早く読みたい! 蔵出し 最新ミステリー作品 はこれだ

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 最新ミステリー作品 を書きます。※本ページにはPRが含まれます

八月から秋にかけて出版されるミステリー作品をご案内します。

「死体で遊ぶな大人たち」倉知 淳 2024/9/5

取扱注意!変な死体×本格ミステリ。不謹慎だがガチ本格の死体ミステリ!「本格・オブ・ザ・リビングデッド」夏の山荘で起きた惨劇。殺人犯はゾンビ⁉「三人の戸惑う犯人候補者たち」「人を殺したかも」相談の内容は殺人で…「それを情死と呼ぶべきか」〈死者が生者を殺した〉密室心中の真相は⁉「死体で遊ぶな大人たち」なぜ腕だけ別人に“すげ替え”られたのか?作家デビュー30周年記念作品

「穢れた聖地巡礼について」 背筋  2024/9/3

フリー編集者の小林が出版社に持ち込んだのは、心霊スポット突撃系YouTuberチャンイケこと、池田の『オカルトヤンキーch』のファンブック企画だった。
しかし、書籍化企画を通すには『オカルトヤンキーch』のチャンネル登録者数は心許ない。企画内容で勝負するべく、過去に動画で取り上げた心霊スポットの追加取材を行うことに。池田と小林はネットなどで集めた情報をもとに、読者が喜びそうな考察をでっちあげていく――。
(『オカルトヤンキーch』ファンブックより一部抜粋)
『変態小屋の真相判明!』
もともと変態が盗撮した写真のコレクションを保管するための場所ではないかという噂で有名だった当スポットだが、我々の追加取材によりここが実は全く別の目的で使われていたことが判明。
さらに動画内に映っていた一枚の写真が、とある女性の自殺直前に撮られたものであることを突き止めた。この写真に写った女性について、次項で詳しく考察していく――。

「右園死児報告」真島 文吉 2024/9/3

右園死児案件が引き起こした現象の非公式調査報告書である。明治二十五年から続く政府、軍、捜査機関、探偵、一般人による非公式調査報告体系。右園死児という名の人物あるいは動物、無機物が規格外の現象の発端となることから、その原理の解明と対策を目的に発足した。

  • 「右園死児」という現象を収集した、フェイクドキュメンタリー。その言葉に触れただけで「厄災」が現れる。過去は平安時代から現代まで、様々な禍々しい現象が報告される。流行りのフォーマットとはいえ、輪郭の曖昧な恐怖が想像を膨らませてくれて楽しい。

「まぼろしの女 蛇目の佐吉捕り物帖」織守 きょうや 2024/8/27

本所一帯を縄張りに、十手を預かる若い岡っ引きの佐吉。ある朝、大川で若い女の死体があがった。裸に剥かれ、真新しいあざと傷だらけ。顔は腫れあがり髪まで剃られているという惨たらしい有様だった。佐吉はさっそく女の身元を調べ始めるが、いくら聞きまわっても杳として知れない。下手人は誰か。それ以前に、殺された女はいったい誰なのか?町医者の秋高とタッグを組み、突き止めた事件の真相とは――現代ミステリ作家・織守きょうやが時代小説に挑む。

「殺人と幻視の夜」織守きょうや 2024/8/23

大学生・久守は触れた人の後ろ暗い秘密が視える幻視能力に、幼い頃から苦しんできた。しかしある日、美大生の佐伯に触れ、話題になっている残忍な連続殺人の犯行を幻視してしまう。この事件を止めるべく、懐に入り、証拠をつかもうとするものの、佐伯と交流を重ねるうちに、孤独だった久守は本当の絆を感じ始める。犯行を止めるため、能力を駆使する彼の友情は、どんな結末を迎えるのか? 一気読み必至のノンストップ・ミステリ!

「少女には向かない完全犯罪」 方丈 貴恵 2024/8/21

黒羽烏由宇は、ビルから墜落し死につつあった。臨死体験のさなか、あと七日で消滅する幽霊となった彼は、両親を殺された少女・音葉に出会う。彼女は、出会い頭に彼に斧を叩き込んで、言う。「確かに、幽霊も子供も一人じゃ何もできないよ。でも、私たちが力を合わせれば、大人の誰にもできないことがやれると思わない?」天井に足跡の残る殺人、閉じ込められた第一発見者、犯人はこの町にいる。

  •  話が一転二転三転するのは読めてましたがそれを上回る作者の執念を感じました。 とにかく丁寧に丁寧に練り上げられた本です。
  • 方丈作品は全編に張り巡らされた伏線を鮮やかに回収していく手腕に毎回驚かされるが、今作はそれをやりすぎなくらいに詰め込んでいて、中盤からはずっと解決編が続いているような読み心地。
  • ふたりが推理の練習をしたり道具を使ったりと掛け合いをしているところは楽しかった。後半は怒涛の展開。一気に読んだ。面白かった!

