しんどい時はしんどいと言おう「私は私のままで生きることにした」

日韓累計158万部突破! (韓国108万部、日本50万部) 2019年、2020年と2年連続で年間ベストセラーにもランクインした話題のイラストエッセイです。

地縁や血縁。学校や会社。
困った時には頼りになるけど、一つ間違える鬱陶しいしがらみに縛られる。
長い間生きていると、ヤバイ状態になったらボケることを覚えましたが、とかく人間関係は難しい。

他人の目を気にしない。
自分に正直になることしか逃げ道はないのです。
しかし、それが許されないのが今を生きる若い人たち。
人はそれぞれ、傷や不完全さを抱えている。
傷のない人生なんてないはずなのに、
傷をさらけ出して生きることを、なぜかためらう若い人が多いように感じます。

儒教の精神が今も生きる韓国は、日本よりも厳しい競争社会。
上下だけでなく横の人間関係も息苦しく感じている人は日本の比ではないようです。
そんな日常から自分を守る言葉を発信し続ける人がいます。
イラストレーターのキム スヒョンさんです。
彼女が書いたエッセイは、人気アイドルグループBTSのジョングクさんが本書を愛読していることがSNSで話題になったこともあり、韓国のみならず日本でも爆売れしました。
彼女が日常感じた違和感と違和感からの抜け出し方が、平易な言葉で綴られています。

確固たる自尊心をもつための最初の一歩は、はっきりしている。「自分らしく生きること」

基調に流れるメッセージは、個人の自由と他者との調和。
意図せずに流され、自分が無力な人間に思える人たちへ向けた、ちょっと尖っているけどあたたかいエールが詰まっています。

「あなたがいちばん尊重しなければならない人は、常にあなた自身」
「他人の人生に過度な関心をもたず、干渉しないこと」
「選択するときは、何を得るか、ではなく、何を放棄するかを考える」

高齢者の仲間入りをした私に響いたのはこの一文。
「上下関係の礼儀は厳しく求めながら、相互関係のエチケットは犬のエサにしてしまった人たちのことを「老害」と言います」

息苦しい世界を変えるには「思いやり」の心を思い出すことだと気づかされました。
思いやりとは自分を律すること。
無意識に生きてきた自分の生き方に疑問を持ちながら、誤りを修正しながら生きることが世界を変える一歩なのかもしれません。