2023年12月の 海外ミステリー 特選

フルタニ

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。 海外ミステリー を書きます。

書店は本との出会いの場。しかし、新刊や旧作、ベストセラーと並んだ中からどんな作品を選んだらよいか悩む人も多いのではないでしょうか。

おすすめ国内ミステリーを月別にご紹介します。

2023年12月発行の海外ミステリー

2023年12月に発売された海外ミステリー小説をご紹介します。

「ナッシング・マン」キャサリン・R・ハワード

本が、殺人鬼を狩る――! 作中作に仕掛けられた秘密とは?  巧緻に長けた異形の報復サスペンス! 12歳のイヴは、連続殺人犯〈ナッシング・マン〉に家族を惨殺された。唯一の生存者となった彼女は成人し、幸福だった人生をぶち壊しにした殺人鬼の正体をつきとめようと心に誓い、その経緯をまとめたノンフィクション小説『ナッシング・マン』を出版する。一方、偶然この本を読んだショッピング・モールの警備員ジム・ドイルは、作者が思った以上に真相に近づいていることを知り、焦燥感にかられていた。いてもたってもいられず、イヴが姿を見せるはずのサイン会へ向かうジム。一触即発の空気のなか、思いもよらぬ展開が待ち受けていた――。犯人解明への執念で綴られた一冊の本が凶悪な犯罪者をあぶり出す。巧緻に長けた圧巻の報復サスペンス小説、登場。

「ミステリウム」エリック・マコーマック

ある炭鉱町に、ひとりの男がやって来る。水の循環の研究者だというその男は、小川の水を調べ、廃坑になった炭鉱や町の歴史に興味を持ち、骨董屋の女性アンナの心を奪いもする。まもなく、共同墓地の墓石が破壊され、図書館の本に酸をかけられる異様な事件が続き殺人事件まで起きる。そして住人たちが次々に正体不明の病に侵されていく。伝染病か、飲料水に投げ込まれた毒か? マコーマックらしさ全開の不気味な奇想小説!

「ミセス・ハリス、国会へ行く」ポール・ギャリコ

本書は、1981年11月に刊行された『ハリスおばさん国会へ行く』(講談社文庫)を、現代向けに加筆修正し、角川文庫化したものです。原題:MRS HARRIS MP

「ハリケーンの季節」フェルナンダ・メルチョール

とある村で、〈魔女〉の死体が見つかる。彼女は村の女たちに薬草を処方し、堕胎もしてやっていた。彼女を殺したのは一体誰か–。暴力と貧困がはびこる現代メキシコの田舎を舞台に狂気と悲哀を描き、名だたる文学賞候補となった西語圏文壇新星による傑作長篇

「いきすぎた悪意」サンドラ・ブラウン

4年前に起きた暴行事件。早期釈放された加害者の男を探る、女性州検事と被害者の元夫。しかし、逆に追い詰められていき……。

「メアリ・ジキルと囚われのシャーロック・ホームズ」シオドラ・ゴス

ヨーロッパ大陸での大冒険から帰還したメアリ・ジキルら“モンスター娘”こと〈アテナ・クラブ〉の令嬢たち。ロンドンで彼女たちを待ち受けていたのは、メアリの雇い主である探偵シャーロック・ホームズと〈アテナ・クラブ〉のメイドのアリスが忽然と姿を消したという知らせだった。メアリたちはさっそくふたりの行方を捜すことに。そのころホームズはアリスとともに宿敵モリアーティに囚われていた。モリアーティの一味はホームズを生贄にして大地の力を操る古代エジプトの女王を復活させ、大英帝国の征服を企てていたのだ……! 古典名作をもとにしたSFミステリ三部作完結篇。

「殺人は展示する: 初版本図書館の事件簿」マーティ・ウィンゲイト

わたしはイングランドのバースにある、初版本協会のキュレーター。アガサ・クリスティなどのミステリの初版本を収める図書館をもつ協会の知名度を向上させるため、講演会の企画をついにスタートさせる。それと並行して、協会創設者の生涯がテーマの展覧会の準備に奮闘していると、事件が起きて……。原因はセイヤーズの『殺人は広告する』の最高に貴重な一冊に? 本を愛する人々に贈る、〈初版本図書館の事件簿〉シリーズ第2弾!

