【結果】週刊文春2023 文春図書館拡大版ミステリー 国内編ベスト10

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 文春図書館拡大版ミステリー を書きます。

週刊文春恒例の「文春図書館拡大版ミステリーベスト10」が公表されました。

週刊文春 | 文春オンライン

この「ミステリーベスト10」は、日本推理作家協会会員及びミステリー作家、文芸評論家、書店員、各大学ミステリー研究会へのアンケート調査の結果によるものです。

国内編のランキングを紹介します。

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週刊文春 文春図書館 2022年国内編ミステリーベスト10

1「可燃物」米澤穂信

余計なことは喋らない。上司から疎まれる。部下にもよい上司とは思われていない。しかし、捜査能力は卓越している。葛警部だけに見えている世界がある。 群馬県警を舞台にした新たなミステリーシリーズ始動。 群馬県警利根警察署に入った遭難の一報。現場となったスキー場に捜査員が赴くと、そこには頸動脈を刺され失血死した男性の遺体があった。犯人は一緒に遭難していた男とほぼ特定できるが、凶器が見つからない。その場所は崖の下で、しかも二人の回りの雪は踏み荒らされていず、凶器を処分することは不可能だった。犯人は何を使って〝刺殺〟したのか?(「崖の下」) 榛名山麓の〈きすげ回廊〉で右上腕が発見されたことを皮切りに明らかになったばらばら遺体遺棄事件。単に遺体を隠すためなら、遊歩道から見える位置に右上腕を捨てるはずはない。なぜ、犯人は死体を切り刻んだのか? (「命の恩」) 太田市の住宅街で連続放火事件が発生した。県警葛班が捜査に当てられるが、容疑者を絞り込めないうちに、犯行がぴたりと止まってしまう。犯行の動機は何か? なぜ放火は止まったのか? 犯人の姿が像を結ばず捜査は行き詰まるかに見えたが……(「可燃物」) 連続放火事件の“見えざる共通項”を探り出す表題作を始め、葛警部の鮮やかな推理が光る5編。

  • 鍵となる一つの問いと、届きそうで届かない絶妙な難易度の解。米澤先生らしい苦さ、そして渋さを兼ね備えた落ちの数々。
  • 群馬県警を舞台にした新たなミステリーシリーズ 読み進めるごとに じわじわと面白さが滲み出てきます
  • 葛警部のキャラに沿って、極めてソリッドな筆致。その硬質さで、犯行に隠された人間ドラマが引き立つ。 菓子パンとカフェオレをお供に読むのをオススメします

2「あなたが誰かを殺した」東野圭吾

閑静な別荘地で起きた連続殺人事件。
愛する家族が奪われたのは偶然か、必然か。
残された人々は真相を知るため「検証会」に集う。
そこに現れたのは、長期休暇中の刑事・加賀恭一郎。
――私たちを待ち受けていたのは、想像もしない運命だった。

  • 加賀恭一郎シリーズの新作というと否が応でもハードルが上がってしまいましたが、そのハードルを楽々と超えた華麗なるミステリーを堪能しました。
  • 謎ばかりどんどん出てくるし、まさかの人物は紛れ込んでいるし、物語に引き込まれてしまい一気読みでした。人の裏の顔って本当に知らない方が幸せだなと思います。
  • 小さな嘘も見逃さない眼力の鋭さは読み応えありですね。飽きのこない展開で最後まで一気読みしました。

3「鵺の碑」京極夏彦

1954年。薔薇十字探偵社の探偵助手・益田龍一は失踪した薬局店主の捜索を依頼される。一方、京極堂たちと日光のホテルに滞在していた作家の関口巽はメイドから忌まわしい過去を告白される。さらに、刑事の木場は戦前に起きた消えた死体の謎を追う。果たして一連の出来事の繋がりとは?

  • お馴染みの登場人物も勢揃いでの活躍を見せ、京極堂らの過去を知る人物も登場するなど、長年待ち望んでいた身としてはこみ上げるものがあった。
  • もうこの作品がまさに鵼。色々な要素が詰まり過ぎてこの本自体がテーマになっている。
  • 他作品との繋がりにも心踊りました。カバー裏の色、不思議な装丁だと思っていたらそういうことか!

