2023年3月の 国内ミステリー ベスト5

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 国内ミステリー を書きます。

書店は本との出会いの場。しかし、新刊や旧作、ベストセラーと並んだ中からどんな作品を選んだらよいか悩む人も多いのではないでしょうか。

おすすめ国内ミステリーを月別にご紹介します。

2023年3月発行の国内ミステリー

2023年3月に発売された国内ミステリー小説をご紹介します。

さてこの5冊は年間ベストに入るでしょうか。

「勿忘草をさがして」

一年前、偶然出会ったおばあさんに会いたい。しかし手掛かりは、庭に沈丁花が生えていることと、その庭で交わした会話だけ――。トラブルにより部活を辞め無気力な日々を送る航大が、一年前の記憶を頼りにある家を探していたところ出会ったのは、美しい庭を手入れする不愛想な青年拓海だった。拓海は植物への深い造詣と誠実な心で、航大を導いていく。植物と謎を通して周囲の人間関係を見つめなおす、優しさに満ちた連作ミステリ。鮎川哲也賞優秀賞受賞作。

「萬屋怪談録 彼岸村」

児童向け怪談小説で人気を誇る緑川聖司が聴き溜めていた本物の怪異の数々を、じんわり怖い筆致で書き綴った実話怪談集。 ・占い師のもとに持ち込まれた1枚の写真に写る奇妙な男「心霊相談」 ・虐めでケガをした少女の願い「折り鶴」 ・心霊スポットに行くと嬉々とする少女の顛末を綴る三作「笑顔」「あれはあかん」「ひっぱられる」 ・部屋の外が騒がしい、また何か起きたようだ…「事故物件ではない」 ・部屋で見ていた心霊番組の画面に突然割り込んできた映像「記憶にない光景」 ・その村では男の人が早死にするんです――西日本にあるという村の哀しい謂れ「彼岸村」など59話収録。

「実話怪談 恐の家族」

5人の巧者が炙り出す、家族の間の心霊怪異奇譚 家族が次々と病に倒れていく! 夫の実家の墓を見て感じた妻の違和感――(「義実家の墓」西浦和也より) 親子の愛憎、きょうだいの確執、無念、怨念──家族という入れ物の中で起こる逃げ場のない心霊怪異の数々! ・義理の家で起こる病気の連鎖、その原因は…「義実家の墓」(西浦和也) ・祖母の部屋に毎夜来るモノ「家族以外のなにか」(松永瑞香) ・異国の地で聞いた凄惨な母親殺しの顛末「焦熱極楽家族」(岩井志麻子) ・家系を呪う、その代償とは…「リキの一族」(Dr.マキダシ) ・伯父が庭に建てた異物、そして家族が壊れていく…「鉄塔のある家」(川奈まり子)など。 川奈まり子が書き手を初プロデュース!家族をテーマに、濃密濃厚な怪談奇譚が集結──あなたの家族は大丈夫ですか?

合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明

あの美人探偵・上水流涼子が帰ってきた!頭脳明晰・貴山を助手に、今回も知略と美貌を武器に、難事件をズバッと解決!

「虚心」

産廃の闇に消えた二つの命。 遺族と向き合う刑事が 執念の捜査で摑むのは真実? 冤罪? 警察小説のヒットメーカーが満を持して放つ、傑作ヒューマンミステリー! 

「殺戮の狂詩曲」

累計50万部突破、リーガルミステリーの最高峰「御子柴弁護士」シリ―ズ。 【偽善という言葉から、これほど遠い小説はない】 高級老人ホームで発生した、令和最悪の凶悪殺人事件。好人物を装っていた介護職員の心中に渦巻く邪悪。最低な被疑者への弁護を名乗り出た悪評塗れの弁護士・御子柴礼司が、胸に秘める驚愕の企みとはいったい? ミステリーという技法を用いることによってのみ可能な、命あるものへの賛歌である。―杉江松恋(文芸評論家) ドラマ「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲」原作「御子柴弁護士」シリーズ第6弾。

「怪人デスマーチの退転」

亡き父親の正体は大怪盗だった――!? 長男の「ぼく」は、傷ついた弟妹と愛する乳母のため二代目怪盗フラヌールを襲名。持ち主にお宝を戻す“返却活動”を開始する。衝撃の怪盗ミステリー、早くも第2弾登場!

「クローズドサスペンスヘブン」

湊かなえ、道尾秀介、お墨付き!! ――天国は殺人現場でした。 新潮ミステリー大賞最終候補、面白すぎて異例のいきなり文庫化! 俺は、間違いなく殺された――。なのに、ここはどこだ? 気がついたら目の前にはリゾートビーチと西洋館。姿の見えない配達人から毎朝届く不思議な新聞によると、ここは天国屋敷で、現世で惨殺された6人が記憶をなくした状態で天国に返り咲いたらしい。俺は、誰だ? なぜ、誰に殺された⁉ 館ものクローズドサークルに新風を吹き込む、“全員もう死んでる”系ミステリー、爆誕。

「ドS刑事 事実は小説よりも奇なり殺人事件」

警視庁捜査一課の黒井マヤは「死体が見たいから刑事になった」筋金入りの猟奇マニア。その驚異的な推理力で数々の事件を解決してきたが、死体を見たいがために、犯人の名前をなかなか開陳しないのが玉にキズ。 ある日、新しく配属された特務係の捜査の一環で、マヤは相棒の代官山巡査、ドMな東大卒の浜田、そして新メンバーの天神らとともに、「カトリック久慈見教会ぶどう酒祭り」を訪れる。だが幻のワイン「クジミ」を飲んだ神父ら、11名が死亡。代官山も意識不明の重体に。ワインには新型の農薬パラキラールが混入されていた。前代未聞の無差別殺人事件に、本気モードのマヤが挑む!

キツネ狩り

目の前に犯人がいるのに逮捕できない――大胆不敵な新警察小説、誕生 三年前のバイク事故で右眼を失明した警察官の尾崎冴子は、訪れた事故現場でその一部始終を目撃する。以来、尾崎の右眼は三年前の光景を映すようになった。それを知った署長の深澤は尾崎の信頼する弓削警部補と共に、未解決一家四人殺害事件の再捜査に乗り出すが――選考委員全会一致の第9回新潮ミステリー大賞受賞作。

「Another side of 辻村深月」

書下ろし短編収録! 辻村深月作品を生み出す裏側、教えます。 書き下ろし短編、宮部みゆき・伊坂幸太郎との特別対談、全作品解説インタビュー――唯一無二の小説を生み出し続ける辻村深月の裏側を徹底解剖。ファン必読の1冊、誕生!

