2023年5月の 国内ミステリー ベスト5

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 国内ミステリー を書きます。

書店は本との出会いの場。しかし、新刊や旧作、ベストセラーと並んだ中からどんな作品を選んだらよいか悩む人も多いのではないでしょうか。

おすすめ国内ミステリーを月別にご紹介します。

2023年5月発行の国内ミステリー

2023年5月に発売された国内ミステリー小説をご紹介します。

  • 「ヨモツイクサ」知念実希人
  • 「風配図 WIND ROSE」皆川博子
  • 「鈍色幻視行」恩田陸
  • 「メロスの翼」 横関大
  • 「しおかぜ市一家殺害事件あるいは迷宮牢の殺人」早坂吝

さてこの5冊は年間ベストに入るでしょうか。

「蝶の墓標」

夫と離婚し単身小学二年生の息子を育てている塾講師・八木里花は、自分がある女性から多額の遺産を残されていると弁護士から知らされる。だが、相続にはひとつ条件があった。里花の母親違いの姉、夏野(かや)の死の真相を突き止めることだ――蝶のように脆い心臓と芙蓉のように鮮やかな痣を持ち、高校生でみずから死を選んだ美しい姉。多くの謎を残して散った少女をめぐる愛憎と献身を流麗な筆致で描く、鮎川哲也賞優秀賞受賞者による待望の受賞第一作長編。

「彼女が言わなかったすべてのこと」

誰も“透明な存在”になんかさせない。“幸せそうな若い女”を狙って刺され、SNSから消えた優里亜。向こうの世界にはいない、ラジオでリスナー投稿を読んでくれる大人気の歌手・恋恋。闘病ブログにきなくさい書籍化の話がきた友人の深南。こっちの世界の中川君が漫画で描く、同性愛で売り出されたアイドルデュオ。向こうの私はロンドンに住んでいて、こっちの私はー彼女たちが選んだ沈黙と言葉とは?新たなる桜庭文学が始まる。

「室町妖異伝」

妻を救うため、絵師は〈京の闇〉に踏み込んだ――。 異界が見える絵師土佐光信は、ある夜、都の空に不気味なひび割れを見た。 凶兆か幻か。そんな折、突然妻が囚われの身になってしまう。 光信は心優しき友・箕面忠時や、不思議な女〈つづれ〉の力を得て、見えざる戦いに挑んでいく。幽鬼が群れ、遺体に火蛾が飛びかい、地上に慟哭が満ちた時、謎の神獣が姿を現した。 瓦解に瀕した都を守るため、光信が取った命がけの最終手段とは……。 乱世を起こすのは、人。終わらせるのもまた、人なり――。あやかしの絵師が見届けた都の闇と、愛しき人のためなら命をかける実直な武士の姿が感動を呼ぶ傑作。

「リーガルーキーズ!」

走り出せ、法律家の卵たち(リーガル・ルーキーズ)!   法律のプロである弁護士や検事や裁判官……になる一歩手前の「法律家の卵」、それが司法修習生。初々しい新人たちがそれぞれの熱い想いを胸に過ごす、一年間の研修の日々。理想と現実の狭間で葛藤し、恋と青春の苦悩を乗り越え、さまざまな謎を解き明かしながら成長してゆく。さあ明日から法律家デビュー! フレッシュな司法修習生の同期たちを応援したくなる、元弁護士の著者による、爽やかなリーガル青春ミステリ。※『朝焼けにファンファーレ』を改題・文庫化。

「十月の終わりに、君だけがいない」

高二の由芽には、昔から繰り返し見る夢があった。古い神社、学ラン姿の青年、悲しい別れ…。それはまるで前世の記憶のようにリアルで切ない夢。そんなある日、夢の中の青年にそっくりの蒼杜が転校してくる。運命を感じる由芽だったが、「君は十月に死ぬ運命だ」と、突然彼に宣告されてしまう。実は、蒼杜は由芽を死なせないために過去から来た人物だった─―。「君のことは俺が守るから」夢の中だけだったはずの恋が本物になっていくのを感じる由芽。けれど、生き延びても死んでも、彼とは結ばれないと知って─―。

「鈍色幻視行」

謎と秘密を乗せて、今、長い航海が始まる。 撮影中の事故により三たび映像化が頓挫した“呪われた”小説『夜果つるところ』と、その著者・飯合梓の謎を追う小説家の蕗谷梢は、関係者が一堂に会するクルーズ旅行に夫・雅春とともに参加した。船上では、映画監督の角替、映画プロデューサーの進藤、編集者の島崎、漫画家ユニット・真鍋姉妹など、『夜~』にひとかたならぬ思いを持つ面々が、梢の取材に応えて語り出す。次々と現れる新事実と新解釈。旅の半ば、『夜~』を読み返した梢は、ある違和感を覚えて――

「空想の海」

作家生活10周年記念! 物語の魅力がぎゅっと詰まった、珠玉の作品集 「緑の子どもたち」 植物で覆われたその家には、使う言葉の異なる4人の子どもたちがいる。言葉が通じず、わかりあえず、でも同じ家で生きざるを得ない彼らに、ある事件が起きて――。 「空へ昇る」 大地に突如として直径二爪ほどの穴が開き、そこから無数の土塊が天へ昇ってゆく“土塊昇天現象”。その現象をめぐる哲学者・物理学者・天文学者たちの戦いの記録と到達。 SF、児童文学、ミステリ、幻想ホラー、ショートショート etc. 書き下ろし『この本を盗む者は』スピンオフ短編を含む、珠玉の全11編。

