【11月の新刊】2024冬読みたい ミステリー 15選

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 2024冬読みたい ミステリー を書きます。※本ページにはPRが含まれます


ミステリー好きにはたまらない、11月の新刊ラッシュが到来しました!心躍る謎解き、深い人間ドラマ、そして背筋が凍るサスペンス。今回は、国内外の注目作を厳選して15冊ご紹介します。それぞれの作品が織りなす異なる世界観を堪能しながら、秋の夜長にぴったりの一冊を見つけてみてください。

【年末の新刊】2024冬読みたいミステリー

「書楼弔堂 霜夜」 京極 夏彦

花も盛りの明治40年――高遠彬の紹介で、ひとりの男が書舗「弔堂」を訪れていた。
甲野昇。この名前に憶えがあるものはあるまい。故郷で居場所をなくし、なくしたまま逃げるように東京に出て、印刷造本改良会という会社で漫然と字を書いている。そんな青年である。
出版をめぐる事情は、この数十年で劇的に変わった。鉄道の発展により車内で読書が可能になり、黙読の習慣が生まれた。黙読の定着は読書の愉悦を深くし、読書人口を増やすことに貢献することとなる。本は商材となり、さらに読みやすくどんな文章にもなれる文字を必要とした。どのようにも活きられる文字――活字の誕生である。
そんな活字の種字を作らんと生きる、取り立てて個性もない名もなき男の物語。

「ドヴォルザークに染まるころ」 町田そのこ

小学生のとき、担任の先生と町の外からやって来た男が駆け落ちしたのを忘れられない主婦。東京でバツイチ子持ちの恋人との関係に寂しさを覚える看護師。認知症の義母に夫とのセックスレスの悩みを打ち明ける管理栄養士。父と離婚した母が迎えに来て、まもなく天候することになる小六の女の子。発達障害のある娘を一人で育てるシングルマザー。小さな町で、それぞれの人生を自分らしく懸命に生きる女性たちを描いた感動作。

  • タイトルからは思い浮かばないほど結構人間関係ドロドロしてるのに読後感は爽快だったのは最後の話だったことが大きいと思う。

「パンとペンの事件簿」 柳 広司

ある日、暴漢に襲われた“ぼく”を救ってくれた風変りな人々。彼らは「文章に関する依頼であれば、何でも引き受けます」という変わった看板を掲げる会社――その名も「売文社」の人たちだった。さらに社長の堺利彦さんを始め、この会社の人間は皆が皆、世間が極悪人と呼ぶ社会主義者だという。そんな怪しい集団を信じていいのか? 悩む“ぼく”に対して、堺さんはある方法で暴漢を退治してやると持ち掛けるが……。
暗号解読ミッション、人攫いグループの調査……。社に持ち込まれる数々の事件を、「売文社一味」はペンの力で解決する!
世の不条理に知恵とユーモアで立ち向かえ。驚きと感動が詰まった珠玉の推理録!

  • ミステリーの入り口から入り、出る時には思想とか主義とかのお話。大正時代の暗い面があっけらかんとユーモラスに前向きに描かれています。
  • 国家が国民の思想を制するのはありえないことではないのを日本人は忘れてはならない。
  • テーマが社会主義…えー社会主義かあと思いましたが、結構面白かったです!各編で謎解き要素はあるもののミステリー色は少なく、やはり社会派色が強かったですね。

「バイト・クラブ」 小路 幸也

〈カラオケdondon〉の奥まった一室。そこはお客に貸さない部屋。通称〈バイト・クラブ〉のための部室だ。ここの部員になるための資格は、【高校生の身の上で「暮らし」のためにバイトをしていること】。ファミレスにガソリンスタンド、バッティングセンターなどなど。稼いだお金の使い途は学費だったり生活費だったり、将来のためだったり。お金はなくても、ここには私たちなりの「青春」がある。でもある日、そんな日常を一変させるような事件が起こる――。

「命みじかし恋せよ乙女: 少年明智小五郎」 辻 真先

大正8年、帝国新報の記者・可能勝郎は、玉電で東京郊外の世田谷村にやってきた。富豪である守泉家が、中村座を招き「番町皿屋敷」を上演するのを取材するためだ。守泉邸は上空から見ると「む」のような形をした、通称「むの字屋敷」と呼ばれている。中村座の俳優・静禰や、伊藤晴雨のモデル・カネなどにも話を訊きながら上演日を待つ勝郎は、屋敷内で女性の死体を発見。しかし、いつの間にか消失していて……。〈昭和ミステリ三部作〉、そして〈ポテトとスーパー〉にも繋がる、長編ミステリ。

「おごさま」 小紫

地雷系女子×因習村ホラー。北関東の実家を飛び出し、東京の歓楽街まで流れ着き、ボーイズバーにハマってしまった18歳のさあや。彼女は推しのカイトに、風俗で稼いだ大金を貢いでいた。しかし「一緒に暮らそう」という口約束が果たされることはなく、売掛の借金ばかりが増えていく。追い込まれたさあやは、実家に伝わる「おごさま」に救いを求める。亡くなった祖母は「おごさまはなんでも願いを叶えてくれるが、代償として身体の一部を捧げないといけない」と言い残していた。しかし、どうしてもカイトの身も心もすべて手に入れたいさあやは……。

