2022年11月の 国内ミステリー ベスト5

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 国内ミステリー を書きます。

書店は本との出会いの場。しかし、新刊や旧作、ベストセラーと並んだ中からどんな作品を選んだらよいか悩む人も多いのではないでしょうか。

おすすめ国内ミステリーを月別にご紹介します。

2022年11月発行の国内ミステリー

2022年11月に発売された国内ミステリー小説をご紹介します。

  • 「特殊清掃人」中山七里
  • 「栞と噓の季節」米澤穂信
  • 「教誨」柚月裕子
  • 「そして、よみがえる世界。」西式豊
  • 「闇の聖域」佐々木譲

さてこの五冊は年間ベストに入るでしょうか。

「彼女たちのいる風景」

私たち、38歳。全てが順風満帆にすすんでいる、はずだった。 出産によって「マミートラック」に追いやられてしまった凜。 シングルマザーとして、発達障害の子供を抱え貧困から抜け出せずにいる響子。 週刊誌のサブデスクまで上り詰めがらも、不妊治療がうまくいかない美華。 月一回のランチ会で愚痴をこぼすことでストレスを解消していた私たち。 いつの間にか「本当の悩み」は避けるようになっていた―。 相手を見下すことでしか自分の人生を肯定できない「私」は心が汚れているのだろうか。 「女」、「妻」、「母」。 役割を背負わされ、反発しながらも生き抜く、三者三様の戦い。

「十津川警部と七枚の切符」

西村京太郎×七人の精鋭作家たち 「振り子電車殺人事件」ほか、素敵なトラベルミステリの世界へ案内する短編集! 付録として、西村京太郎氏の元担当編集者による鼎談を収録。

「古事記異聞 陽昇る国、伊勢」

神社の屋根にある千木、鰹木。一般的には、その形や数で祀られているのが、女神か男神かわかるとされるが、伊勢ではそれはあてにならない。女神を祀る神社が男神仕様であったり、またその逆も数多く存在する。日枝山王大学民俗学研究室の院生・橘樹雅は、学会出席のため三重へ向かう准教授・御子神伶二に同行。はじめての伊勢で大きな衝撃を受ける。

「心霊探偵八雲 INITIAL FILE 幽霊の定理」

特殊設定×推しキャラ×どんでん返しの神業ミステリー! 電脳空間に暗躍する謎の人物を、心霊透視と数学解析の異能バディが迎え撃つ。 カバー画・遠田志帆 「幽霊は人間の脳によって生み出される」―数学者フェルマーの名を騙りネットに現れる怪しい3D映像。幽霊マンションの怪、女子学生寮のポルターガイスト現象、老教授宅で深夜に鳴るピアノ……。幽霊を透視する大学生・斉藤八雲と、数学の天才である准教授・御子柴岳人が対峙する複雑怪奇な連続事件。電脳空間に暗躍する謎の男の正体とは? 八雲シリーズの最高傑作が登場!

「文豪と怪奇」

あの文豪も「おばけずき」!怪談の第一人者が綴る、文豪×怪奇の世界の魅力 なぜ、文豪たちは「おばけ」が好きなのか!? 文豪たちが遭遇したリアルな怪異エピソード×アンソロジー×評伝・読書ガイドのトリプル構成で迫る、誰も知らない、文豪の世界。 史上名高い文豪たちは、何故かそろって「おばけずき」だった! 怪奇譚の側面から文豪の生涯・著作を紐解いた画期的文豪案内。 文豪の人生そのものと「怪奇」との関わりを追求した、メイン本文パートである評論エッセイ(文豪たちが遭遇したリアルな怪異エピソード多数!)、かれら自身の言葉で「怪奇」の世界、著作のエッセンスを堪能できるミニ・アンソロジー(懇切丁寧な書き下ろし解題付き)、更に世界を深め読み手の世界を広げる評伝・読書案内で、各文豪の魅力に迫る! 図版も多数掲載。

「オイディプス症候群」

第3回本格ミステリ大賞受賞作! 嵐で孤立した島で起きた ギリシア神話をなぞるような 奇怪な連続殺人の真相とは? 矢吹駆シリーズ中の白眉 謎の病に罹患したウイルス学者フランソワから預かった資料を、ナディア・モガールと矢吹駆は、フランソワの師マドック博士に届けるべくエーゲ海のミノタウロス島に渡る。島の館には十人の男女が滞在することになるが、嵐で島は孤立、ギリシア神話をなぞるように装飾された客の死体が次々に発見される! 奇怪な連続殺人の真相は? シリーズ中の白眉。第3回本格ミステリ大賞受賞作。

「タスキメシ 五輪」

己との闘いの舞台は、いよいよ世界へ! 己との闘いは、続いていく・・・・・・・。 箱根駅伝を終えた千早は食品会社に就職。その会社から東京五輪選手村食堂に派遣され、偶然コーチ早馬の初恋の人、都と仕事仲間に。 主将として初出場が叶った4年次の箱根駅伝では、最後の最後で「努力に裏切られた」千早。東京五輪選手村食堂では、裏方として世界のアスリートたちを支えるが、目の回る忙しさの中、自分の仕事への情熱が呼び起こされていく。駅伝では「努力に裏切られた」が、「裏切られた後の景色も悪くない。裏切られた俺は、今、頑張ってます」と言えるまでに成長していく。前半の「祈る者」は臨場感溢れ、読み手の心をつかんで話さないお仕事小説。 一方、眞家春馬はパリ五輪を視野に入れ世界陸上に参戦。兄早馬との関係や、世界を相手に挑戦を続けるアスリートの心象風景が描かれる、後半の「選ぶ者」。春馬、そして高校時代、大学時代ともにライバル関係だった選手・助川、藤宮らはアスリートとして悩み、葛藤を繰り返しながらも競技生活を続けている。彼らの自分との闘いは、やがて、世界へ・・・・・・。

「秋雨物語」

生きながら、地獄に堕ちるということ――。恐るべき新シリーズ始動! 失踪した作家・青山黎明が遺した原稿。それは彼を長年悩ませる謎の転移現象の記録だった。転移に抵抗する青山だったが、更なる悪夢に引きずり込まれていく(「フーグ」)。ある呪いを背負った青年の生き地獄、この世のものとは思えないある絶唱の記録など、至高のホラー4編による絶望の連作集。『黒い家』『天使の囀り』『悪の教典』……いくつもの傑作を生み出した鬼才・貴志祐介が10年以上にわたり描き続けた新シリーズが遂にベールを脱ぐ。

「PD 検察の犬たち」

天才か、稀代のペテン師か。 東日新聞社役員の西岡は、会社絡みのある通夜席で、久しぶりに販売局お客様センター窓口の折原と顔を合わせる。折原は、かつて西岡が地検特捜部担当になった頃、他紙を凌駕する存在だった。 彼を中心に据えた東日検察回りの面々は、一連のゼネコン疑獄報道の果てに巨悪に辿り着く。だがその栄華も長くは続かなかった。折原はある出来事を機に記者職を追われてしまう。 空前の東日スキャンダルが、折原を起点に発覚したのは、ふたりが酒を酌み交わしてからまもなくのことだった。

「悪い麗人」

伯爵家の次男坊である黛望(まゆずみ・のぞみ)は、報酬を取らずに探偵を請け負う酔狂な男。その助手は、成金の不良息子にして恋多き美男、牧野心太郎。今回二人が巻き込まれるのは、カフェーの女給が殺される場面を映した活動写真の噂、男を喰い殺す南洋の魔女の誘惑、華族の子息と絶世の美少年の男色スキャンダル、街中に現れる巨大な肉塊の謎……伯爵と成金バディが退廃薫る帝都東京の怪事件を追う!