「噴怨鬼」

時は平安、都では鬼が疫病を予言したという噂が。最凶の鬼の存在に気付いた陰陽師の弓削是雄は仲間とともに鬼を封じる旅に出るが…。

サイケデリック・マウンテン

国際的な投資家・鷹栖祐二を刺殺した容疑者は、新興宗教「一真行」の元信者だった。マインドコントロールが疑われ、NCSC(国家総合安全保障委員会)兵器研究開発セクションの井澗紗理奈と、テロ対策セクションの弓削啓史は、心理学者の山咲岳志のもとへ。

「愛されてんだと自覚しな」

千年前、女は神からの求婚を袖にして、愛する男と共に輪廻転生の呪いをかけられた。 生を繰り返すふたりは様々な時代で出会っては別れ、そして現代。壮大な過去を背負う岡田杏は、しかしすっかり「運命の恋人探し」を放棄して、ルームメイトの盗み屋・祥子と共に令和の世を謳歌していた!? 人と神とが駆け回り、時を超えた愛と欲とが入り乱れる只中で、悠々と我が道を行く最強コンビの物語!

「環境省武装機動隊EDRA」

二〇三八年、急激な温暖化で海面が上昇し、沿岸都市が水没。 世界は、自然環境の保護が最大の正義とされ、守るためなら武力行使をいとわなくなっていた。 ある日、コンテナ船がジャックされた。 要求に従わなければ爆弾が炸裂。 船の燃料が流出し、深刻な環境汚染を起こすかもしれない。 それ防ぐために特殊部隊が投入され、迅速に事態は終息したかに思われた。 しかし、その影には巨大組織の陰謀が隠され、人類の脅威が迫っていた! 江戸川乱歩賞作家が描く、近未来デストピア・ミステリー

「52ヘルツのクジラたち」

52ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一頭だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。そのためこの世で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれる少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、魂の物語が生まれる。2021年本屋大賞第1位!

「動くはずのない死体 森川智喜短編集」

「なんでここにいるの?もしかして動いた?死んでるのに?」 どこまでもロジカル、限りなくポップ。そしてほんのりクレイジー。本格ミステリ大賞受賞作家の奇想が踊る、5つの奇妙な謎と解決。 ドレスをズタズタにした犯人は、どこから来てどこへ逃げた?「幸せという小鳥たち、希望という鳴き声」 虫食いだらけの原稿を、前後の文章から推理して完全修復!?「フーダニット・リセプション 名探偵粍島桁郎、虫に食われる」 夫は殺したはずなのに!なぜここに!?「動くはずのない死体」 超常的な力で殺人罪から逃れる男 VS 熱血刑事「悪運が来たりて笛を吹く」 瞬間移動能力者が起こした密室殺人。読者への挑戦状付き!「ロックトルーム・ブギーマン」

「時を追う者」

「もし過去に戻って開戦を阻止できるとしたら、どうする?」 1949年、終戦から4年が経った東京。陸軍中野学校出身でかつて破壊工作員だった藤堂直樹は、歴史学者の守屋淳一と物理学者の和久田元から過去に時間を遡る手段を発見したと聞かされる。さらに二人は直樹に思いがけない依頼をしてきた――「過去に戻って、戦争を始めた者たちを排除して欲しい」。目指すは満州事変の阻止。未来は、それで本当に変わるのか?  2人の男女を仲間にした直樹の、時を遡る決死行が始まる! 圧倒的なサスペンス! 歴史・冒険小説の雄がたどり着いた新たな境地!

「しおかぜ市一家殺害事件あるいは迷宮牢の殺人」

女名探偵の死宮遊歩は迷宮牢で目を覚ます。姿を見せないゲームマスターは「六つの迷宮入り凶悪事件の犯人を集めた。各人に与えられた武器で殺し合い、生き残った一人のみが解放される」と言うが、ここにいるのは七人の男女。全員が「自分は潔白だ」と言い張るなか、一人また一人と殺害されてゆく。生きてここを出られるのは誰なのか? そしてゲームマスターの目的は?

「ブラックバースデイ」

すべての始まりは誕生日だった。「みんなで家族になりましょう」。鎌倉の民宿にある家族が長逗留している。息を潜めるように暮らしているが、実はテレビでも特集された有名人たちらしい。新生児の頃に子供を取り違えられた二組の家族が支え合い、共同生活を営んでいたことが注目されたのだ。それが、なぜここに? 原因は、彼らを襲った殺人事件と、その驚くべき顛末にあった。歪んだ日常の先で待ち受ける更なる悲劇とは!?

