常識破壊! 特殊設定 ミステリー セレクション 19

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 特殊設定ミステリー を書きます。※本ページにはPRが含まれます

特殊設定 ミステリー とは

「特殊設定ミステリー」とは、異世界や超能力などの設定を導入した本格ミステリーのこと。若い世代を中心に新しい書き手が続々登場する期待のジャンルです。

現実離れを恐れない設定と、独自の世界観に説得力を持たせた筆力で読者の心を熱くする才能たちの作品三冊です。

「シャーロックホームズの凱旋」(2024)森見登美彦

舞台はヴィクトリア朝京都。
洛中洛外に名を轟かせた名探偵ホームズが……まさかの大スランプ!?

  • 京都を右往左往する登場人物たちの可笑しくも哀しい様に笑った。聖なる怠け者の破綻でスランプに陥ったという作者の苦悩が想像できた。これはモリミーの凱旋でもある。
  • 途中のどんでん返し等あり、最後まで不思議な話だった。
  • ヴィクトリア朝京都を舞台にしたシャーロック・ホームズと言われれると、なんじゃそら!?と思わず声に出てしまうが森見登美彦が書いたとあれば読まずにはいられまい。

「少女には向かない完全犯罪」(2024)方丈貴恵

なにもできない二人が、逃げ、考え、罠にかける!頭脳戦の楽しみに満ちた爽快な復讐譚!黒羽烏由宇は、ビルから墜落し死につつあった。臨死体験のさなか、あと七日で消滅する幽霊となった彼は、両親を殺された少女・音葉に出会う。彼女は、出会い頭に彼に斧を叩き込んで、言う。「確かに、幽霊も子供も一人じゃ何もできないよ。
でも、私たちが力を合わせれば、大人の誰にもできないことがやれると思わない?」天井に足跡の残る殺人、閉じ込められた第一発見者、犯人はこの町にいる。

  • 伏線、伏線また伏線!2年連続本格ミステリ大賞ノミネート作家による終着点が心震わせる本格ミステリ。
  • 幽霊探偵と少女が論理を交えながら真相に一歩一歩近付いていく姿を追うのが楽しい。
  • 一気に読んだ。面白かった!方丈さんのお話はロジックがしっかりしてて安心して特殊設定を楽しめる。
  • 最初はチグハグだった2人が切磋琢磨し、キレる推理炸裂に大興奮!そして、ラストでの真相が激変していく様子に、息を呑みました。

「ミノタウロス現象」(2024)潮谷験

モンスターパニック×不可能犯罪。近い将来、人類はこの怪物に駆逐されるのか。そんな世界で、不可能犯罪が起こった。目の前には三メートル超えの怪物、背後には震える少年。好感度を何よりも重視する史上最年少市長・利根川翼は、人生最大のピンチに陥っていた。だが、その危機からの脱出直後、「異様な死体」が発見される――。容疑者の一人になってしまった翼は、自身の疑惑を晴らすために謎解きを始める。『スイッチ 悪意の実験』『時空犯』で話題の新鋭が挑む、渾身の本格ミステリ。

  • おお,今度は怪物で来たか。特殊設定ミステリ。
  • 発想の飛躍を感じる箇所がなくもなかったが、大変面白かった。きちんとミステリであることを思い出させてくれる解決編も嬉しい。
  • タイトル名と装丁からシリアスな内容を想定していたら、コミカルな内容でした。マジメな人は合わないかも。私はバカミスとして楽しみました。

「忍鳥摩季の紳士的な推理」(2024)穂波了

忍鳥摩季は世の中で起きる超常現象を調査する専門家。
一見、ちょっと頼りない彼女が、世の中で起きる超常現象を利用した殺人事件を解決していくのだが、なぜか謎解きになると摩季の態度は一変してしまう・・・・・・。
彼女の背後にいる謎の「先生」とは!? 世にも奇妙な超常現象の世界を描く特殊設定ミステリー。

  • 超常現象の法則性はしっかりしており、その世界観の中でトリックが鮮やかに暴かれる様は圧巻だ。本当にトリックがしっかりしている。
  • 連作短編の最初は時空の歪み。登場人物たちは慌てつつも異常現象を受け入れてる。このゆるい雰囲気がとても好き。
  • 面白かった。思わず超常現象調査士って資格を調べてしまった(笑)。

「エレファントヘッド」(2023)白井 智之

容疑者が全員自分という特殊設定ミステリー。精神科医の象山は家族を愛している。だが彼は知っていた。どんなに幸せな家族も、たった一つの小さな亀裂から崩壊してしまうことを――。やがて謎の薬を手に入れたことで、彼は人知を超えた殺人事件に巻き込まれていく。

  • 時間軸がややこしいけど、入り組んでいる分トリックも想像つかなくて面白い。ラストも、いい後味の悪さ。
  • 特殊設定ミステリの中でもさらに異端作。いろいろ常軌を逸しているため、最後に明かされる真相は、自分が推理する資質そのものがなかったと感じるくらい凄まじいものでした。
  • 分裂の繰り返しで頭の中がごちゃごちゃになる!

