
番組作りをしていると、たまに各界のトップランナーの方お話を伺う機会があります。
いいお話を聞き出すためには予習をしなくてはなりません。予習とは質問を用意することです。質問のつくりかたによっては、より深い話を掘り当てることができるのです。
質問をまとめるときに欠かせないのがゲストが過去に書いた著作物です。トップランナーであればあるほど、話の引き出しを持っています。引き出しの中には聞く人の心に響く事例と豊かな見識が隠されています。
心。
つねに経営の第一線を歩きつづけた著者が、心のありようと、人としてのあるべき姿を語り尽くした決定版。
よりよい生き方を希求するすべての人たちに送る、「稲盛哲学」の到達点。
次世代への伝言を思わせる記述が見られるように、稲盛さん自身の終活宣言ともとれる内容です。逆境を乗り越えてたどり着いた境地が質素な表現で語られていて、ビジネス関係者に止まらず迷いを抱える人の指針になりそうです。
老境に入り、仏門を叩いた稲盛さんの胸をよぎるのは、利他の心だといいます。利他の心とは、自分の人生に恥じない生き方というのでしょうか。きわめてシンプルな価値観です。
新素材の開発や、企業の再生など複雑な世界を見続けてきた人が、到達した真実とはシンプルな世界だったという点では、アップルのスティーブ・ジョブスを想起します。
稲盛さんの書籍には120万部を超えた「生き方」があります。今回発表された本は、自身の経験をもとに培われた軸になる考えがまとめられています。
一部「心。」と内容が重なっている部分もありますが、比較して読むとおよそ10年前に稲盛さんがなにを感じ、どのように行動してきたのか、年齢とともに変化する心の内を伺うことができます。
ビジネスの極意を学びたい人には「生きる」を諸毒するのをお勧めします。「生きる」では、稲盛さんの生き方を貫く人生の方程式が詳しく述べられているからです。
考え方×熱意×能力=人生・仕事の結果
普通の人間が自分の持つ力以上の結果を出すことができるのはなぜか。反対に能力がある人間が結果を出せないのはなぜか、考え続けた末に到達した稲盛さんの結論です。
人生・仕事の結果は、考え方×熱意×能力という一つの方程式で表すことができます。 「能力」とは、知能や運動神経、あるいは健康などがこれにあたり、両親あるいは天から与えられたものです。 「能力」に「熱意」という要素が掛かってきます。
かけ算というのがポイントです。いくら熱意があり、能力が高くても、人としての考え方を誤るとマイナスが加算されます。
このバランスが大切なのだという点は、ビジネスに限ったことではありません。
生きている限り人生を輝かせるチャンスは残されています。失敗してもそこをスタートラインにすればいいのです。
「人間として正しいことを正しいままに貫く」表題の”心。”には稲盛さんの精神が象徴されているように思います。
週刊ダイヤモンド
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