【発表】週刊文春2025 文春図書館 拡大版ミステリー 海外編ベスト10

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 文春図書館 拡大版ミステリー を書きます。

週刊文春恒例の「文春図書館拡大版ミステリーベスト10」が週刊文春 2024年12月11日号で公表されました。

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この「ミステリーベスト10」は、日本推理作家協会会員及びミステリー作家、文芸評論家、書店員、各大学ミステリー研究会へのアンケート調査の結果によるものです。

国内編のランキングを紹介します。

Contents
  1. 週刊文春 文春図書館 2025週刊文春 文春図書館 2025年国内編ミステリーベスト10

週刊文春 文春図書館 2025週刊文春 文春図書館 2025年国内編ミステリーベスト10

1位マーブル館殺人事件』アンソニー・ホロヴィッツ (2025年09月11日)

ギリシアでの生活に区切りをつけ、ロンドンに帰ってきたわたし、スーザン・ライランド。フリーランスの編集者として働いていたところ、予想だにしない仕事が舞いこんできた。若手作家が名探偵〈アティカス・ピュント〉シリーズを書き継ぐことになり、その編集を依頼されたのだ。途中までの原稿を読んだわたしは、作者が新作に自分の家族関係を反映しているのを感じる。ということはこの作品のように、現実世界でも不審な死が存在したのか? 『カササギ殺人事件』『ヨルガオ殺人事件』に続く傑作登場!

第2位夜明けまでに誰かが』ホリー・ジャクソン (2025年07月30日)

キャンピングカーでの旅行。仲間6人。…そして、響く銃声。突然の狙撃。車は動けず、夜の闇に閉じ込められる。「6人のうち誰かが秘密を隠している。夜明けまでに吐け。でないと…」
このシチュエーション、逃げ場ゼロの圧迫感がヤバい。
時計の針が進むたびに友情は削られ、疑心は膨れ上がる。互いの視線が「敵かもしれない」に変わる瞬間の描写が、もう胃にくる。
アメリカ初版50万部も納得の、張り詰めた一夜。

第3位『ハウスメイド』フリーダ・マクファデン(2025年08月20日)

手にした仕事は一見夢のハウスメイド。

だけど、家の中は奇妙な言動ばかりで、まるで牢屋のような部屋があって…。

ミリーの恐怖がじわじわ増していく過程、夜に響く足音や暗い廊下の描写はまるでホラー映画のワンシーン。後半のどんでん返しは震えました。

第4位デスチェアの殺人』M・W・クレイヴン (2025年09月18日)

カルト教団の指導者が木に縛られ石打ちで殺された。聖書の刑罰を模した奇妙な殺害方法に困惑するポー。さらに遺体には、分析官ブラッドショーにも分からない暗号が刻まれていた。事件の鍵はカルト教団にあると推測する二人。一方でポーの所属する重大犯罪分析課に上層部から嫌疑がかかり、スパイが送りこまれる。チーム解体の危機が迫る中、ポーたちは捜査を開始するが……。大人気英国ミステリ、衝撃のシリーズ第六作。

第5位私立探偵マニー・ムーンリチャード・デミング (2025/6/25新刊)

正統派のハードボイルド探偵小説なんですけど、実はこれ1940年代に書かれてるんです。驚きですよね。主人公は義足の探偵マニー・ムーン。義足っていうだけで、すでにキャラ立ちしてる。

冒頭からテンポがいいんですよ。依頼人の弁護士に呼び出されて事務所に行ったら、いきなり殺されてるんです。「おいおい、待ってくれよ!」って、ページめくる手が止まらない。

で、マニー・ムーンがまた洒落たセリフを吐くんですよ。これがカッコいい。ハードボイルドっていうと渋いオッサンの煙草の煙みたいなイメージあると思うんですけど、ここにはちゃんと本格的な「謎解き」の要素もあって、ラストに関係者を集めて推理を披露する王道スタイル。これがもう最高。

読後、「こういう高品質のB級映画風作品って、いいなぁ」って思いました。心にずっと残るわけじゃないんだけど、その瞬間、最高に楽しい。映画でいうと『ダイ・ハード』観終わった後の爽快感に似てます。