「ロジカ・ドラマチカ」

論理的対局[ロジカ・ドラマチカ]。それは偶然耳にしたわずか1文・数十字をめぐる知の殴りあいだ。エリート警察署長vs.論理の魔女・紅露寺結子18歳の、伊達と酔狂の本格ロジック探偵バトル。彼女の指す一手ごとに暴かれる、悪魔宿るワンセンテンスの解釈とは。そして、彼女が最後に証明する、驚天動地の犯罪計画とは。さてこの勝負、詰むや詰まざるや? 探偵には、1字の誤算もありえない──C.Q.F.D.[セーキューエフデー]

「能面検事の死闘」

南海電鉄岸和田駅にて無差別殺人事件が発生。7名を殺害した笹清政市(32)は、自らを”無敵の人”と称する。数日後、大阪地検で郵送物が爆発、6名が重軽傷を負った。被疑者〈ロスト・ルサンチマン〉は笹清の釈放を求める。不破俊太郎一級検事は爆破に巻き込まれ――連続爆破事件は止められるのか?〈ロスト・ルサンチマン〉の真の目的は何なのか?棄民と司法の対決が始まる。人気検察シリーズ第3段。

「ニケを殺す」

妻が事件に巻き込まれたあの日から、俺の時間は止まった。意識を取り戻さない彼女がひた隠していた暗い運命とは。焼失していたはずの古代彫刻「ニケ」――勝利の女神の魅力に翻弄される人間たちを描く物語。

「メロスの翼」

世界中の強豪選手が集結した「第1回東京レガシー卓球」。 会場では、ある中国の補欠選手が注目を集めていた。 初戦でいきなり世界ランク3位の選手を一蹴した男のユニフォームには、なぜか日の丸が縫い付けられているのだ。 彼は一体、何者なのか。 次々と明らかになる男の過去。 ことの発端が21年前のある出来事に関係していると明らかになり–。 過去と未来が交錯する、絆のラリーが始まった。

「江ノ島奇譚」

「顔がないんだ、ぬっぺっぽうみたいにさ」 藤沢宿で働くお初は、自分の色男である勝道にそう言った。 「目も鼻も口も耳もない、ぺろりとした顔のそいつが、いつも出てくるんだ」 怖いものなどない破戒僧の勝道だが、なぜか「ぬっぺっぽう」だけは恐ろしかった。 「この悪夢を祓ってくれる、良い神社仏閣はないものかねえ」 勝道は、お初を江島明神の弁財天詣でに誘う。 その地に伝わる哀しい身投げ話など知りもせずに。

「高校事変 14」

魔の体育祭、ついに開幕! 梅雨の晴れ間の6月。凜香と瑠那が通う日暮里高校で体育祭が開催されようとしていた。それより少し前の放課後、瑠那宛てに怪しげなメモリーカードが届く。同様のものは、複数の闇カジノにもばら撒かれていた。当日は尾原輝男文部科学大臣が訪問視察することも報じられ、武蔵小杉高校事変と似通った状況に2人は危機感を募らせる。偶然か必然か、すべては仕組まれたことなのか――? 疑惑渦巻く魔の体育祭、ついに開幕!

「最後の矜持 森村誠一傑作選」

「刑事は必ず正義の上で死ぬんだ」。ミステリー界の巨匠、珠玉の短編集。 警視庁捜査一課・棟居の後輩刑事が殺された。非番中コンビニ強盗に遭遇し、店員を守るため凶刃に倒れたのだ。彼の死は世間の同情を集め一般市民も通夜に訪れる中、滂沱の涙を流す女性がいた。彼女の正体を追った棟居は、事件の悲しい顛末を知る(「後朝の通夜」)。 ある者は魔が差したせいで、ある者は確固たる信念によって、追いつめられた人々の心情に迫るミステリーに、書籍初収録の幻の短編「青春の遺骨」を加えた珠玉の6編。

「警視庁SP特捜」

警察小説の新星堂々の登場! 最強のSPが、巨悪に立ち向かう! 警視庁警備部のSP・湊一馬は、環境大臣の雨宮佐知子の警護のため、箱根にやってきた。大臣は、母校の駅伝をサプライズで応援するのだという。だが、銃撃が大臣を襲う──。最強のSPが活躍する警察小説

「LIVE 警察庁特捜地域潜入班・鳴瀬清花」

奇妙な花嫁人形に隠された秘密に迫る、警察シリーズ第2弾! 新設部署「特捜地域潜入班」の一員となった刑事・鳴瀬清花。 かつての上官・反町から、潜入班の許へ奇妙な調査依頼が舞い込む。 「青森の旧家で起きた火災の現場から、“変なもの”が発見されたので調査してほしい」―― 現場に潜入した清花たちが目にしたのは、焼け残った土蔵に保管された14体の花嫁人形だった。 謎の鍵を握る屋敷の当主は焼死。 人形の秘密を探っていく中で、清花は戦慄の真相に辿り着く! 新ヒロインの警察小説、第2弾。

「急行霧島: それぞれの昭和」

鹿児島から東京へ多くの人と夢を運んだ急行霧島内で、故郷を離れる娘、伝説の車内スリ師、逃げ続ける傷害犯らの人生が交錯する。

「サイケデリック・マウンテン」

国際的な投資家・鷹栖祐二を刺殺した容疑者は、新興宗教「一真行」の元信者だった。マインドコントロールが疑われ、NCSC(国家総合安全保障委員会)兵器研究開発セクションの井澗紗理奈と、テロ対策セクションの弓削啓史は、心理学者の山咲岳志のもとへ。

「赤い部屋異聞」

K氏には人目をはばかる趣味がある。同士と共に面白半分に解剖を見学したり、降霊術を実践したりと、モラルに反する遊戯にふけっているのだ。しかし新顔のT氏は、それらを一笑に付した。自分が行うのは、正真正銘の人殺し。しかも、99人の命を徒に奪っておきながら少しも罪に問われないと言うのだー。江戸川乱歩の名篇「赤い部屋」にさらなる捻りを加えた表題作はじめ、古今東西の傑作推理小説をオマージュした瞠目の全9篇!

