
番組づくりには取材がつきものです。良い企画を作るためには人の話を聞いたり、調べ物をしたりして使える話をメモする必要があります。
しかしメモの取り方は学校で教えてくれるわけではありません。自己流のクセがついているためメモの取り方に悩んでいる人は結構います。
メモの善し悪しは結果に出ます。アイデアが泉のようにわき出すメモもあれば、書かれた文字すら判読できないメモもあります。どうすれば実りの多いメモが書けるようになるのでしょう。そのヒントが詰まった本をご紹介します。
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すごいメモ

企画、アイデア、プレゼン、会議、こんな使い方があったんだ!サントリー「伊右衛門」ほか数々の名作CM・ヒット商品を量産してきた魔法のメモ術を初公開!著者のおともだち、伊坂幸太郎氏のメモ術も掲載!
- 自分の書いたメモが輝いて見えるようになります
- 分かりやすさに徹した簡潔な構成
- すぐに使えそうなメモ術
メモには鮮度がある
著者が主張するのは「メモには鮮度がある」ということ。
メモは生鮮食料品と同じで賞味期限が早く、そのためメモを取ったら早く消化するのがカギなのだと言います。
いったい、どういうことでしょう。
例えば、新聞記者の場合。記者はメモを取った後時間を空けずに見返して記事を書きます。つまり鮮度抜群のメモを読むわけです。
なぜ時間を空けずに記事を書くのかというと、その時のメモには「記憶」が残っているからなのだそうです。
記憶とは取材相手の印象だったり、その場の雰囲気や断片的な話題もあります。多少読めないメモでも記憶が残っていればどんな文脈でメモを取ったのか思い出すこともできます。
ところが時間が経つと書いた時の記憶が薄れます。だからメモを見てもどういう意図で書いたのかわからなくなるのです。
メモをとる王道は、なるべく早く読み返すこと。腐った情報にしてしまわないようにすることなのです。
ルモの極意
ではどのように心がけるべきか。
著者は「記憶に頼らないメモをとるには、あらかじめ「後で見返す自分がわかるように」書いておくべきだ」と言います。
未来の自分が困らないようにイメージトレーニングするだけで使えるメモに一歩近づけるわけです。
例えば、いつどこで取材したのかわかるように、メモに日付をつけるのもその一つ。さらにメモを取った後読み返して重要な部分に丸をつけ、重要でない部分と分けて見るのも有効です。ただし丸は三つまでに限定するなど、自分にフィットする方法を見つけることが重要です。
書き取ったメモに矢印を引き、関係を整理したり。記号や吹き出しをつけて整理するなど、この本にはこれならできそうだと思えるアイデアがつまっています。
自分は他人だ
鉄則は、未来の自分を全く信用しないこと。わかってくれるだろうと思ってメモを取ると痛い目に遭います。注釈なしで箇条書きに情報を羅列するなんてもってのほか。未来の自分には伝わりません。「こうしておけばわかるだろう」と未来の自分を想像し、わかるようにメモを書く思いやりが必要なのです。
メモのノウハウがすごい。この章だけで価値がある。潜在ニーズに向けたアイディア出しのコツ。生み出すことは自分の最大のウィークポイント。今日から試してみたい内容。
自分が何気なく使っていた方法もあったし、新たに取り入れたい方法もあって、メモに対する考え方が変わる本とてもわかりやすく読みやすい。
一見デザインと関係あるの?って感じですが、頭の中を整理することがまずアイデアを考えるうえで大切なのではないか、という意味ですごくためになります
小西利行さん
1968年生まれ。京都府出身。大阪大学卒業後、1993年に株式会社博報堂入社。2006年に独立し、POOL inc.を設立。「伝わる言葉」を掲げ、CM制作から商品開発、都市開発までを手がける。
まとめ
「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何物でもない。メモを使って新しい組み合わせを作る」ジェームスWヤング
- あとで見返してもわかるメモの書き方についての本
- 企画やアイディア出しの時にすごく使えます。
- 情報はまとめると武器 まとめないとゴミ
メモといえば前田祐二さんの「メモの魔力」というベストセラーが強力なライフハック本です。前田さんの場合は備忘録というよりもアイデアを生み出すための方程式といった方がいいかもしれません。
心に引っかかった情報をいったん抽象化して、その抽象化した考えを複数組み合わせることで新しいものを生み出すのです。