も正体も二転三転し、誰のいうことが本当なのかわからない。私たち読者は、謎が解けては深まる「藪の中」へと誘われていく!
- 周囲巻き込み型のホラー小説。怖さの中に寂しさや美しさも感じる。入り込めるかはその人次第。
- 中国人の名前がとても覚えにくいので今一つのめり込めない。
- キング独特のねちっこい描写はなく、サラリとしたミステリーでした。
「忘れられた少女」カリン スローター 、田辺 千幸
連邦保安局の新米保安官補アンドレア・オリヴァーは、最初の任務として、殺害を予告する脅迫状を受け取った判事の身辺警護を命じられる。その判事は、38年前に18歳の娘エミリーを殺害されていた。誰もが一目置く人気者で優等生だった少女は、プロムの翌朝、裸をさらした無惨な姿でゴミ置き場で発見されたのだ。そして迷宮入りした事件の真相を突き止めることが、アンドレアのもうひとつの任務だった――。
- スローター女史の話にレイプはつきものなんだけど、世の中の男はこんなに前後不覚の意識のない女を容赦なくレイプするものなのか…と毎回思う。
- 出るたび読んでしまうスローター。彼女のかけらの続編でした。40年前はアメリカでさえ女性差別はこれほどのものだったか。
「56日間」キャサリン・R・ハワード 、髙山祥子
新型コロナウイルスが猛威をふるい住民に外出規制が強いられているなか、ダブリン市内の集合住宅で30歳前後の男性の腐乱遺体が発見される。遡ること56日、独身女性のキアラは、謎めいた魅力をもつ男性オリヴァーと出会った。パンデミックのなか、いっそ一緒に暮らすことにしようと二人はオリヴァー宅に住み込むことになる。だが、関係が深まるにつれ、彼にはひた隠しにしている過去があることがわかってくる――。身元不明の死体が発見された今日と、その56日前からの日々とが交互に綴られ、悲劇の真相が徐々に明かされていく。
- 途中から引き込まれた。段々明らかになる真実。主人公、どちらも可哀想だと思った。
- 私には向いていないという結論。ネタバレになるから書けない。でも、あり得ないでしょこんなネタ、と書いてみたいという誘惑に駆られる。
「父から娘への7つのおとぎ話」アマンダ・ブロック、 吉澤 康子
幼い頃に両親が離婚したレベッカは、父のレオに20年近く会っていない。ある日、男性記者が取材でレオの行方を尋ねてきた。レオはBBCの子ども番組に出演していた人気俳優だったが、レベッカは彼の生死すら知らない現状に疑問を持ち、父が書いたというおとぎ話を手がかりに彼を探そうとする。「収集家と水の精」「世界の果てへの船旅」「魔女とスフィンクス」……7つの奇妙な物語と想像力のきらめきが導く、心温まる家族小説!
- 短編集かと思ったら一つの物語だった。内容としては、主人公がいなくなった父の場所を探し求める物語。7つの物語を通じて謎を解き明かしていく様はまるでミステリーのようだった。
- 紆余曲折を辿りながら物語は進むが、特に終盤は正直になり切れない様子にこの先どうなるかが気になり、集中して読了しました。
まとめ
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【集計期間】海外ミステリー新刊
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 このミステリーがすごい! を書きます。