
人生100年時代、後半戦に備えるためにはどうしたらいいか。
歳をとってからの投資はリスクが高いので、せいぜい債券投資程度にしなさいと言われます。セオリーから見るとその通り。リスクの高い投資は万が一損失が生まれたらリカバリーするだけの時間の余裕がないからです。
だからといって、ぼーっとしているわけにはいきません。思い立ったら資産形成を学ぶための参考書を読むことから始めましょう。
Contents
投資×ミライ 長期投資をはじめよう 人生100年時代の資産運用必勝法

個人投資家を主なターゲットとしている日経ヴェリタス編著の、投資を始める人を対象とした一冊。「老後難民」か「億り人」かお金とのつき合い方。長期投資の二大カリスマ・澤上篤人×藤野英人の対談を収録。
老後にいったいいくら必要か
この本で役に立った情報の一つに、新聞やテレビを見ていてもわからなかった老後に必要な資産のイメージがつかめたことがあります。
フィデリティ退職・投資研究所の推計によると、日本人の老後の生活費は退職直前の7割の水準に落ち着くことが多いといいます。
退職時の年収×7割×余命年数-年金収入年額×余命年数で必要額が推定できるのだそうです。
仮に60歳退職時の年収が500万円とすると、500×七割は350万円。
それに余命年数21歳を乗じ ※81.25歳(平成30年簡易生命表)
年金収入年額 14万7千円×12月=176万4千円 を計算すると約3,645万6千円になります。ただし、人によって生活水準は様々なので足りない人もいれば、十分やっていける人がいることは確かです。
60歳以上死ぬまでにかかる生活費の総額がこれだけ必要になるということを頭に置くと、運用資金をどう工面すべきか見えてくるような気がします。
シニアの投資法
投資は自転車と同じ。乗ってから初めてバランス感覚を学ぶゲームだといわれます。乗ってみて、転んだり危ない目に会ったりしながら感覚を身に着けていくしかないからです。ですから、若いうちから始めた方が有利です。
では、シニアになってからでは遅すぎるのでしょうか。年を取ると反射神経もバランス感覚も衰えます。しかし、シニアには経験があります。リスクがあることを理解すれば、無謀な運転を避けることができます。
「投資する以上はマーケットに入っていかなければならない。そこて大事なのはマーケットに入っていく自分と、その自分を高いところから見る自分を意識すること。二人の自分が「俺、今どんな感じかな」と会話しながらマーケットで勝負すること」
本書は投資の初心者でかつ、投資に関する学びを深めたい読者に的を絞ってまとめられた本です。
長期とは一般に三年から五年以上の投資を指すといわれます。シニア世代だからといって間に合わないわけではありません。「始める」、「動く」、「学ぶ」、「選ぶ」、「備える」、「使いこなす」の章から構成されていて、自分が興味を持った部分から理解を深めることができます。
投資信託を中心に分散投資から個別企業の分析、市場変動を乗り切る方法まで幅広い知識を得ることができる構成になっています。
荒天相場を迎えようとしている現在、採るべき投資手法は限られます。つみたてNISAやiDeCo等の非課税枠を使い、楽天カードによる積立投資で1%のポイントバックを受けつつ、楽天全世界株式インデックスファンドのような低信託報酬の投信を積立てることが、最善手!
日経ヴェリタスとは
日経ヴェリタスは、日本経済新聞社から発行されている週刊投資金融情報専門紙である。発行部数が半減していた金融専門紙である日経金融新聞の後釜として2008年3月16日に創刊された。モデルはアメリカのダウ・ジョーンズ社が発行している投資専門紙「バロンズ」。 毎週日曜日に発行されており定価は一部600円。
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まとめ
元気なうちに長生きに備えた資産をどこまで積み上げることができるか。頭がボケ始めるシニアにとって試練は続きます。悔いを残さない生き方をするには。仕組みを学びながら手を打つことが肝心のようです。