その年のマンガランキングといえば「このマンガがすごい」。しかし漫画通がイチ押しする作品は万人受けするものばかりとは限りません。
そうした作品に光を当てた本があります。一番信用できるマンガランキングが掲載されているのが「フリースタイル」です。
THE BEST MANGA 2021 このマンガを読め！
1位：近藤ようこ、澁澤龍彦「高丘親王航海記」（KADOKAWA）
2位：田島列島「水は海に向かって流れる」（講談社）
3位：平庫ワカ「マイ・ブロークン・マリコ」（KADOKAWA）
4位：和山やま「カラオケ行こ！」（KADOKAWA）
5位：ダヴィッド・プリュドム、原正人「レベティコ」（サウザンブックス）
6位：和山やま「女の園の星」（祥伝社）
7位：都留泰作「竜女戦記」（平凡社）
8位：すぎむらしんいち「最後の遊覧船」（小学館）
9位：笹生那実「薔薇はシュラバで生まれる」（イースト・プレス）
10位：増村十七「バクちゃん」（KADOKAWA）
11位：灰田高鴻「スインギンドラゴンタイガーブギ」（講談社）
12位：上野顕太郎、手塚治虫「治虫の国のアリス」（マイクロマガジン社）
13位：山本美希「かしこくて勇気ある子ども」（リイド社）
14位：西村ツチカ「北極百貨店のコンシェルジュさん」（小学館）
15位：香山哲「ベルリンうわの空」（イースト・プレス）
16位：吾峠呼世晴「鬼滅の刃」（集英社）
16位：藤本タツキ「チェンソーマン」（集英社）
18位：衿沢世衣子「光の箱」（小学館）
19位：松苗あけみ「松苗あけみの少女まんが道」（ぶんか社）
20位：トマトスープ「ダンピアのおいしい冒険」（イースト・プレス）
このマンガを読め！
高丘親王航海記
澁澤龍彦の遺作となった小説を近藤ようこが描いた幻想世界。
ストーリーに既視感があると思ったら、若き頃に読んだ澁澤龍彦でした。絵になったらがっかりすることもままありますが、これは上出来以上。藤原薬子が親王にとってファムファタールであったことが、妖しく伝わります。
幼い頃に、父帝の寵姫であった藤原薬子より、寝物語で天竺の話を聞かされていた皇子・高丘親王は、長年、彼の地への憧憬を抱き続けていた。
それから数十年、成長した彼は夢を実現するために、エクゾティシズムに満ちた怪奇と幻想の旅に出立したのだった。
水は海に向かって流れる
新高校生になりおじさんの家でのシェアハウス生活。十年前父の不倫相手の娘さんも入居しており波乱の関係がはじまる。少年から老人まで人情の機微を描き出す家族ドラマの秀作。最も美しい恋の物語と評の最終巻。
3.マイ・ブロークン・マリコ
虐待を受けて育った女友達が亡くなるところから始まる物語。主人公は亡くなった女友達の遺骨を盗んで海を見せに旅に出る。読者の評価が真っ二つに割れる点に話題作の持つオリジナリティを感じます。
4.カラオケ行こ！
合唱部部長の聡実はヤクザの狂児にからまれて歌のレッスンを頼まれる。
彼は、絶対に歌がうまくなりたい狂児に毎週拉致されて嫌々ながら
歌唱指導を行うが、やがてふたりの間には奇妙な友情が芽生えてきて……?
5.レベティコ
フランス人作家が描く、第二次世界大戦直前のギリシャにおけるミュージシャンの受難と冒険の物語。オールカラーの絵の迫力が魂の歌声となって毒手の心を揺さぶります。
6位～20位
このマンガを読め！ まとめ
マンガの持つ無限の可能性を引き出しつづける独創的で個性的な作品。漫画が世代の垣根を越えて広がり続ける文化であることがよくわかります。多様な価値観を描き出す作品が読者に新たな気づきを与えてくれます。
【新刊】このミステリーがすごい ！2022選考対象作品リスト《国内編》 | 気持ちのスイッチ
