
世の中の様子がおかしい。その波紋が書店の店先にまで届いています。いつもよりお客が多い。ミステリーが動いています。いやな気分をしばし忘れて夢中になれるミステリーに人気が集まっているようです。
春。新刊ミステリーの中から注目作品をピックアップしました。
Contents
2020春のミステリ新刊
罪人の選択
二年半ぶりの新刊は、濃密なエッセンスが溢れだす珠玉の作品集。
最新SF「赤い雨」は、パンデミックが起きたときあらわになる人間の本性を描いた、今読むべき一作。
本格的デビュー前に雑誌掲載された「夜の記憶」は単行本初収録。さらに『新世界より』発表直後に書かれたSF、歴史を越えた本格ミステリ『罪人の選択』まで現代を映しだす短編が結集! 3月27日刊
暴虎の牙
広島のマル暴刑事・大上章吾の前に現れた、最凶の敵。愚連隊「呉寅会」を率いる沖虎彦の暴走を、大上とその愛弟子である日岡は止められるのか? 著者の人気を決定づけた警察小説『孤狼の血』シリーズ、ついに完結!3月27日刊
旋律月下
もしも人生をやり直せたら、次は間違えずに君を愛せるだろうか。
家族でも見分けられない双子、舞原月乃と今宵。月乃は誰からも好かれる朗らかな性格で、妹の今宵は大人びた物静かな少女だった。
月乃に恋をした望月洋平は彼女と同じ大学を目指すが、受験に失敗し、経済的な事情から浪人を両親に禁じられてしまう。
現実の前に頭を垂れた人生と、意志を貫き、親に逆らってでも掴みたかった人生。諦めたはずの人生で再会した今宵と、諦めなかった人生で再会した月乃。
二つの人生を『if』で描く、『月』の恋愛ミステリー。3月25日刊
いらっしゃいませ 下町和菓子 栗丸堂 「和」菓子をもって貴しとなす
東京、浅草。下町の一角に明治時代から四代続く老舗『甘味処栗丸堂』はある。
端整な顔立ちをした若店主の栗田は、無愛想だが腕は確か。普段は客が持ち込む騒動でにぎやかなこの店も、訳あって今は一時休業中らしい。
そんな秋口、 なにやら気をもむ栗田。いつもは天然なお嬢様の葵もどこか心配げ。聞けば、近所にできた和菓子屋がたいそう評判なのだという。
あらたな季節を迎える栗丸堂。葉色とともに、和菓子がつなぐ縁も深みを増していくようで。さて今回の騒動は?3月25日刊
破滅の刑死者3 特務捜査CIRO-S 死線の到達点
普通じゃない事件と捜査――話題沸騰、第25回電撃小説大賞受賞作続編!
血塗られた“Cファイル”を追う捜査官が謎の死を遂げた。「犯人は緑眼」と言い遺して――。
ファイルの取引を聞きつけ、豪華客船に潜入したトウヤと珠子。各国の闇組織が絡み、敵味方も分からない船中。手探りな二人を嘲笑うかのように、惨殺死体が続々と発見され……。珠子に忍び寄る怪物の影、一方トウヤの前にも予想しえない敵が現れる――。
交錯する死線とブラフ。真実を見極めたトウヤが、死の船に仕掛けられた“本当の罠”に気付いた時――、死神の足音が近づいていた。3月25日刊
恋に至る病
僕の恋人は、自ら手を下さず150人以上を自殺へ導いた殺人犯でした――。
やがて150人以上の被害者を出し、日本中を震撼させる自殺教唆ゲーム『青い蝶』。
その主催者は誰からも好かれる女子高生・寄河景だった。
善良だったはずの彼女がいかにして化物へと姿を変えたのか――幼なじみの少年・宮嶺は、運命を狂わせた“最初の殺人”を回想し始める。
「世界が君を赦さなくても、僕だけは君の味方だから」
変わりゆく彼女に気づきながら、愛することをやめられかった彼が辿り着く地獄とは?
斜線堂有紀が、暴走する愛と連鎖する悲劇を描く衝撃作!3月25日刊
誘拐屋のエチケット
SNS炎上、不倫スキャンダル、借金まみれ。
人生崖っぷちの人々を攫って匿って問題解決!それが、誘拐屋。
「誘拐されて、人生一発逆転しませんか?」
腕利きの誘拐屋・田村健一は、ある日、新人誘拐屋の根本翼とコンビを組むことになる。
あまりにもお節介な翼は、自らが誘拐した人物の人生相談に乗ってしまう。
淡々と仕事を全うしたい田村の抵抗もむなしく、いつの間にか二人は関係のないトラブルに巻き込まれていく。
だがすべての出来事は、実は田村の秘めた過去につながっており……。3月25日刊
PUZZLE 東京駅おもてうら交番・堀北恵平
正体不明のバラバラ遺体。恵平は、人間の悪意と対峙する!