「絵師金蔵 赤色浄土」

幕末の動乱は土佐国も大きなうねりで呑み込んだ。様々な思想と身分の差から生じる軋轢は、人々の命を奪っていった。金蔵はそんな時代に貧しい髪結いの家に生まれた。類まれなる絵の才能を認められ、江戸で狩野派に学び「林洞意美高」の名を授かり凱旋。国元絵師となる。しかし、時代は金蔵を翻弄する。人々に「絵金」と親しまれながらも、冤罪による投獄、弟子の武市半平太の切腹、そして、土佐を襲う大地震……。金蔵は絵師として人々の幸せをいかに描くかに懊悩する。やがて、絵金が辿り着いた平和を願う究極の表現とは――。

「きみはサイコロを振らない」

――人生なんて、しょせんはゲームだ。 中学時代の友人の死が忘れられず、そんな信条で日々を淡々と過ごす高校生の志崎晴(しざきはる)。 「遊ぶと死ぬ」ゲームを探しているという同級生・莉久(りく)に頼まれ、彼女と、呪いの研究をしている大学院生・葉月(はづき)と共に、不審な死を遂げたゲーマー男性の遺品を調べることに。 大量に残されたゲームをひとつずつ遊んで検証する三人。するといつのまにか晴の日常に突然〈黒い影〉が現れるように――。 〈晴くんって、実はもう呪われてない?〉 呪いのゲームはどこにあるのか? その正体と晴の呪いを解く方法は――。

「トランパー 横浜みなとみらい署暴対係」

神奈川県警みなとみらい署刑事第一課暴力犯対策係係長・諸橋夏男。〈ハマの用心棒〉と呼ばれ、 暴力団から一目も二目も置かれる存在だ。 大量の商品を注文して代金を支払わない「取り込み詐欺」に管内の暴力団・伊知田組が 関与しているらしいが、確証がないという。 県警本部の永田二課長から問い合わせを受けた諸橋は、 県警本部と合同で張り込みを開始、 伊知田が所有する倉庫に品物が運ばれたのを確認するが、ガサ入れは空振りに終わった。 誰かが情報を洩らしたのか!?

「戦物語」

西尾維新がおくる青春怪異譚<物語>シリーズ最新刊! 遂に結婚した阿良々木暦と戦場ヶ原ひたぎ。一風変わった二人の新婚旅行には、忍野忍と神原駿河が同行し、怪異の調査も旅程に含まれている。暦は、ひたぎと忍に関係したある計画を秘めていて――? これぞ現代の怪異! 怪異! 怪異! 収録作:ひたぎハネムーン

「完黙の女」

「検察側、完黙崩せず」 実在の未解決事件の奥に待つのは光か、更に深い闇か 小4男児が自宅を出たまま失踪した。時効目前の15年後、子供の骨を持ち運んでいた女が殺人容疑で逮捕される。女は苛烈な取り調べにも沈黙を貫き、判決は無罪。――やがて別の失踪事件との間に奇妙な共通点が浮上する。 実在の未解明事件をベースに、あの福田和子にも擬された「沈黙の魔性」を描く実話ミステリーの新境地!

「ヨモツイクサ」

「黄泉の森には絶対に入ってはならない」 人なのか、ヒグマなのか、禁域の森には未知なる生物がいる。 究極の遺伝子を持ち、生命を喰い尽くすその名は――ヨモツイクサ。 北海道旭川に《黄泉の森》と呼ばれ、アイヌの人々が怖れてきた禁域があった。 その禁域を大手ホテル会社が開発しようとするのだが、作業員が行方不明になってしまう。 現場には《何か》に蹂躙された痕跡だけが残されてた。 そして、作業員は死ぬ前に神秘的な蒼い光を見たという。 地元の道央大病院に勤める外科医・佐原茜の実家は黄泉の森のそばにあり、 7年前に家族が忽然と消える神隠し事件に遭っていて、今も家族を捜していた。 この2つの事件は繋がっているのか。もしかして、ヨモツイクサの仕業なのか……。 本屋大賞ノミネート『ムゲンのi』『硝子の塔の殺人』を超える衝撃 医療ミステリーのトップランナーが初めて挑むバイオ・ホラー!

「ラットトラップ」

愛と平和の祭典、ウッドストック・フェスティバル。 若者たちが音楽に酔いしれる中、一人の少女が消えた。 依頼を受けた探偵ジョーは、助手リズと調査を開始。 コンサート会場で、少女が中年のヒッピー女性と一緒にいたとの証言を得て、現地へ向かうが……。 ハードボイルドの魂を歌い上げる傑作!

