
クイズ番組の担当をしたことがあります。制作する側に回ってみると出題を作るる作業は想像以上に過酷です。
クイズマニアでもない素人がクイズになりそうなテーマを探すだけでも大変なのに、裏をとる作業や出題を映像にする作業などを含め、スケジュールに納めなければならないからです。
そんな時助けてくれたのがリサーチャーのみなさんでした。
Contents
テレビリサーチャーという仕事

テレビリサーチャーは、情報バラエティー、教養、クイズ、ドラマ、ドキュメンタリーなど、さまざまな番組の制作者から依頼を受け、企画・取材・編集など、制作過程で必要となる多種多様なリサーチ(情報の収集・調査・確認)を担当している現在のテレビ番組制作にはなくてはならない存在です。仕事の実態や社会的な意義を紹介する、高校生や大学生に向けた初めての入門書。
- テレビを支える舞台裏の仕事がわかる
- ファクトチェックの手順がわかる
- 世界の今がわかる
情報のプロ
仕事を依頼して初めて知ったのが、リサーチャーという仕事の過酷さです。
私が働いていた頃はインターネットもなかった時代。情報現にたどり着くためには文献を漁ったり、情報を扱っていそうな人物を探り当てて直接電話で取材するしかありません。
スポーツ競技でいうと走り込みと似ています。時間をかけて地味な作業を続けることしかネタを取ることはできません。その仕事を365日ずっと続けているのがリサーチャーというプロだったのです。
情報を扱うプロの3原則
本書では様々な分野で活躍しているリサーチャーにインタビューしています。その中の一人喜多あおいさんが語るプロの三原則が注目です。
1 出典明記と原典主義 情報の出所をはっきりさせる
2 複数ソース主義 1カ所の情報源に頼らず、複数に当たる
3 アフターイメージ 情報が与える影響をイメージする
日本のテレビ業界でリサーチャーが活躍し始めたのは1980年代だといいます。この本を読んで初めて制作者の代わりになって情報収集を続けてきたプロの仕事を知ることが出来ました。
高橋直子さん
1972年、秋田県生まれ。國學院大學大学院文学研究科博士課程後期修了。博士(宗教学)。明治学院大学国際学部付属研究所研究員、テレビ番組制作リサーチャー。専攻は宗教学。著書に『オカルト番組はなぜ消えたのか――超能力からスピリチュアルまでのメディア分析』(青弓社)、共著に『媒介物の宗教史』(リトン)、『神道はどこへいくか』(ぺりかん社)など。
まとめ
テレビ業界をめざす若い人には読んで欲しい仕事の本です。