【2025年7月新刊】 海外ミステリー 注目9選|眠れる殺人犯からタイムループ墜落まで

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 海外ミステリー を書きます。

――事件も、秘密も、眠りさえも止まらない。

史上最高の猛暑が続く日本列島。暑気払いにミステリーはいかがですか。

今回お届けする9冊、どれも「え?もうそんな展開に行っちゃうの!?」っていう、心拍数急上昇間違いなしの作品ばかり。

暑い夏こそ、冷や汗と鳥肌で涼しくなりましょう。

2025年7月の新刊・注目の 海外ミステリー 9選

『ロンドン、ドッグパーク探偵団』ブレイク・マーラ(7/30)

ある日の散歩道。

犬が土をクンクンしてるな〜と思ったら…そこにあったのは、人間の死体。

いやいやいや、事件の始まり方が唐突すぎるでしょ!と思ったら、さらにビックリ。死んでいたのは、以前一緒に犬を散歩していた“あの人”だった…。

ルイーズとドッグパークの仲間たちが、飼い犬のように足跡を追いかけながら事件の真相に迫る。

イーストロンドンの風景、犬たちの愛すべき個性、飼い主同士の絶妙な距離感…。

「犬飼いあるある」で笑いながらも、事件はじわじわとシリアスに。まさに犬好き必読のミステリー。

『夜明けまでに誰かが』ホリー・ジャクソン(7/30)

キャンピングカーでの旅行。仲間6人。

…そして、響く銃声。突然の狙撃。車は動けず、夜の闇に閉じ込められる。

「6人のうち誰かが秘密を隠している。夜明けまでに吐け。でないと…」

このシチュエーション、逃げ場ゼロの圧迫感がヤバい。

時計の針が進むたびに友情は削られ、疑心は膨れ上がる。

互いの視線が「敵かもしれない」に変わる瞬間の描写が、もう胃にくる。

アメリカ初版50万部も納得の、張り詰めた一夜。

『眠れるアンナ・O』マシュー・ブレイク(7/29)

眠っている女が殺人犯かもしれない――っていう衝撃設定。

現場でナイフを握ったまま眠り続けるアンナ。4年経っても目を覚まさない彼女の呼吸音だけが、真相へのカウントダウンみたいに響く。

心理学者ベンが彼女の治療を引き受けるけれど、探れば探るほど、事件は奇妙な枝を伸ばし始める。

読んでる間、自分まで夢と現実の境目がわからなくなる感覚があって、最後のひっくり返しで完全に脳を持っていかれた。

Netflix映画化も納得の完成度。

『磔の地』ジェイムズ・リー・バーク(7/29)

米南部。夕暮れの湿った空気に混ざる、長年の沈黙と罪の匂い。

かつて納屋に磔にされた労働活動家の父を持つ女性が、刑事デイヴ・ロビショーを訪ねてくる。

「父の死はまだ終わっていない」――その一言から、過去と現在の事件が連鎖を始める。

サイコパスの暗躍、酒に逃げる地主の娘、そして少女を襲った兄弟の死。

全てが絡まり、まるで泥沼に沈んでいくような読後感。でも、その泥の中に、真実の光が確かに差し込む。

文学性の高さとハードボイルドの渋みが融合した、骨太すぎる一冊。

『魔術師ペンリックと暗殺者』ロイス・マクマスター・ビジョルド (7/22)

平和な日々がある日プツンと切れる音、聞こえましたか?

妻の兄に差し向けられた暗殺者を阻止した瞬間から、ペンリックはセドニアの政争に巻き込まれる。

さらに、死体安置所で死体が動き出す――おいおい、それは魔術の仕業なのか、それとも別の…?

ファンタジー要素とミステリーの融合が絶妙で、「剣と魔法」と「事件解決」の両方を味わえる贅沢さ。

シリーズ4作目だけど、ここからでも十分楽しめる。

『メイドの推理とミステリー作家の殺人』ニタ・プローズ(7/16)

ホテルのメイド主任モーリー。几帳面すぎて誤解されやすい彼女が、またも事件の渦中へ。

殺されたのは有名作家。そしてその作家は、モーリーにとって“因縁”の相手だった…。

現在と過去が交互に描かれ、最後に二つの時間軸がガチンと噛み合う瞬間は、本当に鳥肌もの。

スターク刑事との距離が縮まるバディ感も楽しく、亡き祖母の思い出が心にじんわり沁みる。

事件と人間ドラマ、どっちも堪能できるコージーミステリー。

『運命の男たち』ナディーファ・モハメッド(7/16)

