人は努力しても変われない「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」

残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法
フルタニ
こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。暇を見つけては書店のお手伝いをしてます。

日本型経営が過去のものになり、終身雇用制度が揺らいでいます。サラリーマンの将来に見切りをつけフリーランスで生きていく人も増えています。ところがそのタイミングで世界を襲ったウイルスの恐怖。個人事業・スタートアップという道も最良の選択肢ではないことが露呈しました。

私たちはどのように生きていけばいいのでしょうか。

Contents

残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法

10年前の本です。でも新しい気づきが満載です。

現代の仕事は3つに分かれる。
1.稼げる仕事
2.誰にでも出来る仕事、マックジョブをして生活をする
3.自分の好きを仕事にして、生活する
稼げる仕事に就けなければ、マックジョブか、好きを仕事にするかの二択となってしまう。
これは残酷な世界である。

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元・宝島社の編集者でベストセラー作家の橘玲さんが2010年に書いた本です。2002年に著した「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」以来変わらない姿勢で、現代を生き延びる術、考え方のヒントを与えてくれます。

本書は香山リカさんと勝間和代さんの論争をきっかけに展開される「自己啓発論」がテーマになっています。

自己啓発の本質は、努力すれば報われるということ。ビジネスで成功するためには自分の好きを磨き続けることだといわれます。ブログでもそうですが、好きなことをテーマにひたすら書き続けることが成功への最短ルートというわけです。

著者は、二人の論争を俯瞰しながら内外の文献や事例を引用しながら「自己啓発」が語らない残酷な事実を明らかにします。

遺伝子が全て!自己啓発とか無意味!
世界は残酷だから自分の好きなことで
恐竜のしっぽの先みたいに人の少ないニッチで情報発信していこう

蛙の子は蛙で、変わりようがない。そういわれると身も蓋もありませんが、何も知らずに生きていくよりも、知ったうえで自分の人生を切り開いていった方が後悔が少ないように思います。

恐竜の尻尾の中に頭を探せ

巻頭で提示されるキーワードの一つが「恐竜の尻尾の中に頭を探せ」です。

iTuneのような音楽配信サービスでは、ごく少数のヒット曲に人気の大半が集中している。この部分を、恐竜の頭にたとえてショートヘッドという。それに対して尻尾(テール)には、あまり人気のない曲やぜんぜん知られていない曲がずらりと並んでいる。このテールはものすごく長くて、たとえばiTuneでダウンロードできる音楽は1200万曲を超えている(2010年現在)。

恐竜の尻尾のなかに頭を探せ! | しゅりーび茶屋

「ロングテール」とはネット時代のマーケティング戦略用語です。巨大ヒット作に代表されるような強力な才能がなくても、置き場所しだいでファンが付くことがあります。

短い期間で大量に売り上げるよりも、少量でも長い期間にわたって売り続けることができれば、売り上げの総和では互角に勝負できるかもしれません。

ロングテールのフラクタル構造に注目すると、話はすこしちがってくる。「負け組」とひとくくりにされるサブジャンルのなかにも「勝ち組(ショートヘッド)」がいて、さらにそのサブジャンルのテール部分に虫眼鏡を当てればやっぱり「勝ち組」が見つかるからだ。

伽藍からバザールへ

伽藍とは閉鎖空間のこと。バザールとは開放空間のことです。二つの世界では生き方。つまりゲームのルールが違うのです。このことを踏まえてずるがしこく振舞った方が勝ちだというのが著者の主張です。

特定の集団の中で生きることは伽藍の中で生きることと同義です。反対に自由な世界で生きることはバザールに例えられます。一度失敗してもリターンマッチは可能な社会です。アメリカの社会がそれです。

伽藍の世界 – 橘玲 公式BLOG

人生をどう生きていくのか、ゲームのルールをよく理解したうえで最適の場を選ぶことが決定的。努力だけでは乗り越えられない壁があることがこの本を読むうちに理解できるはずです。

まとめ

世の中が安定した時代にはロングテールを探し出すことは困難です。ところが世の中の秩序が破られる時、これまでにはなかった価値観が生まれることがあります。

そう考えると、世界を揺るがす混乱は、これから世の中に出て行こうとする人たちにとって千載一遇のチャンスのように見えてきます。

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