「教誨」

女性死刑囚の心に迫る本格的長編犯罪小説! 幼女二人を殺害した女性死刑囚が最期に遺した言葉―― 「約束は守ったよ、褒めて」 吉沢香純と母の静江は、遠縁の死刑囚三原響子から身柄引受人に指名され、刑の執行後に東京拘置所で遺骨と遺品を受け取った。響子は十年前、我が子も含む女児二人を殺めたとされた。香純は、響子の遺骨を三原家の墓におさめてもらうため、菩提寺がある青森県相野町を単身訪れる。香純は、響子が最期に遺した言葉の真意を探るため、事件を知る関係者と面会を重ねてゆく。

「孤高の血族」

仙台郊外に立つ「医療法人社団清光会中東北総合病院」。 婿養子で入った病院を一代で日本トップクラスの総合病院にした池田利宗と、 出来損ないの次男として育ちながら、天才的な経営手腕を発揮し、 時に手段を選ばずに病院とグループ企業をさらに大きくした池田利雄。 父子二代を中心としながら、家族の確執、大病院の栄華とその躓きを描く長編小説。

「みみそぎ」

その怪談を耳にしてはいけない――。最恐の怪異譚が、現実を侵食する。 作家の「僕」のもとに、旧知の編集者・三間坂秋蔵から、あるノートが送られてきた。ノートに綴られていたのは、怪奇を愛した三間坂の祖父・萬造が記したと思われる怪異の記録だった。読むことで障りがあるかもしれない――そう思いつつも一読した僕は、予想を超える内容に戦慄することになる。その理由は、本書を最後まで読んで確かめてみてほしい。本書には萬造のノートの一部と、ノートを読んだ三間坂の身に起こった出来事がまとめられている。もちろん途中で止める自由が読者にはある。

「MAMA 完全版」

伝説的傑作『ミミズクと夜の王』に続く、【人喰い三部作】第二部。 その夜、魔物が手に入れたのは、彼だけのママだった。 海沿いの王国ガーダルシア。トトと呼ばれるその少女は、確かな魔力を持つ魔術師の血筋サルバドール家に生まれた。しかし、魔術の才に恵まれず、落ちこぼれと蔑まれていた。そんなある日、神殿の書庫の奥に迷い込んだ彼女は、数百年前に封印されたという〈人喰い〉の魔物と出会い――。 「ねぇ、ママって、なに?」これは、人喰いの魔物と、彼のママになろうとした少女の、切なくも愛おしい絆の物語。 全編に亘り修正を加え、王国の末姫の回想を描いた掌編「黒い蝶々の姫君」を初収録。

「神様の絆創膏」

貴方の心の傷に、優しく 絆創膏を貼ってくれる。 東京は浅草に建つ、小さくも美しい日和神社には、ある伝説が残っている。 はるか昔。人間に助けられた猫が恩返しをするために、町が洪水に襲われるのを住民に知らせて救った、という。 時は現代。隣接する春日野病院に通院する人々が、日和神社を訪れる。乳房を切除することになる女性、うつ病になった高校生、父親が脳梗塞に倒れた役者志望の若者……。 心に悩みを抱えた彼らは、神社と猫がとりもつ不思議な縁によって、心の傷を癒やし、幸せを見つけていく――。

「感染捜査 黄血島決戦」

人とゾンビ化する悪夢のウイルス・HSCC。ウイルスを誕生させた罪を背負う女性刑事と海上保安官は、絶海の孤島で再びゾンビと対峙する。引き裂かれた父娘の再会は、悲劇の終わりか始まりか――ノンストップアクション第2弾!

「グッドナイト」

ぐっすり眠れるなら、死んでも構わない。 入居しているのは、眠りに問題を抱える人ばかり。 騙りの名手が仕掛ける、不眠と悪夢の「グランドマンション」へようこそ。

「陥穽の円舞曲 最新ベスト・ミステリー」

ミステリーの最前線で驚きと興奮が響き渡る! 豪華15作家による珠玉のアンソロジー上巻。青崎有吾、芦辺 拓、阿津川辰海、有栖川有栖、織守きょうや、恩田 陸、加納朋子、今野 敏、澤村伊智、斜線堂有紀、白井智之、辻堂ゆめ、長岡弘樹、麻耶雄嵩、矢樹 純。

「ゴッホの犬と耳とひまわり」

古いフランス製の家計簿に書きこまれた膨大な文書を翻訳してほしい、と文化人類学者河島からの依頼。最後にVincent van Goghと署名があって、ゴッホ直筆かもしれない。しかも署名付き家計簿は二冊存在するという。贋作ならば、なぜ複数必要だったのか。ぼくは翻訳を進めるいっぽう、家計簿の来歴を追った。だが、謎は深まるばかりだった。

「地羊鬼の孤独」

はじまりは中国妖怪を模倣した連続猟奇殺人事件だった。 密室、呪術、バラバラ殺人……謎と怪異が溶け合う未知のホラーミステリー 全裸遺体の入った棺が、市内で次々に発見された。動機の見えない一連の殺人を繋ぐものは、現場に残された中国妖怪「地羊鬼」の名前のみ。新米刑事・八木沢は、警部補・林原とコンビを組み、捜査を進めるが、事件の全容はもはや人間の手に収まらないものになっていたーー。

「息をつめて」

都会の片隅でひっそりと暮らすひとりの女。何かから逃れるように、孤独な日々を送る。パチンコ景品交換所、連れ込み宿の清掃、訪問介護の現場。仕事を転々とする彼女にも、かつて幸せな暮らしがあった。充実した日々は、ある違和感から少しずつ壊れていく。そして、ついにある事件を発端に、彼女の人生は破滅するーー。衝撃の問題作。

「ひとり旅日和 福招き!」

仕事も恋も、 そして旅だって120%楽しみたい! おひとりさま満喫小説 温泉、プラネタリウム、神社仏閣、水族館! 絶景に心を奪われる!! 日和は会社の社長のすすめで行ったひとり旅にはまり、 東京~長野~名古屋の「一筆書きの旅」に出るまで成長した。 旅を重ねるごとに自信が付き、仕事にも恋にもいい影響をもたらしている。 しかしある日突然、旅欲がなくなってしまった。これまで純粋に楽しんできたつもりが、 現実から「逃げるため」に旅をしていたのかもしれない、 と落ち込んでしまう。日和は悩みながらも、高知、愛媛、宮崎、鹿児島へ向かうが――。

「ギフテッド」

賢い子どもに生まれたって、強く生きられるわけじゃない。 賢い子どもを産んだって、簡単には育てられない。 高い知能を持つことは、神様からのギフト? それとも試練? 国内トップの大学を卒業し一流企業に就職したものの退職、現在はフリーランスの翻訳者として慎ましく暮らす凛子。 姪の莉緒は、読書と昆虫が大好きで論理的思考が得意だが、融通が利かずコミュニケーションに難がある、危うい小学生だ。 莉緒の中学受験に伴走することになった凛子は、周囲の期待にうまく応えられなった自分の半生を振り返るーー

「黒石 新宿鮫Ⅻ」

それはシリーズ最凶最悪の殺人者――。 冷酷な〝敵〟認定で次々に出される殺人指令を受け、戦慄の手段で殺人を続ける〝黒石〟。どこまでも不気味な謎の相手に、新宿署・鮫島刑事が必死の捜査で挑む! 未体験の迫力で一気読み必至の傑作長編

「Missing13 神降ろしの物語〈下〉」

シリーズ累計150万部! 伝奇ホラーの超傑作、真に、完成す。 ――“ともだち”が、来るよ。文芸部の物語は、終着地へ。 神隠しの少女、あやめ。神隠しに遭い、戻ってきた空目恭一。その空目を護ることを誓った村神俊也。呪われた血を持つ木戸野亜紀。愛のために友を裏切った近藤武巳。近藤のことをただ慕う日下部稜子。呪われた土地に立つ聖創学院。異界の到来を望む魔女、十叶詠子……。 すべての因果が揃った時、かつて神が棲んだ山から、“それ”がやって来る――。 鬼才、甲田学人が放つ伝奇ホラーの超傑作。クライマックス他、最重要シーンを大幅加筆修正の末、堂々完結!

「後宮の検屍女官4」

帝の寵妃殺害に加担したとして、掖廷令・延明が投獄されたー。衝撃の報せに後宮中が揺れる中、検屍女官こと桃花は、彼を冤罪から救うために立ち上がる。妃は呪殺されたとされており、桃花は検屍を通じて死の真相を究明しようとする。だがそのとき、延明が獄中で新たに殺人を犯し、みずからも命を絶ったという報が入り…。幽鬼事件から始まった後宮に渦巻く陰謀の正体、そして寵妃の死の真相とは?全てが明かされる驚愕の第4巻。

「LAST 東京駅おもてうら交番・堀北恵平」

ついに完結!時代を超えた猟奇殺人を追う、大人気警察シリーズ最終巻。 明らかになりだす、昭和と令和をまたぐ猟奇殺人事件。 柏村の後輩刑事・永田、謎の雑誌記者・明野はどこへ消えたのか。 柏村が生んだという「怪物」とは誰なのか……。 鑑識の桃田、資料課の浦野とともに死体売買組織「ターンボックス」の親玉を追うなか、 再び昭和のうら交番へ向かうこととなった平野と恵平。 「うら交番ヘ行った警察官は一年以内に命を落とす」 ……二人のもとに、運命の時が訪れる。 大人気警察シリーズ、ついに完結!

