
仕事の能率を高めたり、自分が知らない自分の可能性を掘り起こしたくなった時に役に立つのが自己啓発本です。
自己啓発本の中には抽象的な言い回しで課題解決をめざす本と、具体的な事例を元に気づきをもたらしてくれるものの二種類があります。
どちらにしても、本を読むことで自分の可能性が広がればいいのですが、できれば読んで終わりではなく、行動につながる本の方が効果的です。
今日の本「世界一のプロゲーマーがやっている 努力2.0」
著者はeスポーツで活躍するプロゲーマー、ときどさんの著書です。
ときどさんの存在は、PHPから2014年に出版された「東大卒プロゲーマー 論理は結局、情熱にかなわない」で読みました。
強くなりたいなら、自分が今負けている理由、勝っている理由を言語化できなければならない。それができたら。もう9割の問題は解決している #努力20 #ときど
— furutani (@kenfru3) January 4, 2020
この本では当時世間にあまり知られていなかったプロゲーマーの道を選んだ若者という視点が強く、ベンチャー起業ものとしても読めましたが、今回は純粋自己啓発の神髄が語られています。
「負け」の中に答えがある
世の中でプロと言われる人は数多くいます。しかし、競争に勝ち残ってトップにとどまり続ける人はそう多くありません。
競争に勝ち残るためには、不断の努力だけではなく、現状分析と改善といった面も必要だからです。
無意識に「格闘ゲームをナメていた」
「勝つための正解だけを追う」。無機質かつデジタルなやり方を続けて袋小路に陥っていた僕にとって、そんな彼らの取り組み方には、たくさんのヒントが隠されていました。
著者のときどさんは、東大卒という肩書きを持つプロゲーマー。本人は著書の中で肩書き無縁と語っていますが、能力と努力の地力を持つ人です。
しかし、そうした人物でも自分の力を見つめ直し、改善を繰り返すことを忘れません。
成果の数はチャレンジの数に比例します。単純に機会が増えれば自然に成果の数も増えます。 #努力20 #ときど
— furutani (@kenfru3) January 4, 2020
希望を叶えるために何をすべきか。たとえば上記のように、チャレンジの数をこなすことと著者は言います。
トップの存在に近づくために勝率をあげることよりも、試合数を増やし勝星を数多く稼ぐことの方が成果に繋がると言うのです。
「努力2・0」は、変化に対応できる方法論
この本を読んで感じるのは、生まれついての才能はなくても、合理的な取り組みを続けることで自分のなりたい存在に近づくことができるということです。

https://ohsuakira.smugmug.com/
僕のプロゲーマー生活は大きな壁にぶつかりました。簡単にいうと、まったくといっていいほど勝てなくなったのです。理由はシンプルでした。環境が変化したことで周囲のプレイヤーのレベルが上がり、それまでの戦い方が機能しなくなってしまったのです。
この本を読み終わって、改めてゲーマーの世界とはスポーツであることを感じました。挫折と復活のストーリーは共通です。
これまでと違うのは、プレイヤーを取り巻く環境が激変していること。たとえば情報が瞬時に伝わるこの時代、わかりやすい「答え」は既にみんなに知れわたっていて、単なる努力だけでは巻き返しはできないのです。
まとめ
勝率より勝ち星を増やせ。負けからまなべ。努力とは歯を食いしばることではない。いやなことはやらない。
こうした言葉は、 どんなに状況が変化しても、陳腐化することはありません。いくつか手元に置いておくと、絶対有利です。
フィールドで汗をかかなくても、ハードトレーニングで体を痛めつけなくても、自分の能力を高めることはできます。
- 「勝利」「正解」「合理性」にこだわりすぎて、行き詰まっている人
- 環境の変化によって、これまでの戦い方では勝てなくなってしまった人
- 情熱だけはあるけれど、どう頑張ればいいのかわからない人
- 歯を食いしばって努力しているのに、結果が出なくて苦しんでいる人
本書が少しでも役立つなら、これほどうれしいことはありません。とときどさんは語ります。
その神髄はビジネスの世界にも共通するメッセージなのだと思いました。