
「ハーバード白熱教室」で知られる政治哲学者マイケル・サンデルさんが書いた『これからの「正義」の話をしよう』という本があります。
公平中立な立場で番組を作らざるをえない放送局員にとって、正義とは何かを面と向かって問われるのは正直苦痛です。
裏を返せば苦痛から逃れるために様々な識者の話を聞きまわり、そのおこぼれをもらいながら仕事をしているのかもしれません。
Contents
「不道徳な経済学」

本書が「新しい」のは、来るべき社会を予見したからだけではない。私たちは「自由」な社会に生きている。その「自由」とはいったいどういうものかを徹底的に考えさせるところに本書のほんとうの魅力がある。
「言ってはいけない」「上級国民 下級国民」など、膨大な知識とシニカルな視点で私たちが生きている現代社会の矛盾を白日の下にさらし続ける作家、橘玲さん。
橘さんが手がけたのが、アメリカを代表するリバタリアンの政治経済学者ウォルター・ブロックの著作「Defending the Undefendable(擁護できないものを擁護する)」の翻訳です。
サンデル教授の『これからの「正義」の話をしよう』から10年――再来を遂げた「リバタリアニズム(自由原理主義)」とは?|Hayakawa Books & Magazines(β)
ディストピアを拒絶しユートピアを実現する、たったひとつの冴えたやりかた(なのか?) 橘玲「これからのリバタリアニズム」最終回|Hayakawa Books & Magazines(β)
まとめ
前書きにあるように「自由と人権はトレードオフ。ある原因によって傷ついた人の人権は守られるべきだが、別の原因によって傷ついた別の人権は無視していいのか。無視していいとするならばその分割線は誰がどこに引くのか」厄介な問題に気づいた人はこの本を手に取る価値がある。
みんなうすうす気づいている「言ってはいけない」ものの本質が少しは見えてきそうな気がします。