4「エレファントヘッド」白井智之

本格ミステリ大賞受賞の鬼才が仕掛ける、空前絶後の推理迷宮。 精神科医の象山は家族を愛している。だが彼は知っていた。どんなに幸せな家族も、たった一つの小さな亀裂から崩壊してしまうことを――。やがて謎の薬を手に入れたことで、彼は人知を超えた殺人事件に巻き込まれていく。 謎もトリックも展開もすべてネタバレ禁止! 前代未聞のストーリー、尋常ならざる伏線の数々。 多重解決ミステリの極限!

5「アリアドネの声」井上真偽

救えるはずの事故で兄を亡くした青年・ハルオは、贖罪の気持ちから救助災害ドローンを製作するベンチャー企業に就職する。業務の一環で訪れた、障がい者支援都市「WANOKUNI」で、巨大地震に遭遇。ほとんどの人間が避難する中、一人の女性が地下の危険地帯に取り残されてしまう。それは「見えない、聞こえない、話せない」という三つの障がいを抱え、街のアイドル(象徴)して活動する中川博美だった――。 崩落と浸水で救助隊の侵入は不可能。およそ6時間後には安全地帯への経路も断たれてしまう。ハルオは一台のドローンを使って、目も耳も利かない中川をシェルターへ誘導するという前代未聞のミッションに挑む。

  • 井上先生災害救助ミステリー、300頁あるがスリリングな展開とテンポ良さで一気読み
  • 設定がとても惹かれますし、物語全体軸がシンプルでわかりやすかったです。 最後にちょっとどんでん返し要素もあって、楽しくスルスル読めました
  • こんなどんでん返しがあるなんて思ってもみなかったから、本当に驚いた。これは…とても良いです…私は泣きました…

6「十戒」夕木春央

殺人犯を見つけてはならない。それが、わたしたちに課された戒律だった。 浪人中の里英は、父と共に、叔父が所有していた枝内島を訪れた。 島内にリゾート施設を開業するため集まった9人の関係者たち。 島の視察を終えた翌朝、不動産会社の社員が殺され、そして、十の戒律が書かれた紙片が落ちていた。 “この島にいる間、殺人犯が誰か知ろうとしてはならない。守られなかった場合、島内の爆弾の起爆装置が作動し、全員の命が失われる”。 犯人が下す神罰を恐れながら、「十戒」に従う3日間が始まったーー。

  • 読む順番としては方舟→十戒の方が良いと思います。驚きのレベルが違う。
  • 犯人から示された十の戒律を守る為に行動を制限されるという設定が面白い。何となく犯人は分かったけれどまさかの繋がりが。面白かった。
  • 例えると、母親に手を引かれて安心して歩いてたのに、気がついたらゴリラと手を繋いでた、みたいな衝撃。

7「存在のすべてを」塩田武士

平成3年に発生した誘拐事件から30年。当時警察担当だった新聞記者の門田は、旧知の刑事の死をきっかけに被害男児の「今」を知る。異様な展開を辿った事件の真実を求め再取材を重ねた結果、ある写実画家の存在が浮かび上がる――。質感なき時代に「実」

8「木挽町のあだ討ち」永井紗耶子

疑う隙なんぞありはしない、あれは立派な仇討ちでしたよ。
語り草となった大事件、その真相は――。
ある雪の降る夜に芝居小屋のすぐそばで、美しい若衆・菊之助による仇討ちがみごとに成し遂げられた。父親を殺めた下男を斬り、その血まみれの首を高くかかげた快挙はたくさんの人々から賞賛された。二年の後、菊之助の縁者だというひとりの侍が仇討ちの顚末を知りたいと、芝居小屋を訪れるが――。新田次郎文学賞など三冠の『商う狼』、直木賞候補作『女人入眼』で今もっとも注目される時代・歴史小説家による、現代人を勇気づける令和の革命的傑作誕生!