年の瀬が迫り、慌ただしくなる東京駅。新人女性警察官の恵平は、置き引き犯からスーツケースを押収する。中には切断された男性の胸部が――翌日から、都内各所で遺体の一部が次々に発見される。冷凍状態の男性の胸部と足、白骨化した女性の手首、付着していた第三者の血痕……被害者は一体誰なのか? 遺体発見のたびに複雑化する事件を、青年刑事・平野と恵平が追う! 過去と現代の猟奇犯罪が重なり合う、シリーズ第3弾。3月25日刊
警視庁SM班I シークレット・ミッション
異色の刑事6人が、連続快楽殺人鬼を追う。待望の警察小説新シリーズ!
警視庁捜査一課に新設された強行犯特殊捜査班。それは優秀だが組織に上手く馴染めない事情を持った刑事6人が集められた部署だった。彼らが最初に挑むのは女子大生の身体パーツが見つかった猟奇事件で――! 3月24日刊
渋谷スクランブルデイズ インディゴ・イヴ
三十代、仕事も恋も、次の一歩を選びあぐねているライターの晶。取材がきっかけで「新感覚ホストクラブ」を経営することに!?
困った死体は瞑らない
豆腐で頭蓋骨を割られた男、プールに飛び込んで焼死した力士など、あっと驚く変死の謎に警視庁特殊捜査班「サーカス」が挑む第2弾! 3月19日刊
死香探偵-哀しき死たちは儚く香る
圧倒的人気につき9万部突破!
「死香」を食べ物の匂いとして認識する桜庭潤平。潤平の特殊体質に興味を抱く分析学のエキスパート・風間。これまで未解決事件を匂いで嗅ぎ解いてきた二人だが、ある日潤平が特殊な薬品をかけられ嗅覚を失ってしまう。風間は、潤平と同じ能力を持ちながら歪んだ思想をもつ月森の関与を疑うが――。3月19日刊
薫大将と匂の宮
光源氏の正妻・女三の宮の不義の子とされる薫大将と、源氏の孫にあたる匂の宮――源氏の亡き後、二人の貴公子の織りなす物語が『源氏物語』でも名高き「宇治十帖」である。その「宇治十帖」を最後に千年以上に亘り未完とされていたこの物語には、未だ世に明らかにされていない幻の続編が存在した。貴公子たちの恋の鞘当てが招く、美しき姫君たちの死。平安の宮中を震撼させる怪事に、紫式部と清少納言が推理を競う。推理作家にして古典文学者、ふたつの顔を持つ著者のみが書き得た絢爛たる王朝推理絵巻が、いま甦る。3月19日刊
黄昏の館
小説『昏い天使』で新人賞を受賞した、フランス帰りの美青年作家・宗像冬樹は、予告した第二作『黄昏の館』を書きあぐね、酒浸りの日々を送っていた。その才能を信じる担当編集者は、彼の記憶に残る山奥の豪壮な西洋館を探すよう助言する。しかし、たどり着いてみると、幼き日に母と一夏を過ごしたその館には恐ろしい秘密が……。消えた幼女、秘密の地下室、妖しい美女……。謎の洋館の秘密とは……?笠井潔のめくるめく幻想世界。3月19日刊
〈あの絵〉のまえで
詩帆17歳の誕生日デートは岡山の「大原美術館」、ピカソ〈鳥籠〉のまえ。それからふたりはいつも一緒だった。けれど、彼は今日旅立つ。
(「窓辺の小鳥たち」)
ある少女に導かれるように会社と逆方向の電車に飛び乗った私。箱根「ポーラ美術館」のセザンヌ〈砂糖壺、梨とテーブルクロス〉のまえで夢を諦めた記憶が蘇りーー。(「檸檬」)
日常の中の小さな幸せに寄り添う、珠玉の6篇。
緋色の残響
2008年日本推理作家協会賞受賞作「傍聞き」で、40万人超の読者を魅了したシングルマザー刑事の啓子と一人娘の菜月。
そのコンビが全編の主役を飾る連作短編集が、多くの期待の声に応え遂に刊行!
