本の雑誌 が選ぶミステリーのベスト10

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 本の雑誌 が選ぶミステリーのベスト10を書きます。※本ページにはPRが含まれます

2023年11月から2024年10月までに発行された新刊本から、本の雑誌が年間ベストというミステリーの「王者」を選ぶベスト10

Contents
  1. 本の雑誌 が選ぶミステリーのベスト10

本の雑誌 が選ぶミステリーのベスト10

第一位「破れざる旗の下に」ジェイムズ・リー・バーク

本年度エドガー賞最優秀長篇賞受賞作! 南北戦争下のアメリカを描くミステリ 南北戦争下のルイジアナ。戦場での過酷な体験に苛まれ、伯父の農園で無為な日々を送る外科医のウェイド。殺人容疑を掛けられ、ウェイドの助けを借りて農園から脱走した奴隷女性のハンナ。さまざまな運命に翻弄される彼らが、最後にたどり着いた真実とは――。

  • 南北戦争に巻き込まれた人々が直面する戦時下の理不尽や血に塗れた戦場を臨場感たっぷりに描いていて楽しめた。
  • アメリカの歴史の重さに圧倒されながらなんとか読み終えた。読み応えのある受賞作品だった。
  • 章ごとに語り手が代わり、大きなストーリーを描く構成。たどり着いた結末にびっくり。

第二位「テラ・アルタの憎悪」ハビエル・セルカス

獄中でユゴーの『レ・ミゼラブル』と出会い、犯罪をやめ警察官となったメルチョールは、カタルーニャ州郊外の町テラ・アルタで、富豪夫妻殺人事件の捜査に当たる。夫妻は拷問の末に惨殺されていた。メルチョールは夫妻の事業には裏があることを直感するが……

  • スペイン発ミステリー。一応警察小説の体裁だが、主題は第2次対戦当時のスペイン動乱の悲劇。
  • 様々な国の歴史を市井の人目線で知ることができるのが海外ミステリの魅力の1つ。
  • 最後にラスボス的な人物が唐突に現れ、長広舌を始めたところで白けてしまった。せっかく面白く読んでいたのに、残念。

第三位「両京十五日」馬伯庸(マー・ボーヨン)齊藤 正高 (翻訳), 泊 功 (翻訳)

1425年北京から南京に遣わされた皇太子が主人公。宮廷の権力争いに巻き込まれ命を狙われる。北京の皇帝も命を狙われていると知った主人公は、役人や女医など一癖ある四人の力を借りて北京への帰還を目指す。タイムサスペンス。

第四位「檜垣澤家の炎上」永嶋恵美

横濱で知らぬ者なき富豪一族、檜垣澤家。当主の妾だった母を亡くし、高木かな子はこの家に引き取られる。商売の舵取りをする大奥様。互いに美を競い合う三姉妹。檜垣澤は女系が治めていた。そしてある夜、婿養子が不審な死を遂げる。政略結婚、軍との交渉、昏い秘密。陰謀渦巻く館でその才を開花させたかな子が辿り着いた真実とは――。小説の醍醐味、その全てが注ぎこまれた、傑作長篇ミステリ。

第五位「邪行のビビウ」東山彰良

独裁者が治めるベラシア連邦のルガレ自治州で、独立を求め反乱軍が決起した。この自治州では古くから、死者を歩かせる呪術を操る邪行師の存在が知られている。陽が落ち、いったん矛を収めた反乱軍と政府軍が睨み合う中、チリーン、チリーン、という鈴の音とともに、「巫」の文字が灰色で染めぬかれた黒い長衣をまとった小さな影と死者の列が、両軍の間を通り過ぎようとしていた。政府軍の指揮官が呼びかける。「どこへ行く、小僧?」。小さな影は神妙に答えた。「死者を彼らの村まで送りとどけます」。これが、邪行師との因縁浅からぬバイ中尉と、赤い髪の邪行少女ビビウとの出会いだった――。

  • 日本のマンガ文化がキャラクター設定に色濃く反映されており,そのせいで独特の世界観が構築されている。
  • 独立を求める反乱軍と政府軍との争いの中、死者を歩かせる呪術を操る〈邪行師〉のストーリー。
  • 今年発行された本の中でも最上位級に面白いと思ったが、賛否両論で驚き。装丁で買う層と内容が刺さる層がマッチしていない気がする。

第六位「ビリー・サマーズ」S・キング(著), 白石 朗 (翻訳)

第七位「マクマスターズ殺人者養成学校」ルパート・ホームズ

舞台は、殺人技術を教えるマクマスターズ校。学校の場所は厳重に隠されており、学生たちでさえもその所在は知らない。さらに、マクマスターズ校に入学した学生が外界に戻る方法は二つしか存在しない。無事に卒業するか、死体となって運び出されるかだ……。

  • 面白いのか?面白くないのか?よくわからない本。
  • それぞれの動機と方法が興味深く、複数の生徒の視点に飽きないで読めた。
  • 映像作品なら面白かったかも。

第八位「内なる罪と光」ジョアン・トンプキンス

幼馴染のダニエルを殺し、自殺したジョナ。二人に何があったのか……。妊娠に気付いた少女が息子を殺された父親に偶然を装って近づく。少女は何を企んでいるのか、しかし二人の共同生活が進むと色々に画策するのは父親の方だった。

  • 厚かった^ ^、ちと苦手な空気で苦戦しました。色んな家族のお話しかな。
  • 多分この作品、年末恒例のミステリーランキングで上位にランクインしますよ。私が苦手とか面白さが分からない作品って、一般Peopleの評価が高いので(苦笑)。
  • 宗教観強めなので万人向けではないかも。

第九位「魂の歌が聞こえるか」真保 裕一

「素晴らしい歌を世に送り出せ!」
新人バンドのデビューに奔走するレコード会社。契約を勝ち取り、狙うはアニメの主題歌。次々と難題がふりかかり、予想外の事態に。
え……? 彼らは何かを隠してる!
迫真の音楽業界ミステリ

  • レコード会社ってこういう仕事をしているのねーと初めて知った。
  • どんでん返しがいくつもあって、最後まで楽しませてもらいました。
  • いつもつけているラジオから流れる音楽を聴くたびにそのバックグラウンドまで考えてしまいそう。

第十位「春のたましい 神祓いの記」黒木あるじ

「祭りをやらないと、この村はなくなりますよ!」――信じない人々をどう説得する!? 感染症の大流行や地方の過疎化が進んだせいで「祭り」が行われなくなった地域が増えた。これまで地域の祭りで鎮められていた八百万の神々が怒り、暴れだしたため異変が頻発する。このような事態に対処するために組織されていた祭祀保安協会の九重十一とアシスタントの八多岬――怪しさ満点の二人だが、異変を解決しようと神々を鎮め、処分していく。この二人、我が村を本当に救えるのか!? この村にも神がいた。今はもういない――過疎化の進む東北を舞台に「実話怪談の旗手」が描く、やがて消えゆく〝隣人〟の物語

  • 民俗学的な考察なども面白く、宗像教授シリーズのような伝承と現在をつなぐ解釈に読み応えがあった。
  • メイン2人のラノベ的なキャラの立ち方が私は結構好きでした。
  • 方言の精度高いな……と思ってたら怪談実話書いてるし、なんなら山形怪談書いてる人でさもありなんってなった。