
自ら手掛けた二つの事業をもとに語られる堀江貴文さんのビジネス論です。
二つの事業とは、北海道にオープンさせたパン屋「小麦の奴隷」と、和牛の世界的なサプライヤー浜田寿人氏が立ち上げた「WAGYUMAFIA」です。
本書の冒頭は二つの実例をもとに、時代を生き抜くための方法論がわかりやすくまとめられています。
こだわりよりも結果がすべて
おいしいパンを作るためには仕込みが重要です。
パン職人が営むようなパン屋の中らは朝早くからネタ仕込みを行う店もあります。
職人の技術とこだわりがそうさせるのです。
そのため職人本人だけでなく、従業員も長時間労働に従事せざるを得ないことがおこります。
しかし、職人本人は納得しているかもしれませんが、実働14時間の重労働は全体に負担となってのしかかります。
これは、今の時代にあっていないのではないか。
堀江さんは、品質に大きな影響を与えない生地作りの部分を冷凍生地にすることにしました。
冷凍生地にすることで、品質の安定につながり時短でできた余裕をほかの作業にあてることができるようになりました。
これで同等の質が確保できるのであればそれでいい。
常識を疑い、合理的な道を見つけたら実行する。
堀江さんの経営哲学が読み取れます。
時代の変化に対応するには数多く打席に立つこと
これまで見向きもされなかった考え方が忌みを持つ時代になっています。
例えばフェアトレードなどがそれ。
フェアトレードは消費者受けは良くても、企業経営者からは快く思われていませんでした。
搾取の観点ではなく、消費者の意識の変化が起きています。
堀江さんは、この世界観を受け入れた者が勝ちだと考えます。
成功しようと思ったら、とにかく打席に立つこと。
打席に立つことで変化の兆しが見えてきます。
99回凡退しても、その変化の兆しを捉えることができれば試合を決めることができます。
経営者でない人でも、今のこの世の中をどのように生きてくかがわかる本になっています。
内容は本書の振り返りではなく、最近おきたSNSによるいじめに対する反応です。
いつも見る強気で斜に構えたホリエモンではなく、真剣なまなざしに共感を覚えました。
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