「ザ・ベストミステリーズ2019」に選出された表題作を筆頭に、短編ミステリー作家として不動の地位を築く著者の手腕が存分に発揮された5編。3月18日刊
クスノキの番人

不思議な力を持つ木と番人の青年が織り成す物語。『秘密』『時生』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』に続く東野圭吾の新たな感動作。長編書き下ろし。3月17日刊
夜がどれほど暗くても
人間の不幸に底はないのか?水に落ちた犬は叩かれ続けるのか?息子の殺人疑惑で崩れ去った幸せ―。スキャンダルとネットの噂に奪われた家族。だが男は諦めなかった―。3月14日刊
ツインソウル 行動心理捜査官・楯岡絵麻
累計54万部突破の「エンマ様」シリーズ、最新刊!人気YouTuberが殺害され、加害者である暴力団員は道端でぶつかっただけで被害者とは面識がないというが……。
ホームヘルパーとしてつましく暮らしていたはずの女性の遺体には、むごたらしいリンチの痕があり――。
路上で無差別殺傷事件を起こした男を取り調べていると、ネットで殺人教唆を受けたような形跡が。
その糸を辿っていくと、死刑囚として服役しているはずのある人物に行き着き……。
相手のしぐさから噓を見破る美人刑事が真実を暴く全4話。 3月12日刊
ブルーローズは眠らない
ジェリーフィッシュ事件後、閑職に回されたフラッグスタッフ署の刑事・マリアと漣。ふたりは不可能と言われた青いバラを同時期に作出したという、テニエル博士とクリーヴランド牧師を捜査することに。ところが両者と面談したのち、施錠されバラの蔓が壁と窓を覆った密室状態の温室の中で、切断された首が見つかり…。『ジェリーフィッシュは凍らない』に続くシリーズ第二弾!3月12日刊
おれは一万石 (12)-慶事の魔
正紀と京のあいだに子が生まれ、正紀の親友、山野辺には許嫁ができた。おめでたつづきの高岡藩だったが、続々と届く祝いの品の中に、とんでもない罠が隠されていた。高岡藩に恨みを抱く石川総恒と悪徳商人が捨て身で仕掛けた最後の大勝負だった。窮地に陥った高岡藩を救うため、正紀は江戸の町を奔る!好評シリーズ第十二弾!3月11日刊
警視庁公安0課 カミカゼ(3)-首都爆発
十津川警部 ストーブ列車殺人事件
迷路の始まり ラストライン 3
鯖猫長屋ふしぎ草紙(八)
アウターライズ
幽霊たちの不在証明
彼女の色に届くまで
画商の息子で画家を目指す僕こと緑川礼は、冴えない高校生活を送っていた。だがある日、学校で絵画損壊事件の犯人と疑われてしまう。窮地を救ったのは謎めいた同学年の美少女、千坂桜だった。千坂は有名絵画をヒントに事件の真相を解き明かし、僕の日常は一変する。高校・芸大・社会人と、天才的な美術センスを持つ千坂と共に、絵画にまつわる事件に巻き込まれていくが…。鮮やかな仕掛けと驚きに満ちた青春アートミステリ。2月21日刊 文庫化
ダブル
被害者女性の特異な容貌から注目を浴びた轢き逃げ事件、痴漢の容疑をかけられた男の転落死、色呆け老人が飲んだ薬物入り缶コーヒー騒動―同じ地域で起こった三件の未解決事件には、ある人物の姿が見え隠れしていた。謎を追う女性ライターは次第にその人物に魅入られていく…。彼女が辿り着いた真相とは。2月12日刊 文庫化
清明: 隠蔽捜査8
神奈川県警刑事部長に着任した異色の警察官僚・竜崎伸也。着任早々、県境で死体遺棄事件が発生、馴染みの警視庁の面々と再会するが、どこかやりにくさを感じる。さらに被害者は中国人と判明、公安と中国という巨大な壁が立ちはだかることに。一方、妻の冴子が交通事故を起こしたという一報が…。益々スケールアップの第八弾!1月20日刊
高校事変 V
武蔵小杉高校事変で優莉結衣に救われた濱林澪はショックから不登校になっていた。編入の下見のため訪れた農業高校で教師たちの振る舞いに異常を感じた澪は結衣に助けを求める。事変以来の再会だった。優莉匡太亡き後の秩序再編をもくろむ半グレ組織、そして匡太の子たちを追い込むためには非常手段をも辞さない公安警察。国家規模の陰謀が新たな戦いを引き起こす。その渦中で、結衣はあまりにも意外な人物と遭遇する…。1月23日刊
巴里マカロンの謎
「わたしたちはこれから、新しくオープンしたお店に行ってマカロンを食べます」その店のティー&マカロンセットで注文できるマカロンは三種類。しかし小佐内さんの皿には、あるはずのない四つめのマカロンが乗っていた。誰がなぜ四つめのマカロンを置いたのか?小鳩君は早速思考を巡らし始める…心穏やかで無害で易きに流れる小市民を目指す、あのふたりが帰ってきました! 1月20日刊