
皆さんは「どこにも行けないこの夏だから、読書に挑戦したい!」と思った事はありませんか?
そんな時に、お手軽に中身の濃い本を探す方法があります。それが『選書』です。雑誌の中には選書を特集しているものもあります。週刊東洋経済8月15日号もその一つ。さっそくリストを見てみましょう。
Contents
ハイエクで社会主義の理想と現実を知る

社会主義への道は「隷従への道」であり、社会主義化の先に待つものは全体主義でしかないと喝破したフリードリヒ・ハイエク。格差拡大を克服しながら自由競争が生むダイナミズムを生かす方法とは何か。
コロナ過は、私たちがこれまで無意識に過ごしてきた社会の仕組みや働き方、地域経済のかかわりが持つ表と裏の面を浮き彫りにしました。これまでの社会に代わる新しい世界は輪郭がまだはっきりしませんがその世界を見る視点となる本大阪大学大学院准教授の安田洋佑さんが選びました。
選書のポイントは「最先端の理論から古典名著まで」「著者の研究や経営の実績も重要」だとか。早速おススメの5冊を見ていきましょう。
アイデアの作り方
アイディアの作り方とは「既知のもの同士の組み合わせから生まれる」と著者のジェームス・W・ヤングは説明します。事物の関連性に注目し、バラバラに見える事柄を結び付ける能力が一役買います。それは5つの段階 ①データ(資料)集め、②データの咀嚼、③データの組み合わせ、④ユーレカ(発見した!)の瞬間、⑤アイディアのチェックの5段階である。
ラディカル・マーケット
私有財産を排除して共有財産にするという考えは社会主義的にも見えますが、著者が提唱するメカニズムは市場メカニズムをさらに活用できる発想であると説明します。「所有」に含まれる「使用する権利」と「所有物を奪われない権利」に切り分けるとイメージが見えてきます。財産の独占による回転率の低下を防ぐために、欲しい人が買い取ることができる仕組みといいます。
コーポレート・トランス
ガバナンス改革の重要性を説き続けてきた著者が既存ビジネスが抱える問題とその処方箋を提起します。
2020年6月30日にまたここで会おう 瀧本哲史伝説の東大講義
2019年に逝去したエンジェル投資家が2012年に東京大学で行った講義をもとに構成した本。よいものは大きくなり、ダメなものは淘汰される市場の判断の重要性を強調した。
隷従への道
貧富の格差が広がる中、経済を統制して無駄を省き、理想の社会を創造するべきだという社会主義。しかし、経済的自由の否定は、必然的に強権的な独裁者を作り出す。無自覚のまま社会主義の美辞麗句に踊らされるとその先にどんな悲劇が待ち受けているかがわかりやすく書かれた本。
安田洋佑さん
経済学者|大阪大学准教授 専門はゲーム理論、マーケットデザイン。関西テレビ「情報ランナー」・テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」コメンテーター。
「市場の限界」について、かなり気合を入れて書きました。現在進めている研究内容を一般向けに噛み砕いて紹介した記事です。結論は当たり前のように聞こえるかもしれませんが、経済学者にとっては「目から鱗」かも!?… https://t.co/HrRpD0265t
— 安田 洋祐 (@yagena) March 30, 2016