「花嫁純愛録」

刑事の小堀有里は結婚式当日を迎えていた。 そこに部下から女子大生殺人事件の容疑者が見つかったと報告。 驚くことに容疑者も結婚式当日、式場も同じだと言うのだ。 有里は、式直前だというのに捕まえようと控室を飛び出す。 容疑者の新婦・みちると友人の塚川亜由美はいたが、肝心の容疑者は逃してしまう。 後日、みちるに「夫を助けたければ、小堀有里を殺せ」と謎の人物から脅迫電話があり——。 表題作のほか「花嫁の夏が終る」を収録。シリーズ第36弾。

「スカーレット・レター」

文芸編集者の春川澄香は、新人作家の山科和美と打ち合わせをするため岩手県に向かった。 半日かけてやっとたどり着き、温泉宿の部屋で一息ついていると赤い封筒が目に入る。 中に入っていた便箋を読むと歓迎の言葉が綴られていた。 その時、窓に何かがぶつかる音が。 おそるおそる確認してみるとカラスがぶつかり、血を流していた。 それをきっかけとするように老人の幻影が現れ、何かを訴えようとしてきたのだ。 和美の友人の不審死、ベストセラー作家の失踪……。 全ての真相が暴かれた時、澄香が町を訪れた本当の理由が明らかになる!

「ザ・ミッション THE MISSION」

ある日突然、球団広報に出向!? 元大リーガーの専属広報担当を命じられた男が挑む「極秘任務」とは…… 名手が放つ、日本初の「球団広報小説」! 食品メーカー広報部員・三上は、子会社のプロ野球チーム「横浜パイレーツ」へ出向を命じられる。古巣に復帰した大リーガー石岡の専属広報担当として、MLBフリークの三上に白羽の矢を立てた――とは表向きの理由。低迷するチーム再生のため、スター選手の石岡に引退後の監督就任を要請するも拒否され、彼の信頼を得て説得するという業務命令(ルビ・ミッション)が三上に課されたのだ。シーズンに入り、めざましい活躍を見せる石岡はなぜかマスコミを避け、三上は番記者との間で板挟みに。やがて、チーム内にも不穏な空気が漂い始め……。球界の舞台裏で交錯する人間模様を描く 堂場野球小説の新たな地平!

「マイ・リトル・ヒーロー」

交通事故に遭って意識不明の息子から、オンラインゲーム内でメッセージが⁉ 息子のため、父は仲間を集めてゲームで世界一を目指す!

「神様の御用人 継いでゆく者」

御用人である萩原敏益のもとを訪れたのは、子どもの姿をした神様・久久紀若室葛根神。時代と共に力を削がれ失った、かつての姿を取り戻したいという御用を告げられて……。良彦の祖父・敏益の生前最期の御用を描いた表題作「継いでゆく者」をはじめ、書き下ろし番外編小説を3本収録! 第10巻のその後、良彦や黄金たちの御用や日常も明らかに。 そして登場人物たちのプロフィールや、読者からのQ&Aなど、初公開情報が詰まった「神様の御用人 回顧録」も収録。ファン必携の一冊!

「時かけラジオ ~鎌倉なみおとFMの奇跡~」

未来の人、お電話ください――。時を超え、人をつなぐ奇跡のラジオ。 ローカルラジオ放送局「鎌倉なみおとFM」の最終番組は22時で終了する。しかし、なぜか時々、23時から番組が流れる夜があり、それは1985年を生きるDJによるもので……。 親友の婚約を素直に祝うことができない女性・三回転半ジャンプさん、母親の再婚相手と距離を置いてしまう小学生・ラジコンカー君……悩めるリスナーが、時を駆ける真夜中のラジオと繋がる時、優しい波音がきこえてくる――。 聴き終えた後、心の声に耳を傾けたくなる不思議なラジオ。 『東京すみっこごはん』『今日は心のおそうじ日和』の著者・成田名璃子、新境地!

「黒猫と語らう四人のイリュージョニスト」

ひと月前に大学へ長期休暇を申請して以来、一切の連絡がつかない黒猫。付き人は唐草教授の頼みで、失踪直前に彼の研究室を訪ねた四人の来訪者――元歌手、俳優、現代画家、廃墟写真家を調べることに。黒猫は何の目的で彼らと会ったのか? そしてその行方は。

「回樹」

真実の愛を証明できる存在をめぐる、ありふれた愛の顛末を描く表題作、骨の表面に文字を刻む技術がもたらす特別な想い「骨刻」、人間の死体が腐らない世界のテロリストに関する証言集「不滅」、百年前の映画への鎮魂歌「BTTF葬送」他、書き下し含む全6篇

「上海灯蛾」

1934年上海。「魔都」と呼ばれるほど繁栄と悪徳を誇ったこの地に成功を夢見て渡ってきた日本人の青年・吾郷次郎。 彼の許を謎めいた日本人女性が訪ねる。ユキヱと名乗るその女が持ちこんだのは、熱河省産の極上の阿片と芥子の種。 次郎は阿片の売買を通じて上海の裏社会を支配する青幇の知己を得て、上海の裏社会に深く踏み入っていく。栄光か。破滅か。夜に生きる男たちを描いた、上海ピカレスク。

「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 完全版 幸せの背景は不幸」

彼女はクラスメイトで、聡明で、美人で、僕の恋人で――誘拐犯だった。 「君を世界で一番×してる。……嘘だけど」 クラスメイトの御園マユ。まず第一に、とてつもなく美人。他人を寄せつけない孤高の存在。そして、これが大事なんだけど……実は僕の恋人。 ――そう、表向きは。 最近、小学生の誘拐事件が街を騒がせているらしい。 僕はずっと不思議なんだ。マユ……いや、まーちゃん。 君はなぜあの子たちを誘拐したんだろう。 すべての読者を騙し、慟哭と衝撃の真実を突きつけるミステリーが、完全版で蘇る。 【本編の前日譚にあたる、書き下ろし掌編「追憶『あがいても、生きる』」も収録】

「めざめ」

柳原美知代と夫が自宅で殺されたのは一人娘の美沙が遠足に行っている間だった。帰宅後、両親の惨殺死体を見た美沙は、心に致命的ともいえる深い傷を負ってしまう。だが美知代は死んではいなかった。意外な形で蘇った美知代は六年後、成長した美沙と再会する。しかし美沙は深刻な人間不信に陥って、人を愛することも、愛されることもできなくなっていた…。文庫書き下ろし長編。