「或るバイトを募集しています」くるむあくむ

バイト募集チラシからはじまる底なしの恐怖体験「或る、バイト体験者の話をインタビューしてきてください」新作の執筆依頼でバイト体験者たちに取材をしていく一人の作家。電話をするだけ、差し入れを渡すだけ、映像のチェックをするだけ。たったそれだけの業務内容なのに何かがおかしい。アルバイト募集からはじまる恐怖体験を描いたモキュメンタリーホラー登場!

「撮ってはいけない家」 矢樹 純

「その旧家の男子は皆、十二歳で命を落とす――」映像制作会社でディレクターとして働く杉田佑季は、プロデューサーの小隈好生から、モキュメンタリーホラーのプロットを託される。「家にまつわる呪い」のロケのため山梨の旧家で撮影を進める中、同僚で怪談好きのAD・阿南は、今回のフィクションの企画と現実の出来事とのおかしな共通点に気付いていく。そして現場でも子どもの失踪事件が起こり……。日本推理作家協会賞短編部門受賞『夫の骨』著者の最新作!

  • 最初はかなり怖かったけれど、途中からミステリ要素が強くなっていく印象……なのだが、理性で解決できない最終盤はやっぱり怖い! キャー!
  • この本を読んでいて自分も大丈夫だろうかと思ってくる不気味さが良かったです。関わらない方がいいと思わせる小説です。
  • ラストを読んで、そのあとどうなったのかは想像しないようにした。

「ひまわり」 新川 帆立

おしゃべりと食べることが大好きな33歳のひまりはある夏の日、出張帰りに交通事故に遭い、頸髄を損傷してしまう。意識は明瞭。だけど、身体だけが動かない。過酷なリハビリを続けるも突きつけられたのは厳しい現実だった。「復職は約束できない。できればこのまま退職してほしい」。途方に暮れ、役所で就労支援の相談をすると、すすめられたのは生活保護の申請。
私は人の役に立てるのに、どうしてその力を発揮させてもらえないのーー?
ひまりは自立を目指し司法試験受験を決意する。思い通りにならない身体でロースクールに通い始めるが、次々と壁が立ちはだかり……。落涙必至の、人生応援小説。

  • 障害者という境遇の生きづらさを思い知らされつつ、チャレンジなくしては何も始まらない、ダメと思った時にそこで諦めないで進める道を考える事の大切さも教えてもらった。
  • フィクションではあるが、モデルになった弁護士がいると知って驚き。とても読みやすい文章で、480ページもすらっと読めた。
  • 苛酷なリハビリや司法試験の難しさなどがエンタメとして見事に描かれていること。ハラハラドキドキしながら最後まで一気読みしてしまった。

「連続殺人鬼カエル男 完結編」中山 七里

凄惨な殺害方法と、稚拙な犯行声明文で世間を震撼させた「カエル男連続猟奇連続殺人事件」。事件のキーマンである有働さゆりは医療刑務所から脱走し、行方知れずのままだった--。
その頃、精神疾患を抱える殺人犯を無罪にした人権派弁護士が何者かに殺害される事件が発生。遺体のそばには、あの稚拙な犯行声明文が残されていた。捜査一課の渡瀬と古手川はカエル男の犯行を視野に入れて捜査を進めるも人権派弁護士の殺害は続く。これまでと異なる動きを見せるカエル男に翻弄される渡瀬は、ある人物からひとつの提案を受け……。

  • 無事完結しました。今回も相変わらず壮絶な事件現場を思わせる描写が多かったです!
  • 最初程の衝撃はなかったが、複数の作品に渡って惨劇を繰り広げた有働さゆりの結末は感慨深かった。
  • いやー、痺れました! バランス感覚が秀逸すぎてもう何も言えない。

「憧れ写楽」 谷津 矢車

多くの傑作を残し、約10ヵ月で姿を消した「東洲斎写楽」。
この謎多き絵師にふたたび筆をとらせたい老舗版元の主・鶴屋喜右衛門は、「写楽の正体」だと噂される猿楽師、斎藤十郎兵衛のもとを訪れる。
だが、斎藤の口から語られたのは、「東洲斎写楽の名で出た絵のうち、幾枚かは某の絵ではない」「(自分は)本物の写楽には及ばない」という驚愕の事実。さらに斎藤が「描いていない」絵のなかには、写楽の代表作とされる「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」も含まれていた。
写楽はふたりいた――。そう知った喜右衛門は、喜多川歌麿とともにもう一人の写楽探しに乗り出す。しかし、写楽を売り出した張本人である蔦屋重三郎が妨害しはじめ……。果たして、本物の写楽の正体とは。そして、蔦屋重三郎と写楽との関係とは。
大田南畝、山東京伝、歌川豊国など、この時代の文化人たちも次々と登場! 蔦屋重三郎を主人公とする2025年大河ドラマ「べらぼう」と共通する世界で繰り広げられる時代ミステリです。