「潜水鐘に乗って」ルーシー・ウッド

48年前に事故で亡くなった夫に再び会うため、海に潜った老婦人が見たものは(表題作)。「語り部」と呼ばれながら物語を語れなくなった男が、ある男女を物語ツアーに案内したことで生まれる変化(「語り部の物語」)。そのほか巨人、精霊、願い事の樹、魔犬など、コーンウォールの多彩な伝承をモチーフに、現代に暮らす年齢も境遇もさまざまな人々が、現実と幻想のはざまで体験する特別な瞬間を鮮やかにとらえた12の物語。

「暗闇のサラ」カリン・スローター

暴行された女性の最期の言葉が、15年前に封印した悪夢を呼び覚ます―― 〈ウィル・トレント〉シリーズ最高峰! Disney+(ディズニープラス)でドラマ配信中! 〈ウィル・トレント〉シリーズ最新刊。 19歳の医学生がERに搬送され亡くなった。当直医サラは、生々しい暴行の跡が残る彼女から最期の言葉を託される。あいつを止めて、と。やがて起訴された男子学生の母親は、偶然にも研修医時代のサラの同僚で、裁判後の動揺の中で妙なことを口走った。今回の件は15年前のサラの事件につながっていると。サラの恋人で捜査官のウィルが捜査を開始するなか、再び大学生が失踪し――。

「禍根」パトリシア・コーンウェル

全米で絶大な人気を誇るパトリシア・コーンウェルの大ベストセラー「検屍官」シリーズ25作目。累計1300万部突破シリーズ待望の最新刊!

「贖いの血」マシュー・ヘッド

金の匂い(スメル・オブ・マネー)を嗅ぎつけた人々を引き寄せる、大富豪の地所〈ハッピー・クロフト〉。殺人、盗難、変死が続発し、平和な土地に暗雲が立ち込める……。事件関係者が口にした〈ビリー・ボーイ〉とは何者なのか?

「ブランディングズ城の救世主」P・G・ウッドハウス

静寂を好み、花々を愛(め)で、愛豚を慈しむ。都会の喧騒を嫌い、ブランディグズ城に帰ってきたエムズワース伯爵を待ち受ける災難。豚盗難計画や富豪令嬢の婚約問題など、次々と巻き起こる珍騒動を円満解決するためフレッド叔父さんが奮戦する。

「お城の人々」ジョーン・エイキン

医師と不思議な少女の恋を描いたおとぎばなしのような表題作ほか、犬と少女の奇妙な絆を描いた「ロブの飼い主」、お城に住む伯爵夫人対音楽教師のちょっぴりずれた攻防「よこしまな伯爵夫人に音楽を」、独特の皮肉と暖かさが同居する幽霊譚「ハープと自転車のためのソナタ」など、恐ろしくもあり、優しくもある人外たちと人間の関わりをテーマにした短編全十編を収録。ガーディアン賞、エドガー賞を受賞した著者の傑作短編集第三弾。

「天使は同じ夢を見る」エリカ・スピンドラー

5年前に起きた少女連続殺人事件。眠る天使のように美しい遺体から 犯人はSAK――スリーピング・エンジェル・キラーと呼ばれ世間を騒 がせ、事件は迷宮入りした。そして今、ふたたび少女が殺された。か つて目の前で犯人を取り逃がした刑事キットは、新たな相棒メアリーと 雪辱を果たすことを誓うも、直後にSAKを名乗る男から1本の電話 が入る。男は、自分の手口を真似した模倣犯を捕まえたいと言い……。

「永遠が終わる頃に」シャノン・マッケナ

35歳までに結婚しなければ、会社の経営権を剥奪する――祖母から の突然の命令に、富と名声を集める辣腕CEOケイレブは呆然とし た。仕事ひと筋で恋人もつくらずにいた自分に、たった2カ月でい ったいどうしろと? そこへ結婚相手として連れてこられたのは、 9年前に絶縁した元恋人ティルダ。彼女は取り引きとして契約結婚を 受け入れるが、ケイレブが知らない“ある秘密”を抱えていて……。

「アゼイ・メイヨと三つの事件」P・A・テイラー

粋で鯔背なボヘミアン、アゼイ・メイヨが挑む三つの難事件。〈ケープコッドのシャーロック・ホームズ〉の明晰な頭脳が不可能犯罪を解き明かす! 初訳作品を含む全三作収録の短編集。

  • マサチューセッツ州の秘暑地ケープコッドのシャーロックといわれるメイヨは、自由に生きてる粋な高齢者。持ち前のユーモアと謎解きがうまくブレンドされているようだ。

「もしも誰かを殺すなら」パトリック・レイン

無実を叫ぶ新聞記者に下された非情の死刑判決。彼を裁いた陪審員が人里離れた山荘で次々と無惨な死を遂げる……。閉鎖空間(クローズド・サークル)での連続殺人を描く本格ミステリ!

  • 誰?という勿れ。作者は、アリシア・レイノルズ・ロング。既に4冊の邦訳がある米国〈貸本系B級ミステリの女王)

「傷を抱えて闇を走れ」イーライ・クレイナー

貧困家庭に育ち、義父から虐待を受けている高校生ビリーは、劣悪な環境から逃れるため、プロのアメフト選手になろうともがいていた。だがシーズンが始まるまさにその日、自宅で義父の死体が発見される。容疑は、前日に義父と喧嘩していたビリーに向くが……。