物語の楽しみはストーリーの面白さも重要ですが、設定の奇抜さで勝負する作品も楽しいもの。エグくてグロい作品で分厚いファンを持つ著者が荒唐無稽な特殊設定で楽しませてくれるミステリーです。
名探偵のはらわた
稀代の毒殺魔も、三十人殺しも。名探偵vs.歴史的殺人犯の宴、開幕。推理の果ては、生か死か――。悪夢が甦る――。日本犯罪史に残る最凶殺人鬼たちが、また殺戮を繰り返し始めたら。新たな悲劇を止められるのはそう、名探偵だけ! 善悪を超越した推理の力を武器に、「七人の鬼」の正体を暴き、世界から滅ぼすべし! 美しい奇想と端正な論理そして破格の感動。覚醒した鬼才が贈る、豪華絢爛な三重奏。このカタルシスは癖になる!
地獄から鬼となって蘇った犯罪者たちを、探偵助手の原田亘は恩人である探偵の死体に宿った名探偵・古城とともに地獄に送り返すべく奮闘する短編集。犯罪者たちにはある特性があるのだが、そこを上手く使ったトリックがミソ。
元ネタは井の頭公園バラバラ殺人事件、阿部定事件、津山事件、帝銀事件、寿産院事件、三菱銀行人質事件、青酸コーラ無差別殺人事件。
最大のネタバレは、タイトルにあるはらわたとは、主人公の原田亘であることだとわかって絶句しました。
エロとグロとゲロが飛び交う空間を舞台に特殊設定ミステリーを展開してきた作者の過去作からすると、本作『名探偵のはらわた』はかなりマイルドな仕上がり。
はらわたってそれも〜!?ってところから始まるのがまずツボ!そこからの展開もそれぞれの話もめちゃくちゃ考えられてて、おお〜!ってなりまくりですわ。
これまでのエログロが抑え気味でかなりまろやか(笑)日本犯罪史に残る殺人鬼達との戦いは面白かった。今までのは薦めにくかったけどこれは友達に薦められるわ。
白井智之さん
1990年千葉県印西市生まれ。東北大学法学部卒業。在学中はSF・推理小説研究会に所属。 2014年10月、第34回横溝正史ミステリ大賞の最終候補作となった『人間の顔は食べづらい』で有栖川有栖、道尾秀介の推薦を受けデビュー。
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 名探偵のはらわた を書きます。※本ページにはPRが含まれます