2026年版『 このミステリーがすごい! 』海外篇予想【2月刊行作まとめ】

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 『 このミステリーがすごい! 』海外篇予想【2月刊行作まとめ】を書きます。※本ページにはPRが含まれます

夏の猛暑が過ぎ、夜に窓を開けると涼しい風がスッと入ってくる――そんな頃になると、ミステリーファンの心はソワソワし始めるんですよね。

そう、「このミステリーがすごい!」ランキングの予想シーズン!

今回は 2024年2月刊行の海外ミステリー作品 の中から、「これは来年のランキングに入ってくるんじゃない?」という注目作を一緒に見ていきます。

法廷サスペンスからホラー、伝統的な本格ミステリーまで、バラエティ豊かなラインナップ。あなたの推理欲を刺激する1冊が、きっと見つかるはず!

『 このミステリーがすごい! 』海外篇予想【2月刊行作まとめ】

注目の海外ステリー小説

https://www.tumblr.com/crookedphantombread/774734040210243584

19号室』マルク・ラーベ 2025/2/28

ベルリン国際映画祭の開会式場に悲鳴が響き渡った。予定外の映像が上映されたのだ。女性が何者かに襲われ、心臓を大きな釘でひと突きされていた。しかもその女性は市長の娘で、女優だと判明。この映像は本物か偽物か? トム・バビロン刑事は捜査を始めるが、警察の協力者である臨床心理士ジータは、映像内の壁に残されていた「19」の文字に戦慄する。殺されたかもしれない女性と自分には共通点がある――。圧倒的リーダビリティのドイツ・ミステリ第2弾!

まずはドイツ発の衝撃作。

冒頭のシーンからしてもう鳥肌。映画祭の会場で突然流れる予定外の映像。しかも心臓に釘を打たれる――という残虐すぎる場面。普通なら読み飛ばしたくなるのに、なぜか目が離せないんですよね。

短い章立てでガンガン進むテンポ感、これは映像畑出身の作家ならでは。文章を読んでるはずなのに、頭の中でカット割りが浮かぶんです。刑事トムと心理士ジータのやり取りは、ただのバディものじゃなく、互いの弱さが滲み出てて妙にリアル。

「19」の数字に込められた不穏さも含めて、読んでいると背中をそっと撫でられてるような不気味さを感じました。ワシントン・ポーシリーズ好きなら間違いなくハマるやつです。

捜索者の血』ハーラン・コーベン 2025/2/6

世界的人気作家が贈る脱獄/逃亡スリラー! 3歳の息子マシュウを殺した罪で5年前から終身刑に服するデイヴィッド。彼にとっては身に覚えのない罪だったが、喪失感と愛する者を守れなかった後悔から無実を訴えることなく刑に服していた。しかし元妻の妹が面会に現れ、1枚の写真を彼に見せる。そこには、成長したマシュウの姿が写っていた。デイヴィッドは真実を突き止めてマシュウを取り戻すため、脱獄を決意するが……。 ニューヨークタイムズベストセラーリスト1位、Netflixでドラマ化決定。 『偽りの銃弾』(Netflix)、『シェルター』(Amazon Prime)など数々の自著を映像化し大成功を収め続ける、世界的ベストセラー作家ハーラン・コーベン。絶好調のエンタテイナーが贈る、脱獄/逃亡スリラーの傑作!

いやもう、ハーラン・コーベンはやっぱり「読ませる天才」ですわ。

冤罪で終身刑、だけどそこに「息子は生きているかもしれない」という爆弾写真。そこからの脱獄劇ですよ。

後半の畳みかけ方が凄まじくて、ページをめくる手が止まらない。「うわ、そう繋がるのか!」と声を出したのは久しぶり。

ただのサスペンスじゃなく、父親としての絶望と希望が最後まで張り付いてくるから、単なる“逃亡モノ”を超えて胸に来るんですよね。これは映像化が決まってるのも納得。映画館で観たくなる熱さでした。

ミセス・ワンのティーハウスと謎の死体』ジェス・Q・スタント 2025/2/6

ミセス・ワンの中国茶専門店で男の死体が発見された。刑事ドラマが大好きなワンは、容疑者に中国茶を振る舞いながら勝手に聞き込みを始めてしまうが……。

これはもう、“おばちゃん最強”ミステリー。笑

中国茶を淹れながら容疑者に根掘り葉掘り聞いていくワンのキャラクターが、強烈すぎてクセになります。

最初は「いやいや警察の仕事邪魔してるやん!」とツッコミながら読んでたんですが、気づけばワンの世界観に取り込まれてました。

お茶の湯気がふわっと立ち上がる描写の裏に、死体の冷たさが対比されてるのが妙に効いてる。後半の“実は意外とハッピーエンド”なところで、不覚にもニヤリ。コージーとシリアスのバランスが絶妙でした。