「准教授・高槻彰良の推察9 境界に立つもの」

高槻と尚哉に新たな魔の手が迫る!? 凸凹コンビの民俗学ミステリ第9弾! 4月。尚哉は3年生に進級し、友人の難波と共に晴れて高槻ゼミの一員となった。 尚哉と難波は、初回ゼミのあと、数少ない男子学生どうし5人で仲良くなり、学期中に行われるグループでの研究発表を一緒にやろうと話す。 動画サイトで話題の「幽霊トンネル」を題材にしようと取材に赴くが、帰り際、尚哉は耳元で「どうして」という女の声を聞き――!?(「第一章 トンネルの中には」) 高槻が講義で、口裂け女やかまいたちといった「鎌」が絡む怪異について話したところ、大学の演劇サークルの代表から相談が。 先日、夜道を一緒に歩いていた次の舞台の主演女優の髪が、まるでかまいたちの仕業かのように、ばっさりと切られてしまったのだという。 高槻と尚哉は調査のため、サークルを訪れる。部員に一通り聞き込みをし、いざ帰ろうとした瞬間、高槻の従弟・優斗から着信が。なんと、高槻の父が刺され、病院に運ばれたという。 一緒に病院へ行こうと言う優斗に、高槻は「僕は行かない方がいいと思う」と呟き……。(「第二章 黒髪の女」) 高槻から「難波くんと何かあった?」と聞かれた尚哉。実はある理由で、難波との関係がぎくしゃくしているのだ。 悶々とする尚哉に高槻は「気分転換に旅行に行こう」と提案。運転免許を取り終わった尚哉の練習も兼ねて、桜を見に箱根に行こうという。 しかし宿の従業員から、桜の隠れ名所である、旅館の向かいにある山には鬼が出る、と言われ――?(「第三章 桜の鬼」) 己の「耳」の、己の「過去」の謎と向き合うふたりに、異界の魔の手が迫る――? 高槻をマークしている警視庁捜査一課・異質事件捜査係(通称:異捜)の動きも不穏さを増し……!? 高槻と尚哉、それぞれに試練が訪れる、目が離せないシリーズ第9弾!

「高校事変 13」

最終決戦で宿敵の兄・架祈斗を倒した結衣と凛香。2人ともに進学が決まり、新しい生活が始まろうとしていた。そんな中、高校入学を控えた凜香は、江東区の閑静な住宅街にある神社で同年代の少女、杠葉瑠那と向き合っていた。彼女は一体、何者か――? 同じ頃、各地で女子高生の失踪事件が続発。やがて高校生になった凜香の周りにも不穏な影が……。満を持しての新章スタート、衝撃のJK青春ハードボイルド、再始動!

「眠る邪馬台国-夢見る探偵 高宮アスカ」

若き天才夢学者が、新聞記者の叔父と共に「歴史探偵」となり、日本史最大の謎に挑む! 古代史マニアである吉川英治文学新人賞候補作家本人が、「確信してから死にたい」という所在地論争に、ついに終止符が打たれたのか? 「本の雑誌」が選んだ「2022年度エンターテインメントベスト10」第3位と注目の新鋭による、渾身の歴史ミステリー書き下ろし。

「記憶の奴隷」

「傭兵代理店」と対をなす国際謀略アクション 2022年2月23日、ロシア軍ウクライナ侵攻前夜。国家の諜報活動をフリーで請け負う日本人エージェント゛冷たい狂犬゛こと影山夏樹は、フランス国内治安総局DGSIの旧知の幹部から、局長の監視依頼を受けた。局長はスパイ疑惑があるという。だが直後、局長は目をくり抜かれた死体で発見され、犯人が狙うUSBメモリが遺された。中にはロシアを揺るがす機密情報が? 欧州に危機が迫る中、情報をめぐり水面下の諜報戦が始まる!

「雨月先生は催眠術を使いたくない」

ある不思議な力を抱えたひねくれ准教授×天真爛漫女子の心理学ミステリ! 文学部2年の織辺玲(おりべ・れい)は、配信アプリで人気のイケメン陰謀論者・ユイリに高額投げ銭をしている友人を案じ、やめさせる方法を大学図書館で調べていたところ、 立ち入り禁止の閉架書庫の中に奇妙な空間があるのを見つける。ふかふかのラグマットに、たくさんの本、なぜか湯気を立てている肉まんも――!? 訝しんで近付くと、背後から「見た……?」と不気味な声が。振り返るとそこにいたのはボサッとした黒髪の、色白痩身の男性だった。

「シュレディンガーの容疑者 学者警部・葵野数則」

理性と感性が交差する新時代の科学ミステリ、シリーズ第2弾! 高度科学犯罪対策班・通称「科対班」の一員となった大村珠緒は、元数学者の刑事・葵野数則の変人ぶりに振り回される日々を送っていた。ある日、埼玉県の人口密集地で毒ガステロが発生。連続テロを予告する犯行声明は、科対班が追う「土星23事件」の首謀者・〈土星人〉からのものだった。予想されるテロのターゲットは首都圏全域。雲を掴むような捜査に、珠緒と葵野のバディが臨む! 凶悪犯罪に科学と感性で挑む警察ミステリ、第2弾。

「さえづちの眼」

琴子が挑む”さえづち”の祟りとは――比嘉姉妹シリーズ初の中篇集! 長編『ばくうどの悪夢』も絶好調! 書き下ろし中篇「さえづちの眼」を含む3篇が収録された、比嘉姉妹シリーズ初の中篇集。

「アンソロジー 死神」

漫画、落語、海外小説。ジャンルを超えた古今東西の傑作が勢揃い 全人類にとって永遠の謎である死。冥界へと導く、ミステリアスな存在である死神は、落語や漫画、文学の世界でもさまざまに暗躍してきた。円朝の創作落語の元になったとされるグリム童話「死神の名づけ親」。アラルコン「背の高い女」、小山内薫「色の褪めた女」。織田作之助の未完の名作から、水木しげる「死神のささやき」、つのだじろう「死神の涙」まで。――時代やジャンルを超えた傑作が集結。待望の文庫オリジナル。

「とわの文様」

呉服屋の箱入り娘が、着物の力でよろず解決 お江戸お仕事小説の新定番! 江戸は西河岸町の呉服屋・常葉屋は、「ここにしかない品がある」と着物に五月蠅い江戸っ子たちにも評判お店。 箱入り娘のとわは、失踪した母の代わりに店を盛り立てようと日々奮闘している。 芝居を愛する兄で若旦那の利一は、面倒事を背負い込む名人。 犬猫を拾う気軽さで、ヤクザ者に追われる女性を連れて帰ってくるが、それにより大騒動が巻き起こり……。