「ノマディアが残された」王城 夕紀 | 2024/8/20

言葉は伝染する、ウイルス以上に――
シリアの難民キャンプで謎の感染症が発生。バイオテロが疑われる中、キャンプを訪れていた同僚クイナが消えた。ビューログに残された「ノマディア」という謎の一語を手がかりに、外務省直轄の秘密組織「複製課」の面々が、クルディスタン、イスタンブール、ウィーン、スカンジナビアと導かれていく中、恐るべき殺戮計画が像を結び始め――

  • めちゃめちゃ良い小説だった。これ1本でSF小説5本くらい書けそうなアイデアを惜しげもなく披露しつつ、構成はきっちりと詩情溢れる展開に落とし込まれている。
  • 著者特有の詩情的で瑞々しい文体で綴られる、乾いたスパイの物語。 国家、戦争、紛争、難民、パンデミック、SNS、AI……現在起きている様々な事象の地続きにある、ありうべき近未来SF小説。 8年待った甲斐ある傑作。

「深淵のテレパス」上條 一輝 2024/8/16

「変な怪談を聞きに行きませんか?」会社の部下に誘われた大学のオカルト研究会のイベントで、とある怪談を聞いた日を境に高山カレンの日常は怪現象に蝕まれることとなる。暗闇から響く湿り気のある異音、ドブ川のような異臭、足跡の形をした汚水――あの時聞いた”変な怪談”をなぞるかのような現象に追い詰められたカレンは、藁にもすがる思いで「あしや超常現象調査」の二人組に助けを求めるが……選考委員絶賛、創元ホラー長編賞受賞作。

  • 恐怖というものは物理的な部分と感情に作用するものと2種類あるように思う。 この小説はどちらにもバランスを感じる面白い作品だった。
  • これは面白かった!どんどん進んで行くストーリーにハラハラドキドキ!また、このメンバーが良いよねー。ホラーなんだけどそれだけじゃない!楽しかったけど、ちゃんと怖かった。
  • まだ文章は若くて硬いですが、話はまとまりがあって面白かったです オチが好き 描写もちゃんと怖くてよかった!

「黒爪の獣」加門七海 2024/8/7

人に見えぬものを見る特殊能力を持つ悠希は、龍を降ろす能力を持つ占い師の妹・水月とともに新宿でひっそりと暮らしていた。ある日、神社に胎児の死体の一部が置かれるという事件が起きる。新宿の街に何者かが悪意を持って呪いをかけたことを察した悠希は、事件を捜査する新宿署の刑事魚名とともに、呪術を悪用しようとする何者かに立ち向かう。第一人者である著者による、現代「呪術」サスペンス小説!

  • 呪術コレクターYouTuberがいる時代。誰もが気楽にオカルトに触れて、触って、障って、蝕んで、犯されて‥一億総呪術の時代。
  • 世にホラー作家は多いけれど、加門七海さんほど呪術にこだわっている人は珍しいのではないか。小説だと『蠱』『呪の血脈』『蛇環銭』『目嚢』、そして最新作の『黒爪の獣』などがそうだし、怪談実話の『怪談徒然草』『船玉さま』もそう。
  • あの作品とあの作品の主人公を合わせた感じの黒爪の獣。読み始め怖いのかなと思ったけど怖さはなかった。夏は怪談、怪異が読みたくなる

「これが最後の仕事になる」講談社ほか 2024/8/7

最初の1行は全員一緒。1編6ページ、24種の「最後の仕事」。早起きした朝、昼の休憩、眠れない夜ーー。ここではないどこか、今ではないいつかへ、あなたを連れ出す7分半の物語。

  • 冒頭の一文だけ同じで、内容もテイストもぜんぜん違うアンソロジーの第3弾。初めての作家さんもあり、またやってほしいです。
  • 24人が作品を描き下ろしていて、作風やアイディアのオリジナリティを楽しませてくれた。

「雷龍楼の殺人」新名 智   2024/8/2

富山県の沖合に浮かぶ油夜島。この島にある外狩家の屋敷「雷龍楼」では2年前、密室で4人が命を落とす変死事件が起こった。事件で両親を失った中学生の外狩霞は、東京にいるいとこ・穂継の家へ身を寄せていたが、下校途中、何者かに誘拐される。霞に誘拐犯は、彼女を解放する条件となる「あるもの」を手に入れるため穂継が雷龍楼へ向かったと告げる。誘拐犯に迫られた霞は、「完全なる密室」の謎解きに挑む。

  • なんと言っても「読者への挑戦」があるのが嬉しい!ここに「読者への挑戦」が掲載されてることに作者の自信を感じた。
  • 思っていたのとは違っていたけれど、これはこれでおもしろい。ラストも好き。
  • クローズドサークルものと安楽椅子探偵ものを組合せた上に、2年前と現在の2つの事件を、3つの視点で書いているので非常に読みづらい。

「バラバラ屋敷の怪談」大島 清昭  2024/7/27

民俗学のフィードワークの手法を用いて、取材を元に怪談を執筆してる呻木叶子が遭遇する四つの事件。八人の女性が犠牲になったバラバラ殺人の現場周辺で目撃される四体の幽霊の謎と、現場の屋敷で新たに発生した密室殺人を呻木が解き明す表題作ほか、博物館で目撃される少女の霊の来歴を探るうちに、思わぬ不可能犯罪に行き当たる「青いワンピースの怪談」など、第17回ミステリーズ!新人賞受賞作『影踏亭の怪談』の新鋭による恐怖と驚愕の連作集。

  • 怪談作家・呻木叫子シリーズで中編4編。ミステリ✕怪談の相乗効果が面白いが、独立した話が後々関連していたりと、結構油断のならないシリーズでもある。
  • 短編集かと思ったら最後の最後で全部つながる構成が凄かった。お前、結局あそこから手伝ってしまったんか…とか、表紙が1作目の描写と思わせてこっちか〜!とか。
  • シリーズを追ってきた読者には嬉しい復活。そのままの呻木先生でなさそうなのが怖い。

籠の中の二人

弁護士・村瀬快彦は傷害致死事件を起こした従兄弟の蓮見亮介の身元引受人となり、釈放後に二人は暮らし始める。他人と距離を置いていた主人公が、いとこの影響ですこしずつ変わっていく様子が読みどころ。

  • 加害者や犯罪被害者のシビアな問題に取り組んでいた筆者には珍しいハートウォーミングなストーリー。
  • 傷ついた心。それを癒せるのは人だけだと知って。何よりも自分らしく振舞って生きるべきだと。心を開かせる。