文化も常識も飛び越える、予測不能な物語が魅力の翻訳ミステリー。
年末恒例「このミステリーがすごい!」海外編の発表を前に、2025年も傑作が揃いました。
社会問題を鋭く抉る重厚なサスペンスから、奇抜な設定で読者の度肝を抜く特殊設定ミステリーまで、あなたの価値観を揺さぶる作品が目白押しです。
この記事では、世界中のミステリーファンを唸らせた注目作を厳選してご紹介。一足先に、世界基準の傑作に触れてみませんか?
このミステリーがすごい!2025年版のランキングをまとめました。
- このミステリーがすごい! 2026年版 国内編 ベスト10
- 第1位『私立探偵マニー・ムーン』リチャード・デミング (2025-06-25)
- 第2位『マーブル館殺人事件』アンソニー・ホロヴィッツ (2025-09-11)
- 第3位『ハウスメイド』フリーダ・マクファデン(2025年08月20日)
- 第4位『罪の水際』ウィリアム・ショー(2025.04.23)
- 第5位『夜明けまでに誰かが』ホリー・ジャクソン (2025年07月30日)
- 第6位『デスチェアの殺人』M・W・クレイヴン (2025年09月18日)
- 第7位『イーストレップス連続殺人』フランシス・ビーディング (2025/6/1)
- 第8位『アルパートンの天使たち』ジャニス・ハレット (2025-01-09)
- 第9位『世界の終わりの最後の殺人』スチュアート・タートン 2025-03-12
- 第10位『ヴァイパーズ・ドリーム』ジェイク・ラマー (2024/11/2)
このミステリーがすごい! 2026年版 国内編 ベスト10
第1位『私立探偵マニー・ムーン』リチャード・デミング (2025-06-25)

正統派のハードボイルド探偵小説なんですけど、実はこれ1940年代に書かれてるんです。驚きですよね。主人公は義足の探偵マニー・ムーン。義足っていうだけで、すでにキャラ立ちしてる。
冒頭からテンポがいいんですよ。依頼人の弁護士に呼び出されて事務所に行ったら、いきなり殺されてるんです。「おいおい、待ってくれよ!」って、ページめくる手が止まらない。
で、マニー・ムーンがまた洒落たセリフを吐くんですよ。これがカッコいい。ハードボイルドっていうと渋いオッサンの煙草の煙みたいなイメージあると思うんですけど、ここにはちゃんと本格的な「謎解き」の要素もあって、ラストに関係者を集めて推理を披露する王道スタイル。これがもう最高。
読後、「こういう高品質のB級映画風作品って、いいなぁ」って思いました。心にずっと残るわけじゃないんだけど、その瞬間、最高に楽しい。映画でいうと『ダイ・ハード』観終わった後の爽快感に似てます。
第2位『マーブル館殺人事件』アンソニー・ホロヴィッツ (2025-09-11)


ギリシアでの生活に区切りをつけ、ロンドンに帰ってきたわたし、スーザン・ライランド。フリーランスの編集者として働いていたところ、予想だにしない仕事が舞いこんできた。若手作家が名探偵〈アティカス・ピュント〉シリーズを書き継ぐことになり、その編集を依頼されたのだ。途中までの原稿を読んだわたしは、作者が新作に自分の家族関係を反映しているのを感じる。ということはこの作品のように、現実世界でも不審な死が存在したのか? 『カササギ殺人事件』『ヨルガオ殺人事件』に続く傑作登場!
第3位『ハウスメイド』フリーダ・マクファデン(2025年08月20日)

手にした仕事は一見夢のハウスメイド。
だけど、家の中は奇妙な言動ばかりで、まるで牢屋のような部屋があって…。
ミリーの恐怖がじわじわ増していく過程、夜に響く足音や暗い廊下の描写はまるでホラー映画のワンシーン。後半のどんでん返しは震えました。
第4位『罪の水際』ウィリアム・ショー(2025.04.23)

心的外傷後ストレス障害で休職中の女性刑事アレックスがランチタイムに遭遇したのは、花嫁ふたりの同性婚パーティ。そこへ山刀を隠し持った中年女性が乱入し、片方の花嫁に向かって「人殺し!」と叫ぶ騒動を引き起こす。中年女性は、一方の花嫁の元夫が7年前に行方不明になり妻に殺されたのではないかと疑う、母親だった。アレックスの介入によって事なきを得たが、これは複雑に入り組んだ悲劇のたんなる発端に過ぎなかった……。ケント州の海沿いの町ダンジェネスを舞台に、7年前の行方不明事件、夫婦惨殺事件、町民を巻き込んだ大規模な投資詐欺、そして意外な犯人像と意外な結末。‶イングランドの砂漠〟と呼ばれる町を舞台に複雑な人間ドラマを紡ぎだす、CWA(英国推理作家協会)最優秀長篇賞(ゴールド・ダガー)最終候補作品。
第5位『夜明けまでに誰かが』ホリー・ジャクソン (2025年07月30日)

