【2026年版】 このミステリーがすごい! 海外篇11月予想作を徹底レビュー

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 このミステリーがすごい! 海外篇11月予想作を書きます。※本ページにはPRが含まれます

いやぁ、今年もやってきましたね。「このミステリーがすごい!」の予想シーズン!

窓を開ければ秋の夜風がひんやり入ってきて、「あ〜、本読みたいな〜」って気分が高まるこの時期。ミステリーファンにとってはお祭り前夜みたいなワクワク感があります。

さてさて、2026年版のエントリー期間に入った海外ミステリーの中から、今回は2024年11月刊行の注目作をピックアップしてみました。

読みながら「いやこれ絶対ランクインするだろ!」とひとりごちた作品もあれば、「いやいや地味にこういうやつが上位に来るんだよ!」って妙に確信めいた感覚を覚えた作品も。

ということで、瀬戸弘司さんばりにテンション高めで一緒に眺めていきましょう!

【2026年版】このミステリーがすごい! 海外篇11月予想作

「ミセス・ハリス、モスクワへ行く」ポール・ギャリコ 2024年11月25日 

米ソ冷戦時代のロンドン。家政婦のハリスおばさんは、モスクワ旅行の富くじを当てる。ロシアなんて危険な国に行くの!? と嫌がる親友バターフィルドを力技で同伴させ、いざ出発! 実は、おばさんには秘密の計画があった。ある手紙をロシア人女性に渡すのだ。それは、国の違いに引きさかれた、若い恋人たちのロマンスのためだった。なのに、なぜかKGBにスパイ容疑をかけられ、とんでもないことに! 涙と笑いの大人気シリーズ完結編!

ハリスおばさんシリーズの完結編。これね……泣くんですよ。いや、泣かされる。

おばさんの行動理由が「他人の恋を叶えたいから」って、もうそれだけで心を持っていかれるんです。誰かのためにあれだけ全力を尽くせるキャラって、ミステリーの中でもなかなかいない。

しかも舞台は冷戦時代のモスクワ!普通なら「危ないからやめとけ」って言われるところを、「あ? だからこそ行くのよ!」って突き進む。あの姿に読んでるこっちが励まされるんですよね。

「人生、あきらめたらそこで試合終了なんだよ!」って、スラムダンクの安西先生ばりに教えてくれる。

「ロイストン事件」D・M・ディヴァイン 2024年11月20日 

「おまえの助けが要る。たった今、きわめて重大と思われるあることがわかった。おまえの義弟のデレクは――」勘当されて以来四年ぶりに実家を訪ねたマークが見つけた、父パトリックの手紙の下書きは何を意味しているのか。当の父は死体となり新聞社で発見される。どうやら父はロイストン事件の再調査をしていたらしい。それは教師をめぐるスキャンダルで、弁護士として事件に関わったマークは、父の意向に逆らって義弟を告発したために勘当されたのだった。父を殺した犯人を突き止めようと、マークの推理が始まる。巧手ディヴァインの第三長編。

いや、地味なんですよ。めっちゃ地味。ド派手な銃撃戦とか、爆発ドーン!とか一切ない。

でも読んでるうちに気づくんです。「うわ、この地味さがクセになる……」って。

主人公マークって結構クセが強くて、人に厳しいし、なんならちょっと嫌なやつ。でも、だからこそ彼が事件に食い込んでいくと、妙にリアルなんですよ。身内の死、勘当のしこり、過去のスキャンダル――全部が絡み合って、気づいたら逃げ場がなくなっていく。

これぞディヴァインの真骨頂。「普通の人がじわじわと追い詰められていく」感じがたまらない。

「アルパートンの天使たち」ジャニス・ハレット 2024年11月20日 

18年前に起きたカルト教団《アルパートンの天使》集団自殺事件の謎……犯罪ノンフィクション作家がつかんだ、衝撃の真相とは!?

いや〜出ましたよ、またもやハレットの文書スタイルミステリー!

18年前のカルト集団事件を、メールや記録や断片情報から組み立てていく。最初は「え?これミステリー小説なの?」って思うんだけど、読み進めるうちに「いや、これめっちゃ怖いじゃん!」ってなるんです。

僕がグッと来たのは、“情報を整理して仮説を立てて、検証してまた仮説を修正する”って流れが、めっちゃ現実的なんですよ。これ、仕事でも使えるプロセスだなって。

ただのカルトものじゃなくて、オカルト×リアル調査のミックス。ページをめくる手が止まらなくなるタイプのやつです。

「テンプルヒルの作家探偵」 ミッティ・シュローフ=シャー 2024年11月20日 

インドの“アガサ・クリスティー”が放つ謎解きミステリ!ムンバイ、テンプル・ヒル。作家ラディは親友の父親が死体となって書斎で発見されたことを知る。ラディは調査に乗り出すが……。

これ、めちゃめちゃ新鮮でした!