逢魔宿り

雨の日には、読まないでください。 元編集者で現ホラー・ミステリ作家の「僕」のもとに、昔仕事をしたデザイナー・松尾から連絡が入った。「小説 野性時代」に連載している連作怪奇短篇について、話したいことがあるという。各短篇は、それぞれ他人から聞いた体験談を基に小説化したもので、松尾とは何も関係がないはず。訝りながら家を訪ねた「僕」に、松尾は三十年前の出来事を語りだした。それは、日課の散歩中にある四阿で出会った、怪異譚を語りたがる奇妙な一家の話であった。子供時代に山小屋で遭遇した怪異、障子に映った奇妙な影絵、宿直していた学校で起きた異変。彼らが怪異譚を語るたび、なぜか松尾の近隣で事件が多発し……。(「逢魔宿り」) ほか、「お籠りの家」「予告画」「某施設の夜警」「よびにくるもの」の4編を収録した、珠玉のホラー連作短編集。

「虜囚の犬 元家裁調査官・白石洛」

残酷でおぞましい事件に隠された真実とは。衝撃的結末に、撃ちぬかれる。 穏やかな日常を送る、元家裁調査官の白石洛(しらいし らく)は、友人で刑事の和井田(わいだ)から、ある事件の相談を持ち掛けられる。白石がかつて担当した少年、薩摩治郎(さつまじろう)。7年後の今、彼が安ホテルで死体となって発見されたという。しかし警察が治郎の自宅を訪ねると、そこには鎖につながれ、やせ細った女性の姿が。なんと治郎は女性たちを監禁、虐待し、その死後は「肉」として他の女性に与えていたという。かつての治郎について聞かれた白石は、「ぼくは、犬だ」と繰り返していた少年時代の彼を思い出し、気が進まないながらも調査を開始する。史上最悪の監禁犯を殺したのは、誰? 戦慄のサスペンスミステリ!

「綱わたりの花嫁 花嫁シリーズ」

結婚式で花嫁の誘拐事件が発生。だが攫われた花嫁は別人!?本物はどこへ? 大企業の社長令嬢の結婚披露宴に突然、覆面をした男3人組が乱入、花嫁が誘拐された。身代金目的の犯行だったが、誘拐されたのは全くの別人、アルバイトで花嫁のふりをしていた女子大生の久美子だった。本物の花嫁は、別の男性と駆け落ちしていたのだ。攫われたのが娘ではないと知った父親は、途端に捜査には協力しないと発言。久美子と交友のあった塚川亜由美は、彼女を助け出すべく、刑事の殿永と、愛犬のドン・ファンと共に事件を追うが……。大人気ユーモアミステリ!

「ふれあいサンドイッチ」

仲の良い姉妹・笹子と蕗子が営む小さなサンドイッチ専門店『ピクニック・バスケット』。 ここには悩みを抱えた人々が、心を癒す絶品サンドイッチを求めてやってくる。 ある日、蕗子はパンダのアップリケが付いた手作りのパスケースが店内に落ちているのを発見した。 密かに想いを寄せるパン職人・川端さんが持っていたものと似ている。 持ち主は誰だろうとやきもきして……。 「思い出のとき修理します」の著者が贈る優しい感動の物語。

「盗みは忘却の彼方に」

旅番組の撮影で見知らぬ町に取り残されて しまった、崖っぷちタレントの久保田杏。 追い打ちをかけるように雨が降り始め、 森の中の小屋へと駆けこんだ。 「このままじゃ、風邪ひいちゃう」と 呟いた瞬間、ドアを開けて入ってきたのは 三人の強盗犯! 杏はとっさに隠れるも、 クシャミをして密談中の男たちに見つかって しまう。「二つに一つだ。ここで死ぬか仲間になるか――。彼女は必死の演技で強盗犯の手助けをすることに? 大人気シリーズ「夫は泥棒、妻は刑事」 第二十四弾は、淳一と真弓が一億円強奪事件に 立ち向かう! ユニークな夫婦が活躍する ロングセラーシリーズ。 「夫は泥棒、妻は刑事」第二十四弾。

「お兄様は、怪物を愛せる探偵ですか?」

ねっ……お兄様、今夜も……いい? “人外の仕業”と噂される事件の謎を解くことで、怪異を封じる力を持つ混河葉介。葉介の助手を務めるのは、とある秘密を抱える妹・夕緋。 葉介は、幼馴染に起きた不可解な出来事の真相を求め、“怪異を管理する”混河家の一員として、さまざまな謎を解き明かしてきた。 “捜査六課”の刑事・白羽奏から依頼を受け、葉介と夕緋は、放火と焼死事件が起こった伊地瑠村を訪れる。その村には、“焔狐”にまつわる奇妙な伝承が存在し、今回の事件も“焔狐”によるものではと噂されていた。 葉介たちは、村長の姪・春宮由芽らの協力を得て捜査を進めるのだが、さらなる謎が振りかかりーー。 ワケありの【兄×妹】バディが挑む、新感覚ミステリ!

「キン肉マン 四次元殺法殺人事件」

『キン肉マン』がミステリ小説になって登場! キン肉マンが失踪した! 重臣・ミートはキン肉マンへのリベンジに燃えるキン骨マンを相棒に捜索へ繰り出す。 しかし、二人は行く先々で超人による殺人事件――すなわち“超人殺人”――に遭遇するのであった! 変形、分身できるのは当たり前で、身体が機械の者、顔面がブラックホールに繋がっている者、時間を止めることができる者、体に付いたトイレに全てを流し込める者……! 様々な異能力を持つ容疑者たちに、物理法則を無視したトリック……! 犯人は誰だ!? そして、キン肉マンはどこだ!?

「魔女と過ごした七日間」

その夏、信じられないことばかり起きた。「ラプラスの魔女」シリーズ! AIによる監視システムが強化された日本。 指名手配犯捜しのスペシャリストだった元刑事が殺された。 「あたしなりに推理する。その気があるなら、ついてきて」 不思議な女性・円華に導かれ、父を亡くした少年の冒険が始まる。 少年の冒険×警察ミステリ×空想科学 記念すべき著作100作目、圧巻の傑作誕生!

「砂の宮殿」

「6,000万円ぐらい、命の値段としては高くもないだろう」 外科医の才所准一は、大阪で海外富裕層向けの自由診療クリニックを運営している。 抗がん剤・免疫療法の趙鳳在、放射線科の有本以知子、予防医学の小坂田卓という優秀な三人の理事とともに最先端のがん治療を提供し、順調に実績を重ねていたところ、久しぶりに訪ねてきた顧問が不審死を遂げる。 これは病死か事故か、それとも――。 高額な治療費への批判も止まず、クリニックに吹き荒れる逆風に、才所はどう立ち向かうのか。

「スキマワラシ」

太郎と散多は古道具店を営む兄弟。ものに触れるとそこに宿る記憶が見えるという散多は、古いタイルからこれまでにないほど強烈なイメージを受ける。そこに映し出されたのは幼い頃に亡くした両親の姿だった。タイルと両親にまつわる謎と、廃ビルで目撃された少女の都市伝説が交差するとき、時を越えた物語の扉が開く。兄弟のひと夏の不思議な冒険を描くファンタジックミステリー長編。

「業火の地 捜査一課強行犯係・鳥越恭一郎」

L県正護市北区で起きた連続放火殺人事件に対処すべく、鳥越恭一郎ら捜査一課強行犯係の面々は、正護北署へと向かう。捜査線上にあがる怪しげな者たちを「相棒」の鴉らと追い詰めていく恭一郎。だが捜査開始の翌日、さらに六名が死亡する第二の放火事件が発生する…。区長が推進する再開発を目前に、その土地に蠢く「火」に魅入られし者たちー。数十年に及ぶ血の連鎖と火焔に揺らめく街の秘密を、恭一郎は果たして暴けるか?

