いや~暑い日が続きますね。でも、こんな時こそ、ひんやり背筋がゾクッとするミステリーを読んで、頭の中で別の世界に逃げ込みませんか?
2025年8月の海外ミステリー新刊、厳選15冊をご紹介します。どれも「ただの謎解きじゃない」リアルな人間模様と深いドラマが絡んだ作品ばかり。
今回は僕の独断と偏見で「ここ、マジで読んでほしい!」っていうシーンも具体的に挙げながら解説していきますね。
- 【2025年8月最新】 海外ミステリー 15選!リアルでゾクゾクする世界に浸れる名作揃い
- 『ビッグ・バウンス』エルモア・レナード(8/28)
- 『穢れなき者へ』マイクル・コリータ(8/28)
- 『ホワイトハートの殺人』クリス・チブナル(8/25)
- 『修道女フィデルマの慧眼』ピーター・トレメイン(8/21)
- 『アンジェリック』ギヨーム・ミュッソ(8/21)
- 『本好きに捧げる英国ミステリ傑作選』クリスチアナ・ブランド(8/21)
- 『インテルメッツォ』サリー・ルーニー(8/20)
- 『ハウスメイド』フリーダ・マクファデン(8/20)
- 『アガサ・レーズンと月夜に消えた男』M・C・ビートン(8/6)
- 『最果ての子供たち』ニコラ・マチュー(8/6)
- 『宙の復讐者』エミリー・テッシュ(8/6)
- 『真実に捧げる祈り』アンジェライン・ブーリー(8/6)
- 『GB84』デイヴィッド・ピース(上下巻)(8/6)
- 『向かいを見つめる空き家の目』J・J・ファージョン(8/5)
- 『革命と戦火の娘たち』(上下)ガブリエーラ・ザーブ(8/4)
- まとめ
【2025年8月最新】 海外ミステリー 15選!リアルでゾクゾクする世界に浸れる名作揃い
『ビッグ・バウンス』エルモア・レナード(8/28)

ミシガン州の湖畔のリゾート地にやってきた流れ者ジャックは、季節労働者として農場主のレイのもとで働いていたが、レイの愛人でありながら農場スタッフのボブ・ジュニアをも誘惑している娘ナンシーと出会ってしまう。ナンシーは他人の家の窓ガラスを割ったり不法侵入したりといったスリルを求め続け、ビーチリゾートの便利屋としてまじめに働きはじめていたジャックを巻き込もうとする。そして、農場労働者の給料を盗む計画をナンシーがもちかけてきたとき、恐るべき陥穽がジャックを待ちうけることに――。
まずはこれ!ウェスタンの名手レナードが放つ、記念碑的現代ノワール。
舞台はミシガン州の湖畔リゾート。流れ者ジャックは穏やかな季節労働のはずが、レイの娘ナンシーに出会い、全てが狂い始めます。
ナンシーは不良でスリル大好き。窓ガラス割ったり、不法侵入したり、そんな彼女に引き込まれ、まじめに働いてたジャックは給料盗みの計画に巻き込まれる。
ここで注目!
ナンシーが「これならバレない」って言いながら、闇夜の中、こっそり農場の倉庫の錠を外すシーン。緊張感が半端ない。ジャックの心臓の音が響く描写がリアルで、読んでて自分も息を止めてしまうんです。
レナードらしい、簡潔だけど人間の弱さも見逃さない筆致が最高。ぜひリゾートの美しい湖と陰惨な事件の対比を楽しんでほしい。
『穢れなき者へ』マイクル・コリータ(8/28)

メイン州の島の沖で、対立する上院議員候補二人を含む七人の惨殺体がヨット上で発見され、第一発見者のイズレルが殺人の第一容疑者とみなされる。彼には十年前に実の父親を殺した前科があった。だが、彼が現場にいたのは、州警察の女性警部補サラザールから密命を受けて、このヨットの動向をうかがっていたからだった。一方、別の島では、十二歳の少年ライマンがアルコール中毒の父親から逃れるためにもぐりこんだ廃屋で、手斧を持った謎の娘と出会う。捜査が進むにつれ、イズレルとライマン、そして大量殺人事件の運命は思いもよらない形で交錯することに――。スティーヴン・キング、マイクル・コナリーら絶賛の気鋭による、感涙必至のミステリー・ドラマ。
メイン州のヨット上で起きた七人惨殺事件。犯人は誰?第一発見者イズレルは過去に父親殺害の前科あり、疑惑は彼に集中する。
ここがキモなんですよ。
州警察女性警部補サラザールから密命を受けて、イズレルは隠れた真実を追う。
そして対岸の廃屋で、アル中の父から逃げる少年ライマンが、手斧を持つ謎の少女と遭遇する。もうこの出会いが運命の交差点。
個人的に好きなシーンは、ライマンが薄暗い廃屋の中で少女の手斧の刃をじっと見つめる瞬間。恐怖と好奇心が入り混じったその表情は、まさに少年の揺れる心の象徴です。
キングやコナリーも太鼓判を押すこの作品。感動と驚愕のドラマに涙すること必至ですよ。
『ホワイトハートの殺人』クリス・チブナル(8/25)

