【予想】 このマンガがすごい ! 2023版ノミネート27作品

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 このマンガがすごい ! を書きます。

その年に最も注目された漫画はどれだ。宝島社が発表する、各界の漫画好きが本音で選んだその年の”すごいマンガ”ランキング書籍「 このマンガがすごい !」が今年も12月に発売されます。ノミネート作品を勝手に予想しました。

このマンガがすごい ! 2023版ランキング入り候補

タコピーの原罪

ハッピーを広めるため来訪したハッピー星人タコピーは、小学4年生の女子児童久世しずかに窮地を救われる。その礼としてタコピーは、複雑な環境下で笑顔を失った彼女を幸せにするべく、ハッピー星に伝わる様々な「ハッピー道具」で問題解決を図ろうとするが・・・。

  • 果てしなく明るくてバカな宇宙人タコピーが地球人の女の子しずかをハッピーにするために奮闘する物語。 しずかの現状がつらすぎ。
  • この作品に対して細かい設定とか行動へのツッコミは一切不要。 ただただ無垢で無力で幸せだけを願う存在の「原罪」とその存在の死による「救済」を目の当たりにしてほしい。
  • この感想を入力しようとしてSimejiで「たこぴー」と打ったら、変換候補に「仲直りするっピ!」と出てきた。軽く絶望した。

さよなら絵梨

私が死ぬまでを撮ってほしい――病の母の願いで始まった優太の映画制作。母の死後、自殺しようとした優太は謎の美少女・絵梨と出会う。2人は共同で映画を作り始めるが、絵梨はある秘密を抱えていた…。

  • 事実と創作の線引きが曖昧で、いい意味で混乱し、最終的にエクスプロージョンする尖ったマンガ。。全部を説明しないのって良いよね。
  • 感情が揺さぶられる作品は良い作品。あまりに揺さぶられるので一気に読み切ることが出来ず、何回か手を止めてしまった。
  • こういう作品をすごい画力で描いてくれる漫画家が同時代にいてくれることがとても嬉しいし、幸せだなあと思う。

光が死んだ夏

ある集落で暮らす少年、よしきと光。同い年の2人はずっと一緒に育ってきた。
しかしある日、よしきが光だと思っていたものは別のナニカにすり替わっていたことに確信を持ってしまう。それでも、一緒にいたい。友人の姿をしたナニカとの、いつも通りの日々が始まる。時を同じくして、集落では様々な事件が起こっていき――。

  • ホラーなライトBLといえばいいのか。他にない感じの雰囲気がとても楽しい。そして怖い。続きも楽しみだ。
  • ちょっと捻りが加わったホラー。村で次々起こる不気味な事件、光の言葉の端々に見え隠れする人間とは違う部分、非日常が日常になっていくよしきの混乱した様子に惹かれます。
  • 怖い怖い怖い怖い…大切な友人が得体の知れない“何か”にすり替わっている。姿形は確かに友人なのだが…。それでも失うよりはましだ。

スーパーの裏でヤニ吸うふたり

社畜街道をひた走る、くたびれ中年男性の佐々木。彼のひそやかな癒しといえば、日ごろから愛煙する煙草と、行きつけのスーパーで働く女性店員 山田さんのにこやかな接客くらい。仕事に疲れたある夜、癒しを求めてスーパーに向かうが、目当ての山田さんはおらず、今どき煙草を吸える場所もなし…。意気消沈した佐々木に「ここなら吸える」と声をかけてきたのは、すこし奇抜な服装をした田山という女性だった――。

  • 次にくるマンガ大賞2022 Webマンガ部門1位。 普通に面白かった~。納得。
  • 。家族でも恋人でも同僚でもない、友人ともちょっと違う、ささやかな時間に何気ない会話ができる相手がいるのは得難いです。夜読むのにいいマンガだと思います。
  • おじさん(40代)と若い女の子(24)が初々しい感じでやり取りしているのがホント尊くて、終始ニヤニヤしっぱなしでした。
  • 本屋さんで見つけて即買い。息子も読みたかったらしく、買って正解。癒しがあれば頑張れる。佐々木さん、可愛すぎです。