「イクサガミ 地」

東京を目指し、共に旅路を行く少女・双葉が攫われた。 夜半、剣客・愁二郎を待ち受けていたのは、十三年ぶりに顔を合わせる義弟・祇園三助。 東海道を舞台にした大金を巡る死闘「蠱毒」に、兄弟の宿命が絡み合う――。 文明開化の世、侍たちの『最後の戦い』を描く明治三部作。待望の第2巻!

「誰が千姫を殺したか 蛇身探偵豊臣秀頼」

まさしく豊臣秀頼こそが戦国乱世におけるシャーロック・ホームズだったのである。 大坂夏の陣の終結から四十五年が経った万治三年六月、大坂城の焔硝倉に落雷し、大爆発が起こる。 城の修復中に地下へ続く豊臣時代の石段が見つかる。 暗闇の先には、豊臣秀頼と名乗る人物がいた。 恐ろしき姿となった秀頼は「千姫は大坂城で殺された」と驚くべき物語を話し始める。 書下ろし時代本格ミステリ。

「薔薇のなかの蛇」

英国留学中のリセは、十九世紀に建てられた「ブラックローズハウス」でのパーティーに招かれる。一族に伝わる「聖杯」が披露されるという。近隣で起きていた切断遺体遺棄事件の噂が囁かれる中、邸内で第二の切断遺体が見つかり、館の主人には脅迫状が届く。呪われた一族の謎に、禍々しく美しい少女が挑む!

「火蛾」

12世紀の中東。 聖者たちの伝記記録編纂をJ志す詩人のファリードは、伝説の聖者の教派につらなるという男を訪ねる。 男が語ったのは、アリーのという若き行者の《物語》──姿を顕さぬ導師と四人の修行者だけが住まう《山》の、 閉ざされた穹盧(きゆうろ)の中で起きた連続殺人だった! 未だかつて誰も目にしたことのない鮮麗な本格世界を展開する、第17回メフィスト賞受賞作がついに文庫化。

「新装版 BT’63(上下)」

心を病んで入退院を繰り返し、妻に去られた大間木琢磨。父の遺品を手にすると、生まれる前・昭和三十年代の光景が脳内に蘇った。若き日の父・史郎が目論んだ運送会社の画期的新事業、母ではない女性との恋。そこで気づいたある異変を調べるために、琢磨は父の足跡を丹念に追う。父と息子をめぐる感動長編。

「ゼロ計画を阻止せよ 左文字進探偵事務所」

収賄事件である島の診療所に左遷された元国立病院内科部長の神崎は「ゼロ計画(プラン)」と名付けた犯罪を企んでいた。成功すれば外国での豪勢な生活が待っていた。神崎の仲間のひとりが刺されて、私立探偵左文字の妻・史子に向けて「阻止してくれ、ゼロプランを」のダイイング・メッセージを残し死んでしまう。「ゼロ計画」の真相を探るべく、左文字は調査を開始すると深い闇が・・・。

「ストラングラー 死刑囚の逆転」

捜査一課の刑事でありながら、法から逃れる悪を裁こうと殺人を犯してしまった簑島朗。警視庁を出し抜き、逃亡する簑島に手をさしのべたのは、彼が冤罪を成立させようと奔走した死刑囚・明石陽一郎とその仲間たちだった。だが明石にも死刑執行の時が迫る。刑事の追い求める正義とはなにか、迫る死刑執行に対して明石は冤罪を晴らせるか…そして明らかになるストラングラーの驚くべき正体とは?絶対に見逃せない驚愕のクライマックス!

「スカイフライヤーズ 警視庁ゼロ係 小早川冬彦Ⅱ」

事件を解く鍵は、死体のそばに残された血文字「R」 加害者の母親から、沖縄ストーカー殺人の再捜査依頼が。 鋭い観察眼を駆使し、冬彦は被疑者の冤罪を晴らせるか?  人気ドラマシリーズ原作!  真犯人に繋がる証拠は血で書かれた「R」のみ── 十年前、沖縄で二十代女性のストーカー殺人があった。遺体発見時、犯人と思しき男の自殺体も見つかり、被疑者死亡で事件は決着していた。だが、加害者の母親は特命捜査対策室の小早川冬彦に再捜査を依頼。癌を患う彼女は、生きているうちに息子の冤罪を晴らしたいと言う。冬彦は血文字に着目し、寅三と沖縄へ飛ぶが……。

「ねこまち日々便り(上) ねこが来た編」

きっかけは一匹の猫だった。 まだやれる!を信じて生きる人々を描く奇跡の物語。 緑色の大きな目をした、やけにヒゲの長い猫だった。離婚を機に故郷根古万知に戻った愛美は、この灰色の拾い猫をノンちゃんと名付け、飼うことに。町名をもじって「ねこまち」と呼ばれるシャッター商店街の再活性化を狙い、ノンちゃんは一日駅長を務めることになる。すると、これが話題になり、ノンちゃん見たさに駅は大賑わい、町も観光客で活気を取り戻す。ところが……。

「リベンジ」

十二発の銃弾を雨宮リカに撃ち込んだ事件から約二年──懲戒免職になった元刑事の青木孝子は浮気調査専門の興信所に勤めていた。リカの復讐に怯える日々を過ごすなか、リカらしき女の目撃情報が届く。事件に決着をつけるため京都へ向かった孝子は、リカの異常な逃亡生活の足取りを摑むが……。憎悪に塗まみれた二人が再び対峙する、シリーズ第八弾。

