社会常識に囚われない生き方「お金の真理」

お金の真理

秒速で1億円稼ぐ男と呼ばれた時代の風雲児といえば与沢翼さん。
様々な黒歴史を抱えながら、巨万の富を築きあげた話題の著者が「ブチ抜く力」に続いて書いた半生記です。


普通、こうした前歴を持つ人物が書いた半生記は胡散臭さ満載ですが、お金と人生への向き合い方を逃げずに語る人生の「反省記」となっています。

「欲望のブラックホール」に飲み込まれないこと。 失敗した経験、恥をかいた経験は、その後の人生で必ず価値となる。
お金というものがどんなに人の心を惑わすのか、自分自身を見失わずに生きるためにはどんなことに気をつければ良いのか。
著者は、「破産し苦労を重ねたからそこ、お金と真摯に向き合い今がある」と語ります。
本書を読んで連想したのが、ディケンズの名作「クリスマスキャロル」です。
主人公のスクルージは血も涙もない守銭奴です。クリスマスの夜現れた亡霊に不思議な世界に連れて行かれ、絶望的な行く末を見せつけられることになります。気づきを得たスクルージは改心し、悪夢のような未来が、まだ変えることができる可能性があることを知るのです。

少額でも大切にしないとお金には愛されない。
常人には到達できない世界に触れた人しか語れない経験者の重みが感じられる本です。

この年代のこういった才人たちには何かある共通点のようなものがある気がしてなりません。

第一は学歴が悪くないこと。一時のように極貧の中から歯を食いしばって登ってきたという類のひとたちではないといえます。

第二は(与沢さんもそうなのですが)割と早い時期から成功するのですが、20代で仕事and/orプライベートで1度は痛い目にあっていることです。これも不思議に共通しています。

第三は人との交流や人脈作りに熱心でないことです。与沢さんなどはむしろ積極的に避けているようですね。

第四はプライベートはみんなビックリするくらい地味な生活を送っていることです。わたしのよく知るデザイナーも案件はもっぱらスタバのテラス席で考え、自分の家の中は必要最小限の家具しかなく、がらんどうのようです。

第五は国や組織への帰属意識が極端に低いということでしょうか。職業にもよりますが、社会常識に囚われないないひとが多く、年配のひとからは「無礼者」と嫌われているケースが少なくないようです。