みずみずしくも愛おしい青春ミステリ「たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説」

たかが殺人じゃないか
フルタニ
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。

社会人になりたての頃名古屋周辺で5年間生活をしていたことがあります。月に一度栄まで買い物に行く程度のかかわりでしたが、名古屋独特の生活習慣になじんでしまいました。

土地勘がすこしできただけの私でさえそうなのですから、生え抜きの名古屋人が地元を大切にするのはひとしおだと思います。(ちなみに大好きなのはヨコイのミラカンです)。

膨大な資料をもとに戦中戦後の暮らしぶりを描いたミステリー。ドラゴンズがチャンピオンを獲ったみたいな気持ちになれました。

たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説

昭和二四年、ミステリ作家を目指しているカツ丼こと風早勝利は、名古屋市内の新制高校三年生になった。旧制中学卒業後の、たった一年だけの男女共学の高校生活。そんな中、顧問の勧めで勝利たち推理小説研究会は、映画研究会と合同で一泊旅行を計画する。顧問と男女生徒五名で湯谷温泉へ、修学旅行代わりの小旅行だった―。そこで巻き込まれた密室殺人事件。さらに夏休み最終日の夜、キティ台風が襲来する中で起きた廃墟での首切り殺人事件!二つの不可解な事件に遭遇した勝利たちは果たして…。著者自らが経験した戦後日本の混乱期と、青春の日々をみずみずしく描き出す。

登場人物が少ないので、犯人は解りやすいけど、動機はこの時代ならではの切ないものでした。読み終えるとタイトルが持つ深い意味に気付きます。

辻先生が昭和7年の早生まれなので、中で描かれている生活感、文化背景、交通事情がとにかくリアル。名古屋人で地方史好きの自分には隅々までクリーンヒット。

これはもう昭和24年あたりを楽しむ!って感覚で読んでいただけたら…ですね。

ストーリーの中心は、戦後の急激な変化にもかかわらず、柔軟に生きる若き高校三年生の個性的な男女の青春記。