1952年、英国カーディフ。港町の雑踏。

ソマリ人船乗りが殺人容疑をかけられる。証拠はない。あるのは、偏見だけ。

これは実際の冤罪事件に基づく物語。

読んでいて、何度も胸が締めつけられる。

司法が見落とすもの、人々が見ないふりをするもの――その全てが、ひとりの男の誇りを削っていく。

静かだけど、強烈な読後感を残す社会派ミステリー。

『螺旋墜落』キャメロン・ウォード(7/8)

飛行機が午前0時に墜落。

…と思ったら、主人公チャーリーはその1時間前に戻っていた。

墜落を阻止するために動くけど、失敗のたびに“巻き戻しスタート”がどんどん遅くなる。

つまり、チャンスが削られていく。

ページをめくるごとにタイムリミットが短くなっていく緊迫感が、読者まで息苦しくさせる。

タイムループ×ミステリー、好きな人は間違いなくハマる。

『復讐の岐路』J・B・ターナー(7/3)

妻が死んだ。自殺とされた。

でも刑事マクニールは知っている――これは何かがおかしい。

妻はホワイトハウス担当記者で、社交界の不審死に似た経緯をたどっていた。

政治的陰謀、権力の闇、そして揺れる心。

正義のためなのか、復讐のためなのか…その境界で揺れる主人公の葛藤が生々しい。

読み終えたあと、自分だったらどうするか、真剣に考えてしまった。

おわりに

今回の9冊は、舞台も設定もバラバラなのに、どれも「真実を暴くための代償」がずっしり響く。

犬の足跡を追うような小さな一歩から、世界を揺るがす陰謀まで。

この夏、冷房じゃなくて物語の緊張感で涼しくなりたい人に、心からおすすめします。

七月の海外ミステリー

『ロンドン、ドッグパーク探偵団』ブレイク・マーラ 2025年07月30日 

愛犬を連れていつもの公園を散歩していたルイーズと友人は、よりによって人間の死体を見つけてしまう。その場で警察に通報して事態は彼女たちの手を離れた……はずだった。ところが死んでいた男性が、かつての犬の散歩仲間だと判明。放っておけなくなったルイーズは、ドッグパークの友人たちを巻きこんで事件の真相を探りはじめる。犬飼いあるある満載。イーストロンドンを舞台に愛すべき犬たちとその飼い主が大活躍のシリーズ開幕。

『夜明けまでに誰かが』 ホリー・ジャクソン 2025年07月30日 

高校生のレッドは友人3人、お目付役の大学生2人とキャンピングカーで旅行に出かけた。だが人里離れた場所で突然何者かに狙撃され、車に閉じ込められてしまう。午前零時、狙撃者はレッドたちにある要求を突きつける。6人のうちのひとりが秘密をかかえている。命が惜しければそれを明かせ。制限時間は夜明けまで。レッドたちは必死で助けを求めつつ、互いの秘密を探り合うが……。『自由研究には向かない殺人』の著者が放つ、アメリカで初版50万部の傑作サスペンス!

『眠れるアンナ・O』 マシュー・ブレイク 2025年07月29日 

世界35カ国で刊行のベストセラー、Netflix映画化決定! 眠り続ける彼女は殺人犯なのか? 真犯人は……‶眠り″?! アンナ・オグルヴィは将来を嘱望された25歳の雑誌編集長。4年前のある夜、雑誌社を共同で経営していた同僚2人が刺殺され、その現場近くで、ナイフを手にしたまま深い睡眠に落ちていたアンナが発見され、以来彼女は眠り続けている。タブロイド紙に 〝眠り姫〟と呼ばれたアンナの症状は、神経学者には「あきらめ症候群」として知られる珍しい精神疾患だった。 心理学者で、睡眠が関わる犯罪の専門家のベンは、アンナの治療を引き受けることになり、彼女を目覚めさせ刑事責任を問えるか見極めるのが任務だった。だが、過去の事件との関連が判明し、容疑者の子どもである患者Xの存在も明らかになるに及んで、事件は思いもかけない方向へと転がり落ちていく――。 カポーティ『冷血』を思わせる〝ファクション〟が、二転三転し、一気に覆される驚異のクライマックス! 全英の話題をさらった超弩級のデビュー作。