「いつかこの失恋を、幸せにかえるために」

名手中村航の恋愛ロードノベル 就活苦戦中の大学生・なつきは、社会人の彼氏・亮平との将来を夢見ながら北海道旅行を計画、楽しい夏休みになるはずだった。でも待ち合わせ場所に彼は来ず、スマホには「別れよう」のメッセージが……! 皮肉にもそこは「幸福駅」。突然の失恋に呆然とするなつきは、母を喪った不思議な父子と遭遇、一緒に旅をすることになった。帯広から襟裳岬、釧路へ――喪失を抱えたなつきと父子が旅の果てで見たものとは? 

「あやかし民宿の愉怪なおもてなし」

あやかしとの出会いが僕の人生を変えていく。愉怪痛怪奇怪なお宿、開店です ほんの少しでも悪意を持って見た相手を、体調不良にさせてしまう「呪いの目」を持つ孤独な少年・夜守集(やもり しゅう)。 高校進学を機に、妖怪の町・鳥取県境港市にある、祖母が経営する民宿「綾詩荘(あやしそう)」に居候することに。 しかしそこは、あやかしも泊まれる宿だった! 祖母に上手く丸め込まれ、宿で働くことになった集はある日、フクロウの体に幼い男の子の魂が憑いたあやかし「たたりもっけ」と出会う。 自分の死を理解できないまま、この夜を彷徨う彼に、集はもう一度家族に会わせてあげたいと奮闘するが――。 のんびりゆったり居候……のはずが、手のひらサイズのお部屋掃除に、10メートルの布団干し!? 愉怪で奇怪なお宿、営業中です!

「探偵の探偵 桐嶋颯太の鍵」

「探偵を追う探偵」の物語、衝撃のスピンオフ! 女子大生の璃香はアルバイト先であるガールズバーの太客から執拗なつきまとい行為を受けていた。相手の弱みを握るため探偵を雇うが、向こうも探偵を雇っており予期せぬ反撃に遭う。一縷の望みを託し、救いを求めたのは中堅調査会社「スマ・リサーチ」の対探偵課に所属する桐嶋颯太だった。桐嶋の活躍で事態は収まった――かと思われたが、一転して大きな悲劇が訪れる……。人気シリーズの帰還にして新たな物語、開幕!

「FIND 警察庁特捜地域潜入班・鳴瀬清花」

全てを失った女性刑事が奮闘する新シリーズ第1弾! 被疑者を勾留中に自死させたことで県警捜査一課を追われ、家庭にも居場所を失った刑事・木下清花。 異動先の「警察庁特捜地域潜入班」は、組織のはみ出し者が集められた新設部署だった。 最初に捜査対象となったのは栃木の村落で発生した「児童連続神隠し事件」。 その地では古くから、子供をさらう「ヤマヒト様」伝承が存在しており……。 清花たちは事件の真相を追い、村落への潜入捜査を開始する! 新ヒロインの警察小説、第1弾。

「警視庁アウトサイダー The second act 1 」

新米刑事の配属チームは元マル暴と訳ありエース!? 新感覚警察小説! 「平凡な私がなんで刑事課に?」新米警察官の水木直央は、内勤で刑事たちを支える事務職希望だったが、桜町中央署の刑事課に配置される。その上指導役は、極道のような威圧感を放つオヤジ刑事とイケメンながらどこか陰のあるエース刑事。訳ありげな先輩バディの様子に不審の念を抱く水木だが、初日から殺人事件が発生し、二人の型破りな捜査に巻き込まれていく……。 秘密を抱えた凸凹トリオが織りなすノンストップ警察小説!

「雨宮兄弟の骨董事件簿」

訳アリ兄弟と世話焼き刑事が、謎を解き縁を結ぶ、アンティーク・ミステリ! 潮風香る港町、横浜の路地裏の石畳に佇むダークブラウンの小さな店、雨宮骨董店。 明るく才能豊かな若きディーラー・雨宮陽人(あまみや はると)が、弟の海星(かいせい)と共に経営する店だ。 しかしこの兄弟、生活能力に欠ける所があり、陽人の友人で刑事の本木匡士(ほんもく きょうじ)が面倒を見ている。 ある日、匡士が店を訪れると、陽人が女子高校生二人組に依頼され、カメオの鑑定の真っ最中だった。 陽人が買い取りを拒否し、二人は立ち去るが、直後、付近で高価なカメオの盗難事件が発生し……!? (――第一話 女神のカメオ) ある晴れた日、アンティーク・オークションに出掛けた陽人。 しかし、ギリシャで仕入れた取って置きの品を披露すると息巻いていた知り合いのディーラーが姿を現さない。 不審に思っていると、匡士から電話が入った。なんとそのディーラーが二日前から行方不明になっていると聞き――。 (――第二話 シルバーボックス) 「雨宮骨董店の名に於いて、謎を鑑定致します」 訳アリ兄弟×世話焼き刑事が、心を解き、縁を結ぶ、心ときめくアンティーク・ミステリ!

「火喰鳥を、喰う」

全ては「死者の日記」から始まった。これは“怪異”か、或いは“事件”か。 選考委員、激賞!令和初の大賞受賞作! 「恐怖と謎がしっかりと絡んでいる。ミステリ&ホラー大賞にふさわしい」――有栖川有栖氏 「謎への引きこみ方が見事。読了後は心地よい酩酊感に襲われました」――辻村深月氏 信州で暮らす久喜雄司に起きた二つの出来事。ひとつは久喜家代々の墓石が、何者かによって破壊されたこと。もうひとつは、死者の日記が届いたことだった。久喜家に届けられた日記は、太平洋戦争末期に戦死した雄司の大伯父・久喜貞市の遺品で、そこには異様なほどの生への執着が記されていた。そして日記が届いた日を境に、久喜家の周辺では不可解な出来事が起こり始める。貞市と共に従軍し戦後復員した藤村の家の消失、日記を発見した新聞記者の狂乱、雄司の祖父・保の失踪。さらに日記には、誰も書いた覚えのない文章が出現していた。「ヒクイドリヲクウ ビミナリ」雄司は妻の夕里子とともに超常現象に造詣のある北斗総一郎に頼ることにするが……。 ミステリ&ホラーが見事に融合した新鋭、衝撃のデビュー作。

「真珠塔・獣人魔島」

横溝正史生誕120年記念復刊! 横溝正史の異色傑作! 翼から鬼火のような青白い光を放ち、夜空に舞う無気味な金色のコウモリ。探偵小僧の御子柴進少年は、金コウモリが自動車の中から銃を発砲し、女性を殺害する現場を目撃した。三津木俊助とともに事件の調査を行う進少年のもとに、催眠術を駆使する金コウモリの魔の手が迫る……(「真珠塔」)。刑務所を脱走した悪党を追いかけた先で、脳の移植手術が秘密裏に研究されている骸骨島を見つける進少年の冒険劇「獣人魔島」を併録。

「仕立屋王子の謎解きデザイン帖」

服にまつわる悩みをお持ちなら仕立屋『filature』にご来店ください! 憧れのアパレルブランドに就職できたが、希望していたデザイナーになれず販売員を続けている布川糸。 ある日、祖母の遺品を整理していたら、祖母が糸のために書き遺したデザイン画を見つける。 しかし、ところどころ文字がかすれて読めなくなっていた。 遺されたデザイン画を読み解いてもらうため、祖母が懇意にしていた老舗の仕立屋『filature』に相談をしにいくことに――。 お客様が抱えている服にまつわる謎をクールな店主と元気な見習いが解決するお仕事ミステリー

「カラスは言った」

つまらないいつもの風景の中、突然カラスが言った。 「ヨコヤマさん。第一森林線が突破されました。すぐに帰還してください」 その一言から、《部外者》の僕の旅がはじまる――。

「台湾侵攻7-首都侵攻」

台湾南部の高雄・左営軍港に、ついに自衛隊が上陸した。首都台北を南北から挟む基隆市と桃園市では、中台両軍の均衡状態が崩れようとしていた……台北に戦禍が迫るシリーズ第七巻!