英国南西部の海辺の村で起きた殺人事件。
殺されたのは村の名物パブ〈ホワイトハート〉の店主で、裸で縛られ、
頭に王冠を戴くように牡鹿の枝角が括りつけられていた。
刑事ニコラは都会の組織犯罪部から転属早々、新米巡査と事件解明に奔走するはめになるが、被害者と村の住人の隠された“顔”が暴かれてゆくなか、百年前もこの地で鹿角を用いた連
続殺人があったことが判明し─―
英国南西部の海辺の美しい村で起きた殺人。被害者はパブの店主。裸で縛られ、鹿の枝角が頭に……。
これ、もう村の静けさとの対比が強烈。百年前にも鹿角を使った連続殺人があったという伏線もゾクッとします。
刑事ニコラが新米巡査と事件を追う過程で、村人の隠された“顔”が次々に明かされるシーンは、まるで泥沼の人間ドラマを覗いているみたい。
ある晩、パブの暗い角で話す住人たちのささやき声と、外を吹き荒れる冷たい海風の音が絶妙に描かれている場面は、読んでいると自分もその場にいるようでゾワゾワしました。
『修道女フィデルマの慧眼』ピーター・トレメイン(8/21)

聖人の亡骸(なきがら)が眠る地への巡礼に加わったフィデルマ、そこで修道女の遺体が見つかり……「祝祭日の死体」。ラーハン王国の大祭を訪れたフィデルマが、酒飲み競争中に死んだ闘士の事件に挑む「夜の黄金」。殺人と窃盗(せっとう)で告発された少年の弁護を引き受ける「撒(ま)かれた棘(とげ)」など5編を収録。法廷弁護士にして裁判官、旅する修道女探偵フィデルマが事件を鮮やかに解決する、短編集第6弾。
こちらは修道女であり法廷弁護士のフィデルマが事件を解決する短編集。
「祝祭日の死体」では聖人の亡骸の眠る巡礼地で起きた遺体発見の謎に挑みます。
酒の飲み比べで殺された闘士の謎を追う「夜の黄金」もスリリング。
僕はフィデルマの冷静で知的な推理と、時に見せる人間味のギャップにグッときました。まさに“考える探偵”の極みですね。
『アンジェリック』ギヨーム・ミュッソ(8/21)

パリ・オペラ座バレエ団の元トップダンサー、ステラ・ぺトレンコが6階の自宅アパルトマンから転落した。
母ステラの死に疑念を抱く17歳の医学生ルイーズは、元刑事タイユフェールに調査協力を依頼。
やがてステラの上階に住む画家も同時期に病死していたことが判明し……。
事件性はないと思われた二つの死。
だが、その陰にはコロナ禍に乗じた恐るべき計略が!?
フランスの大ベストセラーミステリー。
元トップ・バレエダンサーの転落死。
少女が元刑事に母の死の真相を調査依頼。バレエの美しさと舞台裏の闇、人生の光と影を映し出す。
バレエ団の舞台裏で、かつての輝きを取り戻そうと必死なアンジェリックの姿に、胸が締め付けられるシーンがありました。切なさと美しさが紙一重で描かれています。
『本好きに捧げる英国ミステリ傑作選』クリスチアナ・ブランド(8/21)

本にまつわる16の傑作ミステリー。
例えば、死の間際に蔵書に書き残された謎のアンダーライン。愛書家の秘密が一冊の本のページに隠されている、なんて読書好きにはたまらない設定。
この本は、静かな書斎の中でページをめくるたびに心の中で謎解きの火花が散るような体験をくれます。
『インテルメッツォ』サリー・ルーニー(8/20)

兄弟の不器用な関係を描く、感情の機微がすごい。
兄は饒舌だけど自分に自信がなく、弟は社交が苦手でチェスの天才。父の死をきっかけに2人はお互いの欠けた部分を埋めようとする。
家族の喪失と再生を、まるで目の前で揉めているようにリアルに感じられます。
『ハウスメイド』フリーダ・マクファデン(8/20)

