【選書】鹿島茂が薦める5冊・東洋経済8月15日号

フルタニ
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。

皆さんは「どこにも行けないこの夏だから、読書に挑戦したい!」と思った事はありませんか?

そんな時に、お手軽に中身の濃い本を探す方法があります。それが『選書』です。雑誌の中には選書を特集しているものもあります。週刊東洋経済8月15日号もその一つ。さっそくリストを見てみましょう。

優れた歴史地図は未来を考えるツールだ

「コロナ過の引きこもり状態で読むべき本」は書店に行って出合い頭に探す。と語るのが作家・フランス文学者の加島茂さんです。加島さんは読書家の中でも知られる書評家、兼、古書コレクターなので、並みの本好きにはついていけない選書眼があります。

今回選んだ本は「人の移動が生む価値を考える」「学問発達の成果に触れる」というのがポイントだとか。早速おススメの5冊を見ていきましょう。

ビジュアルマップ大図鑑 世界史

例えば14世紀に中国で発生し世界を襲ったペストはどのように広がっていったのか。パンデミックの流れは700年近く時間がたった今でも基本的には変わっていないことがわかります。歴史地図は未来を考える上で最高のツールです。

移民の世界史

パンデミックは人の移動で広まります。文化も経済も人が移動しないことには発展しません。循環してこそ価値が生まれ、歴史もまた形作られてきたことが読み取れます。

論点・西洋史学

歴史学は基本的に文字資料のみに拠りますが、近年各分野の学問が発達したことから通説が批判され、覆され始めています。しかし、その論争は歴史学の外部には伝わっていませんその問題を打破しようというのがこの本の狙いです。

ピジン・クレオル諸語の世界

ピジン言語(ピジンげんご、Pidgin language、または単にPidgin)とは、現地語を話す現地人と、現地語を話せず外国語を話す貿易商人などとの間で異言語間の意思疎通のために互換性のある代替単語で自然に作られた接触言語です。

tangoをつなぎ合わせただけの片言でも意味は十分通じる新しい言語から言語とは何か考えます。

百年戦争-中世ヨーロッパ最後の戦い

百年戦争とは1337年~1453年、イギリスとフランスとの間で断続的に行われた領地をめぐる戦争です。ジャンヌ=ダルクのオルレアン解放後はフランスが反攻に転じ、イギリスはカレーを除くすべての大陸領土を失って講和した。

この百年戦争がどのような変化を英仏にもたらしたのか。似たような国家が別々の国家に変化していくかたいが興味深く語られる本です。

鹿島茂さん

フランス文学者。元明治大学教授。専門は19世紀フランス文学。1949年、横浜市生まれ。1973年東京大学仏文科卒業。1978年同大学大学院人文科学研究科博士課程単位習得満期退学。元明治大学国際日本学部教授。