「連鎖」

食品会社の社長・篠原の遺体が高速道路の非常駐車帯で見つかった。手形が不渡りになり、自殺の恐れがあると、妻からの捜索願を受理していた大阪・京橋署の上坂と磯野は、自殺とみて捜査を始める。篠原をめぐる人間関係、巨額の保険金、そして手形の行方……絡まりもつれ合う糸をほぐすような調査から見えてくる真相、その連鎖から浮かび上がる複数の事件は。

「南洋のエレアル」

太平洋戦争さなかの昭和17年。日本統治下のパラオ・コロール島。小学校教員である宮口恒昭の長男・智也はある事件をきっかけに、パラオ人少年のシゲルと親友となった。だが、父の転勤で智也も隣島へ転校することに。二年が過ぎ偶然再会したふたりは喜び合うが、戦争の冷たく暗い影は、この長閑な南の島々にも迫っていた――。時は流れ、昭和63年末。パラオ共和国独立準備で訪日したシゲルは、昭和天皇の容体悪化が報じられる中、戦後すぐ消息が途絶えた宮口家の人々を捜しはじめるのだが……。日本人とパラオ人の歴史と心の交流、戦争の悲惨さ、そして日本人の未来(エレアル)を問う、感動長篇。

「暗夜奇譚 狐火恋慕」

いま明かされる、一条の出生の秘密! 傷心の夏樹の前に、妖しい女たちが現れ──。 久継との闘いで傷心の夏樹。朋輩と狩りに出かけるが気分が晴れない。そのころ、男女の仲を取りもつ力があるという美しき尼僧と娘たちが御所に現れる。帝の寵愛を得たい承香殿の女御に召し抱えられた彼女たちの正体は……。一方、一条のもとに故郷からの文が届いたのをきっかけに、夏樹は彼の過去を知ることになってゆく。摂理を曲げ、冥府から甦った対価を一条が支払う時がついに訪れるのか!?

「十二月の辞書」

恋の記憶と本が織りなす傑作恋愛ミステリー AI研究者の南雲薫は、15年ぶりに、元恋人からの電話を受ける。彼女は“リセ”の名で活躍する人気イラストレータになっていた。銀行の頭取だった父親が亡くなり、私生児の彼女に遺されたのは、函館にある一軒の家。その家にあるはずの、父が描いた彼女のポートレイトを見つけてほしいと南雲は依頼される。現地に赴くと、そこはアトリエではなく“書庫”だった。南雲は学生の佐伯とともに絵を探し始める。

「タングル」

シンガポールを舞台に描く熱き人間ドラマ 追い詰められたニッポンは再びライジング・サンとなれるのか!? 地球温暖化を防ぎ、世界を変える可能性を持つ光量子コンピューター開発の第一人者である東都大学早乙女教授は、開発に前向きでない日本を見限りシンガポールの地で研究を進めていた。 モノ作り大国だった頃の天才的な技術者を募り、シンガポールの若者達を教育しながら前進する早乙女研究所。実現化が見えてきた時に利権を狙う大国たちが介入しようとしてきて……。 そんな中、ニューヨークのファンドから、あの男が早乙女教授の前に姿を現した……。

「虹の涯」

「俺は藤田幽谷の孫、東湖の子だ。攘夷に生きることが義務なのだ。」 父・東湖の死の真相、密室殺人の罠、瀕死の兵を襲う〈化人〉 幕末の水戸藩士、天狗党の首領格・藤田小四郎の推理と生涯 『恋牡丹』『雪旅籠』でファンの心を掴んだ新鋭が贈る最新作 筑波山で蹶起した天狗党の首領格・藤田小四郎を主人公に描く歴史ミステリ。安政江戸地震で家屋の下敷きになったとされる、父・東湖の死の真相。小四郎自らが巻き込まれた蔵の中での不可能殺人。過酷な行軍だったとされる天狗党西上の際に、戦の晩に現れる殺人鬼〈化人〉の謎など、全四編。『恋牡丹』『雪旅籠』でファンを唸らせた、戸田義長最新作。

「みちびきの変奏曲」

彼女が遺した「きらきら星」が指し示すのは── 小さな謎を追う「透明な男」が人と人をつないでゆく。やさしさに包まれるミステリー。いきなり文庫! 通り魔に襲われて亡くなった女性・清藤真空。その最期を看取った人材派遣会社の社員・棚橋は、死の間際の彼女のメッセージの意味を知るため、真空にゆかりのある人々を訪ねてゆく。建築士、音大生、児童養護施設の園長……真空が遺した「きらきら星」のメロディに導かれるように、それぞれの人生模様が交錯し、真空のこれまでの人生と想いも次第に見えてきて……。人の優しさに触れるミステリー。

「分岐駅まほろし」

「あなたの、人生の分岐点はいつですか?」 分岐駅まほろし――。 それは満月の夜だけ現れるという不思議な駅。 過去に後悔を抱えた者たちが行き着く場所だとか。 もしもあの日、あの時、過去の分岐点で違う選択肢の人生を歩んでいたら……。 これは素晴らしき人生の物語。 切なくも温かい、心に沁みる「永遠の感動ファンタジー!」 2022年秋のドラマ化も話題となった大ヒット作『さよならの向う側』の著者が贈る、書き下ろし最新作! 小説家・佐藤青南さんも激賞!!! 「別れのつらさや後悔の重さに耐えきれなくなりそうなとき、きっとこの本を読み返す。 明日に踏み出す勇気を与えてくれる感涙小説!」 重く深い後悔を抱えた人たちが、過去の分岐点へと戻り、自分が選ぶことのなかった人生を辿ることで、自身の生き方や人生と向き合う物語。 その不思議な現象が起きる分岐駅「まほろし」を訪れたのはそれぞれ訳アリな男女……。 「もしもあの時、告白をしていたら」 「もしもあの時、第一志望の大学に合格していたら」 「もしもあの時、夢を追わなければ」 「もしもあの時、病院に連れて行っていたら」 ―――さまざまな後悔を振り返る中で見えてきた、本当に大切だったこととは……!? 誰もが何かしらの後悔を抱えて生きている。 そして、誰もが何かしらの大切な人生の分岐点を持っている。 過去は変わらないが、未来は分からない。 今日この日が分岐点となって、また誰かの新たな人生が始まる――。 明日から前を向いて生きる勇気が生まれる――これは、間違いなく、素晴らしき人生の物語!

「ブレイクスルー」

大学四年生の萌子は、怪しい人材派遣会社『キマイラ』の就職説明会から戻ってこない同級生が心配になり淡路島に様子を見に行く。だが、何故か賞金首となってしまい、ヤクザに追われるハメに。IQ170の天才女子大生はこのピンチを突破できるのか。大好評の「デッドエンド」シーズン5、萌子とヤクザと警察の三つ巴の闘いが始まる!

「バイオスフィア不動産」

バイオスフィア3型建築、それは内部で資源とエネルギーの全てが完結した、住民に恒久的な生活と幸福を約束する、新時代の住居。その浸透によって人類の在り方が大きく様変わりした未来、バイオスフィアを管理する後香不動産の社員として働くアレイとユキオは住民からのクレーム対応により、独自に奇妙な発達を遂げた家々の問題に向き合っていくことになるーポスト・ステイホームの極北を描いた新時代のエンタメSF。

「そして、よみがえる世界。」

医療テック企業、SME社が開発した脳内インプラント〈テレパス〉によって、介助用ロボットや仮想空間〈Vバース〉でのアバターの直接操作が可能となり、身体障害者の活動範囲が大幅に拡大した近未来。事故で脊髄を損傷しテレパスユーザーとなった脳神経外科医の牧野は、かつての恩師で、現在は同社の役員である森園からオペの代理執刀の依頼を受ける。記憶と視覚を失った少女エリカに視覚再建装置を埋め込む手術は無事成功したはずだったが、術後エリカは謎の黒い影の幻に脅かされるようになる。そして院内では新たな事件が起こり、経営陣の一人が犠牲に……。仮想と現実のはざまで少女を翻弄する幻影の、その驚愕の正体とは!? 第12回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作。

「七日の夜を抜け出して」

遊辺高校の新入生・中里蓮(なかざと・れん)は、12年前に校内で起きた神隠し事件を解明するため超常(オカルト)を調査する“頂上探究部”を訪れた。 しかし、3人のそりの合わない同級生とともに、超常的な力によって部室に閉じ込められてしまう。 この学校の七不思議をすべて解き明かさなくては、永劫にそこに囚われるーー そんな警告文に続いて現れたのは、弾き手のいない三味線、鬼の造った階段、生徒を喰らうオオカミなどの、本物の超常現象。 謎解き好きの少女・垣木紫苑(かきのき・しおん)から助手役に指名された中里は、彼女の乱暴な推理を助けながら、ありがちに思えた七不思議の裏に秘された学園の真の姿に迫っていく。 誰にでも公平であろうとする少年と、誰かの特別になりたかった少女のための青春ミステリ!