手にした仕事は一見夢のハウスメイド。
だけど、家の中は奇妙な言動ばかりで、まるで牢屋のような部屋があって…。
ミリーの恐怖がじわじわ増していく過程、夜に響く足音や暗い廊下の描写はまるでホラー映画のワンシーン。後半のどんでん返しは震えました。
『アガサ・レーズンと月夜に消えた男』M・C・ビートン(8/6)

探偵業休止中のアガサが、恋する庭師ジョージの失踪事件を追う。
舞踏会の華やかさと影で起きた悲劇のギャップが印象的。
アガサのユーモラスな人柄と、事件解決の鮮やかさに読んでいて思わずクスっと笑えます。
『最果ての子供たち』ニコラ・マチュー(8/6)

1992年、フランスの錆びた町。14歳の少年アントニーが盗んだカヌーでたどり着いたビーチで出会った少女。
少年の世界が変わる瞬間を、自然の冷たさと少年の熱さで描く青春ミステリー。
アントニーが海辺で少女に初めて言葉をかける場面は、青春の切なさが胸に迫りました。
『宙の復讐者』エミリー・テッシュ(8/6)

時空を歪曲する技術を発見した人類は、銀河系に進出し、異星種族連合体マジョダと出会う。
だが地球はマジョダの手によりに滅亡させられた。人類最後の生き残りの主人公は、地球が滅ぼされなかった世界へ旅立つ。ヒューゴー賞受賞作品。
『真実に捧げる祈り』アンジェライン・ブーリー(8/6)

オジブワ族の18歳ドナス。
伝統医療を悪用した薬物絡みの殺人事件を目撃し、潜入捜査に協力。
自分のルーツと正義の狭間で揺れ動く若者の葛藤がリアル。
伝統の森での追跡シーンは圧巻。自然と人間の戦いのドラマに引き込まれました。
『GB84』デイヴィッド・ピース(上下巻)(8/6)


1984年、英国炭鉱ストライキ。
国家権力と労働者の闘いを生々しく描く歴史犯罪文学。
盗聴器の「カチカチ」という音が不気味に響き、警官の装備がガチャガチャと鳴る描写はまるで現場の音が耳に聞こえるよう。
秘密と裏切り、暴力の中で人間の尊厳を問う重厚な一作。
『向かいを見つめる空き家の目』J・J・ファージョン(8/5)

向かいあう二軒の家の怪事件。ベンが何度脅されても戻ってきたのは、あの娘(こ)との約束のためだった……。あの娘(こ)を救うため、ベンは悪の巣窟に乗りこむ。読むほどにハマるファージョンの不思議な世界。〈船乗りベン〉シリーズ第二作!
向かい合う二軒の家の怪事件。
ベンは何度も脅されるが、「あの娘」との約束のために戻る。
不思議な世界観と、ベンの覚悟が伝わる緊迫した場面は、一気読み必至。
『革命と戦火の娘たち』(上下)ガブリエーラ・ザーブ(8/4)


1917年、ロシア革命。1941年、独ソ戦。激動の時代を生きたふたりの女の「信念」の物語。1917年、革命下のモスクワ。十余年政治犯として収監されていた社会革命党(エス・エル)の活動家にして狙撃者・スウェトラーナは恩赦による釈放後、おじが率いているエス・エルの戦闘団の元に親友ファーニャとともに向かうが、アジトの様子は一変していた。スウェータの収監中におじは暗殺されており、かつての恋人にして新たなリーダーとなったカジミールや仲間からは裏切りを疑われる始末。苦悩に揺れるスウェータは潔白を証明すべく、おじの仇たるボリシェヴィキ方の暗殺者・オルロワを追う決意を固めるが……。
1917年の革命下モスクワ、政治犯だった女性スウェトラーナが仇を追う。
1941年のレニングラード包囲、少女ミラの疎開先での戦い。
二つの時代を織り交ぜながら、戦火の中で強く生きる女性たちの壮大な物語。
スウェータがボリシェヴィキの暗殺者オルロワを追い詰めるシーンは、手に汗握る緊迫感で心臓が飛び出そうでした。
まとめ
いやあ、8月は本当に粒ぞろいのミステリーが目白押し!
どれも単なる謎解きじゃなく、登場人物の「痛み」や「葛藤」が生々しく描かれていて、読後に深い余韻を残します。
暑い夏の夜に、ゾクゾクする謎と感動を味わいたい人にはマジでオススメ。
気になったタイトルがあったら、ぜひ手に取って、現実からちょっと離れた世界に没頭してみてくださいね。

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こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 海外ミステリー を書きます。