見えない世界のヒーローたち

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。

放送の現場は時間に追われています。ブラックだと言われますが自身そんな悲惨な思いもせずに仕事をしてこれたのは熱中していたからです。それはともかく。

制作者自身の力量不足で首が回らなくなって悲鳴を上げる人もいますが、忙しさを生む最大の理由は放送日が決まっていることです。

放送日は締め切りです。締め切りは待ってくれないので、それまでに作り終えておかないといけないのです。

番組という成果物を余裕を持ってつくるために何が必用か。その経験を語っていきたいと思います。

企画は人探しが全てです

これがすべてです。数字や特ダネのようなスクープが大切という人もいますが、そうした情報は時が経つにつれ拡散していきます。揮発性のネタをいくら追いかけても残りません。

揮発しないのは、情報をもつ人間です。人間は情報を生む金の卵です。その人にしか語れない経験やメッセージには人を惹きつける力があります。

主人公となる人間は、エライ人やスーパースター、学者や政治家である必要はありません。その道を究めた人であれば、いいのです。

たとえばこんな番組があります。ETVでたまに放送されるシリーズ「ねほりんぱほりん」です。

「顔出しNGの訳ありゲストはブタに、聞き手の山里亮太とYOUはモグラの人形にふんすることで「そんなこと聞いちゃっていいの~?」という話を“ねほりはほり”聞き出す新感覚のトークショー。作りに作り込んだEテレお得意の人形劇と、聞いたこともないような人生の“裏話”が合体した人形劇×赤裸々トークをお楽しみください!

番組に登場するのはスターでもエライ人でもありません。むしろ日の光の届かない社会の片隅で生きている人たちです。

放送された番組に、ホストに貢ぐ女たちという回がありました。男性がカジノや風俗に通うように、女性が通う先にホストクラブがあります。ここで稼いだカネを湯水のように使う女性がいます。番組ではその女性たちの本音を聞くことが出来ました。

「ホストに貢ぐ女」(前編)

「ホストに貢ぐ女」(後編)

その道を究めるという言葉には、崇高な響きがありますが、ホストに貢ぎまくっている女性たちの本音にも、突き抜けたものを感じることができました。

番組の企画とは減少の上っ面を撫でるだけでは足りません。ここまで掘り下げることができてはじめて、そうだったのかという感動に浸ることができます。

しばらく、ホストに貢ぐ女性の印象が頭の中にこびりついていました。同時にでは女性たちを虜にするホストとはいったい何者なのかという疑問が湧きました。

疑問に答えてくれた本がこの本です。

俺か、俺以外か。 ローランドという生き方

発する言葉のすべてが「名言」となるホスト界の帝王・ローランド初の自著!話題の「名言」から浮き彫りになるローランドの素顔を本書で初公開。 至高のプロ意識、唯一無二の存在である理由を、 哲学・美・愛・仕事・人生の多面的な切り口で語る。 ローランドのストイックなまでの生き方と、そのウイットに富んだ名言は、 ファンのみならず、年齢や職業を問わず、 幅広い方たちの胸に熱く響き、明日への活力になる。

この本を読むと、女性たちが惜しげもなく身銭を切るサービスの担い手の実像が見えてきます。

ホストとは究極のエンターティナーであるとともに、心の救済者。つまり宗教家ににた面も併せ持つ達人であることがわかります。その才能を別の方向に向ければ間違いなくリーダーの素質を持つ逸材であることが、発することば一つ一つから見えてきます。

番組作りとは、世間にまだ広く知られていない逸材を発見し、その声を伝えることであることです。

常識を裏切るのが響く企画です

「ねほりんぱほりん」をつくった制作者たちとはどんな人なのでしょう。調べてみると「株式会社ディレクションズ」というプロダクションであることがわかりました。

子どもと共に作り上げる双方向番組やサブカルチャー番組をはじめ、総勢100名規模のクリエイターのネットワークを活かしたCM、PV、オリジナルアニメーションを作っています。

扱っている番組は、教育系の番組が多いようです。教育系というと地味でまじめな目立たない番組という思い込みがありました。

しかし、制作者の中には普段は物静かな佇まいでも、一撃必殺で敵を倒す剣術者のような殺気をはらんだ企画の持ち主がいることがわかりました。

面白い番組がなくなったという声をたまに聞きますが、そんなことはありません。観る人をうならせる鋭い切り口を持つ企画はあふれています。




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