「走馬灯のセトリは考えておいて」

人が死後に自らのライフログから分身を遺せるようになった未来、“この世”を卒業するバーチャルアイドルのラストライブを舞台裏から描く書下ろし表題作のほか、コロナ禍によりウェブに移行した神事がVR空間上の超巨大競技へ進化していく「オンライン福男」、“信仰が質量を持つ”ことの証明に全生涯を捧げた東洋美術学者をめぐる異常論文「クランツマンの秘仏」など、文化人類学と奇想が響き合う傑作集。解説:届木ウカ 【収録作】 「オンライン福男」 「クランツマンの秘仏」 「絶滅の作法」 「火星環境下における宗教性原虫の適応と分布」 「姫日記」 「走馬灯のセトリは考えておいて」

「楽園とは探偵の不在なり」

2人以上殺した者は“天使”によって即座に地獄に引き摺り込まれるようになった世界。過去の悲惨な出来事により失意に沈む探偵の青岸焦(あおぎしこがれ)は、「天国が存在するか知りたくないか」という大富豪・常木王凱(つねきおうがい)に誘われ、天使が集まる常世島(とこよじま)を訪れる。そこで青岸を待っていたのは、起きるはずのない連続殺人事件だった。犯人はなぜ、どのように地獄に堕ちずに殺人を続けているのか。最注目の作家による孤島×館の本格ミステリ長篇

「私のための誘拐計画」

月嶋家は高校生の長男・日向、12歳の妹・光莉と父・明臣の3人暮らし。小さな村で豊かではなくとも幸せに生活していたが、ある日突然、父親が行方不明になる。なぜ、いなくなってしまったのかー。発見された白骨死体、祖父の死の背景、出生の謎。父を捜すうちに明らかになるのは、家族の衝撃的な秘密だった。真実を知り、それぞれの弱さを克服した時、新たな絆とともに歩きだす。第6回草思社・文芸社W出版賞で銀賞を受賞した、兄妹愛、家族愛を描く物語。

「秋麗 東京湾臨海署安積班」

青海三丁目付近の海上で遺体が発見される。身元は、かつて特殊詐欺の出し子として逮捕された戸沢守雄という七十代の男だった。特殊詐欺事件との関連を追う中、遺体が見つかる前日に戸沢と一緒にいた釣り仲間の猪狩修造と和久田紀道に話を聞きに行くと、二人とも何かに怯えた様子だった。安積たちが再び猪狩と和久田の自宅を訪れると既に誰もおらず、消息が途絶えてしまうー。

「狙われた羊」中村敦夫

カルト宗教は、心を奪い、カネを奪い、家族を壊す! カルト教団によるマインドコントロールの恐怖と、悪辣な集金システムを描いた名作フィクション、緊急文庫化! 最近は浮気調査ばかりしている探偵の牛島のもとに、奇妙な依頼が舞い込んできた。 「人さらいはやってもらえるんでしょうか?」 依頼人の息子は、突如連絡を絶ったのだという。どうやら、あやしげな団体に深入りしているらしい。 「厄介な仕事」と踏んだ牛島は当初依頼を断ったが、秘書の坂巻に説得されて調査を開始。すると、依頼人の息子は、近年様々な問題を起こしているカルト教団に入信していることが判明した――。 世間を騒がすカルト教団、そして家族を取り返すために戦う人々を描く!

「ノーサイド・ゲーム」

池井戸潤最新作! 経営戦略室から左遷された男が挑む――。 低迷ラグビー部を“経済的に”立て直せ! ドラマ化決定! 主演・大泉洋 2019年7月放映ドラマ「ノーサイド・ゲーム」

「悲痛伝」

地球撲滅軍と敵対する組織・絶対平和リーグの本拠地、『四国』が消息を絶った。全住民と連絡が取れなくなったのだ。第九機動室室長となった英雄・空々空は、現地での調査を命じられる。これは『大いなる悲鳴』に続く、地球からの攻撃なのか。だが、少年の前に現れたのはー。“伝説シリーズ”四国編開幕!

「おもみいたします」

「我慢しなくていいんですよ」  天才的揉み師のお梅が、 あなたの身体と心の闇まで ほぐします。

「まち」

両親を亡くし、尾瀬の荷運び・歩荷を営む祖父に育てられた江藤瞬一は、後を継ぎたいと相談した高三の春、意外にも「東京に出ろ」と諭された。よその世界を知れ。知って、人と交われー。それから四年、瞬一は荒川沿いのアパートに暮らし、隣人と助け合い、バイト仲間と苦楽を共にしていた。そんなある日、祖父が突然東京にやってきて…。孤独な青年が強く優しく成長していく物語。

「嘘つきなふたり」

『私が先生を殺したの』 “正解を選ぶだけの人生”からの逃避行がはじまる 誰か教えてほしい 恋愛や親友の定義を、人生の模範解答を―― 親元から離れ寮で生活する19歳・朝日光は、小学校の同級生だった長谷川琴葉と偶然再会する。 当時の担任が川に転落したニュースが飛び込んできて動揺していると、 琴葉が「私が先生を殺したの」と告白、そのうえ一緒に逃げてほしいと言う。 しかし光は先生を殺した犯人は琴葉ではないと確信していた。なぜなら――。 互いに秘密を抱えながら、ふたりは小学校の修学旅行先だった京都に向かう。 『愛されなくても別に』の著者が描く、愛と友情と嘘だらけの衝撃作!

「ミートイーター 警部補 剣崎恭弥」

警察に憎まれる警官―― 〝狂犬〟剣崎恭弥は止まらない!  被疑者を完璧な自白に導く、取調室のエース刑事が消えた!  恭弥は〝無罪請負人〟と共闘し、行方不明の友を追う。 組織の論理に抗い監察官らと対立しながら、剣崎恭弥は単独捜査で警察内部の闇に挑む! 恭弥の同期であり、神奈川県警きっての取調べの専門家、守屋彰彦が行方不明に。失踪か、拉致されたか――。守屋がある放火殺人事件を担当し、被疑者から自白を引き出した矢先の出来事だった。危機の匂いを嗅ぎつけ友の足跡を辿る恭弥には尾行が! さらに何者かの襲撃を受け……。

「青木きららのちょっとした冒険」

そっちはどうですか? あいかわらず最悪ですか? こっちはこっちでまぁまぁ最悪かな! 無責任な暴力、すれ違う意識、のしかかる思い込み―― 8人のきららの8つの人生が照射する 残酷でかすかにあたたかい世界の物語 人気モデル兼女優の偽物、痴漢された女子高生、特別な日を撮影するカメラマン、推しの若き死を願う会社員…… あちこちに現れて 誰かであり 誰でもない 名前のない私たちみんなが 「きらら」として生き抜いている

「闇に堕ちる君をすくう僕の噓」

幼少期に東北で両親を失い、今は都内のダリア専門店で働く二十歳の太輝は、街中で不思議な少女と出会う。全身黒ずくめでダリアの花束を持つ謎めいた美少女・巫香。元人気子役で“魔女”と呼ばれる謎だらけの引きこもり少女に太輝は「ある目的」のために近づくが……。前作『だから僕は君をさらう』で「大切な人を守るために犯す罪」を描き感動を呼んだ著者による最新長編。巫香が抱える衝撃的な過去と怒濤の結末に胸が震える闇堕ちミステリー。

「猿と人間」

『シャトゥーン ヒグマの森』(『このミステリーがすごい!』大賞・優秀賞受賞作)、 『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』(大宅壮一ノンフィクション賞&新潮ドキュメント賞受賞作) の著者が描く、新たな恐怖と惨劇! 狂暴化した850頭の猿が襲いかかる!! 凶悪な人喰い猿の群れを前に、鴨猟にやってきた父子が立ち向かう術は―― 戦慄の超パニック・サバイバル長編! ジビエレストランを経営する父・誠一郎に連れられ、人里離れた集落に狩猟にやってきた高校一年生の加藤英輔。 両親は離婚しており、母親は来月再婚する。離れて暮らしている父と、最後の親子水入らずの時間を過ごすなか、英輔は森に何か不穏な影を感じていた。 やがて忍び寄る猿! 猿!! 猿!!! ひときわ体の大きい、顔の黒い猿をボスとした百匹以上の群れは狂暴化し、二人に襲いかかり――!

「カシオペアスイートの客」

札幌に到着した寝台特急「カシオペア」車内で若い女性の刺殺体が発見された。現場となったのは展望室タイプの最上級スイート個室。その部屋の男性客が消えていた。妻との旅行で同じ列車に乗り合わせた警視庁の退職刑事・内山には男性客とどこかで会っている記憶があった。北海道警の捜査に協力した内山は、元上司の十津川警部に連絡。やがて八カ月前に渋谷で起きた資産家殺しとの関係が浮上した。その事件は容疑者自殺で決着していが……。消えた男性客の正体と行方は? 複雑に交錯する謎に十津川が挑む!