「ヨモツイクサ」(2023)知念 実希人

北海道旭川に《黄泉の森》と呼ばれ、アイヌの人々が怖れてきた禁域があった。
その禁域を大手ホテル会社が開発しようとするのだが、作業員が行方不明になってしまう。
現場には《何か》に蹂躙された痕跡だけが残されてた。
そして、作業員は死ぬ前に神秘的な蒼い光を見たという。地元の道央大病院に勤める外科医・佐原茜の実家は黄泉の森のそばにあり、
7年前に家族が忽然と消える神隠し事件に遭っていて、今も家族を捜していた。
この2つの事件は繋がっているのか。もしかして、ヨモツイクサの仕業なのか……。

  • 安易にホラーと思って読み始めたが、色々とエグすぎて強烈だった。
  • 映画の「エイリアンvsプレデター」を混ぜたような感じ。無事に解決して良かった良かったと思った後のベクダーの正体には、ゾクリ。
  • 緊張感がすごくてドキドキしっぱなしで、読み終えたあと年明け早々すごいもん読んじゃった…って脱力しました。

「兇人邸の殺人」(2021)今村 昌弘

廃虚テーマパーク内の奇怪な屋敷「兇人邸」の中で起こる首切り殺人の謎に挑む大学のミステリ愛好会に所属する主人公のコンビ葉村譲と剣崎比留子が主人公。ところが、同行者と共に閉じ込められ、犠牲者が相次ぐ中、比留子までが行方不明になってしまいます。

  • シリーズ3作目なので、オカルト×ミステリーの流れが読者側にも浸透。なかなか斬新なクローズドでした。
  • 疲れた……でもこういう一気読みの読書体験って楽しいですよね。シリーズ3作品目。相変わらず凄い設定でしたね。
  • 今回もあり得ない設定のミステリーでしたが、はらはらドキドキで止まらなかった。

「楽園とは探偵の不在なり」(2020)斜線堂 有紀

2人以上殺した者は“天使”によって即座に地獄に引き摺り込まれるようになった世界。過去の悲惨な出来事により失意に沈む探偵の青岸焦(あおぎしこがれ)は、「天国が存在するか知りたくないか」という大富豪・常木王凱(つねきおうがい)に誘われ、天使が集まる常世島(とこよじま)を訪れる。そこで青岸を待っていたのは、起きるはずのない連続殺人事件だった。犯人はなぜ、どのように地獄に堕ちずに殺人を続けているのか。最注目の作家による孤島×館の本格ミステリ長篇。

  • 天使が存在する世界の特殊設定&クローズドサークルミステリ。想像していた天使と違ってビジュアルが気持ち悪い…。
  • 設定が天才すぎる。面白かったです。グロいシーンもそこまで無くサクッと読めました。楽しかった。
  • 異形の天使の特殊設定ミステリ ADVゲームの小説版みたいな読み口だった。

「むかしむかしあるところに、死体がありました。」(2020)青柳碧人

「浦島太郎」や「鶴の恩返し」といった皆さんご存じの《日本昔ばなし》を、密室やアリバイ、ダイイングメッセージといったミステリのテーマで読み解く全く新しいミステリ!「一寸法師の不在証明」「花咲か死者伝言」「つるの倒叙がえし」「密室龍宮城」「絶海の鬼ヶ島」の全5編収録。

  • 誰もが知ってる昔話に死体を転がせちゃおう!というユニークかつブラックな本。サクッと読めて楽しい(あくまでブラックだけど)。
  • 設定どころか、登場人物も既知だから、スッとミステリに入っていけて、話がはやくて読み易いです。
  • ミステリー大好き×昔話大好きなので私得なジャンルだったし、青柳さんの文才が光る光る。

「教室がひとりになるまで」(2019)浅倉 秋成

北楓高校で起きた生徒の連続自殺。ひとりは学校のトイレで首を吊り、ふたりは校舎から飛び降りた。「全員が仲のいい最高のクラス」で、なぜ――。垣内友弘は、幼馴染みの同級生・白瀬美月から信じがたい話を打ち明けられる。「自殺なんかじゃない。みんなあいつに殺されたの」“他人を自殺させる力”を使った証明不可能な罪。犯人を裁く1度きりのチャンスを得た友弘は、異質で孤独な謎解きに身を投じる。新時代の傑作青春ミステリ。

  • タイトルから想像できなかったけど、特殊能力ミステリーだったとは。 能力によって、読者にも登場人物の本音がわかるところが面白い。
  • 特殊能力ミステリー。高校の生徒3人が次々と自殺。果たして本当に自殺なのか、はたまた他殺なのか。
  • スクールカースト×特殊能力×ミステリーという感じで、主人公は勿論下位目線だ。伏線回収はお見事でした!