「おれは一万石(24)-若殿の名」

四代将軍家綱の法要の折に、二人組の侍に襲われていた身なりのいい武家の男児を助けた北町奉行所与力の山野辺に頼まれて、高岡藩上屋敷で男児を預かることになった正紀。身元を明かさぬうえ、自らの屋敷に帰りたがらぬ男児を、妻の京とともに温かく見守る正紀だが、この男児が、意外な人物の子だと判明しー。大人気時代シリーズ、注目の第24弾!

「怨返し 古道具屋 皆塵堂」

日光街道の越ヶ谷宿の旅籠で働かせてくれた恩人・仁兵衛の遺品には幽霊が憑いていた。仁兵衛が若い時分に、江戸で借金の取り立て屋「すっぽんの桑次郎」という異名をとっていたことを知った甥の藤七は、遺品の数々を元の持ち主に返す旅に出ることになった。道中、「刀狩りの男」と呼ばれる浪人に襲われ川に落ちた藤七は、深川亀久橋近くの古道具屋「皆塵堂」で目を覚ました。 三十年前に仁兵衛が手に入れた遺品の数々は、「すっぽんの桑次郎」の借金の形なのか。優しかった伯父が人々に恨まれる非情な取り立て屋だったことがどうしても信じられない藤七は、限られた七日間の江戸滞在のうちに、遺品の持ち主を捜し出し、憑いている幽霊の謎を解き明かし、伯父の正体をつきとめることができるのか? 材木商のご隠居・清左衛門、力自慢の魚屋・巳之助、有能な小僧・峰吉らの助けも借りながら、「知りたがりの藤七」は江戸でも行く先々で幽霊をみることに……。 怪談+とぼけた笑いで人気の「皆塵堂」シリーズ、第十弾!

「ゴリラ裁判の日」

カメルーンで生まれたニシローランドゴリラ、名前はローズ。メス、というよりも女性といった方がいいだろう。ローズは人間に匹敵する知能を持ち、言葉を理解する。手話を使って人間と「会話」もできる。カメルーンで、オスゴリラと恋もし、破れる。厳しい自然の掟に巻き込まれ、大切な人も失う。運命に導かれ、ローズはアメリカの動物園で暮らすようになった。政治的なかけひきがいろいろあったようだが、ローズは意に介さない。動物園で出会ったゴリラと愛を育み、夫婦の関係にもなる。順風満帆のはずだった――。 その夫が、檻に侵入した4歳の人間の子どもを助けるためにという理由で、銃で殺されてしまう。なぜ? どうして麻酔銃を使わなかったの? 人間の命を救うために、ゴリラは殺してもいいの? だめだ、どうしても許せない! ローズは、夫のために、自分のために、正義のために、人間に対して、裁判で闘いを挑む! アメリカで激しい議論をまきおこした「ハランベ事件」をモチーフとして生み出された感動巨編。第64回メフィスト賞満場一致の受賞作。

「禍事 警視庁異能処理班ミカヅチ」

マグロ包丁の人斬り、滝に流れ着く首々。日本列島異変あり。 警視庁の秘された部署・異能処理班。 霊視の青年・安田怜の仕事は、怪異事件を隠蔽すること。 首抜けの死者からの警告を受けた彼は、 幽霊上司の折原警視正と”忌み地”の掃除に乗り出す。 さらに三ツ首の犬が議員を襲う事態が勃発。 異能処理班の面々の生い立ちが徐々に明かされる、 大人気警察×怪異ミステリー第三弾!

「切願 自選ミステリー短編集」

2003年に作家デビュー後、発表した短編小説は120編超。 その中から、著者厳選の5編を収録。くわえて、これまで未刊行だった第25回小説推理新人賞受賞作「真夏の車輪」を大幅に加筆修正して初収録。 「短編ミステリーの名手」による巧妙な伏線、予想外の結末、ビターな人間ドラマを存分に堪能できる、ザ・ベスト・オブ・長岡ミステリー!

「新・教場」

最恐教官・風間公親の初陣!新章始動! 第一話 鋼のモデリング 風間公親は、警察学校第九十四期初任科短期課程の教官となった。助教の尾凪尊彦は、気になる生徒として、人命救助で警察に表彰されたことのある矢代桔平の名を挙げた。 第二話 約束の指 実家が町工場を営む笠原敦気は、マル暴刑事を希望している。クラブ活動ではソフトボールに力を入れ、元高校球児の助教・尾凪から手ほどきを受けているが、スローイングに難があった。 第三話 殺意のデスマスク 若槻栄斗は、ブラジリアン柔術の有段者。交番実地研修中に、通り魔を逮捕した若槻に、風間は現場の再現を命じる。 第四話 隻眼の解剖医 警察学校では課外授業として司法解剖を見学する。不快指数が高いと、犯罪が起きやすい。七月に入り、生徒の大半が嘔吐する講習が近づいていた。 第五話 冥い追跡 星谷舞美は性格が明るく、成績もトップクラスである。星谷と大学同窓の石黒亘は、下位から成績を上げてきた。卒配後は成績上位二名が最重要署のA署に仮配属となる。 第六話 カリギュラの犠牲 氏原清純はソリの合わない同期・染谷将寿と、卒業式のスライド上映担当を任された。当日、風間は祝辞の読み上げをやめ、最終講義を始める

「鬼人幻燈抄 (五)-明治編 徒花」

明治五年(1872年)。近代化が進む明治の世は、武士という存在を置き去りにして進みつつあった。娘の野茉莉とともに京都に移り住んだ甚夜は、昼は蕎麦屋を営みながらも、夜は相も変わらず鬼退治を生業にしていた。新時代になったものの、鬼の討伐依頼は増え続けるばかり。その陰には、どうやら「マガツメ」なる存在がかかわっているようだが…。大人気和風ファンタジーシリーズの第五巻!