「アンリバーシブル 警視庁監察特捜班 堂安誠人」

堂安誠人に双子の弟がいることを知る者は警視庁のごく一部。身内の犯罪を秘密裏に探る「監察特捜班」で、兄弟は二人一役を武器に不正を暴く。ある日、政府管轄の自動運転実験の責任者がビルから墜死した。前日に別の実験関係者が何者かに殺されていたが、警察は自殺と判断。不審を覚えた二人は実験場に向かうが──。異色のバディが活躍する警察小説。

「最後の彼女」

恋愛専門の便利屋・ユキは諦めきれない想いに悩む依頼人のために、いくつもの顔を使い分けていた。ターゲットは恋人を手酷く裏切った経営者、人見知りの喫茶店アルバイト、結婚相手をテストで選ぶ資産家……。彼らが喜ぶ理想の相手を演じる仕事は完璧だった、ユキ自身が誘拐されるまでは──。終わったはずの恋が新たな真実を暴く恋愛ミステリー。

「コメンテーター」

低視聴率にあえぐワイドショーのスタッフの圭介は、母校のつてで美人精神科医をコメンテーターとしてスカウトしようとする。が、行き違いから伊良部とマユミが出演することに。案の定、ふたりは放送事故寸前のコメントを連発するが、それは暴言か、はたまた金言か!?

「折鶴」

新内節を語れる友禅差しの模様師・脇田は、旅先で三味線弾きの芸妓・彩子と出会う。脇田は彼女に惹かれるが、彩子と、酒と女で身を持ちくずした彼女の師匠の名新内語りが、以前ある殺人事件に巻き込まれたことを知る、「忍火山恋唄」。縫箔の職人・田毎は、自分の名前を騙る人物が温泉宿に宿泊し、デパートの館内放送で呼び出されるという奇妙な出来事に見舞われていた。そんな折、パーティで元恋人の鶴子と再会するが。ふたりの再会が悲劇に繋がる「折鶴」など全4編。職人の世界を背景に、流麗な筆致で描く恋愛小説と、巧みな構成が光る本格ミステリを融合した名短編集。第16回泉鏡花文学賞受賞作。

「霹靂 惣目付臨検仕る(五)」

幕政改革に邁進しようとする八代将軍・徳川吉宗の先兵として奔走する惣目付の水城聡四郎。「江戸城の頭脳」である奥右筆、徒目付、そして、「江戸城の監察」目付と手を入れようとしたが、逆に「陰謀」を逆に仕掛けられてしまう。手柄と褒められこそすれ、叱られるはずの行いで、なぜか聡四郎に謹慎が言い渡されてしまう――。人気作家・上田秀人200冊目となる 記念碑的作品。「惣目付」シリーズ、第五弾。

「ヴァケーション 異形コレクションLV」

全篇新作書下ろし! 〈非日常〉の時間にこそ幻想怪奇の扉が開く―― 怖ろしき〈休暇〉を巡る傑作十五編! 〈収録作品〉井上雅彦 あの幻の輝きは   宇佐美まこと 田休み   空木春宵 双葩(ふたひら)の花   王谷 晶  声の中の楽園   最東対地 ジャイブがいなくなった   澤村伊智 縊(くびる) または或るバスツアーにまつわる五つの怪談   篠たまき 記憶の種壺   柴田勝家 ファインマンポイント   斜線堂有紀 デウス・エクス・セラピー   田中哲弥 サグラダ・ファミリア   津久井五月 観闇客(ダークツーリスト)のまなざし   新名 智  今頃、わが家では   平山夢明 休暇刑――或いはライカ、もしくはチンプの下位存在としての体験。   牧野 修  オシラサマ逃避行   芦花公園 島の幽霊

「毒蜜 首都封鎖」

揉め事始末屋の多門剛は、相棒の調査員から法律事務所の所長が命を狙われていると調査を頼まれる。 多門の調べで、外国からの難民たちを食い物にする組織の存在が浮かび上がった。そして、首相官邸、 都庁に自爆ドローンが襲来、前代未聞の爆破テロが続発することに。テロの首謀者の目的とは――。 大人気ハードサスペンスシリーズ、度肝を抜くスケールの最終巻第十二弾。

「流星さがし」

京都の人権派弁護士事務所から東京の大手法律事務所に移籍してきた新米弁護士・成瀬歌義。 武者修行と意気込んでいたが、勝手の違うことばかりで、熱意は空回り。 依頼人には嫌われ、挙げ句の果てに先輩弁護士からは関西弁がよくない、とまで言われてしまう。 持ち込まれる案件も一風変わったものばかりで、四苦八苦する歌義だったが……。 青年弁護士の奮闘と葛藤、そして成長を描く爽やか青春ミステリー。

「おやごころ」

妻のお和歌が子を宿した麻之助。子どもの名前を考えながら、今日も町の揉め事に立ち向かう! 大好評「まんまこと」シリーズ第9弾。

「わたしにも、スターが殺せる」

コロナ禍、SNSで不用意な発言をした2.5次元俳優・翔馬。これまで【M】と名乗り彼を「上げる」記事を書いていた平凡なこたつライター・真生は、その発言を捉えて彼を「叩く」方へ転じる。彼のファンは大反発し、【M】を炎上させる。しかし程なく流れが変わり、コロナウイルスに危機感を抱く世間が、一斉に翔馬を叩き始め、スターは“殺された”。高揚感が抑えられない真生だったが、以前から【M】の正体が真生だと知る何者かに、自宅マンションを晒されたり、脅迫のような郵便物が届けられていた。半同棲の恋人・春希と共に嫌がらせの犯人を突き止めようとする真生だったが、浮かび上がったのは意外な人物だった……!

