本屋大賞の一次予選投票が一月五日に締め切られました。いよいよ本屋大賞の季節がやってきました。本屋大賞は全国の書店員が「一番売りたい本」を決める年1回の賞です。2024年はぶっちぎりで宮島未奈さん『成瀬は天下を取りにいく』が受賞しましたが、今年は一歩抜け出した作品はなく混戦となりそうです。どんな作品がノミネートされるのでしょうか、予想してみました。
本屋大賞2025 ノミネート作品はどれだ
本屋大賞とは?その魅力をおさらい
まずは本屋大賞の概要からおさらいしましょう!この賞は、全国の書店員たちが「読者に薦めたい本」を投票で選ぶというユニークな方式で知られています。
単なる売上ランキングではなく、書店員の情熱と目利きが光る賞です。「読書の秋」に話題をさらう作品がここから生まれることも多く、過去には恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』や村田沙耶香さんの『コンビニ人間』といった名作も選出されています。
条件は、2023年12月1日〜2024年11月30日の間に刊行された(奥付に準拠)日本の小説(判型問わずオリジナルの小説)です。
今年の文芸界トレンドを徹底分析
2025年は「社会派テーマ」と「心の癒し」を描いた作品が注目されている年でした。以下のトレンドが本屋大賞の投票にも影響しそうです。
(1) 社会問題を扱ったフィクション
• 格差や環境問題、ジェンダーのテーマが豊富。
• 現実社会とリンクする内容が若い読者層に刺さっています。
(2) 癒しと自己回復の物語
• 心温まるストーリーや再生をテーマにした作品が多数登場。
• コロナ禍以降、「やさしい物語」を求める読者が増加中。
(3) 個性的な筆致を持つ新人作家の台頭
• 新人のデビュー作が話題となるケースが増えています。
• 実験的な作品や新しい視点が評価される流れ。
予想の要点と傾向
まず、ノミネートの候補として注目すべき点は、各作品がどれほど多くの読者層にアピールできるか、そしてどれだけ社会的に話題を呼ぶ可能性が高いかです。話題作は、必ずしも大ヒット作である必要はありませんが、感情を揺さぶるストーリーや独自性のある内容が求められます。SNSやレビューサイトで話題になっている作品や、現代的な問題提起がされているものは特に注目されやすいです。
以下、リストに基づき、特に注目したい作品を取り上げてみます。
1. 『人魚が逃げた』青山美智子
この作品は、SF的な要素を取り入れつつも、人間ドラマとしても強烈な印象を与えそうです。青山美智子さんは過去にも注目された作品を多く執筆しており、既にファンも多いため、確実に票を集める可能性が高いと予測します。また、「人魚」というファンタジックな要素を取り入れたテーマは、現代の若者層にも響きやすい内容です。
2. 『生殖記』朝井リョウ
とある家電メーカー総務部勤務の尚成は、同僚と二個体で新宿の量販店に来ています。
体組成計を買うため――ではなく、寿命を効率よく消費するために。
この本は、そんなヒトのオス個体に宿る◯◯目線の、おそらく誰も読んだことのない文字列の集積です。
朝井リョウさんは、社会的な問題や個人の内面を深く掘り下げる作品が特徴です。『生殖記』もその一環として、命や倫理、社会の価値観について鋭い視点を提供していると聞いています。テーマが重いながらも、現代社会に必要な問いを投げかけており、多くの読者の心に響きそうです。
3. 『カフネ』阿部暁子
「カフネ」は、ミステリー要素と人間ドラマが絡み合う作品で、読者を引き込む力があります。阿部暁子さんの作品は、過去に本屋大賞のノミネート歴があり、信頼のある作家なので、今年も注目される可能性が高いです。何かしらの謎が解き明かされる過程で、心の機微や人間関係が浮き彫りになり、広く支持を得るでしょう。
4. 『アルプス席の母』早見和真
母親の愛情や家族の絆を描いたこの作品は、感動的で心に残るものです。ファミリードラマとして定番の要素があり、多くの読者が共感できる内容であるため、ノミネートに十分値する作品です。また、早見和真さんの作品は幅広い層に読まれやすいので、ファン層が広いことも有利に働きます。