黄泉のツガイ

山奥の小さな村落に住む少年のユルは、野鳥を狩り、大自然の中で静かに暮らしていた。しかしユルの双子の妹のアサは、何故か村の奥にある牢の中で「おつとめ」を果たしているという。それはまるで幽閉されているかのように…。穏やかな村に浮かぶ不自然な謎、この村に隠された秘密とは一体…!?未曾有のツガイバトルここに開幕!!

  • 初めは架空の世界かと思ったら現代日本じゃん!びっくり~。相変わらずお話しにスピード感があってあっという間に状況が変わってしまう。このお話しの設定はどのくらい決まっているのだろうか?
  • ツガイが何なのか、双子はなぜ引き離されたのか、自称アサはなぜ村人を殺したのか。とにかく謎だらけで先が楽しみすぎる。
  • 最初は『ランド』っぽい話かと思ったが、「ツガイ」という要するにスタンドというか使い魔のような存在を使役してバトルするのがメインになるようだ。

古オタクの恋わずらい

2021年、42歳となった佐東恵は、オタクファッションに身を包んで、恥ずかしがることなく外出する娘を横目に、自らの青春時代を思い出す。そう、1995年、世間にはオタクに対する偏見と逆風が吹き荒れていたのだ!

  • 朝日ソノラマなどで育った古オタクとしては、 カミングアウトどころか、趣味を隠ぺいするのが常識でした。 懐かしさでいっぱいになる、暴走、妄想系の青春物語。 わかる人にはわかります。
  • この本に書いてあることは、かつて日本全国各所でオタクたちが実際に考えていたことだ。ただ、実際には、こんな恋愛的イベントなど全く起きず、ただただオタクを隠し、オタクだけがひっそり集まって自己を開放していたものだ。
  • 40代の母親の回想形式だが、作者同様、あの頃を知ってる者としては、いろいろ感じるものがあるなぁ。

税金で買った本

小学生ぶりに図書館に訪れたヤンキーな石平くん。その図書館で働く早瀬丸さんと白井くんに10年前借りた本を返却していないことを指摘される。その指摘をきっかけに図書館に通うようになるどころか働くことになる石平くんの図書館お仕事漫画。

  • ヤンキーの石平くんがだんだん図書館になじんでいくのが面白い。こういう子が読書の楽しさを知ってくれるのは、嬉しいなあ。
  • 図書館を利用するお客さんとその家族の人間関係を描いた作品でした。図書館の税金で買った本とはいえ、誰かから借りた本をしおり代わりにちぎったりマーカー引いたりって非常識なことする人もいるんだなと驚き。
  • 今まで読んだ図書館のお仕事本にはないキリクチで、新しいなぁ!と思った。おもしろい。

言葉の獣

言葉を<獣>の姿で見ることができる共感覚の持ち主・東雲と、詩に強い関心を持つクラスメイト・やっけん。二人はふとしたきっかけから、東雲の持つ“ある目的”の為に協力し合うことに。東雲が<生息地>と呼ぶ場所に獣たちは棲んでいるらしい。言葉の扱われ方によって変化するその場所で、二人は様々な<獣>に出会っていく…。

  • どこまでも視覚的な観点から「言葉」を真摯に追求する姿が興味深い。物を書く人間としての矜持を刺激される。
  • ファンタジー要素たっぷりのこのコミックだが、言葉の獣が本当に美しい。「頑張れ」「誹謗中傷」からtwitterの世界、谷川俊太郎の『生きる』など、扱うテーマもなるほどと思うもので、なかなか興味深い。
  • 言葉が時として人によく刺さるのは、こうやって具体的に獣の形を保っているからなのだなと思った。我々には見えていないけれど、でも美しい言葉は美しいと感じることができる。

鍋に弾丸を受けながら

50000点の美味を求めて世界各地の危険地帯に赴くのは…二次元の過剰摂取により自分はおろか周囲すべての人間が美少女に見えてしまう人だった!?現地の怪しくも魅惑的な料理の数々を堪能しまくるノンフィクション&カオス&ハードグルメリポートコミック!

