差別、偏見をやっつける胸あつミステリー「弁護士ダニエル・ローリンズ」

弁護士ダニエル・ローリンズ
フルタニ
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。

酔いどれバツイチのお人好しモテ美人弁護士のもとに麻薬密売容疑をかけられた知的障害のある黒人少年の弁護依頼が持ち込まれる。未成年なので簡単に不起訴処分に持ち込めるかに思えた。だが、何故か検察も判事も実刑判決に突き進むのはなぜなのか。ハードボイルドと法廷劇のミックスパンチ。

ヴィクター・メソスの新刊ミステリーをご紹介します。

弁護士ダニエル・ローリンズ

真犯人さがしの顛末や、癖のある登場人物たちの織り成すドラマ。弁護人が圧倒的な不利な状況下での逆転劇が考え抜かれたプロットで展開されるミステリーです。

本書の内容まとめ
  • ヒロインが養護施設出身という設定が効果的
  • 別れた夫と過ごす息子の存在感が印象的
  • 知的障害を持つ黒人少年の肖像が胸に迫る

ダニエルやテディのどこまでも魅力的な人柄と、まっすぐな正義を求める浪花節的プロットが素敵すぎる!

男勝りな心優しい女弁護士の、痛快サスペンス

笑いあり、涙あり、ぞっとする感あり、すかっとする感あり

人種差別、偏見の風土。権力者たちの存在。警察も検察も判事もすべてが敵という四面楚歌な状況の中で、ぱっとしない女性弁護士が立ち上がる心が熱くなる物語。

ヴィクター・メソスとはどんな人

アフガニスタン・カブール生まれ。ユタ大学法学部卒。検察官を経て、刑事弁護士に。

“ユタ・ビジネス”誌において「マウンテン・ウェスト地区でもっとも名誉ある弁護士」のひとりに選ばれる。2011年The Extinctで小説家デビュー。2019年に『弁護士ダニエル・ローリンズ』でアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞にノミネートされる。

内容
  • 出版日:2020/04/2
  • ページ数:464ページ

書評まとめ

作者は実際にユタ州で刑事弁護士を務め、日々権力と闘い、弱者たちを救うことに命を賭けている当事者なのだそうです。体験に基づいたリアリティさがキャラクターに命を与えているのでしょう。スリリングな展開に終始する熱い一気読み作品です。