今年もやってきましたミステリーの季節。
「この展開、予想できるはずがない!」展開の読めなさが魅力的なミステリー。海外ミステリーというと、クリスティやポーのような古典を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、日本の作品とは一味違った驚きに出合えるのも魅力です。
- 1位「われら闇より天を見る」クリス・ウィタカー
- 2位「殺しへのライン」アンソニー・ホロヴィッツ
- 3位「ポピーのためにできること」ジャニス・ハレット
- 4位「名探偵と海の悪魔」スチュアート・タートン
- 5位「優等生は探偵に向かない」ホリー・ジャクソン
- 6位「黒き荒野の果て」S・A・コスビー
- 7位「ロンドン・アイの謎」シヴォーン・ダウド
- 8位「彼は彼女の顔が見えない」アリス・フィーニー
- 9位「スクイズ・プレー」ポール・ベンジャミン
- 10位「魔王の島」ジェローム・ルブリ
- 11位「アノマリー異常」エルヴェ・ル・テリエ
- 12位「辮髪のシャーロック・ホームズ」莫理斯
- 13位「窓辺の愛書家」エリー・グリフィス
- 14位「ギャンブラーが多すぎる」ドナルド・E・ウェストレイク
- 15位「ブラックサマーの殺人」M W クレイヴン
- 15位「ガラスの顔」フランシス・ハーディング
- 17位「プロジェクト・ヘイル・メアリー」アンディ・ウィアー
- 17位「精霊たちの迷宮」カルロス・ルイス・サフォン
- 19位「夜のエレベーター」フレデリック・ダール
- 19位「ポリス・アット・ザ・ステーション」エイドリアン・マッキンティ
- まとめ
1位「われら闇より天を見る」クリス・ウィタカー
アメリカ、カリフォルニア州。海沿いの町ケープ・ヘイヴン。30年前にひとりの少女命を落とした事件は、いまなお町に暗い影を落としている。彼らの町に刑期を終えたヴィンセントが帰ってくる。彼の帰還はかりそめの平穏を乱し、ダッチェスとウォークを巻き込んでいく。そして、新たな悲劇が……。苛烈な運命に翻弄されながらも、 彼女たちがたどり着いたあまりにも哀しい真相とは――?
- スケール感とユーモアに満ち、切れ味良く躍動する文章のお陰もあって、小気味よく、ぐいぐい引き込まれ、驚くべきことに中弛みは一切ない。ダッチェスの懸案の宿題が完結した場面で不覚にも大泣き。
- 一つ一つのプロットも練られていて丁寧に回収される。そして結末ときたら!大きな感動をもたらす。今年必読の一冊だろう。
- ストーリーが重苦しくて中断しながら読んだけど途中から面白くなった。くじけないでよかった。
2位「殺しへのライン」アンソニー・ホロヴィッツ
『メインテーマは殺人』のプロモーションとして文芸フェスに参加する事になったホーソーンとホロヴィッツがオルダニー島を訪れ、そこで殺人事件に巻き込まれる。殺され方も謎だけれど、被害者が多くの人に憎まれているので誰も彼も怪しく思えてしまう。
- 事件と言う謎を解きながらホーソーンと言う人物の謎解きも楽しめる。そして思ってたよりホーソーンが若かったことに今回は1番びっくりでした。
- やはり面白い。文章を一字一句見逃さないよう、慎重に読んだのに、今回も犯人分からずじまい。
- エンタメミステリーの定石みたいなものをどんどん壊していくので、逆に先が読めなくておもしろいシリーズ。
- 前2作と比べるとちょっと落ちるかなという本作。メインの謎や”右手の謎”、散りばめられた伏線などに「なるほど、そういうことか!」までのインパクトがなく、納得度合いも低め。
3位「ポピーのためにできること」ジャニス・ハレット
イギリスの田舎町で劇団を主宰するマーティン・ヘイワードは地元の名士。次回公演を控えたある日、彼は劇団員に一斉メールを送り、2歳の孫娘ポピーが難病を患っていると告白。高額な治療費を支援するため人々は募金活動を開始したが、この活動が思わぬ悲劇を引き起こすことに──。
- 殺人が起きたのは500ページを越えてから。町内カースト制度、アフリカの紛争地、友情を求めての異常なまでの執着心。多彩な登場人物。「裁判は演劇に似ている。」予備知識ナシで読む事を推奨。
- ふせんとか貼りながらもう一度読みたい。長すぎるけど。
- 複雑に絡み合った糸の束が最後には綺麗に解れたのは爽快だった。自作も是非読みたい。
4位「名探偵と海の悪魔」スチュアート・タートン
オランダへと帰国するバタヴィア総督一家らを乗せ、ザーンダム号が出航せんとしたとき、新たな怪事が発生した――風を受けてひるがえった帆に、悪魔〈トム翁〉の印が黒々と浮かび上がったのだ! やがて死んだはずの包帯男が船内に跳梁し、存在しないはずの船の灯りが夜の海に出現、厳重に保管されていた極秘の積荷が忽然と消失する。すべては悪魔の仕業なのだろうか?