「探偵は教室にいない」(2018)川澄浩平

わたし、海砂真史(うみすなまふみ)には、ちょっと変わった幼馴染みがいる。幼稚園の頃から妙に大人びていて頭の切れる子供だった彼とは、別々の小学校にはいって以来、長いこと会っていなかった。変わった子だと思っていたけど、中学生になってからは、どういう理由からか学校にもあまり行っていないらしい。しかし、ある日わたしの許に届いた差出人不明のラブレターをめぐって、わたしと彼――鳥飼歩(とりかいあゆむ)は、九年ぶりに再会を果たす。日々のなかで出会うささやかな謎を通して、少年少女が新たな扉を開く瞬間を切り取った四つの物語。

  • 日常の謎と青春ミステリが見事に融合した連作短編集。
  • やれやれ系・不登校・甘味好き・安楽椅子探偵……と探偵の設定山盛りだが、とっ散らからずに諸要素が相性良くまとまっている造形。
  • 新たな脱力系?日常の謎ミステリ。 米澤穂信の古典部フォロワーか?

「屍人荘の殺人」(2017)今村昌弘

神紅大学ミステリ愛好会会長であり『名探偵』の明智恭介とその助手、葉村譲は、同じ大学に通うもう一人の名探偵、剣崎比留子と共に曰くつきの映研の夏合宿に参加するため、ペンション紫湛荘を訪れる。初日の夜、彼らは想像だになかった事態に見舞われ荘内に籠城を余儀なくされるが、それは連続殺人の幕開けに過ぎなかった。たった一時間半で世界は一変した。数々のミステリランキングで1位に輝いた第27回鮎川哲也賞受賞作!

  • いや、こうきたか。まさかの展開に笑みが溢れてしまった。前知識なしに読みはじめたが、よくあるクローズドサークルものかーと侮っていた自分を殴りたい。
  • もう!めちゃくちゃ面白かった!大好き!クローズドサークル&ゾンビ……大好物のコラボに泣ける。
  • こんなクローズドがあるのかと驚かされた作品だった。展開が気持ちよく進み、読む手が止まらない。

「折れた竜骨」(2010) 米澤穂信

ロンドンから出帆し、北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。その領主を父に持つアミーナは、放浪の旅を続ける騎士ファルク・フィッツジョンと、その従士の少年ニコラに出会う。ファルクはアミーナの父に、御身は恐るべき魔術の使い手である暗殺騎士に命を狙われている、と告げた……。。魔術や呪いのある12世紀ヨーロッパの地方を舞台にした特殊設定ミステリー

  • これはファンタジー?それともミステリ?いやいやその両方です。まるでゲームの謎解きを世界観にしたような作品で、子供の頃にやってたFFやDQを思いだした。
  • 魔術を使った殺人と言っても何でもありって訳じゃなく、痕跡も残るし理詰めで犯行可能な人物を絞っていくし、想像よりもしっかりミステリー。
  • ファンタジーな特殊設定を活かしての様々な手掛かりとそれをフルに活かした極めて論理的な解決、よく出来ている名作。

「リピート」(2004)乾 くるみ

現在の記憶はそのままに過去の自分に戻って人生をやりなおす「リピート」に成功した若者たちが、次々と不可解な死を遂げはじめた!

  • 今の記憶を持ったまま10ヶ月前に戻れますがどうしますか?私なら行かない笑。
  • 表題の「リピート」は単なる時間旅行ではなく、過去のある時点の自分の肉体の中に現在の意識が入りこむ事。しかもいったんリピートしたら元の世界に戻る事は出来ず、その世界で人生をリセットするかさらにまたリピートを繰り返すかのどちらか。
  • 鳥肌立っちゃったよ。

「透明人間は密室に潜む」阿津川辰海

透明人間による不可能犯罪計画と、意外すぎる動機。裁判員裁判×アイドルオタクのアクロバティックな法廷ミステリ。録音された犯行現場の謎と、新米探偵のささやかな特技。クルーズ船内、脱出ゲームのイベントが進行する中での拉致監禁――。一編ずつ、異なった趣向、違った設定で作り上げられた、絢爛多彩、高密度の短編集。『紅蓮館の殺人』のスマッシュヒットで注目をあつめた新鋭が、本格ミステリの魅力と可能性に肉薄する。