「滅茶苦茶」

仕事は順調、東京でシングライフを謳歌する30代女性が始めた不穏な恋愛。下校中、不良に堕ちた元級友に再会した、とある北関東の高校生。老朽化したラブホテルを継ぐが経営不振に陥った静岡県在住の中年男。 刹那な現代をサバイブしながらも、孤独を胸底に抱える者たちの欲望に駆られた出会いは、彼らをまっさかさまに谷底に突き落とす。

「少年籠城」

地方の温泉街の河原で、子どもの惨殺遺体が発見された。 警察は、小児わいせつ事件を繰り返していた15歳の少年・当真への疑いを強める。 逃亡中の当真は警官の拳銃を強奪し、子分とともに子ども食堂に立てこもった。 自分は無実で、人質を殺されたくなければ、警察は真犯人を捕まえろという。 子ども食堂の店主・司は、人質の少年少女を守るために戦うことを誓うが―― 当真は本当に無実なのか。他に殺人犯はいるのか。 さらに新たな遺体が発見され、暴走する当真は引き金に指をかける―― 誰もが予想できない結末が待つサスペンスミステリ。

「刑事ダ・ヴィンチ」

警視庁楠町西署の刑事、小暮時生は四人の子を育てながら、家事に仕事に奮闘する日々を送っていた。 そんなある日、季節外れの人事異動で本庁から一人の刑事がやって来る。黒のスリーピーススーツに深紅のスケッチブックを携えたその男の名は、南雲士郎。 「ダ・ヴィンチ刑事」とあだ名される彼は、東京藝術大学絵画科卒という異色の経歴の持ち主だった。 小暮は南雲とバディを組むことになるが、二人には十二年前にコールドケースとなった連続猟奇殺人事件を共に追っていた過去があり……。アート推理で謎を解く、新感覚の警察小説シリーズ開幕!

「殺し屋商会」

いたたまれない思いを抱えた被害者の思いを救う復讐代行屋。法で裁かれなかった悪党に、謎の殺し屋・ロンホワンが救いの弾丸を撃ち込む。 暴走老人の車に妻と娘が殺された夫、歌手の娘がチャラついた芸能人に弄ばれて自殺した両親、どうしようもないDV毒母に憤る男……血飛沫舞う愛と哀しみのアクション連作小説。

「怪談青柳屋敷」

『むかしむかしあるところに、死体がありました』『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う』などで人気のミステリー作家、青柳碧人。 じつは怪談好きだったのです。 これまでひそかに取材採集した実話怪談の数々。 文字どおり家にまつわる怪談から自ら体験した怪異、出版業界で耳にした恐怖体験など一挙50篇以上を収録。

「浪人若さま 新見左近 決定版【十三】-片腕の剣客」

左近の想い人であるお琴に、思わぬ話が持ち上がった。 三島屋を切り回す商いの腕を見込んだ小間物問屋中屋の女将の百合から、新たに出す京の出店を手伝ってくれと持ちかけられたのだ。 即座に断ったお琴だが、百合は左近の正体を突き止め、お琴の幸せを願うならば京に行かせるべきだと左近に迫る。 動揺し、思い悩む左近だが、己自身にも、最大の危機が訪れる──。葵一刀流が悪を斬る! 最強の傑作王道シリーズ、決定版第十三弾!

「トモダチデスゲーム 類は友を呼ぶ」

トモダチゲームは、完全に終わったと思っていた……。前回のゲームからなんとか生還した久遠永遠は、耳を疑うような情報を聞いた。”最高のトモダチを選ぶ、トモダチオーディション”が開催中とのこと。しかも、オーディションのアイコンは、永遠が忘れもしない、あの、黄色のスマイルマーク!! 裏を探るため、オーディションにエントリーした永遠、蓮、天地の3人は、全国から集まった”人気者”に、どうやって勝つ!?

「耳袋秘帖 南町奉行と首切り床屋」

始めは深川、次に神田の床屋で身元不明の首無し遺体が発見された。客とみられるが、どちらも床屋のあるじは行方が知れず、江戸の瓦版屋は大騒ぎ。続いて霊岸島の海産物問屋でろくろっ首騒動が。「しばらく首がらみの事件が続く」。南町奉行・根岸肥前守の勘は的中し、女の首と狸の胴体が見つかって――。かつて「銕蔵(てつぞう)」と言う名で無頼な暮らしをしていた根岸とどうやら因縁があるらしい、怪異「首騒動」に根岸と仲間たちが挑みます。