元兵士の助手アレントは、頭脳明晰な総督夫人サラとともに捜査を開始するも、鍵のかかった密室で殺人が!
- 図書館で長い待ち行列にができていたので、良く知らないまま並んでみたのだが、「イヴリン嬢」の人だったのかー。今回は歴史海洋設定で面白かった。ホームズものなのかと思ってらロマンスが入り、怪奇物が入り、ラストは「ポワロ最後の事件」みたいな方向かと思ったら、最後はそう来たか!
- 事件が解決しないんじゃとハラハラしてからの怒涛の展開だった。続き読みたい。「愚物」が、なぜそう呼ばれているのかが明かされなかったのが気になっている。
- キリスト教社会で秩序に押しつぶされてきた彼らが新たに悪魔を用いてそこに反抗するってラスト、私は痛快で好きです。
5位「優等生は探偵に向かない」ホリー・ジャクソン
友人の兄ジェイミーが失踪し、高校生のピップは調査を依頼される。警察は事件性がないとして取り合ってくれず、ピップは仕方なく関係者にインタビューをはじめる。SNSのメッセージや写真などを追っていくことで明らかになっていく、失踪当日のジェイミーの行動。ピップの類い稀な推理で、単純に思えた事件の恐るべき真相が明らかに……。
- 前作に今作のストーリーに繋がる伏線があり、ここまで考えていたかと感心させられる。
- おもしろかった!やはりこのシリーズは探偵役がよい。前作の裁判の結果も判明したし、今後のシリーズでもまたちょっと出てきそう。
- ページが進むごとに加速度的に惹きつけられる。物語の完全な結末はどうなるのだろうか?三冊目続けて読みます。
6位「黒き荒野の果て」S・A・コスビー
米国南部の町で自動車修理工場を営むボーレガード。裏社会で語り継がれる伝説のドライバーだった彼は、足を洗い家族とまっとうに暮らしていた。だが工場の経営が傾きだしたことで運命の歯車は再び狂い始める。金策に奔走するボーレガードに昔の仲間が持ちかけてきたのは宝石店強盗の運転役。それは家族を守るための最後の仕事になるはずだった。
ギャングの抗争に巻き込まれるまでは――。裏社会の元凄腕ドライバーが家族のために引き受けた最後の仕事
- スラングと野卑な比喩たっぷりの会話に、のっけからアメリカの片田舎に放り込まれたような臨場感を味わえる一冊。
- コスビーやばい。 個人的にノワール小説が好きなので、尚更ですがめちゃくちゃ好きな作家さんの一人になりました。
- なんか物凄い勢いで振り回されて目が回ったような読後感だった。まず自分が生きてる現実とは世界が違いすぎて、登場人物に共感はできなかった。
7位「ロンドン・アイの謎」シヴォーン・ダウド
12歳のテッドは、姉といとこのサリムと観覧車ロンドン・アイに乗りにでかけた。見知らぬ男がチケットを1枚だけくれたので、サリムは大勢の乗客と一緒に観覧車のカプセルに乗りこんだ。だがカプセルが一周しても、サリムは降りてこなかった。閉ざされた場所からなぜ、どうやって消えてしまったのか? 「ふつうの人とはちがう」脳の仕組みを持ち、大人顔負けの論理を駆使する少年テッドが謎に挑む!
- 久々に児童書らしい面白さの児童書に出会いました。The児童書の持つ安心感と不愉快な悪意の存在が希薄な本の世界。大人が読むとスリルや共感よりも子供の冒険を見守っている感覚になります。
- 面白かった!テッドのてのひらひらは、アストリッドと同じだなーと思いながら読了。子供だって、色々と考えて、複雑なんだよ。とメッセージ。
- 自閉症スペクトラム障害の少年が謎解きを行うジュブナイル物のミステリー。 トリック自体は難解なわけではないが、登場人物や事件の背景は中々に複雑。 少年少女の成長が垣間見れる一作。 作者の夭折が惜しまれる。
8位「彼は彼女の顔が見えない」アリス・フィーニー
夫婦関係が行き詰っていたアダムとアメリアの夫婦。そんなふたりに、くじでスコットランド旅行が当たる。ふたりきりで滞在することになったのは、改築された古いチャペル。彼らは分かっている。この旅行が自分たちの関係を救うか、あるいはとどめの一撃になると。猛吹雪によって外界と隔絶するふたり。そこに奇妙な出来事が続発し――。だれが何を狙っているのか?
