なにもしないことが最高のサービスになる逆転の視点

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。

番組づくりに欠かせないのは、あたらしい出来事と動きです。あたらしい出来事とは「サムシング・ニュー」と呼びます。出来事の新しさもさることながら、切り口の新しさなども含めます。なにそれと思わせるような提案ができれば最高です。

次に必用なのは”動き”です。テレビは動きを伝えるのが得意です。反対に動かないモノを伝えるのは苦労します。

そんなテレビ万の注目を集めたのが、なにもしないことを売り物にした人の話題。その続編が出版されました。

〈レンタルなんもしない人〉というサービスをはじめます。: スペックゼロでお金と仕事と人間関係をめぐって考えたこと

大人こそ、自由に生きていいんじゃないだろうか。謝罪の見守り、お見舞い、離婚届提出の同行、ただ話を聞いてほしい…かくもユニーク、かつ切実な依頼の数々を通して新しい生きかたを探る、驚きに満ちた思索の書。

著者の名前は”なんにもしない人”。もちろんペンネームですが、サービスのあり方を背負った類を見ないブランドネームになりました。

なんにもしない人さんが知られることになったのは、NHKで放送しているドキュメント72時間です。ある場所や、テーマに72時間こだわって、そこに集う人を掘り下げた人間ドキュメンタリーです。

ふつうのテレビ番組は、何ヶ月前に企画が採択されてから制作がはじまります。綿密な取材や許可の取得、事実の確認などもさることながら、番組のストーリーまであらかじめ見通しをたてながらすすめます。

番組を見終わった視聴者が納得して貰うためにはなにが言いたかったのかが分かるように構成しなくてはなりません。しかし、作り手側が用意した「予定調和」の結論は、目の肥えた視聴者からは易々と見透かされる時代となりました。

この反省の上に立った挑戦がドキュメント72時間のテーマだといいます。

その番組の中で、ひときわ異彩をはなったテーマがなにもしない人さんが登場した回でした。

訪ねてきた依頼者はさまざまな問題を抱えています。依頼に応えるなにもしない人さんは、文字通りなにもしません。それでも依頼者はお金をはらっててせもそのサービスを受けて満足するのです。

見終わって、これは何かの宗教的なものなのかも知れないと感じました。もちろん宗教には説法や御利益といった精神的な従属感が情報として提供され、つりあいが撮れるのですが、この場合はそんなやりとりもありません。

著者は語ります。

活動理念『人や社会に役に立ちそうにない人でも、ストレスなく生きれる世の中に。』わりと本気で思っている。

おそらくこのサービスは属人的なもの。やる気と熱意と信用と、相手に対するリスペクトがないと成立しないものでしょう。

モノが溢れかえる時代。ミニマリズムに象徴されるようなモノに執着しない暮らしの広がり。孤独死が象徴する人の繋がりの希薄化。さまざまなイメージがなにもしない人さんのサービスを通じて、受け手の価値観を問い直します。

週刊ビジネス誌は、年金2000万円問題を受けて資産運用特集です。

週刊東洋経済

2019年6月29日号、新刊新書サミング・アップリストはこれだ。

  • 実行力 結果を出す「仕組み」の作りかた
  • ルポ 人は科学が苦手 アメリカ「科学不信」の現場から
  • フェイクウェブ
  • ネトウヨとパヨク

実行力 結果を出す「仕組み」の作りかた

人心掌握・課題解決・マインドセットetc.4万8000人の組織を動かしてきた橋下流「君主論」の全思考!

ルポ 人は科学が苦手 アメリカ「科学不信」の現場から

「人は科学的に考えることがもともと苦手なのではないか」――。
全米各地に取材に出かけ、人々の声に耳を傾けていくと、
地球温暖化への根強い疑問や信仰に基づく進化論への反発の声があちこちで聞かれた。
その背景に何があるのか。
先進各国に共通する「科学と社会を巡る不協和音」という課題を描く。

フェイクウェブ

社会をより豊かにすると信じられてきたインターネット。ところが今や個人や企業を操り、その情報や資産を奪おうとする「フェイク」があふれている。ネットの闇に潜むサイバー攻撃者の手口を、セキュリティ対策企業の現役トップが徹底解説。誰もが被害者になりうる時代の必読書。

ネトウヨとパヨク

「すべて中韓の陰謀だ」「いや諸悪の根源は現政権だ」―無知に気付かず、自らの正義を疑わず、対話を拒否し、ひたすら他者を攻撃する。ネット上で日常的な光景となった罵り合いの主役が、ネトウヨとパヨクだ。時に世論をも動かす彼らの影響は、今や中高生にまで及びつつある。眩暈のするようなおかしな論理や、無尽蔵のエネルギーはどこから生まれるのか。行動原理や心理を読み解き、建設的な議論への道を探る。