
オタク文化が培ってきた2次元ビジネスモデルはクールジャパンに代表される日本画唯一世界に勝てる分野ですが、そのクロニクル・現代史です。流れをサッと掴みたい人にとってオススメな本。
Contents
オタク経済圏創世記

ゲーム関連コンテンツで知られるブシロードの役員である著者がオタク文化とビジネスの関係にフォーカスして著した本。
日本人だからできたといわれるオタクビジネス。スタート当初の特徴は次の通りでした。
- 職人性が高い
- 中身が楽しい
- 金儲けは下手
でもそれだけでは世界を相手に戦えません。たどり着いたのがキャラクタービジネスでした。
ロケーションビジネスが成長している背景には
「ソーシャルやシェアリングを助長するロケーションの
『コミュニティ機能』が時代をおいて再評価されている」
ということがある。
デジタル時代において最も強調すべきことは、
「ネットで便利になること」ではなく、
「ネットによって今まで価値として見られていたものを、
より便利に高頻度で味わえるようにすること」
「なぜここまでメディアミックス展開をしなければならないのか?」という理由もよく分かります。
『オタク経済圏創世記 GAFAの次は2.5次元コミュニティが世界の主役になる件』を読んだ。めちゃくちゃ面白いからエンタメとかコンテンツ好きや仕事で関わる人は読むのをおすすめ。最近の二次元カルチャーがユーザーとの接点を増やして経済圏を作っているって流れ。死ぬほどタイトルと表紙で損してる。 pic.twitter.com/ylX0A4fFR0
— ミヤケ (@syake1001) February 12, 2020
必要なことは
- サービスのようにコンテンツを「提供し続ける」こと
- 面ではりつくようにキャラクターをユーザーの記憶にプリントし続ける幅広い360度コンテンツ
- コンテンツの連鎖的なエンドレス構造
オタク×ビジネスに関しての類書はないので、希少価値があります。その希少価値とは、コンテンツやエンタメ業界全体に共感できる点が多いこと。つまり普遍性がある点です。
オタクを際物と一段下に見た時代は終わりました。旧態依然とした者の考え方を改め、新しい目を育み育てていく存在として伸ばして行かないことには、私たちの未来は内ようにも感じます。
まとめ
ゲーセンっぽい表紙デザインとタイトルはネガティブなイメージを引きずっている感じ。それはそれでリアルでいいのだが、小太りメガネでネルシャツとリュック、アイドルポスターでちょっとクサイ記憶が立ち上ります。ちょっと損している感じの秀逸なビジネス書。懐かしさを取る未来を取るか迷った末に決めたのなら文句は言わない。