「絶体絶命ゲーム12 ねらわれた歌姫を守れ!」

あの「奇跡の声」を守れ――春馬と亜久斗が、再び東京を走りまわる! 【絶体絶命ゲームは、終了しました。 お金がほしかったら、自力でなんとかしなさい。 でも、お金よりも大切なのは、命です。 命さえあれば人生は逆転できるわ。――幸運を(グッドラック)!】 そんなメッセージがサイトに現れた。 そのころ春馬は、奏から助けを求められていた。 以前の絶体絶命ゲームで優勝し、どん底を脱出して 歌手になった奏。 そんな奏のもとに『勝ち逃げはゆるさない』という脅迫状が届いたのだ。 奏を守り、ライブを実現させるためボディガードとして集まったメンバーには 春馬や未奈のほか、あの宿命のライバル・亜久斗も!? 春馬と亜久斗――天敵どうしの2人が今、最強のタッグに変わる!

「息吹く魂 父子十手捕物日記」

半身が町地に飛び出した神社の首つり 殺しか? 自裁か? 南町奉行所定町廻り同心の御牧文之介は、ある朝、屋敷の前に籠いっぱいのかぼちゃが置かれているのに気付く。 誰がいったい何のために? 訝しみつつ、中間・勇七とともに、不思議な状態で発見された首をつったらしき男の探索を始める。 そのころ、よろず屋を営む父・丈右衛門は、蕎麦屋の息子から、ある奇妙な依頼をうけていた……。

「怪盗ロータス綺譚」

「僕は何もしていないよ、揉め事が勝手に起きただけだ」 帝都を騒がす怪盗ロータスこと蓮と、 その幼馴染であり元検事の安西省吾。 二人が出会った五つの事件。 〈帝都探偵絵図〉シリーズ、待望のスピンオフ作品集!

「復讐の弾道 新装版」

大藪春彦は日本戦後文学の巨大な単独峰であり、 登山家にたとえるなら単独登攀のみを行ってきた鉄人クライマーである。 船戸与一(解説より) 元自衛官による復讐劇  大藪文学不朽の傑作!

「ものだま探偵団 ルークとふしぎな歌」

「活版印刷三日月堂」のほしおさなえが描く、 ちょっぴりふしぎで、あたたかい物語。 「ルークとふしぎな歌」「わたしが、もうひとり?」の2作を収録。

「四十九夜のキセキ」

恋が始まる前に その人はもう死んでいました―― 「陰陽屋シリーズ」の著者が贈る 期限つきの恋を描くジェントル・ゴースト・ストーリー 「同じ本だ」。 吉祥寺の図書館で働く里帆は、ブックカフェで素敵な声の男性からささやかれる。偶然、二人は同じ翻訳小説を手にしていたのだ。 だが親しくなり始めてすぐ、彼がとんでもないことを言いだす――「僕、もう死んでるんです」。自分は幽霊で、一緒に漫画を描いていた親友に憑依しているというのだが……。 不思議で切なくて温かい、期限つきの恋の物語。

「さっちゃんは、なぜ死んだのか?」

ホームレスの女性が、公園で殺害されているのが発見された。犯人も動機も不明。彼女はなぜ、殺されたのか? 事件に興味をもったフリーターの女性が、不思議な縁で、被害者の人生に潜む嘘をひとつひとつ暴き、真実に近づいていく。巧妙な罠と高速で展開するストーリーに、いつの間にか目が離せなくなる。そして、ある瞬間に気づく。#さっちゃんはあなただったかもしれない #さっちゃんはわたしだったかもしれない

「紅い塔」

各階に配置された殺人のプロを殺せ! 生きて塔から脱出するために! 稀代のハードアクション作家が描く極限の死闘。 工藤は殺し屋組織の頭首となったものの、目立った活動はせずに平穏な日々を送っていた。ある日、工藤を認めない反乱分子が組織にいることが判明する。このままでは妻とお腹の子供が危うい。頭首として認めさせるべく工藤は組織が用意した巨大な塔へと向かった。方法はひとつ。塔の各フロアにいる反乱分子たちを軒並み殺すことだ――。暴力に暴力で抗う凄惨な死闘が始まる。

「喪を明ける」

U-NEXTで電子書籍配信された話題の書が文庫化!! 予想を大きく覆す展開と感動のラスト。 読み終えたとき、タイトルの意味するものが読者の胸にかすかな希望とともに刻まれるはずです。 静かな余韻が心にしみる長篇近未来小説。 伴侶に先立たれ、名古屋でひとり暮らしをする老靴職人の楢原卓弥。 そんな彼のもとに、一人息子の優斗が離婚を機に東京から戻ってきた。 父はかつて、あまりに過酷な体験から、靴職人としての情熱を失った過去を持つ。 そして息子もまた、未曾有の事態から、妻子と別れ、職を失い、東京を離れねばならない現実を抱えていた。 こうして卓弥の仕事場兼自宅で、親子二人のぎこちない生活が始まった。 その先に待っていたものは… 予想を大きく覆す展開。 そしてラストを読んだとき、タイトルの意味するものが、かすかな希望とともに読者の胸に刻まれるはずです。 静かな余韻が心にしみる感動の物語。

「思い出リバイバル」

ひとつだけ、過去を「再上映」できるとしたら。今だから気付けることがあるーー思い出とは、未来へ一歩踏み出す自分を支えてくれるもの。 思い出をひとつだけ「再上映」してくれる不思議な存在、映人。 過去を変えることはできないが、今の自分の視点でもう一度過去を見直すことができる。 幸せだった頃を取り戻したい人、後悔にけりをつけたい人……映人に再上映を依頼する理由は様々だが、受けるか受けないかは映人なりの基準があったーー。 幸せなものでも、苦しいものでも、自分にとって価値があって大切なものだと心から思えたら、きっと「これから」が変わっていく。 思い出を再体験した依頼人たちは、何を得るのか。 そして、映人の正体と目的とは。

「毒蜜 闇死闘 決定版」

陸自隊員、やくざという異色の経歴を持つ揉め事始末屋の多門剛は、女友達の結城真奈美から依頼を受ける。 従兄で週刊誌記者をしていた結城雅志が何者かに暴行され重体になったという事件の真相を摑むため 多門が動き出すと、雅志がフリースクールの取材をしていたことがわかった。学校の周辺、女社長の調査を 始めたが……。ハードサスペンスシリーズ、激闘の第六弾。

「再雇用警察官 究極の完全犯罪」

人生100年時代に贈る、まだまだ働く警察小説! 雇用延長された再雇用警察官。現役たちに負けない秘訣は、長年培った勘と築き上げた広くて深い人脈だ! 60歳なんてまだまだ老け込む歳じゃない。俺たちはもっとバリバリやれまっせ〜! 普通の企業に雇用延長制度があるように、大阪府警も定年退職を迎えた刑事たちを再雇用警察官として活用している。昇給昇任とは無縁、退職金も無し給料半減という条件だったが…。共助課などで活躍した熱血刑事だった安治川信繁は新設の消息対応室に配属された。冷静沈着な室長の芝、似顔絵警察官として手腕を発揮する新月良美とのタッグで、消息不明届を出された案件に事件性があるかないかを見きわめるのが主たる任務。あくまで裏方的な活動を強いられるのが消息対応室。しかしいつの間にか事件捜査の最前線で重要な活躍をしてしまっているのは、全国各署を結ぶ安治川コネクションに依るところが大。定年退職まで地道に築き上げた人脈と鍛え上げた刑事の勘が、一見ただの一般行方不明者と思われた事案の背後に潜む想像を絶する事件性を暴き出し解決に導く。新作が出るや否や高橋英樹主演ですぐにテレビドラマ化される人気シリーズ最新刊。

「暗約領域 新宿鮫XI」

新宿署の刑事・鮫島は、捜査中に北新宿のヤミ民泊で男の銃殺死体を発見した。一方、国際的犯罪者・陸永昌は、友人の死を知り来日する。それはヤミ民泊で殺された男だった──。全ページを貫く圧倒的面白さ! 八年待望した最新作は、至上の傑作だ!!

「サイレント・ブルー」

八ヶ岳南麓の高原で暮らす都会からの移住者たち。ある朝、蛇口から流れる水が薄茶色に変じていた。それをきっかけに、当たり前だった日常が徐々に崩壊していく―。その日、彼らの生活から水が消えた。自然の中で生き続けて20年の著者だからこそ描けた、パニック・エンタテインメント×骨太の社会派小説!

