翻訳のプロが刮目最新 海外ミステリー 4冊

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 海外ミステリー を書きます。※本ページにはPRが含まれます

翻訳者が選ぶ 2024年7月の海外ミステリー 4冊を紹介します。

書評七福神の七月度ベスト! – 翻訳ミステリー大賞シンジケート

7月の 海外ミステリー

「魂に秩序を」マット・ラフ/浜野アキオ訳

新潮文庫史上最厚1,088頁

  • 『百年の孤独』が話題をかっさらう中、この物凄い物語がひっそりと20年の時を経て本邦初訳となりました。
  • 『魂に秩序を』読んでたら自分が分裂症なんじゃないかと不安になった思春期の妄想を思い出した。あらゆるジャンルを包み込む、メタおもしろい、物語の万華鏡!
  • 間違いなくミステリ・ファンにはオススメなのだが、何せ前半で小出しに開示される情報がなければ何がどうミステリなのか言いづらいので、ここは「私を含めた既読者を信じてほしい」と書くしかない。書評七福神の七月度ベスト! – 翻訳ミステリー大賞シンジケート

「ぼくの家族はみんな誰かを殺してる」ベンジャミン・スティーヴンソン/富永和子訳

ぼくたちカニンガム家は曰くつきの一族だ。35年前に父が警官を殺したあの日以来、世間からは白い目で見られている。そんな家族が3年ぶりに雪山のロッジに集まることになったのだから、何も起こらないはずがない─その予感は当たり、ぼくらがロッジに到着した翌日、見知らぬ男の死体が雪山で発見された。家族9人、それぞれが何かを隠し、怪しい動きを見せるなか、やがて第2の殺人が起こり……。

  • 厚みがあるけど1人称で軽めの語りだから読みやすい。最初わかりにくかったんだけど、家族の抱える事情がわかってくると語り手に感情移入。
  • 語り手が信頼出来ない語り手ではなく裏表ないどこまでも信頼できる人物なのがポイント 貼りに貼った伏線を鮮やかに回収していくのが超気持ちいい ナイブズアウトとか好きな人におすすめ。

「邪悪なる大蛇」ピエール・ルメートル/橘明美・荷見明子訳

ルメートルが1985年に最初に書いた小説が文庫化 凄腕と恐れられた63歳の殺し屋マティルド 認知症になった彼女の殺しが 必要以上に過激になっていく 事件を追う真面目な刑事ヴァシリエフは 彼女を止められるのか? 黒い笑いに満ちたミステリー。

  • 全体的に容赦ない作りで主人公補正も一切通用しない凶悪さ 犯罪小説として一級品でルメートルの最後のミステリーを最後まで楽しんだ。
  • 63歳の女殺し屋マティルド、物忘れが激しい中容赦のなく次々殺していくのだが関係ない人まで!
  • 本作はルメートルが1985年に最初に書いた小説で、出版社にも出していなかった文字通り、最初で最後のミステリ。
  • ルメートル先生の意地悪と邪悪と悪い笑いがラストまで爆走します!

「ブレグジットの日に少女は死んだ」イライザ・クラーク/満園真木訳

まとめ

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