インドの高級アパートを舞台にした謎解きミステリなんですが……いや〜、格差社会がエグい!

「え、親戚全員が同じ敷地に住んでて情報筒抜けなの!?」とか、「宗教・民族・経済でこんなに分断されてんの!?」って驚きの連続。

で、その閉じられた社会で起きる殺人。もう疑心暗鬼のオンパレードで、「これはインド版クリスティだ!」って膝を打ちました。

社会派としての顔もあって、「あ〜、これ読んだ人は絶対人に薦めたくなるやつだな」って確信しましたね。

「破れざる旗の下に」ジェイムズ・リー・バーク 2024年11月20日 

本年度エドガー賞最優秀長篇賞受賞作! 南北戦争下のアメリカを描くミステリ 南北戦争下のルイジアナ。戦場での過酷な体験に苛まれ、伯父の農園で無為な日々を送る外科医のウェイド。殺人容疑を掛けられ、ウェイドの助けを借りて農園から脱走した奴隷女性のハンナ。さまざまな運命に翻弄される彼らが、最後にたどり着いた真実とは――。

いやもうね……これは震えます。

南北戦争下のアメリカを舞台にした歴史ミステリなんだけど、ただの歴史小説じゃない。戦争がもたらす「暴力の連鎖」を三層構造で描いてくるんですよ。

戦場の暴力。戦時下の社会暴力。そして、戦争が始まる前から奴隷女性に日常的に降り注いでいた暴力。

それらが絡まりあって、文章の中に地獄が立ち上がってくる。読んでると「いやこれ、ただの娯楽じゃないわ」って震える。

エドガー賞最優秀長編賞も納得。これがランクインしなかったら嘘でしょってレベルです。

「最果ての天使」アイリス・ジョハンセン 2024年11月13日 

復顔彫刻家イヴは少女カーラの行方を追っていた。 母親から命を狙われる彼女をスコットランドに潜伏させたものの、あえなく連れ去られてしまったのだ。 悲しみに暮れるイヴだったが、ジョーが懸命に手がかりを追い、モスクワにいることを突き止める。 イヴはお腹の我が子を守りながら極寒の地へ飛び、カーラを取り戻すべく作戦を開始する。 しかし、容赦ない罠がイヴに牙をむき――三部作完結編。

イヴ・ダンカンシリーズ、ついに完結。いや〜長かった!

少女カーラを守る三部作のラストなんですが、スコットランドからモスクワへ、そして母親からの命の危機……と怒涛の展開。

僕が一番心を打たれたのは、イヴが「お腹の子を守りながらカーラを助けに行く」ってところ。これもうね、母としての強さの象徴ですよ。

ただのサスペンスじゃなくて、命を繋ぐ物語。シリーズを追ってきた読者には絶対に刺さる完結編です。

「幻想三重奏」ノーマン・ベロウ 2024年11月12日 

人が消え、部屋も消え、路地まで消えた……。悪夢のような消失事件は悪霊による心霊現象か、それとも犯罪者の巧妙なトリックか? 〈L・C・スミス警部〉シリーズの第一作を初邦訳 !

消失事件が次々に起きる――人が、部屋が、路地が。いやいやいや、怖すぎるでしょ。

しかもこれ、1940年代に発表された作品ですよ。今読むと「ちょっとトリック古いな」って思うかもしれないけど、当時の読者は絶対腰抜かしてたはず。

最後の謎解きが、「おお!そうきたか!」っていう合理的な説明に落ちるのもいい。心霊かと思わせてガッツリ論理派。

クラシック・ミステリの名作が日本語で読める喜びって、やっぱり格別ですね。

「ロンドンの姉妹、思い出のパリへ行く」C・J・レイ 2024年11月09日 

2022年ロンドン。99歳のジョゼフィーンと97歳のペニーの姉妹はただものではない。第二次世界大戦中、姉は海軍婦人部隊に、妹は応急看護婦部隊に所属していた。ある日、戦時中のフランスへの働きに対して、姉妹に勲章が授与されることに。ペニーはこの機会に、1939年のパリで出会ったユダヤ人青年をめぐる事件と、その思い出を清算することにする。パリでの勲章授与式に向け、秘密のミッションが始まる――。“いつも機嫌良く”を合い言葉に、激動の時代をたくましく生きる最高の姉妹を描いた、勇気をもらえる感動作!