  • 密室殺人、倒叙ミステリ、犯人当てのロジックと盛りだくさんの短編集。
  • こんなミステリーもあるんだな。 古典的なミステリーが好きな方はオマージュ要素もあるのでその点でも楽しめるのでは?
  • 4話の短編集。どの話も一筋縄ではいかなくて、頭をフル回転しながら読んだ。

「恋に至る病」斜線堂 有紀

やがて150人以上の被害者を出し、日本中を震撼させる自殺教唆ゲーム『青い蝶』。その主催者は誰からも好かれる女子高生・寄河景だった。善良だったはずの彼女がいかにして化物へと姿を変えたのか―変わりゆく彼女に気づきながら、愛することをやめられなかった幼なじみの少年・宮嶺が辿り着く地獄とは?斜線堂有紀が、暴走する愛と連鎖する悲劇を描く衝撃作!

  • 自分の手を汚さずにマインドコントロールで自殺させたり殺害させたりする能力の持ち主が主人公。
  • 見た目でラノベっぽいから苦手かもと読むのを後回ししていた自分を恥じたい…最初から最後までぐいぐいと引き込まれる話でした。
  • 犯罪を犯しつづける少女と少年、彼らの人生の歯車がどこで狂ったのか、どこかで止めることはできなかったのかを考えさせられる。

「暗黒残酷監獄」城戸喜由

同級生の女子から絶えず言い寄られ、人妻との不倫に暗い愉しみを見いだし、友人は皆無の高校生・清家椿太郎。ある日、姉の御鍬が十字架に磔となって死んだ。彼女が遺した「この家には悪魔がいる」というメモ。その真意を探るべく、椿太郎は家族の身辺調査を始め、残酷な真実に辿り着く。第23回日本ミステリー文学大賞新人賞 史上最年少受賞作!

  • 主人公は人妻としか付き合わない高校生で、姉が磔にされて殺された事件をどこかウキウキと調査しはじめる話ですが、とにかくふざけたことしか言わない。
  • 受賞作は選考委員の間で意見が真っ二つに割れたという。奇矯なキャラクター描写に頼ることなく本格ミステリーに仕立て上げた問題作。
  • 常識からずれた主人公の造形や彼と妙に波長のあう周辺人物などそのエキセントリックな世界観に引き込まれるのは事実。

「七回死んだ男」西澤 保彦

高校生の久太郎は、同じ1日が繰り返し訪れる「反復落とし穴」に嵌まる特異体質を持つ。資産家の祖父は新年会で後継者を決めると言い出し、親族が揉めに揉める中、何者かに殺害されてしまう。祖父を救うため久太郎はあらゆる手を尽くすが……

  • ある期間をリピートしてしまう体質とそれを利用して祖父の死をなんとか防ごうとするキュータロー君の奮闘はもちろんだけど、親族間バトルシーンには本気で笑わせてもらった。
  • 反復落とし穴の中で増えていく手がかりと謎に混乱しつつも、最後はきれいにパズルのピースがハマってとてもスッキリ!すごく論理的でしっかりとしたストーリー。
  • 物々しいタイトルからは内容はやや乖離していてほとんどギャグみたいなターンが続くが、きっちり本格ミステリをしていて素晴らしい。

「赤ずきん旅の途中で死体と出会う。」青柳 碧人

クッキーとワインを持って旅に出た赤ずきんがその途中で事件に遭遇。
「シンデレラ」「ヘンゼルとグレーテル」「眠り姫」「マッチ売りの少女」を下敷きに、小道具を使ったトリック満載!

  • 誰もが知っているであろう、赤ずきんちゃんが探偵役になり事件を解決していきます。日本の昔話と違って、プラス要素で魔法が絡んでくるのも面白かった。
  • 最終章の「マッチ売りの少女」との対決が驚愕。ミステリーをあまり読まない私でもスラスラと読めた。面白かった。
  • 読みやすく、ダーク要素もあるミステリーとの評。読後にわかったこと「私、あまりアンデルセン童話覚えてないかも」題名はもちろんピンとくる。

まとめ

Amazonには「Amazonチャージ」というサービスが用意されています。この「Amazonギフト券 チャージタイプ」に現金でチャージすると、Amazonポイントが還元されるのがポイント。
例えば、プライム会員が現金で1度に10万円チャージすると、2,500円相当のAmazonポイントが貯まります。さらにプライム会員は通常会員よりも還元率が高くなります。
Amazonチャージを使って本を買うとポイントが還元された分だけ実質的な値引きになります。
Amazonギフトカード チャージタイプ(直接アカウントに残高追加)
クレジットカードで決済するよりも、あらかじめ現金で「Amazonギフト券 チャージタイプ」でチャージしておく方がお得です。