- これはホラーなのかと思いながら読み進めるが、幽霊らしきものは、出てこない。 途中からあっと驚く展開に予想を裏切られる。スリラーサスペンス。
- 彼と彼女の主観視点から語られる。手紙で書いてあるがアメリカ人特有なのか,甘々な文章のやりとりが,中盤からかったるくなる。
- 読者の?を引き込み、振り回して最後に2重3重のドンデン返しで落とすというテクニックに脱帽。エンタメ、ミステリー&ホラーとして存分に楽しめます。
9位「スクイズ・プレー」ポール・ベンジャミン
私立探偵マックス・クラインが受けた依頼は、元大リーガーの名三塁手チャップマンからのものだった。MVP常連の人気選手ながら交通事故で片脚を失い、現在は議員候補となっている彼のもとに、脅迫状が送られてきたのだ。殺意を匂わせる文面から、かつての事故にまで疑いを抱いたマックスは、いつしか底知れぬ人間関係の深淵へ足を踏み入れることになる――。
- ポールオースターの別名での幻のデビュー作で、正統派ハードボイルド小説。典型的なアメリカンディティクティブが主人公。
- 久しぶりのガチガチハードボイルド小説。あのポール・オースターがこんな小説を書いてたなんて!というのが一番の感想。
- 数十年前の作品とはいえここまでハードボイルド小説のテンプレ祭りだともういっそ清々しいとまで言える。しかし内容的には決して古さを感じさせずメリハリもきいていて、まるで娯楽活劇を読むようでとても楽しめた。
10位「魔王の島」ジェローム・ルブリ
祖母の訃報を受け、彼女は孤島に渡った。終戦直後に祖母とここで働き始めた者たちだけが住む島。本土への船が来る日までを島で過ごす彼女は、やがてこの島に漂う不吉な影に気づきはじめる。ここには何か忌まわしい過去がある。そして若き日の祖母の手記にも謎の「魔王」の影が……。幾重もの罠を張り巡らせた真のサイコ・ミステリー。
- 西洋版八ツ墓村という感じの出だしから始まり一気読みできる面白さであるが,読後感はよろしくないので万人にはすすめられない。
- 深く濃い闇に溺れてしまいそうなそんなサイコ・サスペンス。これはラストの展開に好き嫌いがはっきり別れると思うが私はかなり好きかも。
- 女性や子どもが嫌な目に会うのも辛過ぎてダメなので、それほどページターナーではなく、むしろ重い気持ちで難儀した。
11位「アノマリー異常」エルヴェ・ル・テリエ
製薬会社の顧問弁護士をつとめるアメリカ人のジョアンナ。無数の偽国籍をもつ殺し屋ブレイク。突如、私生活まで注目される時の人になったフランスの作家ミゼル……。彼らが乗り合わせたエールフランス006便がニューヨークに向けて降下をはじめたとき、異常な乱気流に巻きこまれる。
- 暗殺者が主人公、グレイマン的なアクション小説かと思いきや、群像劇。みんな同じ飛行機に乗ってて・・・まさかのSF!びっくりしました。
- 3か月という時間で運命がいかに分岐していくか、驚かされもし、考えさせられた。エンタメ度も高く、SFファンにもお勧め。
- ある超常現象が起きた結果、多様な背景をもつ人々がそれに対してどう対処するかを描いている。特に1章まではミステリー的な書き方で進むため、ワクワクしながら読むことができる。
12位「辮髪のシャーロック・ホームズ」莫理斯
19世紀の偉大なる名探偵シャーロック・ホームズがもし、ビクトリア朝時代の英国人ではなく、清末の時代に生きた中国人だったとしたら……。
そして、彼が奇妙な事件を次々に解決したのが大英帝国の首都ロンドンではなく、東の果ての植民地香港だったら……。
- シャーロック・ホームズのイメージを壊す事なく非常に楽しめました。主人公と一緒に香港の街を駆け巡っている様なスリルを味わえるのも、香港好きとしては嬉しいところ。
- 当時の香港を取り巻く列強諸国との国際事情や市井の風俗が詳述されており、注釈による周辺情報の補記も相まって、単なるミステリー以上に楽しめた。
- 時代背景と舞台に相応しい事件や謎解きに変換されており、まさに辮髪の名探偵という主人公の造形も含めて、非シャーロキアンでも楽しく読了できた。
ホームズとワトソンを彼らとまったく同じ時代に生きた中国人、福邇(フー・アル)と華笙(ホア・ション)とし、物語の舞台を香港にした極上のパスティーシュ作品。
13位「窓辺の愛書家」エリー・グリフィス
本好きの老婦人ペギーが死んだ。彼女は「殺人コンサルタント」を名乗り、数多くの推理作家の執筆に協力していた。死因は心臓発作だが、介護士のナタルカは不審に思い、刑事ハービンダーに相談しつつ友人二人と真相を探りはじめる。だがペギーの部屋を調べていると、覆面の人物が銃を手に入ってきて、ある推理小説を奪って消えた。謎の人物は誰で、なぜそんな行動を?