これね……最高に元気が出る作品でした。

99歳と97歳の姉妹が、戦時中の秘密を抱えてパリへ向かうんですが、いや〜とにかくチャーミング!

シスターフッド、スパイ、ロマンス、ファミリー。全部入りのごった煮なんだけど、終盤に差しかかるとその要素が全部活きてきて、「え、最高の映画観てる!?」って感覚になるんです。

「いつも機嫌良く」って言葉が胸に残る。年齢を重ねても、人生を冒険に変えてしまう姿に勇気をもらいました。

「ライルズ山荘の殺人」C・A・ラーマー 2024年11月09日 

〈マーダー・ミステリ・ブッククラブ〉に新たなメンバー四人が加わった。顔合わせを兼ねた読書会の課題は『そして誰もいなくなった』、過去にタイムスリップしたかのような山荘に泊まりこみで行うのだ。ところが現地に到着した翌朝支配人が他殺死体で発見され、さらに電話線が切断され外部とは連絡がとれず、山荘の周囲では山火事が起き……。読書会どころではない事態に、ブッククラブの面々はどう立ち向かう? 好評シリーズ第4弾。

お待たせしました、「マーダー・ミステリ・ブッククラブ」第4弾!

いや、今回はね……マジで不穏です。

山荘に集まったら支配人が死体で発見されるわ、電話線は切られて連絡不可だわ、外は山火事だわ。もうパニック映画のセットリスト全部盛りじゃん!って状況。

でもそれを読書会のメンバーが「うちら探偵クラブだし!」って立ち向かうんですよ。ここが最高にワクワクするんです。

クローズド・サークルのスリルを現代風にアレンジした、シリーズ中でもトップ級のスリリングさ。

「生き急ぐ」ブリジット・ジロー 2024年11月07日 

フランス文学最高峰ゴンクール賞受賞! フランスで50万部突破 バイク事故で夫を亡くした作家は、20年後、思い出の家を手放す今、再び問いに向き合う。もしも、あのとき別の選択をしていたら事故は避けられたのか? 悲劇の日までの二十数年にわたる結婚生活の「あのとき」の数々を見つめ直す。ゴンクール賞受賞の感動作

ゴンクール賞受賞作にして50万部突破。いや〜、これは胸に刺さります。

「もしもあのとき違う選択をしていたら」っていう23のバリエーション。読んでると「うわ、自分も同じこと考えたことあるわ」って共感が止まらない。

著者の完璧主義な性格が文体に滲んでいて、「あ、この人だからこそ20年経っても問い続けられるんだな」って思わされる。

翻訳も読みやすくて、深刻なテーマなのにスルスル読めちゃうのが逆に怖い。これ、上位に来るんじゃないかな……。

「聖夜の嘘」アンドリュー・クラヴァン 2024年11月07日 

クリスマス間近のある夜、湖畔の町で若い司書のジェニファーが殺された。容疑者は交際相手のトラヴィスで、犯行を認めていた。彼をよく知る地元弁護士のヴィクトリアは、犯行を信じられず、友人の大学教授キャメロンに無実を証明してほしいと調査を依頼する。

舞台は雪景色の湖畔の町。いや〜、雰囲気最高!

でもクリスマスの夜に殺人事件が起きて、街は一気に陰鬱に。

でもね、これただの暗い話じゃないんです。軍人たちのマッチョな友情、真っ直ぐさが物語を温かくしてくれる。

「スイート・ヘヴン」という名前の町に似合わない事件なんだけど、最後には「いや、やっぱりここはスイート・ヘヴンだったんだな」って思わせてくれるんです。

雪とイルミネーションの中で語られるミステリー。映像化されたら絶対観たい。

まとめ

いや〜、11月刊行作だけでも粒ぞろいすぎる!

ハリスおばさんの人情、バークの重厚さ、ハレットの実験性、そして姉妹の冒険……。タイプが全然違うからこそ、ランキングがどうなるか読めないんですよね。

でもだからこそ、この予想を立てる時間が最高に楽しいんです。

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