
自分は勉強ができないとお悩みの方はいませんか。自己啓発本を読むと「とにかく頑張ること」という教えをよく見かけます。でもそれは大きな誤解です。なぜなら頑張る行為は手段に過ぎないからです。
人は比較することでしか自分のことがわからない。他人と比較すると妬みや自己否定につながるため超危険。最適解は理想に近い人を真似ること。ポジティブな気分に自分を誘導すること。過去の自分と見比べて「昨日の自分よりはマシ」ときづくこと。#超勉強法 #中野信子
— フルタニケンジ@動画制作者 (@kenfru3) November 4, 2020
「過去の自分にだけ勝てばよい」。勉強の目的は自分を知ること。そう考えると学ぶことが少し楽しくなります。
Contents
超勉強力

脳科学者の中野信子さんと友人でニューヨーク州弁護士の山口真由さんによる勉強力を巡る対談。
中野さんは、脳科学者としての知見から、頭のよさは遺伝による先天的な影響があると言います。ちょっと絶望的な気分になりますね。
では自己啓発本を使ってトレーニングしても意味ないのかというと。勉強法にしても個人の性格や資質に寄るところが多いので、勉強ができる人がベストな方法を主張してもそれはその本人にしか当てはまらないのだそうです。
ただし、救いの道がないわけではありません。世の中には超頭のいい人ばかりいるわけではありません。
たとえば、一定の成果を上げている人の実践例を参考にすることには意味があると言います。「自分のやり方」を見つけ出すことこそが壁を乗り越える鍵なのだそうです。
努力するという罠にハマってはならない。努力が目的化してしまうから。勉強ができることではなく、頑張ることが楽しくなっては本末転倒。
理系と文系、それぞれの頂点から見た世界にはどんな景色が広がっているのでしょうか。自分なりのルートを見つける手かがりになる本です。
山口真由さんの実践編 反復と継続の極意
本書の実践編。中盤にまとめられた山口さんが編み出した秘伝の方法は具体的で学びを習慣づけるヒントが詰まっています。
- 勉強ができる人は自分の勉強法を確立している
- 「知っていることが8割」の状態をつくる
※選ぶ炭鉱書=テキストは知っていることが8割、知らないこと2割の分量のものを選ぶ
※問題集は解答を先に読み、解答を導き出すプロセスを考えながら学ぶ - 全ての勉強の基本は国語力にあり
※インプットを鍛えるのは読解力、アウトプットを鍛えるのは表現力。同じ日本語でも目的は違う。
※国語力を深めるには丁寧に読むこと。読み飛ばしは避ける。 - 得意分野は「読む」「聞く」「話す」で分析する
⭐️30分の流し読みをサラサラと7回繰り返す。著者の場合初回は300ページを30分で読み、テーマを変えながら読み返す。最後は答え合わせのように読む。 - 網羅性の高い基本書を選ぶ
- 本の内容をもっとも理解しているのは著者
- 頭の中に本の全体像を写し取る
- 読書においてもっとも大切な要旨を掴む
- 答え合わせの感覚で要約しながら読んでいく
- 英語は「黒いドット」の集中部分と「否定語」を意識
- 天才ではない人は努力型になるしかない
- 努力し続ければ、今の自分ではない「何者か」になれる
- 小さな疑問を知ることで新しい自分へと近づこう
読書とは「価値観の相対性」や「世界の複雑さ」を教えてくれるものというコメントには思わずひざをたたきました。
まとめ
勉強の出来不出来を人と比べてしまう。私たちは社会から仕向けられて生きてきたようです。人よりいい成績を残し、より高い地位や高収入を得ることは本当に人生の目標なのでしょうか。学ぶことが苦痛になるのは自分だけののせいでは亡かったのです。
「過去の自分に勝てばいい」「努力とはある何かを反復し継続すること」「自分の得意な土俵に立つ」
東大卒の才媛の対談と聞くと、「ムリ。僕には」と、絶望的な気分を感じましたが、学ぶことに向き合う態度を伝えてくれる本なので読後感は爽快。今日からでもチャレンジできるという気分になりました。