ホラーとミステリーの境界線 「忌名の如き贄るもの」

忌名の如き贄るもの
フルタニ
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 忌名の如き贄るもの を紹介します。

忌名は、いわば生贄だと?
『この忌名は、決して他人に教えてはならん……もしも何処かで、何者かに、この忌名で呼ばれても、決して振り向いてはならん』生名鳴(いななぎ)地方の虫くびり村に伝わる『忌名の儀礼』の最中に起きた殺人事件に名(迷)探偵刀城言耶が挑む。

虫絰(むしくびり)村。忌名(いみな)の儀礼。首虫(くびむし)の呪い。角目(つのめ)の祟り・・・

少しホラーよりのミステリーや怪奇ものがお好きな読者におすすめ。

三津田信三さんの新刊をご紹介します。

「ある一つの前提を疑えば真相は見えた来るはずなのに、読者はその前提を疑わないようにさせられる」
文芸評論家の千街晶之さんは言います。
仮死状態になって危うく火葬されそうになった人の視点から描くことで、説明につきものの単調さを感じさせません。
見どころの一つがシリーズの名場面でもある解決へ向けての箇条書きが今回はないこと。
説明がない分シンプルで単調な感じを与えるかもしれませんが、複雑でないことで読者は油断します。
そして、油断させられた分だけ結末の衝撃の振れ幅が大きくなります。
それは読者を虜にする作者の罠かもしれません。