6世界の終わりの最後の殺人』スチュアート・タートン 2025-03-12 

突如発生した霧により、世界は滅亡した。最後に残ったのは「世界の終わりの島」、そこには100名を超える住民と、彼らを率いる3人の科学者が平穏に暮らしていた。沖には霧の侵入を防ぐバリアが布かれ、住民たちはインプラントされた装置により〈エービイ〉と名づけられたAIに管理されていた。 だがある日、平穏は破られた。科学者のひとり、ニエマが殺害されたのだ。しかも住民たちは事件当夜の記憶を抹消されており、ニエマの死が起動したシステムによってバリアが解除されていた。霧が島に到達するまで46時間。バリア再起動の条件は殺人者を見つけること――。 果たして「世界の終わりの島」に隠された秘密とは? そして真犯人は誰なのか? 人格転移タイムループ館ミステリ『イヴリン嬢は七回殺される』、海洋冒険ホラー歴史ミステリ『名探偵と海の悪魔』に続く鬼才スチュアート・タートンの第3作。特殊設定メガ盛りで読者に挑戦するポストアポカリプス犯人捜しミステリ!

第7位罪の水際』ウィリアム・ショー(2025.04.23)

心的外傷後ストレス障害で休職中の女性刑事アレックスがランチタイムに遭遇したのは、花嫁ふたりの同性婚パーティ。そこへ山刀を隠し持った中年女性が乱入し、片方の花嫁に向かって「人殺し!」と叫ぶ騒動を引き起こす。中年女性は、一方の花嫁の元夫が7年前に行方不明になり妻に殺されたのではないかと疑う、母親だった。アレックスの介入によって事なきを得たが、これは複雑に入り組んだ悲劇のたんなる発端に過ぎなかった……。ケント州の海沿いの町ダンジェネスを舞台に、7年前の行方不明事件、夫婦惨殺事件、町民を巻き込んだ大規模な投資詐欺、そして意外な犯人像と意外な結末。‶イングランドの砂漠〟と呼ばれる町を舞台に複雑な人間ドラマを紡ぎだす、CWA(英国推理作家協会)最優秀長篇賞(ゴールド・ダガー)最終候補作品。

第8位9人はなぜ殺される』ピーター・スワンソン (2025/6/30)

これ…設定がやばい。アメリカ各地の9人に「自分の名前を含む9つの名前だけが書かれたリスト」が届くんです。差出人不明。意味不明。
1人、溺死。2人目、ランニング中に背中を撃たれる。そしてFBI捜査官のジェシカは気づく。
「あれ、私の名前も…ある」
ページをめくるたびに死者が増える。読んでると、いつ自分の名前が出てくるか不安になって、夜中にポストを確認したくなります。(私なんてAmazonの不在票見るだけでビビるようになりましたからね)

9位『真犯人はこの列車のなかにいる』ベンジャミン・スティーヴンソン

ぼくはアーネスト・カニンガム。まだ駆け出しのミステリー作家だが、きたる推理作家協会主催の50周年イベントになぜか招待された。豪華列車でいく3泊4日の旅には錚々たる作家たちが招かれていて、ぼくは肩身の狭い思いだったが、そのうちの一人が旅の最中、殺害されてしまう。作家陣はもちろん、一般客も誰もが怪しく、何やら秘密を抱えていそうななか、やがて次なる殺人が起こり……。

10位『スパイたちの遺灰 』マシュー リチャードソン (2025/7/25)

ある日、冴えない諜報史の准教授マックスのもとに1枚の名刺が届く。スカーレット・キング――MI6の伝説のエージェントが、半世紀にわたる諜報活動を綴った手記を出版したいと言うのだ。イギリス政府が隠蔽してきた作戦が表に出れば、世界が注目する。マックスは浮き足立つが、直後にスカーレットが殺害され、MI5に追われる身に。窮地を脱するため手記の原本を捜すうち、歴史の裏に隠された真実が浮かび――。