  • 飯がとにかく旨そうで行ってみたくなる。しかし、アメリカ料理はどれもカロリーが壊れてる。死にたいのか…?
  •  「危険な地域の飯は旨い」実力派グルメ漫画であり、また各地の治安や死生観を書く旅物としての側面を持つ。
  • 良い。ちょこちょこ読んでて良いなと思ってたけどやっぱ良いなこれ。旅漫画的な良さなのかな、「生きてる魚は死んだ魚より価値がある」って言葉とその補足がよかったな。

ブスなんて言わないで

ルッキズムは、彼女たちがぶっ潰す――!『美人が婚活してみたら』の著者が描く、反ルッキズム×シスターフッドの物語!「ブス」と言われ、学生時代にいじめられていた知子。大人になった彼女は、自分をいじめていた“美人”の同級生・梨花が美容家として成功していることを知り、怒りに震える。知子は、梨花への復讐を決意する――。

  • あまりにも良い。痛いとこちゃんと考えなきゃいけんとこ全てついてくる。絵もきれい。続き早く読みたい。
  • 最高。こういうのが読みたかった。ちゃんと両者の視点から両者の考えや悩みを真剣に描写しててすごく良い。
  • 本屋さんでこの漫画を見かけて手にする時、少し躊躇いました。ただ「ブス」を笑いものにしてるだけの漫画だったらイヤだな、と。でもそんなことはありませんでした。おもしろいし、ちょっとしんみりもする。

日本三國

この国を、再統一する――文明崩壊後の近未来、再び戦国時代と化した日本を再統一すべく一人の青年が立ち上がった。名は三角青輝。後に奇才軍師と称される彼の伝説が、いま始まる!!

  • この壮大な物語が始まろうとする導入としては完璧。帯ありと帯なしで印象ががらりと変わる表紙も申し分ない。
  • 買って正解。今年22年の色々な賞に入るんじゃないかな〜。巻末の架空年表から設定の作り込みが伺えて今後の展開が楽しみ。
  • 日本版現代三國志的なやつ。出だしから面白いけどこのクオリティが続けれるのかちょっと心配。続けれたら名作になりそうな予感。

みなそこにて

「でも平気だよ わたし人間たべないよ」。“人喰い人魚”の古い民話が残る田舎町で、永遠の孤独を生きる人魚“千年さん”。彼女にも、かつては人間の親友がいた。この世界で2人だけは分かり合えると思っていたのに——。生ぬるい泥濘のような町で、生きづらさを抱えた人々を描く【孤独な人魚×少女たち】のミステリアス異類譚、

  • 絵柄と雰囲気に惹かれて購入。帯の紙質とかカバー装丁も好み。じめっとした雰囲気でぞわぞわと違和感が纏わりついてくる。
  • 登場人物は少女だけで過激なグロテスクさなど微塵もないのに読んでいてなんともいえない不気味さが常につきまとう上質なホラー作品でした!
  • 人魚と関わる少女たちが入れ替わるオムニバスのような作りで、どう考えても異物なのに受け入れてて怖い。と思ったら無視したり人魚に変化していったり人を食う?と、ふわふわした掴みきれない気持ち悪さがある。タイトルがまた意味深。

ポラリスは消えない

「好き」を忘れた薄情なあなたへ薄情だ。「神さま」を忘れるなんて――。「推し」を失った少女・ミズウミは今日も死んだアイドルに扮して、世間を欺く。拒絶と信仰の狭間で熱狂する人々。純粋すぎる少女の想いは、しだいに周囲の人間をも呑み込んでいく――。