『磔の地』ジェイムズ・リー・バーク 2025年07月29日 

サンセット・リミテッド号の停車駅があるルイジアナ州ニュー・アイビーリア。その町の保安官事務所の刑事デイヴ・ロビショーのもとに、女性写真家ミーガンが訪ねてくる。彼女の父親は、かつて納屋の壁に磔にされて殺害された労働活動家フリンだった。この犯罪は罰せられることなく、無関心や恐怖から見て見ぬふりをした人々はみな沈黙の刻印を背負った。 窃盗罪で拘置中の黒人が看守に虐待されているというミーガンからの情報で、捜査に乗り出したロビショーは、幾重にも交錯する事件に遭遇。 映画の撮影現場で雇われたサイコパスの暗躍、過去の秘密を紛らわせるため酒に溺れる大地主の娘の不審な行動、黒人少女をレイプした白人兄弟の殺害事件……さまざまな事件が表面化し、さらなる悲劇へと連なっていく。 米南部ミステリーの巨匠が高い文学性にハードボイルドの精神性をこめた渾身の代表作がついに日本初紹介。CWAゴールド・ダガー(最優秀長篇賞)受賞作!

『魔術師ペンリックと暗殺者』ロイス・マクマスター・ビジョルド 2025年07月22日 

愛する妻と娘と共に平和に暮らしていたペンリック。だが、そんなささやかな平和も、妻の兄アリセディア将軍に暗殺者が差し向けられたことで、もろくも崩れ去った。“魔”を使っての暗殺を阻止したペンリックだったが、セドニアの政争に否応なく巻き込まれる……。長編「ササロンの暗殺者」に、死体安置所に収容された死体が動き出した事件にペンリックが駆り出される短編「影の結び目」を併録。ヒューゴー賞シリーズ部門受賞シリーズ第四弾。

『メイドの推理とミステリー作家の殺人』 ニタ・プローズ 2025年07月16日 

前作『メイドの秘密とホテルの死体』から四年後、リージェンシー・グランド・ホテルでメイド主任として働くモーリーが、またもホテルで起こった殺人事件を同僚やスターク刑事らとともに捜査し、犯人を突きとめていくコージー・ミステリ。相変わらず多くの人に理解されづらい状況ながらも、今作のモーリーはそれを新たな強みにして、後輩を守り、みずから謎を繙いていくなど、大きな成長を見せる。殺された有名作家がそもそもモーリーと因縁のある人物だったことから、物語は現在とbeforeが章ごとに入れ替わる形式で綴られていき、終盤で両時代のエピソードからパズルのピースが埋まって、事件解決へと至る。わだかまりの残っていたスターク刑事との関係も当初はぎくしゃくしつつもしだいに距離が縮まり、バディさながらになっていく過程が読みどころ。亡き祖母の存在感は、数々の思い出が細やかに綴られるので、前作と比較してもまったく薄れていない。モーリー視点で語られる、プロローグ+本文28章+エピローグ。

『運命の男たち』ナディーファ・モハメッド 2025年07月16日 

1952年、英国カーディフ。殺人事件の容疑をかけられたのは、港町で暮らす若きソマリ人船乗りだった。証拠ではなく偏見が、彼を追い詰めてゆく。実際の冤罪事件に基づき、多文化社会の光と影、司法の不条理、そしてひとりの男の誇りを描ききるブッカー賞候補作

『螺旋墜落』キャメロン・ウォード 2025年07月08日

数学教師チャーリーの乗った旅客機は午前0時に墜落、乗客乗員は死亡した。 だがチャーリーは23:00に目を覚ます。そして機は再び午前0時に墜落した。 次に気がつくと時刻は23:01。彼女はタイムループに囚われたのだ。 墜落を阻止できるのは彼女ただひとり。 だが失敗のたびにループ開始が11:02、11:03、11:05、11:08と繰り下がってゆく――。

『復讐の岐路』J・B・ターナー 2025年07月03日

不正を憎む刑事マクニールの妻が遺体で発見された。妻はホワイトハウス担当記者だった。死因は自殺とされるが、かつて社交界で起きた不審死に似ていた。政治的陰謀を疑い、捜査をはじめたマクニールは自問をする。自分を駆り立てているのは、正義か、復讐か

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