キャンピングカーでの旅行。仲間6人。…そして、響く銃声。突然の狙撃。車は動けず、夜の闇に閉じ込められる。「6人のうち誰かが秘密を隠している。夜明けまでに吐け。でないと…」
このシチュエーション、逃げ場ゼロの圧迫感がヤバい。
時計の針が進むたびに友情は削られ、疑心は膨れ上がる。互いの視線が「敵かもしれない」に変わる瞬間の描写が、もう胃にくる。
アメリカ初版50万部も納得の、張り詰めた一夜。
第6位『デスチェアの殺人』M・W・クレイヴン (2025年09月18日)


カルト教団の指導者が木に縛られ石打ちで殺された。聖書の刑罰を模した奇妙な殺害方法に困惑するポー。さらに遺体には、分析官ブラッドショーにも分からない暗号が刻まれていた。事件の鍵はカルト教団にあると推測する二人。一方でポーの所属する重大犯罪分析課に上層部から嫌疑がかかり、スパイが送りこまれる。チーム解体の危機が迫る中、ポーたちは捜査を開始するが……。大人気英国ミステリ、衝撃のシリーズ第六作。
第7位『イーストレップス連続殺人』フランシス・ビーディング (2025/6/1)

風光明媚なノーフォーク海岸沿いの保養地イーストレップスで、老婦人が友人宅を訪れた帰りにこめかみを刺されて殺害される。
続けて第二、第三の殺人が同様の手口で繰り返され、街は謎の殺人鬼「イーストレップスの悪魔」の影におびえることに。
地元警察はついに有力な容疑者を確保するに至るのだが……。
第8位『アルパートンの天使たち』ジャニス・ハレット (2025-01-09)

調査資料形式で構成された異色作。メールやメモ、報告書を積み重ねることで、カルト教団事件の全貌が浮かび上がる。読んでると自分も調査員になった気分になります。
ただね、前作に比べて少し“もう一押し”が欲しかったのも事実。
途中まではゾクゾクする展開なのに、真相が明かされた瞬間「あれ、こんなもの?」という拍子抜け感が残りました。
とはいえ、形式に縛られず新しい語りを模索している姿勢はやっぱり魅力的。実験的な試みとして評価されるべき一作です。
第9位『世界の終わりの最後の殺人』スチュアート・タートン 2025-03-12

突如発生した霧により、世界は滅亡した。最後に残ったのは「世界の終わりの島」、そこには100名を超える住民と、彼らを率いる3人の科学者が平穏に暮らしていた。沖には霧の侵入を防ぐバリアが布かれ、住民たちはインプラントされた装置により〈エービイ〉と名づけられたAIに管理されていた。 だがある日、平穏は破られた。科学者のひとり、ニエマが殺害されたのだ。しかも住民たちは事件当夜の記憶を抹消されており、ニエマの死が起動したシステムによってバリアが解除されていた。霧が島に到達するまで46時間。バリア再起動の条件は殺人者を見つけること――。 果たして「世界の終わりの島」に隠された秘密とは? そして真犯人は誰なのか? 人格転移タイムループ館ミステリ『イヴリン嬢は七回殺される』、海洋冒険ホラー歴史ミステリ『名探偵と海の悪魔』に続く鬼才スチュアート・タートンの第3作。特殊設定メガ盛りで読者に挑戦するポストアポカリプス犯人捜しミステリ!
第10位『ヴァイパーズ・ドリーム』ジェイク・ラマー (2024/11/2)

1961年、ニューヨーク。ジャズ全盛のハーレムで最も怖れられる麻薬密売人クライドはその日、自身が犯した殺人を後悔していた。殺しは今夜で3度目だが、悔いたのははじめてだった。自責の念に沈むさなか、ジャズ界の庇護者パノニカから「3つの願い」を訊かれ、因縁を探る彼の思索は遠い過去へと跳ぶ。1936年にトランペッターを志し田舎からひとり大都会に出てきてからの日々、そして愛する歌姫に出会ってからの日々へと……。
1930年代から60年代、マイルス・デイヴィス、チャーリー・パーカー、セロニアス・モンクが活躍したあの激動の時代を、ハメットの衣鉢を継ぐ文体で描ききる、虚実混交のノワール。
「このミステリーがすごい!」
— 有隣堂【公式】 (@Yurindo_store) December 5, 2025
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【国内編】
🥇第1位『失われた貌』/櫻田智也
【海外編】
🥇第1位『私立探偵マニー・ムーン』/リチャード・デミング
店頭でぜひチェックしてみてください! pic.twitter.com/fNIw3nYkMh



こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 このミステリーがすごい ! を書きます。※本ページにはPRが含まれます