『高慢と偏見』殺人事件」クローディア・グレイ 2025/2/6

詐欺まがいの投資話でエマやアンから恨みを買うウィカムが、パーティの最中に殺された。キャサリンの娘とエリザベスの息子が嵐で閉ざされた館で起きた怪事件に挑む! 『高慢と偏見』『エマ』『説得』……オースティン作品の登場人物が織りなす正統派ミステリ

これはオースティンファンにはたまらないお祭り騒ぎ!

いや正直、冒頭で「ウィカムが殺された」って聞いて爆笑しましたよ。作者の「殺すならコイツだろ!」というノリに全力で拍手したい。

おなじみのキャラクターたちが嵐に閉ざされた館で推理を繰り広げるんですが、原作を知ってると「あーあの人がここで絡んでくるのか!」といちいちニヤつける仕掛けが満載。

それでいてちゃんと正統派のクローズドサークル・ミステリとして成立してるのがすごい。遊び心と本格が両立してるんです。

チェーンギャング・オールスターズ』ナナ・クワメ・アジェイ=ブレニヤー 2025/2/5

資本主義の進む近未来のアメリカで、刑務所の囚人たちに釈放をかけて殺し合わせる「スポーツ」が誕生した。サブスクリプション配信される彼らの死闘とその終わりに、多くの人々が熱狂する……。

これは正直、読んでてしんどかった。

囚人同士を殺し合わせる“エンタメ”をサブスクで観る未来。血しぶきの描写が生々しくて、途中でページを閉じたくなる瞬間もありました。

でも、だからこそ突きつけられるんですよね。「観ている自分もこのシステムの一部なんじゃないか?」って。

戦う囚人たちの“人間らしさ”がチラッと垣間見えるたびに胸が締め付けられる。終盤、ひとりの選択に涙が出そうになりました。

アメリカ文学の懐の深さを感じさせるし、議論を呼ぶタイプの作品です。

『フロント・サイト3 ファイヴ・ドールズ』スティーヴン・ハンター 2025-02-02

連続猟奇殺人に悩む街。街が捜査を要請したのは天才的な狙撃手で、シリーズの主人公ボブ・リー・スワガーだった。三部作の完結編。

スワガー帰還! これを待ってた!

前2作は割と派手に銃撃戦してましたけど、今回は少し抑えめ。そのぶんラストのコルト・パイソンのシーンが映えるんですよ。静寂の中でカチリと引き金が落ちる瞬間、鳥肌が立ちました。

そして最後のエピローグ。派手じゃないのに“男の矜持”がビシッと決まっていて、読み終わったあとしばらく余韻が抜けませんでした。三部作ラストにふさわしいカタルシス。

『公爵家の図書係は恋をする』サマンサ・ラーセン 2025-02-07

英国貴族の本棚 シリーズ2巻。数十年ぶりの心のときめき。しかしお相手には大きな秘密が!?仕事と言えを手に入れて幸せな日々を送るティファニー。しかしまたも死体に遭遇。そのうえ容疑者はティファニーの愛するサミール。さらに彼には、想像もしなかった大きな秘密があり、ティファニーの心は乱れるが、自分の信じる愛のために、犯人を捜すことを決意する!

歴史コージー+ロマンス+社会風刺。てんこ盛りなのに破綻してないのが凄い。

約250年前のイギリスの習俗――“妻売り”とか、死刑が娯楽化してた時代とか。読みながら「え、マジでこんなことしてたの?」とショックを受けつつ、ティファニーの恋模様にドキドキしてしまう自分。

容疑者が愛する人、という鉄板のジレンマに泣かされました。シリーズとしてさらに育っていきそうな予感大。

『うしろにご用心!』ドナルド・D・ウェストレイク 2025-02-07

留守中の富豪の邸宅に忍び込んだ天才大泥棒。だが投資家は別の事件に巻き込まれ引き返すことに。泥棒と富豪の悪戦苦闘を描くコメディ風のミステリー。

ウェストレイクらしい、軽妙洒脱な泥棒コメディ。

ドタバタしてるのに筋はしっかりしてるから、最後にちゃんと大団円で笑える。新人キャラが意外にいい味出していて、「このままシリーズ化してくれ!」と思ったくらい。肩の力を抜いて楽しめる一冊です。

『闇より暗き我が祈り』S・A・コスビー 2025-02-19

ヴァージニア州の田舎町で牧師が遺体で発見され、地元保安官事務所は自殺と断定。しかし疑念を抱いた信者が、葬儀社を手伝いながら、私的な探偵(のようなこと)をしている元保安官のネイサンに調査を依頼する。しかしその裏には恐ろしく汚れ切った事実が・・・。やがてネイサンにも各方面から圧力がかかる。果たしてネイサンは無事に事件の真相にたどり着けるか。

コスビーの日本デビュー作。いやぁ、渋い!

