
年末年始の9連休が取れる人は、ミステリーを読み倒そう。
全国のミステリーファンにとって楽しみなのが、その年のランキングです。
中でも宝島社が主催する「このミステリーがすごい」通称「このミス」は読書リストとしても使えるガイドブックです。


受賞作一覧付き記事です。その年のミステリー作品ランキングは「本ミス」、「このミス」、早川書房の「ミス読み」、そして「週刊文春の特集ミステリーベスト10」の四つです。微妙に作品や順位が違います。ランキング入りした作品は限られているので総合的に判断すればめぼしい作品の取りこぼしはほとんどなくなります。
評価の違いを比較しながら、自分の読書眼を再確認するというのも楽しみのひとつです。ここでは鑑賞のポイントになるツボをまとめました。
ミステリーのように作品の評価は一つではないことが分かると、そこから新たな発見が見えてきます。
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Contents
ランキング(国内編)
1.medium霊媒探偵城塚翡翠

- 四話からなる連作集。主人公香月は、霊媒師・翡翠の持つ霊視と推理を組合せて事件に迫る。どんでん返しあり?
- 細部まで作り込まれた論理とキャラクターの良さが美点。
- ライトノベルやキャラ萌え小説を読み進めるだけの忍耐力が必要?
- 2020本屋大賞ノミネート作品
『medium 霊媒探偵城塚翡翠』ミステリーランキング3冠獲得のお知らせ|株式会社講談社のプレスリリース
2.ノースライト

- 人生経験を経た中高年向けの骨太ヒューマンドラマ。
- 「ノースライト」とは「北向きの採光」 ひとりの建築士の再生の物語。
- 謎解きではなく人間たちの綾なす偶然。偶然が産み出す罪と贖い。
- 2020本屋大賞ノミネート作品
3.魔眼の匣の殺人
- 屍人荘の殺人の第2弾。舞台は山の中の一軒家で、クローズドサークル。
- 一度も外したことのない予言者が「あと二日で四人死ぬ」と予告。
- ミステリファンならずとも サクサクと読めて楽しめる。
4.罪の轍

- 東京オリンピックの前年に起きた誘拐事件が題材。
- 昭和の世界に自分がタイムスリップ。 戦後闇市マニア、70年代までの学生運動マニアにもおすすめ。
- 意外な犯人も大きな謎もありません。
5.刀と傘 明治京洛推理帖
- 幕末から明治にかけ、二人の男が出会い、訣別し、それぞれの結末を迎えるまでの物語。
- 連作短編集。
6.紅蓮館の殺人
- 山火事で隔離された洋館での殺人事件。タイムリミット付きのクローズドサークルもの。
- 自称探偵の高校生と元自称探偵の女性が、探偵の在り方をめぐって信念をぶつけ合う。
7.欺す衆生
- 戦後最大の詐欺といわれた豊田商事事件。その残党たちの暗闘。
- 気弱だった男が、いつの間にか闇の住人たちと渡り合っていく。
- 詐欺を働く主人公が抱く「ある」信念とは。
8.昨日がなければ明日もない

- 久しぶりにホンワカキャラの杉村さん登場。
- 天災に不条理に壊される人がいる。
- 3編からなる短編シリーズ。
9.本と鍵の季節

- 各短編を通して伏線情報が整頓された作品。
- 古典部シリーズより、小市民シリーズよりの青春ミステリー。
- スッキリしないほろ苦さがさわやかな深みとなってあとをひく。
10.潮首岬に郭公の鳴く
11.Iの悲劇
- 人が死なないミステリー
- 地方行政に携わる公務員のままならない現実。
- 現代日本の縮図を推理小説の形で描いた作品。
- 不定期で「オール讀物」に掲載されていた小説、書き下ろしを集約。
12.早朝始発の殺風景
12.殺人鬼がもう一人
- 頭に来る人が近くにいてでもその人には怒りをぶつけられないという人がその怒りを転嫁するにはちょうどいいかも。
14.マーダーズ
- 俊敏でスリリングな展開のバイオレンスアクション。
- 主人公は 殺人者である刑事と連続殺人を犯しながら知られずに生きてきた商社マン。
- 一見、荒唐無稽だが、迫力のあるリアリティ。
15.スワン
15.我らが少女A
17.殺人犯対殺人鬼
18.W県警の悲劇
19.予言の島
- 霊能者が20年後に島で6人が死ぬと言い残した予言。
- ミステリーでもありホラーでもある。
19.まほり
- 人里離れた限界集落に伝わる奇妙な風習を、社会学を専攻する大学院生の青年が調べる物語。
- 暗号解読のように過去をさかのぼって行く知的遊戯。
- 「図書館の魔女」シリーズは4年間ほど中断中。

残念ながら予想が外れた作品をご紹介します。
そして誰も死ななかった
むかしむかしあるところに、死体がありました。
- 昔話でおなじみの登場人物が殺人に手を染めてしまう。
- イヤミス・後味の悪さが好きな人向き。
- 昔話が持つ不思議な設定をうまく料理している。
- 2020本屋大賞ノミネート作品
いけない

時空旅行者の砂時計
タイムリミットは、土砂崩れがすべてを呑み込むまでの四日間。
閉ざされた館の中で起こる不可能犯罪の真犯人を暴き、加茂は2018年に戻ることができるのか!?
過去の受賞記録
予想通りの作品がランクインするか。ダークホース的な作品が現れるか。予想を裏切るように年末のイベントからは毎年意外な作品が出現します。
ミステリー初心者の方は、まずこのランキングをきっかけに、好きな作家・作品を発掘してみてはいかがでしょうか。

「このミステリーがすごい」大賞
誤解する人がたまにいるのが、宝島社が主催するミステリー小説の公募新人賞の 『このミステリーがすごい!』大賞 。そのランキングです。
『このミステリーがすごい!』大賞とは (コノミステリーガスゴイタイショウとは) [単語記事] – ニコニコ大百科
参考リンク
「このミステリーがすごい!2020年版」ランキング(順位)予想: 朴念仁と居候
【小説】『このミステリーがすごい!2020年版』―2019年に発表された本ベスト20! – 紙の本も読みなよ
このミステリーがすごい!2020年版 国内ベスト20予想 : 物語良品館資料室