- キャラクターがお互いを観察して、密かに思っていることが、親近感がわいて「ふふ」と笑う場面もちらほら。 生きているペギーに会いたかったなー。魅力的。
- この一冊のなかにジェンダー問題、人種問題、戦争が凝縮されて冷静に織り込まれて、まるで陰鬱な曇天の海を眺め続けているようだ。そう、本書を読む自分が窓辺の愛書家のような感覚であったと気付く。
- 素人探偵3人組によるゆるゆるな捜査は、コージーミステリ風で楽しく読めるし、張り巡らされた伏線が解き明かされて行くストーリーはちゃんと本格的。ちょっと後出しじゃんけん的要素が多いかなとは思った。
14位「ギャンブラーが多すぎる」ドナルド・E・ウェストレイク
30代のしがないタクシー運転手のチェットは大のギャンブル好き。偶然乗り合わせた客から競馬の勝ち馬情報を入手し、馴染みのノミ屋トミーに35ドル渡したところ、情報が的中。配当金を受け取りに意気揚々とトミーを訪ねると、ノミ屋は胸に銃弾を浴びて殺されていた。どうやら複雑な事情が絡んでいるらしく被害者が関わっていた二つのギャング組織から追われることになったチェットは、トミーの妹と協力して事件の真相を探ることに――。
- ウェストレイクらしい、スピード感溢れる逃走劇とドタバタ劇を堪能してもらいたい作品です。
- なんてことないドタバタ系だけど、洗練されているんだよね。感心する。
- 面白かったー! 殺人事件に巻き込まれ、二つのギャング組織に追われる羽目のなったタクシー運転手。 セリフが小粋で、読むのがとても楽しかった。 キャラクターも皆魅力的。
15位「ブラックサマーの殺人」M W クレイヴン
かつて刑事ポーによって一人の男が刑務所送りにされた――カリスマシェフとして名声を誇ったジャレド・キートン。 彼は娘のエリザベスを殺した罪に問われたのだ。だが六年後のいま、その娘が生きて姿を現した! キートンは無実なのか? あらゆる証拠が冤罪を示し、窮地に立たされたポーを助けるべく、分析官のブラッドショーが立ち上がる。
- 面白かった。主人公がシリーズ2作目にして負けるわけがないとわかっているのに、それでもハラハラしながら読みました。仲間が少しずつ増える展開も胸熱ですね。
- 何て分厚さの文庫で何時も読みだすのに気合いを入れないと手に取りにくいが、読みだすと止まらない典型で安定の面白さのミステリー。
- 息もつかせず畳みかける急展開で、一気に読み終えた抜群に面白いミステリ。
15位「ガラスの顔」フランシス・ハーディング
地下都市カヴェルナの人々は表情をもたない。彼らは《面》と呼ばれる作られた表情を教わるのだ。そんなカヴェルナに住むチーズ造りの親方に拾われた少女はネヴァフェルと名づけられ、一瞬たりともじっとしていられない好奇心のかたまりのような少女に育つ。ある日親方のトンネルを抜け出た彼女は、カヴェルナ全体を揺るがす陰謀のただ中に放り込まれ……。
- 複雑な「嘘の木」よりも読みやすい冒険譚でしたが、とは言え本作も児童文学に納まらないハイクオリティ。
- このパズルが合ってゆく感じが堪らない。何も惜しまず単発で全てをまとめてしまえるのは現代において珍しいのでは。社会の変革には集団の行動が必要というやんわりとしたメッセージも伝わる素晴らしき一冊。
- 女の子が冒険し成長するファンタジーで魅力的なキャラがいっぱい出てくるところはジブリアニメを思わせます。
17位「プロジェクト・ヘイル・メアリー」アンディ・ウィアー
地球上の全生命滅亡まで30年……。全地球規模のプロジェクトが始動した!ペトロヴァ問題と呼ばれる災禍によって、太陽エネルギーが指数関数的に減少、存亡の危機に瀕した人類は「プロジェクト・ヘイル・メアリー」を発動。遠く宇宙に向けて最後の希望となる恒星間宇宙船を放ったが……。
- 誇張無しに、最後の1ページまで驚きで満たされていて読む手が止まらない。これを中学や高校の時に読んでいたらもしかしたら違う進路選択をしていたかもしれない
- あー面白かった!面白かった面白かった!!!私は科学が好きだ!なぜかというと、こんな素晴らしいSFに出会えるから!科学の勉強が好きなのは、科学がわかるとこんな物語をより楽しめるから!!!