牧師の死、自殺とされる事件、その裏に潜む町の闇。もう読んでるだけで煙草の煙が漂ってきそうなハードボイルド感。

でもただ暗いだけじゃないんです。元保安官ネイサンと、友人の殺し屋スカンクとの掛け合いがコミカルで救いになる。血の匂いの中にちょっとしたユーモアが混じると、逆に人間臭さが際立つんですよね。

ランキング入りはほぼ確実なんじゃないかと個人的に推してます。

『銃と助手席の歌』エマ・スタイルズ 2025-02-19

高校を退学になったばかりの少女チャーリーは、 金の延べ棒(インゴツト)を盗んだことで姉の恋人と争いになり、彼を殺してしまう。現場に居合わせたナオという大学生の提案で、ふたりは死んだ男の車に乗り、死体を捨て、ハイウェイを走りだす。あとを追ってくるのは何者か? なぜ車には黄金が隠されていたのか? 正反対の性格で、ともに帰る家なき少女たちの共闘を描くクライムサスペンス!

二人の少女が黄金を積んだ車で逃避行――いや、これ青春ロードムービーとしても最高でした。

冒頭の殺人はショッキングだけど、その後の逃亡劇が妙に爽快なんです。ハイウェイを突っ走る二人のやりとりに、ちょっと『テルマ&ルイーズ』を思い出しました。

敵役の“欲望に突き動かされる怖さ”も際立っていて、後半は胃がキリキリ。でも、だからこそ二人の友情が輝く。読後に妙な清涼感すら残るのが不思議でした。

『私があなたを殺すとき』S・J・ショート 2025-02-21

20代で夫を亡くした妻たちの集まり〈ヤング・ウィドウズ・クラブ〉。暮らしぶりも性格も違う3人は毎週必ず会い、多くを乗り越えてきた。それでも言えない秘密はある。アドリアナは婚約し、カイリーは酒が原因で失業、イザベルは顔の傷の報復を誓っている。そして誰もが夫の死の真相をひた隠していた。やがて年若いハンナが仲間になった頃、不審な出来事が起き始め……。過去と秘密が交錯するとき誰かが殺される──二度読み必至作!

これはもう泣いた。

未亡人クラブという設定からして重いのに、登場人物たちの明るさやユーモアで妙に読ませるんです。でもその裏に隠された秘密が暴かれていくにつれ、胸が苦しくなる。

後半の展開では「いや、そっちに行っちゃうのか!」とショックを受けつつも、最後の一撃で涙腺崩壊。サスペンスとシスターフッドをここまで両立させたのは見事でした。

『誰が星の王子さまを殺したのか?』ミシェル・ビュッシ 2025-02-20

「サン=テグジュペリの死の謎を解いてほしい」
カメルーン人の億万長者から依頼を受けた飛行機整備士ヌヴァンと見習い探偵アンディは、世界中に散るサン=テグジュペリの熱烈な信奉者で構成されたクラブ612のメンバーを順番に訪ね、意見を聞くことに。
だが二人が面会したメンバーは、後に次々と不審な死を遂げて……。
フランス・ミステリー界の巨匠が『星の王子さま』の隠された暗号に挑む!

史実ミステリ×文学へのオマージュ。これが想像以上に面白かった。

サン=テグジュペリの死をめぐる謎に「星の王子さま」を絡めていく。正直、最初は“トリビア読み物”くらいの気持ちだったんですが、読み進めるうちにぐいぐい引き込まれました。

「大切なものは目に見えない」という名言を、ビュッシは“ミステリ的に”解釈してくるんですよ。なるほど、その解釈の仕方があったか、と膝を打ちました。

幻想性と現実性が絶妙に絡み合っていて、最後の一章は本を閉じたあともしばらく頭から離れませんでした。

まとめ

2月刊行作だけでも、こんなに豊作だったんですね。

映像的なスピード感、骨太のハードボイルド、文学的仕掛けにコージー系の笑い。どれも個性が違うから、ランキング予想がますます難しい……!

でもそれこそが「このミス予想」の醍醐味。今年も楽しませてもらいました。

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