アカデミックでユーモラス「指差す標識の事例」

指差す標識の事例
フルタニ
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。

スペシャルな4人の翻訳者が挑んだミステリーです。読了までにかなりの時間がかかる作品です。ということはたっぷり楽しめるということです。

指差す標識の事例

1663年、王政復古の時代。オックスフォードで大学の教師の死体が発見され、毒殺されたらしいとの判断が下される。
その事件を軸に、商人の息子で医学を学ぶヴェネチアから来たコーラ、クロムウェルの議会派に対抗していた王党派に裏切り者として追放された父親の汚名を雪ぎたい息子のプレストコット、オックスフォードの大学の幾何学教師にして暗号解読の達人ウォリス、歴史学者のウッドの四人の手記という体裁で事件が描かれる。

17世紀のイギリス、王政復古の時代に、信頼できない語り手四人の手記を延々読めるだけで私の大好物! しかもこの四人、どいつもこいつも曲者で、訳者変更で文体も変わるから長編四つ読んだような満足感。