5. 『死んだ山田と教室』金子玲介
金子玲介さんの作品は、どこかユニークで独特の世界観を持っているため、読者に強い印象を与えることができます。物語の展開が予想できず、予測不能なストーリーが展開するため、ミステリーファンやサスペンス好きの読者を引き込む可能性が高いです。
6. 『地雷グリコ』青崎有吾
青崎有吾さんは、個性的な作品を数多く生み出しており、特にファンから熱狂的に支持されています。『地雷グリコ』も、そのタイトルからして気になる一冊。ユニークなアイデアと緻密なプロットで、多くの読者を惹きつけ、ノミネートされる可能性がある作品です。
7. 『藍を継ぐ海』伊与原新
伊与原新さんの作品は、文化や社会の要素を絡めつつ、個々の人間に焦点を当てたストーリーが特徴です。この作品も、深いテーマ性を持ちながら、現代社会の問題を描いており、特に文学を好む層に訴えかける内容です。
8. 『小鳥とリムジン』小川糸
小川糸さんの作品は、常に心に残る感動を呼び起こすもので、今回は心温まるストーリーが展開される予感がします。軽やかな中にも深いメッセージが込められており、普遍的なテーマを扱うことで、多くの読者に親しまれることでしょう。
9. 『森と、母と、わたしの一週間』八束澄子
八束澄子さんの作品も、静かな感動を呼び起こします。日常生活の中に見つける美しさや心の成長を描いており、共感を呼ぶ要素が強いです。大きな話題性はないかもしれませんが、しみじみと心に残る作品として評価されるでしょう。
10.『禁忌の子』山口未桜
『禁忌の子』は、社会的なテーマや倫理観を深く掘り下げているため、読者に考えさせられる内容を提供しており、本屋大賞の一次予選ノミネートにおいても非常に注目される作品となるでしょう。特に、昨今の社会問題や人間関係の複雑さに関心を持つ読者に支持され、推薦票を集める可能性が高いです。
独断分析と予想
本屋大賞の一次予選において注目される可能性が高い作品を予想すると、社会的な問題提起をする作品や、人間ドラマを描いた感動的なストーリーが優勢になりそうです。その中でも、『人魚が逃げた』や『生殖記』など、現在の社会を反映したテーマを扱った作品が強い印象を残すでしょう。また、ミステリー要素を含む作品や、深い哲学的なテーマに挑戦している作品もノミネートされる可能性が高いように思われます。
そのほかの注目作品
『恋とか愛とかやさしさなら』一穂ミチ
『海を破る者』今村翔吾
『籠の中のふたり』薬丸岳
『いつか月夜』寺地はるな
『街角ファンタジア』村山早紀
『あなたに会える杜のごはん屋』篠友子
『遠い町できみは』高遠ちとせ
『二人目の私が夜歩く』辻堂ゆめ
『夕闇通り商店街 純喫茶またたび』栗栖ひよ子
『夢の王国 彼方の楽園 マッサゲタイの戦女王』篠原悠希
『誰が勇者を殺したか 預言の章』駄犬
『成瀬は信じた道をいく』宮島未奈
『自由に捕らわれる』カンザキイオリ
『俺たちの箱根駅伝』池井戸潤
『山の上の家事学校』近藤史恵
『一番の恋人』君嶋彼方
『呼人は旅をする』長谷川まりる
『大使とその妻』 水村美苗
『あの日の風を描く』 愛野史香
『ふたりの窓の外』 深沢仁
『わたしの知る花』 町田そのこ
『天国映画館』 清水晴木
●選考期間
2024年12月〜2025年4月
●投票参加資格者
新刊を扱っている書店の書店員(アルバイト、パートも含む)
●一次投票
期間 2024年12月1日〜2025年1月5日
方法 1人3作品を選んで投票
●本屋ノミネート作品
一次投票の上位10作品をノミネート本として発表
●二次投票
期間 2025年2月3日〜2025年3月2日
方法 ノミネート作品をすべて読んで全作品に感想コメントを書き、ベスト3に順位をつけて投票
●本屋大賞発表
2025年4月9日 大賞作品、翻訳小説部門の結果発表
参照:2025年度実施要項 本屋大賞公式サイト本屋大賞とは | 本屋大賞
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 本屋大賞2025 ノミネート作品はどれだを書きます。※本ページにはPRが含まれます