「最後の戦慄 〈新装版〉」

「隠蔽捜査」「警視庁強行犯係・樋口顕」「安積班シリーズ」等で人気の今野敏の異色近未来アクション第2弾! 破壊か、再生か。 改造により生み出された人間兵器〈サイバー・アーミー〉を抹殺せよ! レッド・アメリカと呼ばれるキューバ、ニカラグア地帯で起きたテロリストたちによる殺戮事件は、 敵味方の区別なく死体の山が築かれた。 その頃〈ミュウ・ハンター〉としての戦いを終えたシド・アキヤマはイラン・テヘランにいた。 そこに内閣官房情報室の黒崎と名乗る男が現れ、〈サイバー・アーミー〉と呼ばれる 四人組テロリストの殺害を依頼される。 四人の名を聞いたアキヤマは驚愕した。すでにこの世にはいないはずの人物だ。 しかもそのうちのひとり、ジョナはかつてアキヤマが愛した女性だった……。 アキヤマの戦いが再び始まろうとしていた。

「展望塔のラプンツェル」

労働者相手の娯楽の街として栄えた多摩川市は、貧困、暴力、行くつく先は家庭崩壊と、児童相談所は休む暇もない。この荒んだ地域に寄り添って暮らすカイとナギサは、街をふらつく幼児にハレと名付け面倒をみることにする。居場所のない子供たち。彼らの幸せはいったいどこにあるのだろうかーー。

「十津川警部 愛憎の行方」

山手線、特急あずさ、特急踊り子…十津川班、必死の追跡行! 解説・山前譲 旅行誌「旅の話」の編集部員・香月修の殴殺体が発見された。 怨恨、物盗りの可能性はなさそうだという。 警視庁の十津川警部らの捜査が進むにつれ、香月が取材を進めていた“山手線一周の旅”で撮影した写真がなくなっていることが判明。 犯人にとって不都合なものがその写真に写っていたのではないかと考えられたのだが、事件は予想外の展開を…!?「山手線五・八キロの証言」 他、「午前九時の目撃者」「愛と殺意の中央本線」「L特急踊り子号殺人事件」の傑作四篇を収録! 山手線五・八キロの証言 午後九時の目撃者 愛と殺意の中央本線 L特急踊り子号殺人事件

「バッド・コップ・スクワッド」

「私のいる場所が正義だなんて誰が言った」 5人の刑事の最低な1日の、最悪な選択。 「彼は法を破ってでも、君を救ってくれるのか?」 違法捜査 昇任試験 監察官室 追跡 6億3000万円 小心者 人質家族 逃走経路 管理官 埼玉県警武南警察署 警視庁捜査一課特殊犯捜査…… 正義と悪の狭間を行く5人の刑事の行き着く先は……!? 誰も見たことのない、衝撃の警察小説誕生!

「任務-松本清張未刊行短篇集」

「屍体の重量がずしりと腕先にきたとき、はじめて私に任務らしい感情が充実しました」――。国民作家が終生描き続けた「組織・社会と個人との葛藤」をテーマに、これまで単著・全集未収録だった短篇小説を精選。自身の体験を反映した戦争小説から実在の事件をモデルにした小説まで、巨匠のエッセンスを凝縮した全十篇。没後三十年記念企画第二弾。

「満月珈琲店の星詠み~メタモルフォーゼの調べ~」

シリーズ累計30万部突破!待望の第4弾。 大きなエネルギーを持ち「変容」を司る冥王星が水瓶座入りする日、満月珈琲店のメンバーは北海道の音楽祭にいた。 転職で札幌にやってきた小雪は、かつて三毛猫のマスターに出会ったことがあるという紅茶専門店のマダムに会いに行く。マダムから小樽の昔話を聞いて……。 美しいイラストと響き合う書き下ろし小説。短編「幸せなシモベ」も収録。

「朝比奈凜之助捕物暦」

父の跡を継ぎ、南町奉行所定町廻り同心となった朝比奈凜之助。剣の腕は立つが、どこか頼りない若者に与えられた殺しの探索とは……。

「罪人の選択」

「夜の記憶」―『十三番目の人格―ISOLA―』『黒い家』の本格デビュー前に書かれた貴重な一編。貴志祐介ワールドの原点!「呪文」―『新世界より』の刊行後ほどなくいて発表された短編。惑星「まほろば」で何かが起きている…。「罪人の選択」―「罪人」の前に出されたのは、一升瓶と缶詰。一方には猛毒が入っている。果たして正解は?「赤い雨」―新参生物のチミドロによって、地球は赤く蹂躙された。スラム出身の瑞樹はRAINの治療法を探る。最新SF!

「葬式組曲」

20代の女性社長・北条紫苑が率いる「北条葬儀社」。妙な関西弁を喋る餡子、寡黙で職人肌の高屋敷、生真面目すぎる新入社員の新実……癖の強い社員が目立つが、遺族からは「あの葬儀社は素晴らしい」と抜群の評価を得ている。なんと、彼らには故人が遺した“謎”を解明する意外な一面があったのだ。奇妙な遺言を残した父親、火葬を頑なに拒否する遺族、霊安室から忽然と消えた息子――。謎に充ちた葬儀の果てに、衝撃の結末が待ち受けるミステリー連作短編集。文春文庫化にあたり全面改稿。

「十字架のカルテ」

正確な鑑定のためにはあらゆる手を尽くす――日本有数の精神鑑定医・影山司の助手に志願した新人医師・弓削凛は、犯罪者の心の闇に対峙していく。究極の頭脳戦の果てに、影山が見据える未来とは。そして凛が精神鑑定を学ばねばならない理由とは……。 第一話「闇を覗く」 歌舞伎町無差別通り魔事件の犯人・白松京介。重度の統合失調症と診断された彼は、本鑑定を受けるため影山たちの病院に移送された。 第二話「母の罪」 横溝美里は生後五ヶ月の娘を抱き、マンションから飛び降りた。重い抑うつ症状が見られた美里は、面談で「悪魔が娘を殺せと脅した」と言う。 第三話「傷の証言」 高校中退後、自宅に引きこもっていた沢井一也は、姉を刺し逮捕された。影山たちが鑑定に赴くが、支離滅裂な発言をし恐慌状態に陥ってしまう。 第四話「時の浸蝕」 傷害致死で起訴された小峰博康には、精神疾患の疑いが。簡易鑑定を行った影山は「罪を逃れるための詐病」と証言したが、第二審で思わぬ反撃にあう。 第五話「闇の貌」 同僚を刺殺した桜庭瑠香子。過去にも殺人事件を起こしていた瑠香子だが、解離性同一性障害、すなわち多重人格と診断され不起訴となっていた。

「月の立つ林で」

長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めきれない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える二輪自動車整備士、親から離れて早く自立したいと願う女子高生、仕事が順調になるにつれ家族とのバランスに悩むアクセサリー作家。つまずいてばかりの日常の中、それぞれが耳にしたのはタケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』だった。月に関する語りに心を寄せながら、彼ら自身も彼らの思いも満ち欠けを繰り返し、新しくてかけがえのない毎日を紡いでいくー。最後に仕掛けられた驚きの事実と読後に気づく見えない繋がりが胸を打つ心震える傑作小説。本屋大賞2年連続第2位。

「特殊清掃人」

誰もいなくなった部屋にこそ、住んでいた者の嘘のない生きざまが現れる──。特殊清掃業者〈エンドクリーナー〉には、日々、様々な依頼が押し寄せる。彼らの仕事をとおして、死者が抱えていた様々な事情が浮かび上がる。『護られなかった者たちへ』の著者が贈るヒューマン・ミステリー。

「相棒 season20 上」

暗殺事件を主導しながらも 愛人の自白で罪を免れた官房長官・鶴田翁助。 一方、拘置所内での不審死に疑念を抱いた右京と亘は……。 特命係が立ち塞がる巨大権力と渡り合う「復活」、 陣川公平が高校時代からの親友である カリスマゲームクリエイターの危機に立ち向かう「贈る言葉」、 刺殺されたベストセラー作家の死の真相を解き明かす 「マイルール」など、 シーズン前半5編を収録。

「「白い巨塔」の誘拐」

探偵社で働くヤクザの下っ端、真二と悠人のもとに、弟が殺人を犯したかもしれないと女子大生が調査依頼にやってくる。 しかし、二人が調査を始めた矢先、その被害者かもしれない浮浪者が住んでいた「ドクロ沼」から白骨死体が見つかった。 一方、医療法人理事長の三代木は、重要な理事会が迫っているなか、何者かに誘拐される――。 それぞれの思惑が交差したとき、衝撃の結末が待ち受ける!