「鎌倉署・小笠原亜澄の事件簿 由比ヶ浜協奏曲」

鎌倉で管弦楽団のコンサート中に、コンサートマスターが殺される事件が起こる。早速、亜澄と元哉の凸凹コンビは事件を調べるが……。

「スクラップ・ライアー 警察庁組織犯罪対策部の嘘つき捜査官」

エブリスタ×宝島社の『この文庫がすごい!』大賞の受賞作。生来の虚言癖が災いして、クビ同然で福岡県警察から放逐され、ヤクザにも追われる立場となった橘涼真。そんな進退窮まった彼に唯一手を差し伸べたのは、なんと警察庁の組織犯罪対策部だった。選択の余地がないまま涼真は潜入捜査官となり、新しい名前を得て日本最大のヤクザ組織「阿頼組」五代目の一人娘、清山紗香に接近するが……。小説投稿サイト「エブリスタ」で開催したコンテスト『この文庫がすごい!』大賞を受賞したジェットコースタークライムノベル! 涼真の口から勝手に飛び出す嘘が、新宿に巣くう歴戦のヤクザたちを翻弄する!

「警視庁捜査一課八係 警部補・原麻希 グリーン・ファントム」

累計40万部突破の大人気〈ハラマキ〉シリーズ、最新刊! 警視庁捜査一課の原麻希が、極右組織のボス、椿聖一郎の捜査を続けるなか、脅迫を受けた左派の論客のフォロワー4人が殺害される事件が発生。被害者は悪徳なペット仲介業者であったことから、過激な動物愛護団体による犯行が疑われるが、麻希は独自に捜査を進め、真相に迫る……。ラストに大きなどんでん返しもあり、読み応えある内容です。

「贄の白無垢 あやかしが慕う、陰陽師家の乙女の幸せ」

陰陽師家の名門・久我山家の長女として生まれるも、使用人同然の扱いを受けてきた未緒。 ある役目を果たすため、不幸を呼ぶとされる「オサキモチ」である周吉のもとへの嫁入りを父から命じられる。 周吉は以前、本所深川一帯を焼き払う大事件を起こし、世間から恐れ憎まれていた。 未緒は周吉に殺されることも覚悟して嫁入りするが、初めて会った彼は噂とは違う心優しい青年で……。 これは、孤独で不幸な乙女が自分の居場所を見つける物語。

「警視庁公安部・片野坂彰 天空の魔手」

地方のドローン競技大会や新進のゲームソフト会社を訪れた片野坂彰。彼は中国による台湾侵攻への対抗策として、ある恐るべき構想を持っていた。一方チームの面々は、ロシアの急所となる情報を入手すべく欧州に集結するが……。激変する世界情勢のなか、日本を守る公安マンたちの活躍を描く大人気書き下ろしシリーズ第5弾!

「朝比奈凜之助捕物暦 駆け落ち無情」

同日に起こった三つの難事件。若い男女の駆け落ち、問屋の強盗事件、付け火と焼死体。別々の事件はやがて複雑な繋がりをみせて……。

「兇弾」

死せる禿鷹、生きるキャリアを走らす!史上最悪の悪徳警官が、死を賭して守った署内裏帳簿のコピー。それが、警察庁幹部によって葬り去られようとしていた。南米マフィアの復活と共に、血腥い暗闘の火蓋が切って落とされる。

「伏龍警視・臣大介」

臣雪乃は「姉妹制度」の仲間内で開いていたパーティを愉しんでいた。 日本最大与党の衆議院議員の父を持つ「姉」の多和多華那と「姉妹関係」を結んで10週目、そして、14歳になった華那の誕生日を兼ねたパーティだ。 しかし、愉しんでいたのも束の間、パーティ会場からすぐ近くの部屋で火災が発生したのだ。 その日偶然、持病のある雪乃を迎えに来ていた父、沖縄県警管理官の臣大介警視は娘たちを救い出すことに。 その救出中に思いがけなく、大介は刺殺体を発見してしまう。 被害者は有名経済系文化人・新堀兵衛の「金庫番」井上幸治だった。 時を同じくして突然死した捜査一課長の後任として、大介は現場の指揮に当たるが、警視庁から沖縄県警に移って半年のため、馴染みのない沖縄独自の風習が壁となって立ち塞がる。 捜査が難航する中、従姉妹の奥瀬真紀から電話が。 警視庁捜査二課第二係を率いる真紀によれば、「新堀が投資に失敗した損失分を、井上が地上げで取り戻そうとしていた節がある」と言う。 地元の反社会的勢力と揉めた末の殺害なのか? 捜査線上に「鏡龍会」に繋がっている半グレグループの頭・又善星一郎が浮かび上がってきて……。

「私が先生を殺した」

私は“善人”か、それとも“悪人”か 「ねえ……あそこに誰かいない?」。全校生徒が集合する避難訓練中、ひとりが屋上を指さした。 そこにいたのは学校一の人気教師、奥澤潤だった。奥澤はフェンスを乗り越え、屋上から飛び降りようとしていた。 「バカなことはするな」。教師たちの怒号が飛び交うも、奥澤の体は宙を舞い、誰もが彼の自殺を疑わず悲しんだ。 しかし奥澤が担任を務めるクラスの黒板に「私が先生を殺した」というメッセージがあったことで、状況は一変し……。 語り手が次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りになる。秘められた真実が心をしめつける、著者渾身のミステリー!

まとめ