- 最後どうオチをつけるのかと思って読んでたけど、このラストはすごい好きだな。よい。
17位「精霊たちの迷宮」カルロス・ルイス・サフォン
1959年、マドリード。捜査員のアリシアは、ある日突然失踪した大臣バルスの捜索依頼を受け、彼の私邸を訪れた。そこで引き出しに隠された一冊の本を発見する。『精霊たちの迷宮』──関わる者はみな不幸な運命を辿るというその本を手がかりに、アリシアは作家の過去に隠されたある悲劇と巨大な陰謀へと迫っていく。
- 期待を裏切らない最終巻。謎解きもアクション描写も緊迫感も良くて、さらにパッチワークのように過去巻とのつながりがにじみ出る。
- 最終巻、読み終えた~という達成感とこの世界観に浸れたことの感謝を改めて著者サフォン氏に捧げたい。
- なかなかの読み応えだけれど、色々とややこしいことが起きすぎて、解き明かされてみてもなんかややこしい。
19位「夜のエレベーター」フレデリック・ダール
「ぼく」は6年ぶりにパリへ帰ってきた。ともに暮らしていたママが死んでしまい、からっぽのアパートは孤独を深めるだけだった。だが今日はクリスマス・イヴ。にぎわう街の憧れの店へ食事に入ると、小さな娘を連れた美しい女性に出会う。かつて愛した運命の人に似た、若い母親に……彼女が思いもかけないドラマへと「ぼく」を導いていく!
- 幻の女』っぽくていかにもフランス。ショッキングなラストはいかにもではあるけれど、読んで満足。美男美女のキャストで映画で見たい。
- 行間から溢れる孤独は非合理な行動も何となく腹落ちさせてしまう甘美なもの。余韻の残る幕切れもまた美しい。
- 短い小説だがアルベールが逃れられない罠にはまってしまう終盤の展開が巧みで楽しめた。
19位「ポリス・アット・ザ・ステーション」エイドリアン・マッキンティ
麻薬密売人の男が射殺された。自警団の犯行として捜査が行われるが、ショーン・ダフィ警部補は、事件がそう単純なものではないことを直感する。事件当夜に被害者と会っていた不審な男、何かを隠す被害者の妻……。さらに捜査中、ショーンは何者かに命を狙われてしまう。そして事件は北アイルランドの闇へとつながっていき――
- ストーリーの転がる先が見えてくるまでは我慢の読書。とはいえ、間に挟まるダフィのプライベートや、ローソンの成長ぶりは楽しみながら。読後の満足感は変わらず。このあとの展開も気になる。
- なによりパパショーンの奮闘ぶりに、こんなにほのぼのさせられるとは! 常に前作を凌駕し続けてる稀有なシリーズ。今作もそうだった。あい、楽しかったよ、キャリック•ファーガスのみんな。
- 発端は単なる薬販売人の殺人事件だったのに、生きるか死ぬかのとんでもない状況に追い込まれて・・・。でも、登場人物は、みなさん幸せになりましたという、安心できる展開。このシリーズは面白い。
まとめ
このミステリーがすごい! 2023年版 海外編のランキング結果をご紹介しました。
いずれも評判がよく、読みごたえのある小説ばかりです。ランキング結果を参考に、自分に合った1冊を選んでください。
Amazonには「Amazonチャージ」というサービスが用意されています。この「Amazonギフト券 チャージタイプ」に現金でチャージすると、Amazonポイントが還元されるのがポイント。
例えば、プライム会員が現金で1度に10万円チャージすると、2,500円相当のAmazonポイントが貯まります。さらにプライム会員は通常会員よりも還元率が高くなります。
Amazonチャージを使って本を買うとポイントが還元された分だけ実質的な値引きになります。
Amazonギフトカード チャージタイプ(直接アカウントに残高追加)
クレジットカードで決済するよりも、あらかじめ現金で「Amazonギフト券 チャージタイプ」でチャージしておく方がお得です。
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 このミステリーがすごい! を書きます。