【順位】 ミステリが読みたい! 2021年ランキング決定《国内編》

ミス読み2021国内
フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 ミステリが読みたい! を書きます。※本ページにはPRが含まれます

秋から冬にかけてのお楽しみが、毎年恒例のミステリーランキングの発表です。トップバッターを務めるのがSFやミステリーなどの出版で知られる早川書房発行の「ミステリマガジン」1月号の特集です。

この後発表される「ほんミス」「文春ミス」「このミス」と会わせ読むことで一番面白いミステリーとは何か推理することが出来ます。さて国内編のランキングをご紹介します。

「 ミステリが読みたい! 2021年版《国内編》」

ミス読み2021国内
ミステリが読みたい2021国内編

1.「たかが殺人じゃないか」辻 真先

昭和24年、ミステリ作家を目指している風早勝利は、名古屋市内の新制高校3年生になった。学制改革による、たった1年だけの男女共学の高校生活。そんな中、勝利たち推理小説研究会は、映画研究会と合同で一泊旅行を計画する。顧問と男女生徒5名で湯谷温泉へ、中止となった修学旅行代わりの旅だった――。そこで巻き込まれた密室殺人。さらに夏休み最後の夜に、首切り殺人にも巻き込まれる! 二つの不可解な事件に遭遇した少年少女は果たして……。

  • ミステリランキング三冠という割にはミステリ部分が垢ぬけない。10mもの滑り台を一人で移動させて作った密室といい、死体を解体する時間がなかったというアリバイトリックといい、ちっともスマートじゃない。評価できるのは伏線がきちんと張れているところくらいだろうか。
  • 読み始めは3冠という割には…と乗れなかったのですが第3章から止まらなくなりました。展開が予想できないままダレずに読めました。
  • あらゆる要素が、著者より4歳年上の梶龍雄の『透明な季節』等の作品群と同じ雰囲気を感ずる。きっと、あの時代を生きた人にしか描けないものなのではないか、と思いながら読み進めた。

昭和24年、ミステリ作家を目指しているカツ丼こと風早勝利は、名古屋市内の新制高校3年生になった。勝利たち推理小説研究会は、映画研究会と合同で一泊旅行を計画する。そこで巻き込まれた密室殺人事件。さらに夏休み最終日の夜、キティ台風が襲来する中で起きた廃墟での首切り殺人事件! 二つの不可解な事件に遭遇した勝利たちは果たして……。著者自らが経験した戦後日本の混乱期と、青春の日々をみずみずしく描き出す。

2.「楽園とは探偵の不在なり」斜線堂 有紀

2人以上殺した者は“天使”によって即座に地獄に引き摺り込まれるようになった世界。過去の悲惨な出来事により失意に沈む探偵の青岸焦(あおぎしこがれ)は、「天国が存在するか知りたくないか」という大富豪・常木王凱(つねきおうがい)に誘われ、天使が集まる常世島(とこよじま)を訪れる。そこで青岸を待っていたのは、起きるはずのない連続殺人事件だった。犯人はなぜ、どのように地獄に堕ちずに殺人を続けているのか。最注目の作家による孤島×館の本格ミステリ長篇

  • 特殊設定を主人公のパーソナリティと連結させ、それが最後のオチにまで繋がっていく流れも心地が良い。良質なメイドさんもありがとう。
  • いわゆる特殊設定ミステリーで、設定をうまいこと使ってトリックが組み立てられている。
  • 世界観を理解するのに戸惑ったけれど、面白かった。特殊設定ミステリ…どこまで進化するんだろう。

細々と探偵業を営む青岸焦(あおぎしこがれ)は「天国が存在するか知りたくないか」という大富豪・常木王凱(つねきおうがい)に誘われ、天使が集まる常世島(とこよじま)を訪れる。そこで青岸を待っていたのは、起きるはずのない連続殺人事件だった。

3.「透明人間は密室に潜む」阿津川辰海

透明人間が事件を起こしたら?
アイドルオタクが裁判員裁判に直面したら?
犯行現場の音を細かく聞いてみたら?
ミステリイベント中のクルーズ船で参加者の拉致監禁事件が起こったら?
阿津川辰海の傑作短編集がついに文庫化。

  • 密室殺人、倒叙ミステリ、犯人当てのロジックと盛りだくさんの短編集。吹雪の山荘ならぬ豪華客船からの脱出など今風の設定に楽しませていただきました。
  • 4話の短編集。おもしろかった。どれもどんでん返しで、えーと思いました。「六人の…」は笑っちゃいました。
  • どの作品も遊び心地満点で奇抜なのにちゃんとミステリ、かなり面白い。作者自身、色んな作品や作風をリスペクトして、楽しんで書いたのが伺える。

透明人間による不可能犯罪計画と、意外すぎる動機。裁判員裁判×アイドルオタクのアクロバティックな法廷ミステリ。録音された犯行現場の謎と、新米探偵のささやかな特技。クルーズ船内、脱出ゲームのイベントが進行する中での拉致監禁――。一編ずつ、異なった趣向、違った設定で作り上げられた、絢爛多彩、高密度の短編集。

3.「法廷遊戯」五十嵐 律人

法律家を目指す学生・久我清義と織本美鈴。
ある日を境に、二人の「過去」を知る何者かによる嫌がらせが相次ぐ。
これは復讐なのか。
秀才の同級生・結城馨の助言で事件は解決すると思いきや、予想外の「死」が訪れる――。第62回メフィスト賞、満場一致で受賞。森博嗣に憧れた天才司法修習生が描く、感動と衝撃の大傑作ミステリー!

