電気代ゼロ円時代がやってくる

こんにちは、フルタニです。放送局で番組作りをしてました。

様々な分野で価格破壊が進む今日この頃。大抵のことは驚かなくなりましたが、さすがにびっくりしたのは家庭で使用する電気代がゼロ円になるという話題。[1]「新旧電力バトルロイヤル」週刊ダイヤモンド2019.08.31

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電力小売全国自由化

これまで家庭で使う電気は、特定の電力会社からしか購入できませんでした。自由化により、事業者や料金メニュー、電気と他のサービスのセット販売などが選べるようになりました。

2016年(平成28年)4月1日以降は、電気の小売業への参入が全面自由化され、家庭や商店も含む全ての消費者が、電力会社や料金メニューを自由に選択できるようになりました。
つまり、ライフスタイルや価値観に合わせ、電気の売り手やサービスを自由に選べるようになったのです。

電力の小売全面自由化って何?|電力小売全面自由化|資源エネルギー庁

4年目を迎えた電力小売全国自由化は国内業者の競争だけかと思っていましたが、海外IT企業が触手を伸ばし始めているのだそうです。

テクノロジーの進化がモノの価格を限りなくゼロに近づけるといいます。クリス・アンダーソンが「フリーミアム」で書いていたように、「デジタルのものは、遅かれ早かれ無料になる」ということに尽きるからです。

IT企業が電気事業に参入

家庭の電気代がゼロになるという仕組みはどうなっているのでしょうか。

電気代は使った量だけ電力会社に払うのが私たち消費者が描くイメージです。

これに対して、IT企業が考えているのは、彼らが競って売り込みを進めている「スイートホーム」と呼ばれるサービスです。

AIを搭載したスピーカーに話しかけると、照明やテレビなどの家電を自動的に制御する仕組みです。

省エネや電気代の節約になります。

今わが国では、次世代電力量計「スマートメーター」の導入が進んでいます。顧客の30分ごとの電力使用データが記録されます。

これを分析すると利用者がいつどの家電をどれだけ使っているか、さらには利用者が家庭にいるかどうかも分かってしまうのです。顧客の生活を丸裸にする究極のデータともいわれています。

さらに、この仕組みに、従来IT企業が提供していた無料配達や動画配信のサービスを紐づけます。

すると電気代も一つのサービスに過ぎなくなります。

無料配達や動画配信はすでにサブスクリプションと呼ばれる定額で使えるサービスに置き換わっています。電力代もセット料金に含めてしまえば年会費の中に含まれ、「電気代」という名目で支払う必要がなくなるのです。

さらにIT企業はクラウド上に張り巡らせたサーバーを提供するサービス料を収益の柱にしています。データを使う利用者が増えれば増えるほどもうかる仕組みです。

電気代ゼロ円のまとめ

電気事業に参入する企業は発電や送電といった設備維持に手を出す必要はありません。以上、まとめてみると様々ながっちりがあります。

  • スイートホームで手に入れた顧客情報でがっちり
  • AI制御による電気代節約でがっちり
  • セット料金でがっちり
  • サーバー利用料でがっちり
  • 施設維持の負担がゼロ

消費者にとっては契約した分だけ料金を負担する時代がやってきそうですが、その裏側の仕組みを見ると、社会の仕組みが大きく変わる不安も感じられます。

週刊ダイヤモンド

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1 「新旧電力バトルロイヤル」週刊ダイヤモンド2019.08.31
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