デザイン的な思考法に触れる入門書「ワンディエスキース」

One Day Esquisse
フルタニ
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。

どれだけシンプルなデザインであっても、何かが重なり合い、空気を含み存在している。その様子をじっくり観察してみると、色々なことや、形が見えてくる。

絵を描く才能はなくても、ものを観察し発見する能力は鍛えることが出来ます。テレビの世界は絵を描く才能がない者に居場所を与えてくれました。

One Day Esquisse:考える「視点」がみつかるデザインの教室: 日々の発想をかたちにする、見ること・つくることの練習

京都芸術大学(旧京都造形芸術大学)空間演出デザイン学科でゼミをもつデザイナーの著者が、今年4月1日から自主的にスタートした1日1問の出題形式のオンラインゼミ「One Day Esquisse(ワンデイ・エスキース)」。
本書は同ゼミで出題された課題と参加学生の作例、講師による講評コメントをもとに、自宅の環境や身近な素材からクリエイティブなアイデアを発想し、具体的な形やプレゼンテーションとしてアウトプットするための視点と手法を解説する書籍です。

約1ヶ月半にわたり実施されたゼミから課題をテーマごとに章立てし、出題の詳細内容と出題意図、学生の提出作品、作品に対する講評コメントを作品画像を中心にレイアウトされていて読みやすく、志向のトレーニングとはこういうことかが分かります。

解説文から考え方のヒントを読み解き、具体的な作例も制作意図とともに見ることができます。

また、各分野のゲスト講師たちによるユニークな課題の数々もあわせて紹介されていて、前向きなアドバイスから様々な気づきがもらえます。

どのような出題があったのでしょう。本の中から抜粋してみます。

  • 家の中から36色をピックアップし、特別な色見本を作成しなさい。
  • 新しい矢印を手書きで100個考えなさい。
  • 家の中でアルファベットを探し、書体見本帖を作りなさい。
  • いま必要なものをA4の紙一枚で誰でも作れるよう設計しなさい。
  • 家にあるもので、外を出ずにお隣さんに売れるものを考えなさい。
  • 携帯電話に入っている写真を見返して、わからないと思った写真を5枚えらび、自分なりのわからなさを説明すること。
  • 自分が見えなくなるくらい着込み、セルフポートレートを撮影する。
  • 家にある誰が見てもダサいプロダクトを探し、リデザインすること。
  • ベランダに出てなるべく遠くを撮影し、着目したものを拡大、編集して16ページの写真集を作りなさい。

本気でアートを身につけたいのなら、こうした視点で自分をきたえなくてはならないことが具体的に見えてきます。

自分の興味を発見する楽しさデザイナーには必ずしも「良い答え」が求められるわけではない。どうやってみる力を鍛えるか大きな流れを理解しつつ、ちゃんと疑う姿勢を持つことが大切だということがわかる本です。

できないこと、ネガティブなことでも、ただ我慢するのではなく、少し笑えるようにする。背中を押すようなことにできると、私たちの「作る」という行為も少しずつ肯定されていくのだと思います。

参加した学生さんの感想の中に、作ることの楽しさが見えるような気がします。