
皆さんは自分の将来に不安を感じたことってありませんか。
一流企業に入社できても、一生安泰老後は年金暮らしと言う人生設計ができたのは昭和の世代まで。「自由な働き方」なら安定を捨てて独立するしかありません。
でもフリーランスで生きていくには並外れた能力と努力が必要です。
悩みを解決するには先駆けてその仕事を選んだ先輩たちの体験や哲学に耳をすませること。書店に行くとそのヒントが見つかります。
Contents
働くコンパスを手に入れる
「何年働いても自信が持てない」
「いまの仕事が自分に向いているのか分からない」――
働き方に対する悩みを抱える〈仕事迷子〉が増えている。
どうすればこの迷いを、自分らしく働くための力に変えていくことができるだろう?500種類以上の社会人向け職業体験を提供してきた著者ならではの経験知を伝え、これからの働き方を考えるガイドブック。
あらゆる仕事は「軸」と「幅」で成り立っています。
軸とは「自分は〇〇がしたい」「〇〇のようになりたい」という仕事観やキャリア意識です。
幅とは「自分は〇〇ができる」という社会人としての基礎的な力のことです。この軸と幅は仕事でやりがいを感じるための土台や基盤のようなもの。
土台や基盤が脆いと、自分の仕事に自信が持てない仕事迷子になってしまいます。
- 原大祐 地域プロデューサー
- 磯村幸太 大手メーカー勤務
- 藤原かんいち 旅行家
- 渡辺邦子 花屋
- 東園絵 ぬいぐるみの旅行代理店ウナギトラベル ストーリーを作る
- 田村祐一 日の出湯四代目 付き合う人を変える
- 山本雅也 キッチハイク 仕組みを作る
- 武田文志 能楽師 シテ方(主役) 職業選択の自由がない
- 深澤里奈子 旅館女将 おもてなし講義
- 黒田悠介 コミュニティデザイナー freelaceNow
- 小澤康二 探偵
本書に登場する社会人は、それぞれの分野で自分なりの道を見つけていった人たちです。経験から得た自信が人を育てることがわかります。
例えば能楽師の武田文志さんの仕事について。
能楽を伝える観世流には上から宗家、分家、職分、準職分、師範という階層が存在する。能楽協会に登録されるのは準職分以上で、宗家および分家は完全世襲制、準職分も実質世襲制という秩序の中にある世界です。
それだけ聞くと、窮屈な世界のように見えますが、続けるうちに自分なりの生き方が見えてくるのだといいます。
仕事観とキャリア意識
本書が提言する、自分らしく働くための第一歩を踏み出す知っておくべきこと五つの秘訣があります。
- やりたい気持ちを優先する
- 小さく始めて小さく育てる
- 無計画で始めてもいい
- 共感から協力者が現れる
- 自分探しを諦めない
働き方で悩む人が、今後を多様な視点で捉えるにはもってこいと言えるかもしれません。
田中翼 1979年生まれ、神奈川県出身。株式会社仕事旅行社代表取締役。米国ミズーリ州立大学を卒業後、国際基督教大学へ編入。卒業後、資産運用会社に勤務。在職中に趣味で様々な業界への会社訪問を繰り返すうちに、その魅力の虜となる。「働く」ということに対する気づきや刺激を多く得られる職場訪問を他人にも勧めたいと考え、2011年に仕事旅行社を設立。500か所以上の職場と仕事をする中で得た「仕事観」や「仕事の魅力」について、大学や企業、地方自治体を対象に講演も多数実施。