
「欲しいものが、欲しいわ」とは、今から32年前、糸井重里さんが西武百貨店のポスター用につくったキャッチコピーです。
ものが溢れるこの時代、買い物とはなんだろう。私たちはずっと物を買うことに悩んできました。
その悩みをいったん堰き止めて俯瞰した消費のガイドブックです。
Contents
2025年、人は「買い物」をしなくなる
見渡してみると、世の中にものは溢れるほどあります。
買い物をしなくなるというのは、欲望が消え去るという意味ではありません。
ものが多すぎて、主体的に選ぶことすら面倒になっているのが今という時代の特徴です。
これからの消費者は、「企業からモノを買う」「店でモノを買う」という意識が薄れていく。その代わりに、「人からモノを買う」ということが増える。
何を買っていいか分からないということは一種の飽食。情報の満腹感を引き起こします。わざわざ所有しなくても、利用できればいいという価値観がうまれます。
さらに一歩進むと選ぶ、探すも時間の無駄と考えるようになります。自分が欲しいモノを選ぶという感覚が失われます。
それでも人間が生きていけるのはサービスを支える通信やテクノロジーです。
テクノロジーに支えられたシェアリングサービスやサブスクリプションサービスはさらに発達しAIが選んだ物が自動的に送られてくるのです。
私たちは送られてきたサービスをお金を払って利用するだけ。つまりものを買わなくなります。
そこには今から32年前に「欲しいものが、欲しいわ」とつぶやかれた「渇き」の姿はありません。
技術の進歩の過程で新たに見直されることは多いだろう。その最たるものは、「人とのつながり」だ。
まとめ
シェアリングエコノミーやサブスクリプションといった新しいサービスについて解説された本は数多あります。
新しいサービスを消費する私たちの前にどのような未来が待っているのか、この本からその姿が垣間見える気がします。