ベスト経済書 (週刊ダイヤモンド新年合併特大号)
週刊ダイヤモンド新年合併特大号の特集。学者・エコノミストが厳選した経済書20点です。
今年の傾向は、正面から日本経済の課題を論じ、処方箋を提示するような”硬派”な本が少なかったようですが、
科学的証拠にもとづいて物事を考えることの重要性を説いた本(『「原因と結果」の経済学』『データ分析の力』)に評価が集まりました。
因果関係がないにも関わらず、一人歩きして政策形成や意志決定に影響を与える事例に私たちは惑わされがちです。
例えば健康診断を広めたからといって、住民の寿命が延びないことが分かっているにもかかわらず、メタボ健診の実施に1200億円の税金が投じられた例などが挙げられています。
良書を読むことを通じて判断する目を養いませんか。
「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法
中室牧子,津川友介 ダイヤモンド社 2017-02-17
データ分析の力 因果関係に迫る思考法
金利と経済―――高まるリスクと残された処方箋
日銀金融研究所長などを歴任した第一人者が生きた題材をもとに景気、成長と金利の関係を検証。
翁 邦雄 ダイヤモンド社 2017-02-17
負債論 貨幣と暴力の5000年
重厚な書として異例の旋風を巻き起こした世界的ベストセラーがついに登場。
現代人の首をしめあげる負債の秘密を、貨幣と暴力の5000年史の壮大な展望のもとに解き明かす。資本主義と文明総体の危機を測定し、いまだ書かれざる未来の諸可能性に賭ける、21世紀の幕開けを告知する革命的書物。
デヴィッド・グレーバー 以文社 2016-11-22
イノベーターたちの日本史
高島秋帆、大隈重信、笠井順八、三野村利左衛門、益田孝、岩崎弥太郎、高峰譲吉、大河内正敏…アヘン戦争から新興財閥の成立まで。彼らはどのように未来を切り拓いていったのか?従来の史実では描かれてこなかった躍動感あふれるストーリー。構想40年、歴史家・米倉誠一郎の集大成。
米倉 誠一郎 東洋経済新報社 2017-04-28
偽りの経済政策――格差と停滞のアベノミクス
なぜ今も経済の停滞が続くのか、本当に雇用は回復したのか、金融緩和でデフレからの脱却は成功したのか、格差は広がっているのか……安倍政権と黒田日銀による経済政策を徹底検証。まやかしの「成果」のからくりを暴き、アベノミクスの実態を鋭く批判する。その先に見えてきた、経済学が果たすべき役割とは。
服部 茂幸 岩波書店 2017-05-20
ゼロからの経営戦略 (シリーズ・ケースで読み解く経営学)
優れた戦略が企業を成長させる。ストライプインターナショナル、すかいらーく、TOTO、幸楽苑、ハイデイ日高、パーク24、コマツ、富士重工業、富士フイルムホールディングス、ヤマトホールディングス、ソニー。
生きた事例11から学ぶ。
沼上 幹 ミネルヴァ書房 2016-12-05
未来の年表 人口減少日本でこれから起きること
2033年には3戸に1戸が空き家に!? 少子高齢社会の現実を予測したヒット本
河合 雅司 講談社 2017-06-14
かくて行動経済学は生まれり
本書は行動経済学の解説書ではない。本書の原著の副題「私たちの心を変えた友情」が示すように、二人の学者がどのように新しい理論を構築したのかだけでなく、二人の関係に焦点を当てたヒューマン・ドキュメントである。
マイケル ルイス 文藝春秋 2017-07-14
ポストキャピタリズム
英国のトップジャーナリストによるベストセラー、待望の邦訳。
人類史上初のチャンスをもたらす「プロジェクト・ゼロ」=資本主義以後の世界を探る。
ポール・メイソン 東洋経済新報社 2017-09-22
まとめ
日本企業の経営者は2018年をどのように見ているのでしょうか。
同誌によると楽観が半数に上ったようです。
景気や株価、地価などに加え外国経済も堅調が続くとの予想です。国内企業は近年業績が好調、財務体質も改善しているからです。
心配なのは国際政治が激変した場合です。少子高齢化による人手不足が気になるという声もあります。
経済の流れをにらみながら、生活防衛は着実にすすめる。働く私たちは油断をしないように気を引き締めたいところです。
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