  • なんて、清々しい読後感!ちょっぴりジンときて、なんかこう、人間も捨てたもんじゃないなぁとしみじみ思えた。
  • 悲しい辛いこともありながら、居場所を見つけていく過程がいい。なんとも優しくあったかい物語でした。ページボリュームとしてはそれほどではないのに、中身が濃くて読み応えあった。
  • 芝居小屋っていう設定が上手いですね! そのまま映画化とかなりそうです。

9「世界でいちばん透き通った物語」杉井 光

  • たくさんの読了報告を見て、相当な期待値を持って読み始めたが、完全に期待を上回った読後感!しかも、1日一気読み!何も言えないけど、とりあえず読んで損なし!いや〜本当に透き通ってたわ〜
  • 紙の本の良さを活かした1冊です! タイトルの意味が分かった時には驚きました!
  • 著者をはじめ関係者様の並々ならぬ努力の結晶。これはもう小説への愛しか感じない

10「でぃすぺる」今村昌弘

小学校最後の夏休みが終わった。小学校卒業まであと半年。
ユースケは、自分のオカルト趣味を壁新聞作りに注ぎ込むため、〝掲示係〟に立候補する。この地味で面倒だと思われている掲示係の人気は低い。これで思う存分怖い話を壁新聞に書ける!……はずだったが、なぜか学級委員長をやると思われたサツキも立候補する。
優等生のサツキが掲示係を選んだ理由は、去年亡くなった従姉のマリ姉にあった。
マリ姉は一年前の奥神祭りの前日、グラウンドの真ん中で死んでいた。現場に凶器はなく、うっすらと積もった雪には第一発見者以外の足跡は残されていなかった。つまり、自殺の可能性はなく、マリ姉を殺した犯人が雪が積もる前に凶器を持ち去ったはず。犯人はまだ捕まっていない。
死の謎は『奥郷町の七不思議』に隠されているのか? 三人の〝掲示係〟が挑む小学校生活最後の謎。『屍人荘の殺人』の著者が仕掛けるジュブナイル×オカルト×本格ミステリ。

11「777 トリプルセブン」伊坂幸太郎

あの世界で一番不運な殺し屋が、また騒動に巻き込まれる――。『マリアビートル』では新幹線から降りられなかったが、今度は東京の超高級ホテルから出られない……!?伊坂幸太郎、2年ぶりの完全書き下ろし。殺し屋シリーズ最新作。

  • 案の定、死体が沢山だけど、とにかくサクサク終わるので、グロさはあまりないエンタメ小説。意外な展開もあり、最後まで楽しめた。
  • 久々の殺し屋シリーズ、不運な殺し屋天道虫がホテル内で女性を護ため殺し屋達と戦う。今回も面白かった。
  • 細かな仕掛けと軽妙な会話、警句を捻ったような新しい蘊蓄に溢れスカッと読める。

11「黄色い家」川上未映子

十七歳の夏、親もとを出て「黄色い家」に集った少女たちは、生きていくためにカード犯罪の出し子というシノギに手を染める。危ういバランスで成り立っていた共同生活は、ある女性の死をきっかけに瓦解し……。人はなぜ罪を犯すのか。世界が注目する作家が初めて挑む、圧巻のクライム・サスペンス。

13「ちぎれた鎖と光の切れ端」荒木 あかね

14「午後のチャイムが鳴るまでは」阿津川辰海

九十九ヶ丘高校のある日の昼休み、2年の男子ふたりが体育館裏のフェンスに空いた穴から密かに学校を脱け出した。タイムリミットは65分、奴らのミッションは達成なるか(第1話「RUN! ラーメン RUN!」)。文化祭で販売する部誌の校了に追いつめられた文芸部員たち。肝心の表紙イラストレーターが行方不明になり、昼休みの校内を大捜索するが――(第2話「いつになったら入稿完了?」)。他人から見れば馬鹿らしいことに青春を捧げる高校生たちの群像劇と、超絶技巧のトリックが見事に融合。稀代の若き俊英が“学校の昼休み”という小宇宙を圧倒的な熱量で描いた、愛すべき傑作学園ミステリ!