「掟上今日子の旅行記」

怪盗淑女を名乗る人物からパリ警視庁に届けられた犯行予告状。 「エッフェル塔をいただきに参上致します」。 花の都を代表する名所を守るため、最速の探偵・掟上今日子が海を越えて招かれる。 だが、怪盗の真の狙いは、今日子さん自身にエッフェル塔を盗ませることで!? おなじみ厄介も登場、大人気ミステリー第8巻!

「SHELTER/CAGE」

先進的な試みが多くなされている民営刑務所。そこへ新たに配属された河合凪は、刑務所の中であたかも自由であるかのように振舞う受刑者・阿久津真哉に奇妙な違和感を覚えていた。ここは檻(CAGE)なのか、避難所(SHELTER)なのか。語られる囚人たちの罪と罰――真実は、管理する者とされる者の境界を、ゆっくり溶かしていく。 著者について 織守 きょうや 2013年、第14回講談社BOX新人賞Powersを受賞した『霊感検定』でデビュー。弁護士として働く傍ら小説を執筆。兵庫県在住。他に『霊感検定2』がある。

「PK 新装版」

人は時折、勇気を試される。 落下する子供を、間一髪で抱きとめた男。 その姿に鼓舞された少年は、年月を経て、今度は自分が試される場面に立つ。 勇気と臆病が連鎖し、絡み合って歴史は作られ、小さな決断がドミノを倒すきっかけをつくる。 三つの物語を繋ぐものは何か。 読み解いた先に、ある世界が浮かび上がる。

「マーキュリーの靴 鮎川哲也「三番館」全集 第2巻」

東京に雪の降った夜、推理作家の今井とも江が自室で不審な死を遂げた。屍体の状態から当初は自殺説が有力だったが、死亡推定時を過ぎた早朝、被害者は友人の電話に出て、背後には落語が流れていたというのだ。私立探偵のわたしは遺族の依頼で調査を始めたが謎は益々深まるばかり。結局は西銀座のバーテンの知恵を借りることに…。大好評の「三番館」全集第2巻!

「肌色の月: 探偵くらぶ」

宇野久美子はアパートを引き払い、和歌山に帰ると周りに告げていた。しかし、それは自身をこの世から消し去る演出だった。死に場所に選んだ湖に向かうべく伊東で列車を降りるが、予想外の雨。濡れた彼女に声をかけた紳士の誘いを断り切れず、車に乗るとーー。(「肌色の月」) 絶筆となった表題作を始め、多彩なジャンルで活躍した著者のミステリ作品傑作集!

「やさしさを忘れぬうちに」

「いつか」なんて待たずに、すぐ会いに行けばよかったー。娘に結婚を許してやれなかった父、バレンタインチョコを渡せなかった女、離婚した両親に笑顔を見せたい少年、名前のない子供を抱いた妻…未来に向かって歩みだすために、過去に戻る4人の勇気の物語。

「ミリは猫の瞳のなかに住んでいる」

★第29回電撃小説大賞《金賞》受賞作★  瞳を覗き込むことで過去を読み取り追体験する能力を持つ大学生・紙透窈一(かみすきよういち)。退屈な大学生活の最中、彼は野良猫の瞳を通じて、未来視の能力を持つ少女・柚葉美里(ゆずのはみり)と出会う。  猫の瞳越しに過去の世界と会話が成立することに驚くのもつかの間、『ミリ』が告げたのは衝撃的な『未来の話』。

「女スパイ鄭蘋茹の死」

1941年上海。 日本軍傀儡の特務工作機関「ジェスフィールド76」主任、丁黙邨を暗殺せよ。 美貌の女スパイ鄭蘋茹(テンピンルー)に指令が下った。 日本人の母と中国人の父。二つの祖国に引き裂かれながら、非情なテロルに身を投じた女性の胸中に去来したものは… 蒋介石直属の諜報謀略機関、藍衣社とC.C.団は、汪兆銘政府に対して徹底的な殺戮を繰り広げ、日本軍の占領地下工作に大打撃を与えた。 これに対抗するため日本軍が極秘に設置した特務機関が、共同租界ジェスフィールド路76号番地を本拠とする「ジェスフィールド76号」だった。 中国国民党中央執行委員会調査統計局(中統)の工作員として引き抜かれた蘋茹は、残忍で冷酷と恐れられるジェスフィールド主任の丁黙邨から情報を盗み出すため、彼の懐に飛び込む。 黙邨の寵愛を受けることに成功した蘋茹に、やがて組織から最終指令が下った。だがそれは危険で非情な、後戻りのできないものだった…

「警察庁ノマド調査官 朝倉真冬 米沢ベニバナ殺人事件」

「脳科学捜査官 真田夏希」の著者が放つ 旅情警察ミステリー、待望のシリーズ第三弾! ◆米沢城で死体発見!?◆  米沢城址の内堀で撲殺体が発見された。 被害者は、地元の観光開発業経営者。 しかし、山形県警のずさんな捜査のせいで、 発生から五ヶ月が経ちながら 容疑者すら挙げられない。 「地方特別調査官」の朝倉真冬は 地元警察の不正を糺すべく、 現地で内偵を開始する。 被害者の周囲を探るうち捜査線上に 浮かび上がるひとりの男。 しかし彼には、事件当時東京にいたという 鉄壁のアリバイがあった――。

「破滅へと続く道 右か、左か」

右か、左か。人は無意識のうちに選択を繰り返す。その選択、今回は間違っていないという確信がありますか――?

「忘らるる物語」

男が女を犯せぬ国があるという。 金出づる国、燦という大国が支配する世界。貧しい土地で育ち、産んだばかりの子を奪われた環璃(ワリ)は、ひとり輿に乗せられ運ばれていた。「皇后星」に選ばれた環璃は、次の燦帝候補である四人の藩王のもとを巡って閨をともにすることになる。その道中で山賊に襲われたところを助けたのは、触れた男を一瞬で塵にする不思議な力を持った女性・チユギだった。その力に憧れながらも、帝までたどり着いて成し遂げるべきことを決意した環璃。運命に抗い、死と隣り合わせの旅を生き抜こうとするが――。彼女がたどり着いた、女が産み、男が支配する世界を変える「忘れられた物語」とは?

「殺人者(ソウル・マダー)」

子どもを自宅に置き去りにした母親が保護責任者遺棄罪で有罪判決を受けた。後日、N市路上で男が殺され、さらに香西市郊外で女の変死体が発見された。連続殺人事件の現場に残された「殺人者には死を!」の文字。被害者はいずれも子どもを虐待していた。混迷する捜査陣を嘲笑うかのように起こる第三の事件。人間の心の不可思議さに迫る問題作。

「贋物霊媒師2 彷徨う魂を求めて」

霊を「祓うことはできない」中年霊媒師・櫛備十三と彼の助手でお目付け役の美幸。心霊番組に出演してから各地で引っ張りだこの櫛備のために、新たな助手・修平も加わって、彼らが出くわす事件も一層不穏なものに。ガールズバーに夜な夜な現れる霊、学校に伝わる鏡の怪談……櫛備がハッタリと観察眼で解き明かす、霊達の真実とは? 一方、修平の存在は美幸にある悩みをもたらし――。人気ホラーミステリー第二弾!