「青い絵本」桜木 紫乃

絵本作家として活躍する高城好子はかつて美弥子の継母だった。漫画家のアシスタントを生業とする美弥子は、旅の誘いを受けて再会した好子が余命幾ばくもないと悟る。共同制作したいという好子の望みを叶えるため、 “母”と“娘”は湖畔のホテルで絵本『あお』の構想を深め合う……(「青い絵本」)。
作家、編集者、セラピスト、書店員――さまざまな形で絵本に関わる人々が、絵本を通じて過去と対話し再生する姿を、静謐な筆致で紡ぎ出す。表題作ほか全5話収録、短編の名手が、人生の光と影を描いた珠玉作品集。

  • 「青い絵本」は好子さんの詩が良い。脳内の絵本も素敵に幻想的に仕上がった。今はいない大切な人を想いだして泣けた。 
  • 表題作「青い絵本」はその風景と色彩描写が絶品、人生の終い方を考えさせられる。
  • 短い言葉で綴られている絵本は、短いからこそ本質をついていて、大人になってこそ読んでみるとハッとさせられ気づきを得る事があるのかもしれない。

「こぼれ落ちる欠片のために」本多 孝好

マンションの一室で発生したある殺人事件の現場に向かった、県警捜査一課の和泉。そこで出会った女性警官・瀬良の第一印象は、簡単に言えば「最悪」だった。しかし、上の命令で瀬良とタッグを組み殺人事件を捜査することになり、和泉は彼女の類い稀な観察力を知ることになる。二人の懸命な捜査により、事件のかたちは徐々に輪郭を現していくが、待ち受けていたのは「正しい刑罰」の在り方を問う、予想外の真相だった――。和泉と瀬良が立ち向かった最初の事件「イージー・ケース」ほか、事件に関する証言を頑なに拒み続ける容疑者の謎を追う「ノー・リプライ」、解決の糸口が見えない誘拐事件を描く書き下ろし中編「ホワイト・ポートレイト」を収録。心揺さぶる結末に息を呑む、圧巻の警察ミステリー!

  • いつものクールなタイプの主人公よりかは熱があるし、3つの話の終わりはビターで、これでいいの?って取り残される感覚が最高ですね。
  • 主人公(というより語り手にあたる登場人物)がほんのり闇を抱えてるから読み進めてくと共感性羞恥でちょっと落ち込む。
  • 事件の様相が2点3点していく流れはさすがというか。 ストーリーが面白い分メインキャラの薄さが少し残念。

「日比野豆腐店」小野寺史宜

東京の町なかにひっそりと佇む「日比野豆腐店」。店主の清道を亡くした日比野家は、厳しいながらも手を取り合って店を切り盛りしていた。店を終わらせようとしている祖母の初。亡くなった夫の代わりに店を続けたい母の咲子。店を継ぎたいのかどうか、将来に悩む令哉。そして、「ある人」と一緒に三人を見守る飼い猫の福。「日々の豆腐」という意味も込められた豆腐屋で、ひたむきに生きる人たちを描いた心揺さぶる家族小説。

  • 読んでいても安心していられる本。とてもよい。
  • 子どもの頃、近所に豆腐屋さんがあったので、時々鍋を持って買いに行っていた記憶がよみがえってきました。
  • いかにも小野寺史宜と言った物語。 ただ、主人公が交代しながら同じ話を何度も繰り返す構成はちょっとイライラ。 ほぼ思った通りの結末も小野寺史宜らしかった。

「架空犯」東野 圭吾

「まるで幽霊を追いかけているようだ」​焼け落ちた屋敷から見つかったのは、​都議会議員と元女優夫婦の遺体だった。​華やかな人生を送ってきた二人に​何が起きたのか。​

  • 誰かを守るために自らを犠牲にする様子は読んでいて悲しくなってくる。ただの殺人事件ではなく、人間関係から生まれる感情が事件を左右する様子が面白かった。
  • さすがの東野圭吾、絡まった糸が最後はすべてするするととけていくようだった。読みごたえあり。
  • どうしてこう東野さんの作品は、一気読みになってしまうのか。読むのを止められない。小さな手掛かりを元に、少しづつ真相に近づいていく過程が、より没頭してしまう一因なのかな。秀逸。

まとめ

今月は、多彩なジャンルのミステリーが登場し、新たな驚きと発見に満ちたラインアップが揃っています。歴史を舞台にした壮大なミステリーから、現代社会を映し出すサイコサスペンスまで、それぞれが独自の魅力を放っています。この機会にぜひ、読書の楽しさを存分に味わい、ミステリーの奥深さに触れてみてください。きっと、新しいお気に入りの作家や作品と出会えるはずです!