15「鈍色幻視行」恩田陸

謎と秘密を乗せて、今、長い航海が始まる。
撮影中の事故により三たび映像化が頓挫した“呪われた”小説『夜果つるところ』と、その著者・飯合梓の謎を追う小説家の蕗谷梢は、関係者が一堂に会するクルーズ旅行に夫・雅春とともに参加した。船上では、映画監督の角替、映画プロデューサーの進藤、編集者の島崎、漫画家ユニット・真鍋姉妹など、『夜~』にひとかたならぬ思いを持つ面々が、梢の取材に応えて語り出す。次々と現れる新事実と新解釈。旅の半ば、『夜~』を読み返した梢は、ある違和感を覚えて――

  • 答えを導かずに終わったらどうしようかと思ったが、ほどよく着地。長い旅ではあったが楽しかった。
  • 後から思い返すと人生に影響を与えたと思われる瞬間。大切なのは真実。旅で体験したすべてが作品のようだった。よかったです。
  • 長かった。長くても、集中できる作品もあるけど。人それぞれの感性。久々に疲れた。そんな感想です。

16「焔と雪 京都探偵物語」伊吹亜門

探偵・鯉城は「失恋から自らに火をつけた男」には他に楽な自死手段があったことを知る。それを聞いた露木はあまりに不可思議な、だが論理の通った真相を開陳し……男と女、愛と欲――大正の京都に蠢く情念に、露木と鯉城が二人の結びつきで挑む連作集

  • これはズルいです、大好きすぎる。 感情揺さぶられるバディミステリー。 “ホワイダニットの先を行く”。 名探偵というものはこのために居て、推理というものはこのためにあって欲しい、と強く願ってしまう。 やさしい謎解きでした。
  • 「焔と雪」序盤の文章を読んでああ…いい…ぼかぁこういうのが読みたかったんだよ…いいね…になったので、通読が楽しみだ 大事に読もう
  • 【刀と傘】で伊吹作品の虜になりましたが、今作【焔と雪 京都探偵物語】の時代設定がやはりいいですね~! 作品終盤で判明する仕掛けには驚きました。

17「帆船軍艦の殺人」岡本好貴

十八世紀末、フランスと交戦状態にある英国海軍は常に兵士不足だった。強制徴募された若者たちを乗せ、戦列艦ハルバート号は北海を目指すが、新月の夜に衆人環視下で水兵が何者かに殺害される事件を切っ掛けに、続けて不可解な殺人が発生。逃げ場のない船の中で、誰が、なぜ、そしてどうやって殺したのか? フランス軍との苛烈な戦いのさなか、軍艦という巨大な密室で相次ぐ不可能犯罪を描く第33回鮎川哲也賞受賞作。

18「上海灯蛾」上田早夕里

19「11文字の檻」青崎有吾

20「渦」小田雅久仁

「俺はここにいると言ってるんだ。いないことになんかできねえよ」。恋人の百合子が失踪した。彼女が住むアパートを訪れた私は、〈隣人〉を名乗る男と遭遇する。そこで語られる、奇妙な話の数々。果たして、男が目撃した秘技〈耳もぐり〉とは、一体 (「耳もぐり」)。ほか、前作『残月記』で第43回吉川英治文学新人賞受賞&第43回SF大賞受賞を果たした著者による、恐怖と驚愕の到達点を見よ!

20「レモンと殺人鬼」くわがきあゆ

十年前、洋食屋を営んでいた父親が通り魔に殺されて以来、母親も失踪、それぞれ別の親戚に引き取られ、不遇をかこつ日々を送っていた小林姉妹。
しかし、妹の妃奈が遺体で発見されたことから、運命の輪は再び回りだす。
被害者であるはずの妃奈に、生前保険金殺人を行なっていたのではないかという疑惑がかけられるなか、妹の潔白を信じる姉の美桜は、その疑いを晴らすべく行動を開始する。