  • “大切な誰かを喪ったショックで自分がその誰かになる”っていうのはとんでもなく好きなシチュエーションなので非常に続きが楽しみ。
  • 死んだり、引退した偶像は忘れ去られて然るべき存在なのか否か。刹那でコンテンツが消費されていく世界の中で永遠を目指すことの是非についての話。
  • 『かけがえのない「推し」がいる全ての人に今一番届けたいエンタメ‼︎』という言葉に偽りはないように思う。興味がある方はぜひチェックしてみてほしい。

ジーンブライド

  • 女性特有の生きづらさを抱えた主人公が学生時代に起こった事件とその後、今は会えない友達の姿に迫っていく話かと思いきや。思いきや!ラストでそんなことある!?
  • ここまで心がざわざわして、1巻のオチでそのざわざわがおかしな方向にぶっとんだ作品は初めて。いや、いい意味でも悪い意味でも目が離せない。
  • 日常生活のなかでおこる様々なストレス、ジェンダー、SF作品としてどうやって楽しませながらフェミニズムを届けてくれるのか楽しみな作品です。

あかね噺

  • ジャンプ作品ではわりと珍しい題材だけど絵が綺麗で読みやすい。
  • 親の仇を子がとる。『がんばれ元気』的な王道の設定を落語で。しかもヒロインで。ベタの強さがある。少年漫画らしく展開がデジタル。でも、小気味いいね。
  • 絵が怖い、主人公も鬼気迫っていて可愛くないと思ってしまう。落語ってもっと穏やかで心安まるものだと思っていたので、ちょっと思っていた落語の世界と違いました。

ホテル・メッツァペウラへようこそ

  • 思いがけず面白い本に出会った感じ。温かみも美味しさも、成長も感じられる話。
  • 北の国のホテルにたどり着いた、がっつり刺青の若者・ジュンがホテルの一員になっていく、静かで優しい物語。雪深いホテルでの生活が素敵。
  • ええ話や〜〜〜!!!ハルタコミックスで特徴的な異国情緒、暖かい人間…安心する…。フィンランドは過酷と聞きますが静かでロマンあるな〜。

これ描いて死ね

東京の島しょ・伊豆王島に住む漫画が大好きな高校1年生。長年活動休止状態の憧れの漫画家
☆野0先生がコミティアに出展することを知り、東京都区内に旅立つことに…そしてコミティア会場での思わぬ出会いが相の人生を変える!“まんが道”へ踏み出していく少女の物語。

  • 創作は苦しい。きっとこれからもずっともっと苦しい。でも、根っこには、漫画が好きだという、漫画を愛するという気持がある。泣いた。
  • 創作讃歌、いや、人間賛歌みたいな作品。本編ももちろん良いけど、鬼気迫る読み切りver.も最高。認知が歪みまくっている自意識過剰な主人公への共感と、努力→成功を完璧な2pで描く漫画表現が素晴らしかった。
  • 『これ描いて死ね』と思えるような熱量の作品を仕上げる」ことにだけ振り切ってしまう、先生の生き方の清々しさが一番刺さった。

生活保護特区を出よ。

2018年、トーキョーの中流家庭で育った高校生のフーカは、落ちこぼれながらも平凡な日常を送っていた。ところがある日、彼女の元に「特区通知」が届く。この国で何となく生き、何となく幸せになれると思い込んでいた彼女にとって、それは青天の霹靂だった――突如、生活保護特区に単身移住することになったフーカは、その想像を絶する状況に戸惑い、困惑する。そして居住者たちとの共同生活が彼女を思いがけない道へ誘い込み……

  • 本屋の売り場に重力場が歪んだような空間があって、気が付いたら吸い込まれるように本書を手にしていました。 
  • 楽観的だけど客観的に地獄なのがすごく読み応えがあった。絵の不安定さも地獄だと思えばマッチして見える。
  • 細かい描写がどうというより、作者が筆に込めた心情がリアルに迫るところに打ちのめされる。

