
ネットやソフトが急速に進化して、誰もが手軽にバナーやチラシ、ポスター作りができる時代がやってきました。シニア世代も例外ではありません。私も突然チラシやポスターをつくることになり慌てた想い出があります。
写真を撮り、レイアウトを工夫しなんとか完成した作品のあまりの下手さに、自分ながらあ然としました。
色の扱いが雑だったり、説明が多すぎたり、メッセージが伝わってこなかったり・・・。初心者が直面する悩みはどのように修正すべきか相談できる相手がいないことです。自己流で始めると結局回り道になってしまいます。
私のようにはじめてデザインに挑戦する人がつまづくポイントをわかりやすく解説してくれる本を紹介します。
Contents
素人ですが、デザインしてみました
チラシ・DM・グッズなど、デザイナーに頼めないけど見栄えよく作りたい! そんな時に役立つ、デザインのコツをマンガで楽しく紹介します。主人公のユッキーが素人ながらデザインに挑戦し、リアルなモノづくりからデザインが良くなるコツを1つずつ学んでいきます。初心者がやってしまいがちなミスから、文字の選び方や配置でグッと読みやすくなるポイント、写真や色の使い方などデザインのコツが満載です。デザイナーじゃなくても知っておきたいデザイン入門本です。
ひょんなことから喫茶店でアルバイトを始めた主人公の女性が、店長から頼まれたメニューやチラシ、ポスターなどを手がけるうちに上達していくストーリー。
初めての人にとっては、自分と似たような事情で失敗を繰り返す主人公トホホぶりの方が、情報が詰まったデザインの専門書より、わかりやすく頭に入ります。
印刷レイアウトの範囲がわからず、デザインが用紙からはみ出てしまったり。派手にしてくれという注文に応じたら使った色数が多すぎたり。本書で指摘された失敗は誰もがする失敗です。
引っかかった部分があるとするなら、デザインソフトについて全く触れられていなかった点です。主人公はデザインソフトを使ってデザインをすることになるはずなのですが、グラフィックソフトの記載がありません。グラフィックソフトの操作も初心者にとっては乗り越えなくてはならない難問の一つです。
さらにグラフィックソフトを操れる時点でかなり上級レベルの腕を持っていると思えるので設定が気になりました。
”プロでない人たち”にプロの技の基本をとってもわかりやすく説明してあります。またこの本ではポスター、チラシ&DMから始まりSPなどとても幅広く「デザイナーじゃない人」が一度は製作するであろうものをほぼ網羅してある点もおすすめです。
内容も大変わかりやすく、納得でき、漫画のストーリーだけでも楽しめるのでとてもいい作品でした!第2巻を楽しみにしております!
まとめ
私の場合は手本になるような事例集という本があるのですが、そうした本を手に入れてひたすらまねることでした。失敗しながら学ぶうちに写真や文字の配置、色味のバランス。コピーと説明文など、数をこなすと法則性というものが感じられるようになるものです。
「デザインにはコンセプトが大切」ということが分かるようになるまで、3年近くかかりました。失敗しながら学ぶという姿勢こそが本書が一番伝えたかったメッセージなのかもしれません。
京田クリエーション
デザイナー、イラストレーター、ディレクター、ライター、絵本作家など多ジャンルのクリエーターが所属し、創業40年以上の歴史を持つデザインプロダクション。企画立案からデザイン制作まで幅広く携わり、大手企業のPRツール(会社案内、広報誌)や販促物(チラシ、店頭POP、ポスター)などのグラフィックデザインをはじめ、絵本やパッケージなど、さまざまなデザインを手がけている。
原あいみさん
難しいことをわかりやすく“マンガ”で伝えることが得意なイラストレーター。近著に絵本『おにのこにこちゃんシリーズ』(ポプラ社)など。自身の妊活体験をマンガにした『運命のたまごはどこへ?』が、ムック『赤ちゃんが欲しい(主婦の友社)』にて連載されるなど、体験取材マンガを数多く発表している。京田クリエーション・東京オフィス所属。