「とりどりみどり」

万両店の末弟、鷺之介が齢十一にして悩みがつきない原因とは――。 時代小説の名手が描く、ホロリと泣かせる大江戸謎解き物語。 万両店の廻船問屋『飛鷹屋』の末弟・鷺之介は、齢十一にして悩みが尽きない。かしましい三人の姉――お瀬己・お日和・お喜路のお喋りや買い物、芝居、物見遊山に常日頃付き合わされるからだ。遠慮なし、気遣いなし、毒舌大いにあり。三拍子そろった三姉妹の傍にいるだけで、身がふたまわりはすり減った心地がするうえに、姉たちに付き合うと、なぜかいつもその先々で事件が発生し……。そんな三人の姉に、鷺之介は振り回されてばかりいた。 ある日、母親の月命日に墓参りに出かけた鷺之介は、墓に置き忘れられていた櫛を発見する。その櫛は亡き母が三姉妹のためにそれぞれ一つずつ誂えたものと瓜二つだった――。

「日本ゲートウェイ」

明けない夜はない。 目から鱗の日本再生計画を創れ! 明治期に日本橋で創業の老舗マルトミ百貨店は、コロナ禍でメインバンクから追加融資を止められ、倒産の危機に瀕していた。憔悴しきった社長の富島栄二郎は、偶然にも四井商事の専務・徳田創と再会する。富島は若い頃四井で修業したことがあり、二人は同期だった。富島の窮状を聞いた徳田は同じく同期でプラチナタウンを作った山崎鉄郎を紹介する。藁にもすがる思いで山崎を頼る富島。同様の相談を複数受けていた山崎の中でそれらは化学反応を示し、再建案は思わぬ方向に向かい始め――苦況の日本を救う、目から鱗の再生構想とは!

「戦火のオートクチュール」

祖母が遺したのは、血に染まったシャネルスーツだった。遺品の謎を解くため、フリーライターの結城真理は疎遠だった母とフランスに赴く。祖母は第二次世界大戦中、外務省一等書記官の娘としてナチ占領下のパリにいた。その足跡を辿ると、驚愕の事実が。歴史上のある人物を巡る謀略が浮かび上がったのだ。 約80年の時を経て、祖母が胸に秘めていた秘密が明らかに! 『マドモアゼル』(島村匠名義)改題作品

「毒蜜 牙の領分」

陸自、やくざという異色の経歴を持つ始末屋多門剛。刑務所で同房だった滝沢が殺された。出所後、前科者の更生に取り組んでいた滝沢は、募金詐欺犯を追って返り討ちに遭ったのだ。事件の鍵を握る組員進藤も殺されるや、全国の広域暴力団傘下で、多数の事務所爆破が勃発。滝沢殺しの実行犯として浮上した半グレ集団の目的は、闇社会の殲滅なのか? 多門が吼えた!

「礼儀正しい空き巣の死  警部補卯月枝衣子の策略」

住宅街の一軒家で、空き巣が風呂に入ってそのまま死んだ。靴を揃えて服を畳み、割ったガラスを補修して、やけに礼儀正しい男だった。死因は心疾患で、事件性はなし。だが国分寺署の刑事課長は、そこが三十年前の少女殺害現場の隣家であることに気づく。単なる偶然か、なにかの因縁か。本庁への栄転を目論む卯月枝衣子警部補は、僅かな手がかりを追って極秘捜査を開始する。

「メタボラ」

記憶喪失の「僕」と島を捨てた昭光の、行くあてのない逃避行。社会から疎外された若者たちを通じて現代の貧困を暴き出した問題作!

「わかれ縁 狸穴屋お始末日記」

最低亭主から逃げた女房は江戸の離縁請負人のもとで働くことに。一筋縄ではいかない依頼を解決しながら、自らの離縁を目指すが――⁉

「署長シンドローム」

『隠蔽捜査』でおなじみ竜崎伸也が大森署を去った後、さっそうとあらわれた新署長・藍本小百合が、凶悪事件を解決する!

「灰色の階段 ラストラインØ」

異動の先々で事件を呼ぶ男・岩倉剛。 彼の刑事人生の全貌が、いま明らかになる! 〈異動の先々で事件を呼ぶ男〉と言われるベテラン刑事・岩倉剛。 彼は事件に関する異常なまでの記憶力を持ち、誤った方向に暴走しそうになる捜査本部をギリギリで引き留める「ラストライン」の担い手でもあった。 岩倉の刑事生活ラストの10年を描く「ラストライン」シリーズだが、本作はそのシリーズ外伝として、それ以前の岩倉の活躍を描く短篇集である。

「パライソのどん底」

「アレに魅入られると、死にますよ」――ここは楽園?それとも地獄? “絶対に口にしてはいけない禁忌”を抱えた村に、転校生・高遠瑠樺がやってくる。彼のあまりの美しさに、息を呑む相馬律。だが、他の誰も、彼に近づこうとしない。そして、律だけに訪れる、死にたいほどの快楽……。 ある日、律の家の玄関が、狂い咲きした花で埋め尽くされる。”花の意味”を知る、神社の“忌子”の口から出た言葉とは!? 止まらぬ愛と欲望は、はてしない絶望と恐怖の始まりだった――! この村で、住民がひた隠しにする「伝承(ひみつ)」とは? 俺の心と体を支配し、おかしくした、「存在(アレ)」の正体とは? 切なさも怖さも底無しの、 BL系ホラー!

「鴨川食堂ひっこし」

「鴨川はんには申しわけないんやが立ち退いて欲しいんや」。京都・東本願寺近くにひっそりと佇む食堂で、依頼人の“もう一度食べたい”を叶えてきた鴨川流・こいし親娘。ある日、食堂の大家が店を訪れ、一帯の再開発にともない建物を明け渡してほしいと流に告げる。移転か店じまいか、戸惑いながらも話し合いを始める流とこいし。そして世代交代も考え始めた流は、こいしに亡くなった妻・掬子との思い出の味を捜してほしいと依頼しー。心もお腹も温まる、美味しいミステリー第十弾。鴨川親娘が実在する各地の名店を巡る番外編、「鴨川食堂おでかけ」も収録!