ブレス

ある日アイアは、顔のそばかすを隠すように背中を丸めている大人しい女の子・炭崎純と学園祭のコンテストに出場することになった。衣装・ヘアメイクを担当するスタイリスト役とモデル役の2人1組でランウェイを歩くコンテストで、アイアは炭崎にメイクをすることに。炭崎とのやり取りの中で教室では見せない魅力を炭崎に感じたアイアは、メイクで炭崎の魅力を引き出し学園祭に挑む。

  • メイクとモデルをあきらめかけてた二人が、後ろ向きの自分を脱してやりたいことに目覚めていく様が生き生きと描かれてて読んでいてドキドキする。
  • メイクものでありメイク後への期待感が高かったが、絵でしっかりと応えてくれた。メイクシーンに関係なく見惚れたコマ、ページを引き返して眺めたコマもあった。謎多き炭崎の行動や台詞にどきりとする。
  • ストーリーの大筋は王道な感じだけど、キャラに魅力がある。あと顔がいい。

正反対な君と僕

元気いっぱいだけど周りの目を気にしてしまう鈴木は、自分の意見を言える物静か男子・谷くんに絶賛片思い中。だが周りの目が気になって普通に接せず、いつも谷くんにダル絡みばかり…。しかしある日勇気を出して、一緒に帰ろうと誘ってみたところ…!? 

  • 人の心の機微や心情、人間模様や人生観がとても上手に表現されてて、ただの高校生の恋愛ものではなく、いろいろと考えさせてくれて、生きていく上での様々な悩みにヒントをくれる。
  • 恋愛や人付き合いに関する悩みが結構出てくるんだけど、その時のうまく言い表せない気持ちや思考を、きちんと言語化しているのがすごい。しかもわかりやすく。
  • カラー絵がジャンプ系のマンガだとは思えないポップで可愛い。とにかく末長くお幸せに!と応援するしかない。

運命の人に出会う話

田舎から上京してきて、一人暮らし2年目の優貴。20歳を迎え、切実に願うのは「恋をする相手が欲しい!」ということ。そんなとき、友人・早苗に誘われて、人生初のクラブへ!!そこで出会った金髪の男性・伊織はちょっと怖そうな印象で…。「春待つ僕ら」のあなしん最新作!

  • 絶妙な三角関係、とても良き!何より男の子達の顔が良くて最高。
  • 伊織くんが良すぎて今後の展開が楽しみだな。
  • 久しぶりに少女漫画を1巻から追いかけよう!と思った。どうなるのかが楽しみ。

天幕のジャードゥーガル

後宮では賢さこそが美しさ。13世紀、地上最強の大帝国「モンゴル帝国」の捕虜となり、後宮に仕えることになった女・ファーティマは、当時世界最高レベルの医療技術や科学知識を誇るイランの出身。その知識と知恵を持ち、自分の才能を発揮できる世界を求めていたファーティマは、第2代皇帝・オゴタイの第6夫人でモンゴル帝国に複雑な思いを抱く女・ドレゲネと出会う──。歴史マンガの麒麟児・トマトスープが紡ぐ、大帝国を揺るがす女ふたりのモンゴル後宮譚!