  • 最初は難解な裁判の話かと思ったけど、途中からぐっと引き込まれあっという間に読むことができた。伏線回収されおもしろかった。
  • 最初のつかみから構成の良さにハマってどんどん先に進める面白さ。刑事訴訟法の内容が盛り込まれてこれをヒントにした推理小説は新鮮でした。
  • 圧巻の面白さ。まずミステリーとしての完成度が高く、結末が見えたと思ったところからもう一転する展開には驚かされた。
https://batanq.net/6059

5.「Another 2001」

多くの犠牲者が出た1998年度の“災厄”から3年。夜見北中でおきる“死者”がクラスにまぎれこむ“現象”。相次ぐ理不尽な“死”の恐怖、そして深まりゆく謎。“夜見山現象”史上最凶の“災厄”に、想と鳴はどう立ち向かうのか―!?

6.「死神の棋譜」

名人戦の日、不詰めの図式を拾った男が姿を消した。幻の「棋道会」、美しき女流二段、盤上の磐、そして将棋指しの呪いとは──。圧倒的引力で読ませる前代未聞の将棋ミステリ。

7.「あの子の殺人計画」

椎名きさらは小学五年生。母子家庭で窮乏している上に親から“水責めの刑”で厳しく躾けられていたが、ある時から自分が虐待されているのではないかと気づき始める。

8.「鶴屋南北の殺人」

「わたしが取り返してほしいものとは…鶴屋南北なのです」不可解な依頼から事件に巻き込まれた森江春策。大道具の上に突如現れた男、振り子のような死に様、紙吹雪の中の女…鶴屋南北に操られているかのような連続死と芝居そのものの謎を追い森江は奮闘するのだが…。

9.「蝉かえる」

「ホワットダニット(What done it)ってどんなミステリ?その答えは本書を読めばわかります」ブラウン神父、亜愛一郎に続く、名探偵・魞沢泉の鮮やかな推理!

10.「巴里マカロンの謎」

その店のティー&マカロンセットで注文できるマカロンは三種類。しかし小佐内さんの皿には、あるはずのない四つめのマカロンが乗っていた。誰がなぜ四つめのマカロンを置いたのか?

11.「アンダードッグス」

1997年、中国返還前夜の香港に隠された国家機密を奪取せよ!
世界の諜報機関を敵に回し、“負け犬たち”の知略を駆使した反撃が始まる!

12.「スワン」

巨大ショッピングモール「スワン」で起きた無差別銃撃事件。死者21名を出した悲劇の渦中で、高校生のいずみは犯人と接しながら生き延びた。しかし、同じく事件に遭遇した同級生・小梢により、次に誰を殺すか、いずみの指名によって犯行が行われたという事実が週刊誌で暴露される。

13.「逆ソクラテス」

14.「ワン・モア・ヌーク」

「核の穴は、あなた方をもう一度、特別な存在にしてくれる」。原爆テロを予告する一本の動画が日本を大混乱に陥れた。爆発は 3 月11日午前零時。科学者と刑事の執念は、互いを欺きながら“正義の瞬間”に向けて疾走するテロリスト二人の歪んだ理想を捉えていた──。戒厳令の東京、110時間のサスペンス。

15.「抵抗都市」

警察小説の旗手として不動の人気を誇る著者が「今の日本への問題意識を示すために、この舞台を選んだ」と語る、圧巻の歴史改変警察小説。

16.「暗約領域 新宿鮫Ⅺ」

17.汚れた手をそこで拭かない

平穏に夏休みを終えたい小学校教諭、認知症の妻を傷つけたくない夫。元不倫相手を見返したい料理研究家……始まりは、ささやかな秘密。気付かぬうちにじわりじわりと「お金」の魔の手はやってきて、見逃したはずの小さな綻びは、彼ら自身を絡め取り、蝕んでいく。

18.「まほり」

「まほり」とは何か?蛇の目紋に秘められた忌まわしき因習。膨大な史料から浮かび上がる恐るべき真実。『図書館の魔女』の著者が描く、初の長編ミステリ!

19.うるはしみにくし あなたのともだち

四ツ角高校三年二組で一番美しく人気もあった生徒・更紗が突如自殺する。遺書もなくいじめがあったわけでもない。彼女の死をきっかけに、次々に女生徒が見えない力によって容姿を傷付けられていく。

20.「名探偵のはらわた」

ミステリが読みたい!2021年版《海外編》

ハヤカワといえば洋物ミステリー。海外編のランキングは別記事にまとめました。

このミステリーがすごい!2021年版

ミステリーランキングのスタンダードといえば宝島社発行の「このミステリーがすごい」です。発表までしばらくお待ちください。