「#拡散希望 その炎上、濡れ衣です」

第9回『ネット小説大賞』の受賞作。濡れ衣のネット炎上&逆転を描いたサスペンス! ウェディングプランナーとして充実した日々を送っていた藍原ひかる。ある日、トラブルだらけの披露宴に出くわし、騒ぎの収拾に手を貸した。――その後日。「#A原、死んで詫びろ」「#A原を許さない」ハンドメイド作家としてSNSで知名度のあった新婦の投稿から、瞬く間に式当日のずさんな対応が拡散され、なぜかその責任者として藍原の名前が挙がっていたのだ。悲劇のヒロインとして注目を浴びたい新婦、広がる炎上に愉悦感を覚えて火種を投下し続ける新婦友人、ゲーム感覚で藍原の個人情報を特定していくネット民。絶体絶命の窮地で、藍原が出会った弁護士・九印葉桜は彼女に“前代未聞の訴訟”を提案し……。怒濤の逆転劇が幕を開ける!

「異人の守り手」

闇から闇へ“人を助ける”仕掛け人! 慶応元年の横浜。世界中を旅する実業家のハインリヒは、外交官しか立ち入ることができない江戸へ行くことを望んでいた。 だがこの頃、いまだ外国人が日本人に襲われる事件はなくならず、ハインリヒ自身もまた、怪しい日本人に尾行されていた。 不安を覚えたハインリヒは、八か国語を流暢に操る不思議な日本人青年・秦漣太郎をガイドに雇う。そして漣太郎と行動をともにする中で、ハインリヒは「異人の守り手」と噂される、陰ながら外国人を守る日本人たちがこの横浜にいることを知り――。 手に汗を握る興奮に、深い感動。大エンターテインメント時代小説、ここに開幕!

「暗号解読士 九條キリヤの事件簿」

暗号に隠された思いを解き放つ! 九條キリヤ。通称『暗号解読士』。類い稀なる数学的センスで事件現場に残された暗号を解き、難解な事件をいくつも解決に導いてきた警察の民間協力者――。 担当する殺人事件の捜査のため、キリヤがいると教えられた大学へ向かった警視庁の新米刑事・七瀬光莉。構内で学生に間違えられた光莉は面倒ごとに巻き込まれそうになるが、突然現れた青年に助けてもらう。見たことがないほど美しい顔で毒舌を振るい、信じられないほど無愛想に対応するその青年がキリヤ本人だと知り、驚く光莉。そしてキリヤは、光莉たちがどうしても解けなかった暗号を難なく解き、その実力を光莉に見せつけるのだった…。 暗号を作った人を知ることこそが、暗号を解く近道になる。そう語るキリヤとともに、暗号に隠された意図を探るため、関係者への聞き込みを進める光莉。だが、捜査の最中、光莉たちは何者かに襲われ、キリヤが怪我を負ってしまう!? 他人との深い関わりを拒みながらも、暗号に込められた思いや願いを探り解き放つ、大学生キリヤ。彼が探し続ける〈最期の言葉〉とは? 暗号にまつわる数々の事件と秘められたキリヤの過去を描く、暗号解読ミステリー!

「禁断領域 イックンジュッキの棲む森」

第21回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリ受賞作です。 大学院で霊長類学を研究する季華が所属する研究室に、米国企業からコンゴでの道路建設に関するアセスメントへの協力依頼が舞い込む。 調査対象であるボノボの生息地を目指してコンゴの大地を進む調査隊。彼らは森の中から助けを求めにやってきた少年に出会う。 その矢先、調査地付近の村で人々が何者かに惨殺され――。 霊長類学の聖地で繰り広げられる、衝撃のパニックサスペンス!

「本売る日々」

本屋の私が行商に出向いたのは、孫ほどの娘を後添えに迎えた名主宅。披露した画譜が無くなり、彼女が盗んだとしか思えないのだが…。

「南風に乗る」

この物語の主人公は沖縄である 沖縄からの風が「真」をはこんでくれる―― 戦後、日本は二つの国に分断されていた。 本土から切り離され、米軍支配下に取り残された沖縄は「独立」に向けた闘いを開始する。 遠く離れた故郷沖縄に思いを馳せる詩人・山之口貘、“アメリカが最も恐れた男”不屈の政治家・瀬長亀次郎、戦後の東京で私費を投じて米軍支配が続く沖縄との連帯を模索する中野好夫……。 実在の人物たちの視点を通し、本土復帰までの「時代」と「闘い」を描く傑作歴史長編! 『ジョーカー・ゲーム』シリーズで知られるベストセラー作家が挑む「沖縄が主人公」の物語。

「お探し物は図書室まで」

「お探し物は、本ですか?仕事ですか?人生ですか?」。仕事や人生に行き詰まりを感じている5人が訪れた、町の小さな図書室。彼らの背中を、不愛想だけど聞き上手な司書さんが、思いもよらない本のセレクトと可愛い付録で、後押しします。自分が本当に「探している物」に気がつき、明日への活力と希望が満ちていく物語。2021年本屋大賞第2位。

「鯨オーケストラ」

小さな奇跡の物語がここに終わり、ここから、また始まる。僕は地元のラジオ局で深夜の番組を担当している。ある日、17歳の時に絵のモデルをしたことを話したところ、リスナーから、僕によく似た肖像画を見た、と葉書が届くー。土曜日のハンバーガー、流星新聞、キッチンあおい、行方不明の少年、多々さん、鯨オーケストラーすべてが響きあって、つながってゆく。

「四日間家族」

誘拐犯に仕立て上げられた自殺志願者たちの運命は。ノンストップ犯罪小説! 自殺を決意した夏美は、ネットで繋がった同じ望みを持つ三人と車で山へ向かう。夜更け、車中で練炭に着火しようとした時、森の奥から赤ん坊の泣き声が。「最後の人助け」として一時的に赤ん坊を保護した四人。しかし赤ん坊の母親を名乗る女性がSNSに投稿した動画によって、連れ去り犯の汚名を着せられ、炎上騒動に発展、追われることに――。暴走する正義から逃れ、四人が辿り着く真相とは。

「化石少女と七つの冒険」

この学園は呪われている!? 白雪にまみれ 赤い紐で手首を結び合った三人の死体、 男子の制服を着て死んでいた女子生徒、 殺され焼かれた書道教師…… 良家の子女が集う京都の名門高校で、 またまた相次ぐ怪事件に、 名探偵まりあの血が再び騒ぐ。 神舞まりあは、 自分以外の部員わずか一人という 零細古生物部を率いる化石オタクのお嬢様。 そして、誰にも認めてもらえない 女子高生探偵だ。 こちらも誰にも見向きもされない古生物部に、 なぜか加入してきた怪しい一年生。 無理矢理お嬢様のワトソン役にされ続けた 男子部員が抱えた黒い秘密。 その上、いかがわしい新入生探偵まで登場。 怪しさ倍増の果てに、予測不能の結末が!

まとめ