  • なんとなく手塚治虫の作品を思い出すような絵柄のおかげで虐殺シーンが凄惨に見えないだけで、物語りとしては充分に血なまぐさい。
  • モンゴル帝国勃興期の後宮で奴隷として働くことになった女性が主人公とは。最近のマンガの世界の広さは留まることを知らないところがあるな。
  • 物語はまだ序盤だけれども今後がとても楽しみ。そして相変わらず絵が可愛い。

女の子がいる場所は

「わたしたちは結婚しないと生きていけないの?」
一夫多妻が認められているサウジアラビアに暮らす10歳の少女サルマ。同級生の姉は、顔も見たことのない8つ年上の人と結婚する。外ではヴェールが必要で、大好きだったサッカーはもうできない。モロッコ、インド、アフガニスタン、そして日本……国も宗教も文化も違う10歳の少女たちの物語。

  • ジェンダーバイアスは様々なメディアで問題視されるようになったが、こんなふうに社会の内側から子どもの目を通して見た創作作品は珍しいのでは。作者に敬意を表す。
  • 読んでいて胸が苦しくなるけど、素晴らしい本だった。日本編のおばあちゃんの言動リアルで辛い。悪気無く、本気でそう思ってる所が。女性の地位が本当にとんでもない国や地域も未だあり、なんとか変わっていって欲しいと願う。
  • 長い間、我慢してきたのだろうか。これでいいとあきらめていたのだろうか。でも時代は、誰でも公平、平等であることを教えてくれている。

菌と鉄

人類はキノコに支配されていた。脳に寄生することで自由を奪い、思考を奪い、菌類は徹底した管理社会を築き上げた。しかし、ここにイレギュラーが存在する。最強の兵士・ダンテは、ひとりの少女との出会いをきっかけに、この世界の理を覆す決意をした。

  • おもしろかった…………………つらかった…………驚くほどのディストピア………もっとキノコキノコしてるかと思ってた(?)けどそうでもなかった
  • 進撃っぽい絵で粗さは有るが、この漫画の雰囲気には合っている。SFっぽさ、ホラーっぽさ、だがしかしバトル物になりそうな感じも・・・
  • 掲載誌考えれば当然だと言われそうだけど少年漫画要素が濃い。設定になかなかパンチがあって好きなんだけど期待したSF感はちょっと薄めか。

音盤紀行

祖父の遺したレコードの秘密、禁制のポップ音楽を扱う地下レコード店、近未来のダイナーにおかれた古びたジュークボックス。レコードに込められた記憶と想いを辿る短篇集。

  • 薀蓄と答え合わせが満載なマニアック作品かと思っていたら、割と普遍的でしみじみとした人情&冒険的エピソードが五篇。
  • レコード好きが描いた、レコードの漫画。決まった主役はいない。狂言回しもいないオムニバスは珍しいなぁ。敢えて言うなら、レコードが主役。
  • レコード好きはみんな読むべき!最高!

ゴールデンカムイ

相棒、未来、誇り、同胞、家族、祝福、弔い、武士道。冒険・歴史・文化・狩猟グルメ・ホラー・GAG&LOVE! 全て生かした感情闇鍋ウエスタン大団円。

  • 登場人物が多いのに一人ひとりのキャラが立っていたので、途中迷子にならずに最後まで楽しむことができたのは見事。
  • 主要なキャラクターがどんどん居なくなっていって寂しかった。
  •  いやまじで最終巻は今年僕が読んだ書籍ランキング上位確実な 傑作なのです。

チ。 地球の運動について

「地動説」出版を目前に、審問官達に追い詰められつつも仲間の犠牲により包囲網を抜け出せたドゥラカとシュミット。しかしノヴァクが迫りくる!!一縷の望みを懸け、ドゥラカ達が向かう先とは。「真理」に命を懸けた者達の、そして「地動説」の結末は!?

  • 素晴らしい漫画だった。作中人物たちと同じように「好奇心」を刺激され、「感動」を覚え、「知性」に可能性を感じた。ここで描かれているのは哲学であり、信仰であり、歴史である。
  • 「いくら悩んで問うても神は口を開かない。だから永遠に、私達は考え続けられるのです。」 この言葉を忘れずにいたいと思います。
  • 単純ではないこの世で、人々は生き死にを繰り返し、その時代時代の制約に翻弄されながら、誰もが自身の生を模索し全うする。地球の人間の歴史に限りない畏敬の念を覚える。

参考情報