2023年11月から2024年10月までに発行された新刊本から、本の雑誌が年間ベストというミステリーの「王者」を選ぶベスト10
- 本の雑誌 が選ぶノンフィクションのベスト10
- 第1位「力道山未亡人」細田 昌志
- 第2位「虎の血 阪神タイガース、謎の老人監督」村瀬 秀信
- 第3位「技術革新と不平等の1000年史」 (上下)ダロン・アセモグル,サイモン・ジョンソン
- 第4位「横浜フリューゲルスはなぜ消滅しなければならなかったのか」田崎健太
- 第5位「隆明だもの」ハルノ宵子
- 第6位「セカンドキャリア 引退競走馬をめぐる旅」片野 ゆか
- 第7位「ゴールドマン・サックスに洗脳された私 金と差別のウォール街」ジェイミー・フィオー (原著), 多賀谷正子 (翻訳)
- 第8位「評伝クリスチャン・ラッセン 日本に愛された画家」 原田 裕規
- 第9位「再生 西鉄バスジャック事件からの編み直しの物語」山口 由美子
- 第10位「シャーロック・ホームズの護身術 バリツ: 英国紳士がたしなむ幻の武術」 エドワード・バートン゠ライト (著), 田内 志文 (翻訳), 新美 智士 (監修)
本の雑誌 が選ぶノンフィクションのベスト10
第1位「力道山未亡人」細田 昌志
“戦後復興のシンボル”力道山が他界して60年。妻・田中敬子は80歳を越えた今も亡き夫の想い出を語り歩く。「力道山未亡人」として好奇の視線に晒され、男性社会の洗礼を浴び、プロレスという特殊な業界に翻弄されながら、昭和・平成・令和と生きた、一人の女性の数奇な半生を紐解く傑作ノンフィクション!
『力道山未亡人』(細田昌志著)は、戦後日本のプロレス界を代表するスター、力道山の妻であった田中敬子さんの波乱に満ちた人生を描いたノンフィクション作品です。本書は第30回小学館ノンフィクション大賞を受賞しています。
田中敬子さんは、日本航空の客室乗務員として勤務していた21歳のとき、17歳年上の力道山と結婚しました。しかし、結婚からわずか半年後、力道山は急逝。22歳で未亡人となった敬子さんは、約8億円の巨額の負債と日本プロレスなど5つの会社を相続することとなります。
本書では、敬子さんが未亡人としての苦難を乗り越え、力道山の遺産や負債を整理しながら、自身の人生を切り開いていく姿が詳細に描かれています。また、彼女が80歳を超えた現在も、亡き夫の思い出を語り継ぐ活動を続けていることも紹介されています。
著者の細田昌志氏は、リングアナウンサーや放送作家を経て作家となり、2021年には『沢村忠に真空を飛ばせた男』で第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞しています。本書でも、綿密な取材と深い洞察力で、敬子さんの壮絶な人生を鮮やかに描き出しています。
『力道山未亡人』は、戦後日本の激動の時代を背景に、一人の女性の強さと回復力を描いた感動的な作品です。力道山という偉大なレスラーの影に隠れがちな彼女の人生にスポットライトを当て、その知られざる物語を伝えています。
- 莫大な負債を引き継ぎ、弟子と思われた人たちに裏切られ利用され、そんな中でも自分を持って突き進む姿が印象に残りました。
- 事実は小説より奇なりを地で行く人生。これ、朝ドラいけんじゃね?マジで。
- 2023年の小学館ノンフィクション大賞受賞も、納得の力作だった。
第2位「虎の血 阪神タイガース、謎の老人監督」村瀬 秀信
1955年、プロ野球経験が無いにも関わらず、タイガースの監督に突然就任した謎の老人・岸一郎を追ったノンフィクション。
『虎の血 阪神タイガース、謎の老人監督』(村瀬秀信著)は、1955年にプロ野球経験がないにもかかわらず、阪神タイガースの第8代監督に就任した岸一郎氏の謎に迫るノンフィクション作品です。著者の村瀬氏は、岸氏の生涯を追跡し、その背景を探ることで、日本野球の近代史や阪神タイガースの特異な体質に迫っています。
岸一郎氏は、還暦を過ぎた年齢で突然タイガースの監督に抜擢されましたが、わずか33試合で事実上の解任に追い込まれました。その後、彼の行方や没年すら不明とされています。本書では、岸氏のルーツを辿り、彼の存在がタイガースの「お家騒動体質」の始まりとされる理由を探求しています。
著者の村瀬秀信氏は、1975年生まれのノンフィクション作家で、スポーツやカルチャーなど幅広いテーマで執筆活動を行っています。本書では、当時を知る野球人たちの証言や、岸氏のゆかりの地を訪ねるなど、綿密な取材を通じて、阪神タイガースの歴史に埋もれた数奇なドラマを描き出しています。
『虎の血 阪神タイガース、謎の老人監督』は、阪神タイガースのファンや日本プロ野球の歴史に興味がある読者にとって、知られざるエピソードを知る貴重な一冊となっています。
- 歴史から消えていた人が掘り起こされて本当に著者のセンスは素晴らしい。
- 面白かった。ところにどころに廣岡さんに取材に行って、辛辣なご意見を言っているのがクスリと笑えます。
- 岸一郎の取材から何故タイガースの監督は泥をかぶる役回りになる伝統なのかを明らかにしている。
第3位「技術革新と不平等の1000年史」 (上下)ダロン・アセモグル,サイモン・ジョンソン
ノーベル経済学賞受賞!生産性が向上し、労働者は貧しくなった?
農法改良、産業革命、人工知能の進化まで、イノヴェーションの功罪を緻密に分析。『国家はなぜ衰退するのか』のアセモグルが長年の共同研究者と放つ決定的著作
- 技術革新は必ずしも庶民の生活を豊かにはしない、その因果関係を過去の事例も元に解き明かした本。
- 著者は、エジプトのピラミッドや、レセップスによるスエズ・パナマの両運河の建設などの歴史的な、技術の集大成事業を紐解き、それが一般市民の生活の底上げには繋がらないケースがある、ということを説明する。
- 聖職者の役割は、搾取される農民に、神があなたをこの役目に任じたのだから、さっさと畑仕事に戻れと説得することだった。
第4位「横浜フリューゲルスはなぜ消滅しなければならなかったのか」田崎健太
第5位「隆明だもの」ハルノ宵子
第6位「セカンドキャリア 引退競走馬をめぐる旅」片野 ゆか
第7位「ゴールドマン・サックスに洗脳された私 金と差別のウォール街」ジェイミー・フィオー (原著), 多賀谷正子 (翻訳)
第8位「評伝クリスチャン・ラッセン 日本に愛された画家」 原田 裕規
第9位「再生 西鉄バスジャック事件からの編み直しの物語」山口 由美子
第10位「シャーロック・ホームズの護身術 バリツ: 英国紳士がたしなむ幻の武術」 エドワード・バートン゠ライト (著), 田内 志文 (翻訳), 新美 智士 (監修)
- 読んでみると意外と真面目な本でした。w ステッキやコートを使うのが時代を感じて面白かったです。しかもこれが実用的とされているのも面白い!
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。本の雑誌 が選ぶノンフィクションのベスト10を書きます。※本ページにはPRが含まれます