
女子大生作家が挑んだ特殊設定ミステリー。
呪術廻戦の人気ぶりもそうなのですが、 「呪い」 は若い世代にウケるキーワードのようです。
また、主人公のペアのうち、呪いというハンディキャップを抱えるのが男子で、事件を解決に導くのが探偵役の女子という役割分担も現代的。
新世代の作家さんたちがこれまで見たこともない世界を見せてくれるのも楽しみです。
著者の日部星花さんは、高校在学中に書いた小説がいきなりこのミス大賞隠し玉『偽りの私達』でデビューした現役女子大生。
特殊設定ありの学園ミステリーとして出版されました。
事件現場を強制的にクローズドサークルにしてしまう呪われた家系に生まれた袋小路鍵人くん。
高校でその呪いを発動してしまう。美少女探偵・時任朝乃さんと事件の謎を解いていく全4話から成る短編集。
イケメン高校生とヒロインが活躍する物語なので、ラノベ風味も感じます。
それもそのはず。
日部星花さんミステリーというより、若者を意識して書いたそうでわかりやすい文体になっています。
「ミステリの常識を覆す設定で、エンタメぽく現代風で私は好きです」
「殺人事件にタイムリミットがあるのが早く読まなきゃとなり、あっと驚く仕掛けもあって良かった」という評価。
とはいえ、青春学園ミステリと侮っていると痛い目にあう衝撃の展開!
ハードな場面も待ち受けています。
終盤の受け止め方は読者それぞれのようで、若い世代の関心を知るバロメーターになりそうです。
若い世代の作家さんたちがどんどん登場して世界を広げていってほしいものです。