「横浜・山手図書館の書籍修復師は謎を読む」

「物語」は絶対の安全を保証された冒険ではない…… 物語に魅了され、囚われた者たち。彼らを救う方法はただひとつ――物語の題名を当てること。 異国情緒あふれる横浜山手の図書館で、変わり者の修復師が本と人の心にまつわる謎を解き明かす! 横浜の山手図書館でのアルバイトが決まった本好きの大学生・藤本読也。 司書の仕事をするものと思っていたところ、図書の修復を手がける離れ――修復棟へ行くよういきなり命じられた。 そこでは書籍修復師の波々壁が管理主任を務めており、読也は助手として彼の手伝いをすることになる。 波々壁は書籍の修復に携わる一方、「物語に囚われている人間を救い出す」仕事をしているといい……。

「大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう 司法解剖には解体新書を」

江戸で起きた連続不審死! 現代科学と蘭学のコラボレーションで謎に挑む―― 死体は何を語るのか!? 人気作家、推薦! 時代小説とミステリ。2つの「型」の組み合わせが絶妙。 物語の展開が気になってするすると読まされ、気持ちのいい面白さでした。 ――有栖川有栖 ロジカルな推理の先に描かれる”ありえたかもしれない”歴史の偶然には思わず膝を打った。これこそ時代ミステリの醍醐味である。 ――伊吹亜門 時間旅行者にして十手持ちの女親分・おゆうこと関口優佳は、現代でコロナ第2波が囁かれる中、江戸でとある内偵を依頼された。 前長崎奉行の元配下だった男の死に、不審の向きがあるという。調査を進めると、他にも同じ状況で急死していた者がおり、さらには新たな死者も……。 連続不審死に毒殺を疑うおゆうは、杉田玄白の弟子の協力も得ながら、日本史上初めての司法解剖に向けて動き出す!

「超短編! ラブストーリー大どんでん返し」

1話4分、必ず騙される!31の恋愛掌編集 かつて天才ギタリストと称された佐木山義徳。セルマは彼を愛し共に暮らした。だがアルコールに溺れる佐木山の暴力を受け、セルマは彼から離れることに。そして今、復活を果たしたステージに現れた佐木山は……。(「ジャンゴリウムにて」) ある日、僕が拾った種。植えると花が咲いた。愛情込めて育てるうち、花には言語習得能力があり、会話を交わすようにさえなる。寂しがり屋の花にせがまれるまま、でっち上げの物語で花の美しさを称える僕。すると突然、「もっと美しくならなきゃ」と花は家を出て行き……。(「宇宙花と暮らしてみた」) 少女は生まれつき耳が聞こえない。ある日、彼女の家にモーツァルトと名乗る人物がやってきた。大雨に立ち往生し、泊めてほしいと言う。彼は机を指で叩き、その振動を感じた少女はときめきを覚えた。美しい<音楽>だった。彼のことが忘れられぬまま、3年がたった頃……。(「アマデウスの雨宿り」) 古今東西、老若男女を巻き込む様々な恋愛模様と、あっと驚くどんでん返し。1話4ページに詰め込まれたきらめきをご堪能あれ。 「黒猫」シリーズ、「偽恋愛小説家」シリーズで圧倒的人気を誇る著者の新機軸ショートショート集!

「バタフライ・エフェクト T県警警務部事件課」

警官が署内で首吊り!不祥事の裏にある闇 T県警大貫警察署内のトイレで、地域課の巡査、静谷永人が首を吊っているのが発見された。拝命して三年の若手警官の自殺に、衝撃が走る。事態の調査にあたるのは県警本部に新設されたばかりの警務部事件課のメンバーだ。キャリア部長が実績を残そうと作ったお飾り部署に寄せ集められた六人。その責任者となった明堂薫警部補は奉職三十四年のベテランで、個性豊かな捜査員たちの取りまとめに苦労をしつつ、調べを進めていく。 その頃、九久見警察署管轄内で起きた連続窃盗事件で、犯人の女二人組が逮捕された。だが、そのうちの一件について、犯行時刻に別の場所で二人が目撃されていたという情報が入る。誤認逮捕となれば、県警を巻き込む大問題となる。薫たちは、九久見署敏腕刑事課長として名をはせる藤堂一雄と対峙することになるのだが。 若手警官を自死に追いやったものはなんだったのか。さらに、所轄に渦巻く闇は底知れずはびこっており……。『女副署長』などで警察小説界の新星として注目される松嶋智左の書き下ろし最新作。女性警察官たちの家庭の悩み、人生への懊悩もリアルな筆致で描き出す、警察群像小説の新境地!

「栞と嘘の季節」

ベストセラー『本と鍵の季節』(図書委員シリーズ)待望の続編! 直木賞受賞第一作 猛毒の栞をめぐる、幾重もの嘘。 高校で図書委員を務める堀川次郎と松倉詩門。 ある放課後、図書室の返却本の中に押し花の栞が挟まっているのに気づく。 小さくかわいらしいその花は――猛毒のトリカブトだった。 持ち主を捜す中で、ふたりは校舎裏でトリカブトが栽培されているのを発見する。 そして、ついに男性教師が中毒で救急搬送されてしまった。 誰が教師を殺そうとしたのか。次は誰が狙われるのか……。 「その栞は自分のものだ」と嘘をついて近づいてきた同学年の女子・瀬野とともに、ふたりは真相を追う。 直木賞受賞第一作は、著者の原点とも言える青春ミステリ長編!

「お龍のいない夜」

妻・お龍との愛を軸に描く、風野版龍馬伝 「龍さんを斬らはるつもりどすか?」 そんなことしたら、あんたの頭にペストルで穴空けてやる。 一つやない。指の二本も入るような穴を、三つも四つもな。 うちは、やると言ったらやる女やで– お龍は、胸のうちで言った。 時は幕末。京都七条新地の旅館<扇岩>で働く楢崎龍(りょう)は、勤皇の志士の隠れ家で、土佐の坂本龍馬と出会う。龍馬はお龍に惚れ込み恋文を送り、後に祝言をあげる。その後日本を駆け巡る龍馬は、お龍に何度も恋文を送り続ける。 そして、寺田屋事件の夜、お龍の機転で、龍馬は間一髪命を救われる。 しかし、近江屋での夜、お龍はいなかった。お龍がいてくれたら、龍馬は間違いなく明治の日本を生きたはずだった。 龍馬の激動の人生に、お龍はどう絡んでいったのか。 龍馬がお龍に送り続けた恋文の中身はいかなるものだったのか? 「妻はくの一」「耳袋秘帖」シリーズなどで人気を博す風野真知雄が挑んだ、新時代の龍馬伝誕生。

「犬小屋アットホーム!」

「猫弁」「あずかりやさん」シリーズ累計70万部超の著者渾身の感動作。 「必ずパートナーをつくること」唯一それだけが入居の条件である、一風変わった老人ホーム・ニーシャシャン。 マダムと呼ばれる女性と横須賀という名の支配人が運営するそこには、元ヤクザや余命わずかの男、詐欺を働いてきた女など曲者ばかりが集まり、それぞれとペアになる犬たちも保健所から救われた犬や盲導犬になれなかった子など経緯は様々。 居場所を求める犬と人が支え合い暮らす様に、読んで幸せな気持ちになるストーリー。

「夜の夢こそまこと 人間椅子小説集」

果てしなく暗く、身を焦がすほど熱いー。異色のビートが魂を揺らす。地獄が開き、魑魅魍魎たちの青春の宴が蘇る。「地獄のアロハ」大槻ケンヂ。絶望の淵で出会ったマレビト。彼らの正体とは。-「なまはげ」伊東潤。子供たちが帝都に作り上げた、エセ教団の活躍と暴走。-「超自然現象」空木春宵。屈折しきった魂の叫びが、電波に乗って放たれる。-「遺言状放送」長嶋有。永遠の幻夢か、平穏な日常か。僕の世界に選択の時が迫る。-「暗い日曜日」

「ばくうどの悪夢」

比嘉姉妹シリーズ、待望の最新長編。澤村伊智が放つノンストップホラー。 「眠れば、死ぬ」 東京から父の地元に引っ越してきて以来、悪夢に悩まされていた「僕」は、現実でもお腹に痣ができていることに気づく。 僕だけでなく、父親の友人の子供たちもみな現実に干渉する悪夢に苦しめられていた。 やがて、そのうちひとりが謎の死を遂げる。 夢に殺されたのか。次に死ぬのは誰か。なぜ、悪夢を見るのか。 理由を探る中でオカルトライターの野崎と真琴からお守りをもらい、僕らの苦悩はいったん静まったかのように思われた。 しかし、今度は不気味な黒ずくめの女に襲われる悪夢を見るようになる。 「比嘉琴子」と名乗るその女は、夢の中で僕を殺そうとしてきて──。

「闇の聖域」

満洲に渡った警察官は猟奇殺人を追い、運命に抗う画家は最後の恋に生きる。 警視庁を退職して満洲・大連警察署特務巡査となった河村修平は、初勤務早々、殺人事件の捜査に携わる。被害者男性の首には頸動脈を狙ったような傷があり、修平は東京で起こった殺人事件との類似に気づく。一方、新進画家の中村小夜は街で偶然出会った青年ルカへの想いを深めてゆくが、彼には一族にまつわる秘密があった。やがて小夜は警察が事件の容疑者としてルカを追っていることを知る。 ただならぬ予感に満ちた圧巻のサスペンス×ロマンス長篇。